• 更新日 : 2023年5月19日

【テンプレート付き】安全衛生管理規程とは?必要性や作成方法を解説!

【テンプレート付き】安全衛生管理規程とは?必要性や作成方法を解説!

労働災害は労働者の健康を損ない、最悪の場合は命を奪います。労働災害が発生した場合、法律上は事業主に無過失責任があるとされ、被災労働者や遺族に対する補償義務があります。

こうした事態を防ぐため、安全衛生管理規程は重要な役割を担っています。この記事では、安全衛生管理規程の定義や目的の他、テンプレートを提供するとともに作成方法などについて解説します。

安全衛生管理規程とは?

そもそも、安全衛生管理規程とはどのようなものなのでしょうか。まず、その定義と目的について説明します。

安全衛生管理規程の定義

安全衛生管理規程とは、労働安全衛生法や労働安全衛生規則に基づいて、事業者が事業場における労働者の安全と健康を確保するために作成する規程のことです。安全衛生管理規程には、事業場の安全衛生管理体制や具体的な防災措置、労働者の教育・健康診断などの内容が記載されます。

安全衛生管理規程の目的

安全衛生管理規程の目的は労働災害を防止し、快適な作業環境を整備することです。労働災害は労働者の健康を損なったり、命を奪ったりするだけでなく、事業者にも生産性の低下や損害賠償の負担などの経済的損失をもたらします。

労働基準法で定められている業務災害時の無過失の補償義務は労災保険で免責されますが、使用者に安全配慮義務違反がある場合は、被災労働者や遺族から民事訴訟で損害賠償を請求されることもあります。

そのため、事業者は労働安全衛生法や労働安全衛生規則に基づいて、事業場における安全衛生管理体制や具体的な防災措置、労働者の教育・健康診断などを記載した安全衛生管理規程を作成し、実施することが求められます。これにより、労働者は危険がない作業環境で安心して働けるようになり、事業者は労働災害の発生を防ぐことができます。

安全衛生管理規程はなぜ必要?

なぜ安全衛生管理規程が必要なのか、あらためて確認しておきましょう。

遵守しなければならない法律

安全衛生管理規程に関して遵守しなければならない主な法令は、労働安全衛生法と労働安全衛生規則です。

労働安全衛生法は、事業者に対して総括安全衛生管理者や安全管理者、衛生管理者、産業医などの選任、安全委員会や衛生委員会などの設置、危険物や有害物の取り扱いや職場環境の改善などの具体的な防災措置、労働者の教育や健康診断などの実施を義務付ける、国会で制定された法律です。

安全衛生に関して遵守しなければならない法律は、労働安全衛生法以外に作業環境測定法や消防法、電気事業法などがあり、多岐に亘ります。

労働安全衛生規則は国会で制定される法律ではなく、行政機関が制定するものです。労働安全衛生法に基づいて、事業場における具体的な安全衛生管理体制や防災措置、労働者の教育や健康診断などの細かいルールを定めています。

なお、労働基準法では安全衛生に関する事項は相対的必要記載事項とされており、事業場で定める場合は就業規則に必ず記載しなければなりません。安全衛生管理規程を定めた場合は就業規則の一部として扱われるため、労働基準監督署に提出する必要があります。

事故防止の観点

安全衛生管理規程は事故防止の観点で必要なものであり、労働者の安全と健康を確保するために、職場における作業方法や設備の管理、危険物の取り扱い、教育訓練などについて定めます。安全衛生管理規程に従って作業を行うことで、労働者は事故の発生を防ぐことができます。また、安全衛生管理規程は労働安全衛生法やその施行令・規則などの法令に基づいて作成されるため、法令違反によるペナルティを回避することにもつながります。

労働環境の改善

安全衛生管理規程は、労働環境の改善の観点でも必要なです。安全衛生管理規程には、労働者の作業環境に関する基準や目標が定められます。

例えば温度や湿度、照度、騒音などの物理的な要因や、化学物質や有害生物などの化学的・生物的な要因について、労働者が快適に作業できる範囲を示します。安全衛生管理規程に従って作業環境を整備することで、労働者はストレスや疲労を軽減し、作業効率や品質を向上させることができます。

また、安全衛生管理規程には労働者の意見や要望を反映させることができるため、労働者の満足度やモチベーションを高めることもできます。

安全衛生管理規程の作成方法

では、安全衛生管理規程はどのように作成すればよいのでしょうか。その手順について見ていきます。

作成に必要な情報をまとめる

安全衛生管理規程を作成する際は、まず規程に盛り込む情報を整理します。具体的には、事業場の安全衛生状況を把握するために、作業内容や設備、危険物、労働者の特性などについて調査・分析します。その際、現場の労働者や外部専門家の意見を聞くことも重要です。

労働安全衛生法を遵守した内容にする

次に、事業場における安全衛生管理体制や具体的な措置を定めます。それらは、労働安全衛生法などの法令を遵守していなければなりません。

労働安全衛生法には、安全衛生管理体制について定めがあります。安全衛生管理規程では安全衛生に関する方針を明確にし、総括安全衛生管理者や安全管理者、衛生管理者などの責任者を選任し、その権限と責務を明確にする必要があります。

労働安全衛生に関する法令には、労働安全衛生法以外に作業環境測定法や労働災害防止団体法、高圧ガス保安法、石油コンビナート等災害防止法、道路交通法、道路運送消防法、電気事業法、大気汚染防止法などがあり、多岐に亘ります。

これらの法令のうち、自社の事業場に関連する部分を抽出し、危険有害物別、機械設備別、作業別に分類した上で整理する必要があります。事業場で使用している機械や行われている作業内容について、法令でどのように規制されているか把握します。

テンプレートを活用する

事業場に潜在する問題点と関係する法令を把握したら、規程の素案を作成します。

その際は、テンプレートを活用するとよいでしょう。

安全衛生管理規程のテンプレートは、こちらから無料でダウンロードすることができます。

安全衛生管理規程に記載する内容

安全衛生管理規程に記載する内容の素案の一例として、以下のような章立てが挙げられます。

  • 第1章 総則
  • 第2章 安全衛生管理体制
  • 第3章 職務権限
  • 第4章 会議
  • 第5章 安全衛生教育
  • 第6章 日常安全衛生管理
  • 第7章 災害が発生した場合の措置
  • 第8章 表彰及び懲戒

それぞれの概要について解説します。

総則

安全衛生管理規程の目的、適用基準、会社と労働者の責務、主管部署を定めます。

安全衛生管理体制

総括安全衛生管理者、安全管理者、衛生管理者などの安全衛生担当者を選任し、それらの職務内容などを定めます。

職務権限

総括安全衛生管理者の権限、各安全衛生担当者の責務を明確にします。

会議

安全衛生委員会や部・課安全衛生会議、職場小集団活動などについて定めます。

安全衛生教育

安全衛生教育では教育訓練の実施の概要について、雇い入れ、作業内容変更時教育、監督者安全衛生教育などの種類を定めます。

リスク管理

日常安全衛生管理の項目では、リスク管理に関する事項を記載します。具体的には、設備機械などの点検整備、保護具・救急用具の適正使用・維持管理、作業の安全確保のための遵守事項、環境整備などについて記載します。

監査と評価の方法

日常安全衛生管理の項目では、リスク管理に関する事項を記載します。具体的には、設備機械などの点検整備、保護具・救急用具の適正使用・維持管理、作業の安全確保のための遵守事項、環境整備などについて明記します。

表彰及び懲戒

安全衛生活動推進の一環として、表彰・懲戒についても定めます。

安全衛生管理規程の遵守について – チェックポイント

安全衛生管理規程を作成しただけでは、労働者の安全と健康を確保し、快適な職場環境を作り出すことはできません。

確実に遵守するためのチェックポイントについて見ていきましょう。

社内外への周知

労働者が安全衛生管理規程を理解・遵守するためには、その周知が不可欠です。周知の方法としては、安全衛生教育や掲示板、社内報の活用が挙げられます。

社内だけでなく、取引先や協力会社などの社外関係者にも安全衛生管理規程を理解してもらうことが大切です。その方法として、契約書や見積書への記載、安全衛生マニュアルの作成・配布などが挙げられます。

定期的な点検や評価を行う

定期的な点検は、職場の危険性や有害性を把握し、防災措置の実施状況や効果を確認するために必要です。定期的な点検には安全巡視や安全診断、危険予知活動などを活用することができます。

安全衛生管理規程の適切性や有効性を検証し、必要に応じて改善するため、安全衛生目標の達成度や労働災害の発生状況、労働者の意識調査などから定期的に評価することも重要です。

問題を発見した場合の対応策を準備する

労働災害の発生や拡大を防ぎ、労働者の安全と健康を確保するためには、問題を発見した場合の対応策を準備しておかなければなりません。

緊急時の連絡方法や救護手段、事故原因の究明や再発防止の方法を明確にしておきましょう。その際は、関係者の意見や提案を聴取することが大切です。

違反時のペナルティを理解する

違反時のペナルティを理解することは、経営者や各安全衛生担当者の責任を明確にする上で重要です。労働安全衛生法や労働安全衛生規則などに基づいて、罰金や懲役などの刑事罰や行政処分が科せられることもあることを覚えておきましょう。

労働安全衛生法における多くの罰則は、違反した行為者だけでなく、その事業主体である法人や人も罰せられる両罰規程となっています。

関連する法改正を把握する

最新の安全衛生基準に沿って職場環境を整備するためには、関連する法改正を把握する必要があります。事務所衛生基準規則や労働安全衛生規則などでは、事務所内の温度や湿度、照度、騒音などの基準値が見直されたり、化学物質等の危険性や有害性等の表示・通知に関するルールが変更されたりすることもあります。

安全衛生管理規程の必要性や作成方法を知っておこう!

労働者の安全と健康を確保するとともに、快適な職場環境の形成を促進するために重要な役割を担う安全衛生管理規程の定義や目的、作成方法などについて解説しました。

安全衛生管理規程には作業遂行を円滑化し、生産性の向上を図れるというメリットがあります。提供した無料のテンプレートを活用し、安全衛生管理規程の作成に役立ててください。

よくある質問

安全衛生規程とは何ですか?

労働安全衛生法や労働安全衛生規則に基づいて、事業者が事業場における労働者の安全と健康を確保するために作成する規程のことです。詳しくはこちらをご覧ください。

安全衛生規程はなぜ必要ですか?

事故を防止して労働者の安全と健康を確保するとともに、労働環境の改善を図るためです。詳しくはこちらをご覧ください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

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