• 作成日 : 2023年3月17日

試用期間とは?労働条件や注意点を解説!

試用期間とは?労働条件や注意点を解説!

会社は労働者を採用して雇用契約書を取り交わす際に、本採用の前段階として試用期間を設ける場合が多くあります。試用期間を設けることが、採用した労働者の適性や能力、勤務態度などを把握するために有効な期間だということがわかっているからです。

試用期間のルール、そのメリットやデメリット、注意点などについて確認していきましょう。

試用期間とは

試用期間とは、採用した労働者について会社が一定期間を定めて能力・適性や人柄などを確認する期間です。逆に、労働者が自分の希望した業務内容や会社の雰囲気を確認して長く勤められるかどうかを判断する期間ともいえます。

では、試用期間の目的や期間の設定、言葉が似ていてよく間違える「研修期間」、「見習い期間」などとの違いについて見ていきましょう。

試用期間の目的

試用期間は、採用した人について、いきなり本採用ではなく一定の期間を定めてその人の能力・適性や人柄などを確認して本採用しても良いかどうかを判断することを目的として設けられます。

人材の長期雇用を考える中で採用した労働者のチェックを行うための期間といえます。

試用期間の一般的な期間の定めは?

試用期間の長さについては法律で明確に決められているわけではありません。

一般的には3ヶ月〜6ヶ月の期間を設定する場合が多いです。しかし、会社によっては1ヶ月や1年とする会社もありますし、試用期間の延長が可能なように規定している会社もあります。

試用期間の設定は義務?

試用期間を設けることについては、労働基準法やその他の法律ではっきり定められているわけではありません。

ただし、会社のルールとして試用期間を設ける場合には、就業規則や雇用契約書に試用期間がある旨を明記しておく義務が発生します。

仮採用との違い

仮採用は会社によっては試用期間と同じ意味で使われることがあります。

また、本採用の仮決定と同じ意味合いで使われることもあるため、会社がどのような意味で使用しているのかを確認することが必要です。

研修期間との違い

研修期間は仕事をしていく上で必要になる技術や知識について、教育を受けながら独り立ちできるまで学ぶために設けられる期間です。

それに対して試用期間は従業員の適性などを見極める期間です。よって試用期間とは目的が異なります。

見習い期間との違い

見習い期間も会社によっては試用期間と同じ意味で使われることがあります。

この呼び方も会社によって試用期間と同様の意味で使っているのか、そうでないのかは会社に確認してみないとわからないので注意が必要です。

インターンとの違い

インターンは学生が就業体験や業界の研究目的で行うために設けられている制度で、継続雇用が前提ではありません。

試用期間との違いは継続雇用になっているかどうかです。

試用期間のメリット

試用期間にはどのようなメリットが考えられるでしょうか。

まず、採用試験の時にはわからなかった労働者の適性を判断することができます。採用試験時の筆記試験や面接試験だけでは、その人の人柄までを確認することができないからです。

また、労働者の実務を行う能力やスキルのレベルなどを試用期間の間に確認できるというところもメリットです。試用期間中の仕事ぶりが、今後長く勤めてもらうにあたっての適材適所を判断する一つの材料になることもあります。

試用期間のデメリット

試用期間のデメリットとしては、あまりにも試用期間を長く設定した場合には求職者に敬遠されるということがあります。働く側にとっては、試用期間が長いということは試用期間中に解雇の判断をされる期間が長くなるのではないかという不安が長く続くことになります。

また、労働者には試用期間中は解雇されるという不安があるので、委縮して本来の実力が発揮できない場合もあります。会社には、労働者が本来の実力を発揮しているかどうかを見極める必要が出てくるのです。

試用期間の注意点

ここからは、会社が試用期間を設けるうえで注意しておかなければならないことについて見ていきます。

試用期間中にクビ・解雇になることはある?

会社が試用期間中に労働者を解雇(クビ)にすることについては労働基準法で厳しい制限があります。

解雇(クビ)については「客観的に合理的な理由」「社会通念上の相当性」が認められなければ、労働者から訴えられた場合は無効になります。試用期間中であるからといって、会社は一方的に労働者を解雇(クビ)にすることはできないのです。

試用期間が過ぎた後の対応

試用期間の終了後、何もなければ通常は本採用になります。その際の労働条件については、通常は試用期間の開始時に労働契約が取り交わされていますので、その契約内容が継続されます。

ただし、試用期間開始時の雇用契約書や就業規則に特別な約束事が決められていた場合には、その内容により再度労働契約について話し合う場合もあります。試用期間開始時の契約内容を正確に労働者に伝えて本採用時にトラブルが起きないように注意しましょう。

試用期間を有効に活用しましょう

試用期間を設定するメリット・デメリットを理解して正しく活用することにより、人材を定着させ、会社のために活躍する人材を育成できるよう取り組んでいきましょう。

よくある質問

試用期間とはなんですか?

試用期間とは、採用した人について、一定の期間を定めてその人の能力・適性や人柄などを確認して本採用しても良いかどうかを判断するために設ける期間になります。詳しくはこちらをご覧ください。

試用期間のメリットはなんですか?

試用期間のメリットは、採用試験の機会だけではわからなかった労働者の適性や能力を判断できること、労働者の実務を行う能力やスキルのレベルなどを試用期間中に確認できることがあります。詳しくはこちらをご覧ください。


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