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  • 更新日 : 2021年11月29日

企業年金制度は3種類!それぞれの特徴を解説

企業年金制度は、年金制度の一つです。年金制度は大きく1階部分の「基礎年金」、2階部分の「被用者年金」、そして3階部分の「企業年金」に分けられます。

さらに、企業年金には「厚生年金基金」「確定給付企業年金」「確定拠出年金」の3種類の企業年金制度が存在します。本稿ではこれら3種類の企業年金制度について、その特徴を解説いたします。

企業年金制度の主役だった厚生年金基金

厚生年金基金とは、企業が厚生労働大臣の認可を受けて設立する法人です。国の年金給付のうち老齢厚生年金の一部を代行し、厚生年金基金独自の上乗せ(プラスアルファ)をして年金給付が行われるという特徴があります。

プラスアルファがあることからもわかるように、加入者の年金額の増加を図るのが主な趣旨です。

しかし昨今では、運用環境の悪化により大幅な運用赤字にあえぐ基金が増えているのが現実です。そのため、財政が悪化した厚生年金基金は後述する確定給付企業年金に移行するために代行部分を国に返上したり解散するなどしています。法改正により2014年4月以降は新規設立ができなくなったため、厚生年金基金の歴史的な役割は終わりを告げたと言ってよいでしょう。

確定給付企業年金(DB)について

確定給付企業年金は、運営形態により、「基金型」と「規約型」の2つに分けられます。

「基金型」は企業が厚生労働大臣の認可を受けて法人格のある企業年金基金を設立するもので、常時300名以上の加入者が見込まれる場合に認められる形態です。基金型は、上記の厚生年金基金の移行先として利用されますが代行部分はありません。

一方「規約型」は、労使合意の年金規約を制定し、厚生労働大臣の承認を受けるものとなっています。厚生年金基金制度での反省を踏まえ、代行を行わず、労使の合意によって柔軟に設計可能な企業年金制度として導入されました。

基金型にせよ規約型にせよ確定給付企業年金は給付額が確定しています。そのため、年金資産の積立不足が発生した場合には、企業には掛金を追加拠出する積立義務が課せられています。これを加入者の側から見れば、仮に年金資産の運用が悪化したとしても、約束された金額の給付を受けることができるため、安心できる制度だといえるでしょう。

税制上の優遇措置としては以下の点が挙げられます。

主な税務上の特典

・事業主が拠出した掛金は、全額損金算入可能
・従業員が拠出した掛金は、生命保険料控除
・運用中は年金資産に対し毎年特別法人税課税されるが、現在は凍結中であり、実質非課税
・給付を年金として受給した場合には公的年金等控除
・給付を一時金として受給した場合には、退職所得控除

確定給付企業年金における従業員のデメリット

・自分の年金資産額がいくらなのか不明確
・運用先を自分で選べない
・転職時に、転職先の確定給付企業年金へ移転するには、転職先に確定給付企業年金制度が存在し、かつポータビリティ制度を導入している必要があるなど、移転に制限がある
・資産運用に失敗し、積立不足となった場合には約束された給付金額が引き下げられる可能性がある。

確定拠出年金(DC)

確定拠出年金は大きく「企業型」と「個人型」に分けられ、いずれも規約を作成し、厚生労働大臣の承認を受ける必要があります。

「企業型」は、その名の通り企業が運営するものであり、掛金は原則として企業が拠出します。よく確定拠出年金が日本版401kなどと紹介されますが、アメリカの401kが老後のための自助努力による積立といった性質であるのに対し、日本の確定拠出年金は退職金としての色が濃い制度です。確定拠出年金の多くが、企業が掛金を拠出する企業型であることからもそのことがわかると思います。

さて、もう一つの「個人型」は国民年金基金連合会により運営され、掛金は加入者個人が拠出することになります。

以前の個人型は自営業者や企業年金制度のない従業員の方が加入できるものでした。しかし改正により平成29年1月からは、公務員や企業年金制度に加入している会社員、専業主婦(国民年金第3号被保険者)も加入できるようになりました。

給付額が変動すると言うと、リスクが高いように思うかもしれませんが、その代わり多くの税務上の特典が用意されています。

主な税務上の特典

・事業主の拠出した掛金は、全額損金算入可能
・従業員の拠出した掛金は、小規模企業共済等掛金控除
・運用中は年金資産に対し毎年特別法人税課税されるが、現在は凍結中であり、実質非課税
・給付を年金として受給した場合には公的年金等控除
・給付を一時金として受給した場合には、退職所得控除

従業員拠出の掛金は、確定給付企業年金の生命保険料控除より優遇された、小規模企業共済等掛金控除が利用できるため有利になっています。また、個人別に年金資産を管理しているため、自分の年金資産額がいくらかを把握でき、転職時の年金資産の移転も容易に行えます。

デメリットとしては、前述の給付額が変動するという点のほか、60歳までは引き出せないという点にも注意が必要です。

まとめ

企業年金制度である、厚生年金基金、確定給付企業年金、確定拠出年金の3つについて説明をいたしました。

どのタイプの企業年金制度を利用するかは、人それぞれであり、一概にこれがおススメとは言えないですが、企業年金制度それぞれの特徴やメリット・デメリットを理解して利用することが大切です。

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※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

監修:三井 啓介 (公認会計士 / 税理士)

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