- 更新日 : 2024年11月1日
算定基礎届とは?対象者や提出先を解説
私たちは健康保険や厚生年金、介護保険などの社会保険に加入しています。そして、これら保険料は標準報酬月額をもとに算定されます。報酬は必ずしも一定ではないため、年に一度、標準報酬月額の見直しが行われます。その際に必要なのが算定基礎届です。本記事では、算定基礎届の対象者や書き方、提出先・提出期限についてご説明します。
目次
算定基礎届とは?
事業所に雇用されている従業員は、健康保険料や厚生年金保険料、介護保険料などを事業主と折半して支払っています。総称して社会保険料とも呼ばれるこれらの保険料は、事業主が従業員に支払う給与や賞与などの標準報酬に応じて金額が決められています。
報酬金額は区切りの良い範囲で区分され、その等級により保険料が決まるのです。例えば月額報酬の場合、健康保険ならば1~50等級(都道府県による)、厚生年金保険ならば1~32等級に区分されています。この等級を決めるために算定する報酬額を「標準報酬月額」といいます。
しかし、報酬は変動するものです。そこで1年に1回、従業員の報酬を計算し、正しい標準報酬月額を決定し直すことになっています。これを「定時決定」と呼び、この計算のために提出する書類を「算定基礎届」といいます。
引用:被保険者報酬月額算定基礎届70歳以上被用者算定基礎届|日本年金機構
算定基礎届については、以下の動画でも解説しています。
文字ではなく動画で理解したいという方はこちらご覧ください。
算定基礎届の対象者について
では、事業主が算定基礎届に記載しなければならない対象者はどのような人でしょうか。
結論から言えば、原則として、雇用している被保険者全員と70歳以上被用者が対象となります。(70歳以上被用者については後述します。)ただ、社会保険料の計算は所得税や住民税などと違い、一年間の合計所得をもとに計算するものではありません。そのため、雇用している期間などによっては、算定基礎届(定時決定)の対象とならない人もいます。ここでは、算定基礎届に記載する対象となる人とならない人について説明します。
算定基礎届の対象となる人について
さて、算定基礎届の対象となる人は、原則として事業主が雇用している被保険者全員と70歳以上被用者であると解説しました。正確には、被保険者では7月1日の時点で在籍している従業員が対象となります。なぜなら「標準報酬月額」は、事業主が4~6月の3ヶ月間に従業員に支払った報酬の平均額によって決まるからです。算定基礎届をもとに決定した「標準報酬月額」に一定の保険料率を掛けることにより、保険料が決定し、その年の9月から翌年8月まで適用されます。
なお、雇用されている間に70歳を超えた被保険者は、厚生年金における被保険者資格を喪失します。しかし「70歳以上被用者」という扱いになり、算定基礎届の対象にはなるため注意が必要です。ちなみに、健康保険は70歳を超えても75歳未満であれば、被保険者の資格があります。
算定基礎届の対象とならない人
一方で、以下の条件に当てはまる人は、算定基礎届の対象とはなりません。
- その年の6月1日以降7月1日までに雇われた(社会保険に加入した)人
- その年の6月30日以前に退職した人
- その年の7月改定の「月額変更届」を提出する人
- その年の8月または9月に「月額変更届」を提出する予定があると申し出た人
「月額変更届」とは、定時決定で決定した標準報酬月額の改定を行う際に、提出する届出のことです。昇給や降給などにより、固定的賃金に著しい変化があった場合、以下の条件を満たしていれば、月額変更届を提出し、標準報酬月額の随時改定を行うことができます。 なお、基本給の上昇に合わせて変動給が発生する場合は月額変更の対象となる可能性があります。
- 変動があった月から3ヶ月間の賃金支払基礎日数が足りていること
- 現在の標準報酬月額と変更後の標準報酬月額に2等級以上の差があること
ここでいう固定的賃金とは基本給や通勤手当、住宅手当など、支給額が毎月ほぼ決まっている手当などのことを言い、残業手当や深夜手当などの変動するものは含みません。
算定基礎届の対象となる報酬は?
事業主は従業員へ、労働への対価として、給与以外にも各種手当や賞与などの賃金を支払っています。また、金銭だけではなく社宅や寮などの住居・食事・被服・通勤定期・回数券・業務に必要な道具・自社製品などの現物支給を含め、さまざまなものを従業員に支給しています。しかし、これらのすべてが算定基礎届で報酬として扱われるわけではありません。
原則として、臨時で支給されるものについては報酬とは認められないのです。
算定基礎届で報酬として扱われるものとそうでないものの詳細は、以下のとおりです。
算定基礎届で報酬として扱われるもの
金銭による支給 | 基本給(月給、週休、日給など)、能率給、奨励給、役付手当、職階手当、特別勤務手当、勤務地手当、物価手当、日直手当、宿直手当、家族手当、扶養手当、休職手当、通勤手当、住宅手当、別居手当、早出残業手当、継続支給する見舞金、年4回以上の賞与 など |
現物による支給 | 大入袋、見舞金、解雇予告手当、退職手当、出張旅費、交際費、慶弔費、傷病手当金、労災保険の休業補償給付、 年3回以下の賞与(標準賞与額として、標準報酬月額とは別に算定されます。)など |
算定基礎届で報酬としては扱われないもの
金銭による支給 | 大入袋、見舞金、解雇予告手当、退職手当、出張旅費、交際費、慶弔費、傷病手当金、労災保険の休業補償給付、 年3回以下の賞与(標準賞与額として、標準報酬月額とは別に算定されます。)など |
現物による支給 | 制服、作業着(業務で使用するもの)、見舞品、食事(本人の負担額が、報酬として換算された額の2/3以上の場合) など |
引用:算定基礎届の記入・提出ガイドブック 令和3年度|日本年金機構
算定基礎届けの例
例1)
4月支給 | 5月支給 | 6月支給 | |
基本給(固定) | 220,000 | 220,000 | 220,000 |
役職手当(固定) | 30,000 | 30,000 | 30,000 |
残業代(変動) | |||
合計 | 250,000 | 250,000 | 250,000 |
※この3か月平均で9月保険料(10月支払)が決まります。
例2)
8月支給 | 9月支給 | 10月支給 | |
基本給(固定) | 200,000 | 200,000 | 200,000 |
役職手当(固定) | 30,000 | 30,000 | 30,000 |
残業代(変動) | 20,000 | 15,000 | 35,000 |
合計 | 250,000 | 245,000 | 265,000 |
※この3か月平均で9月保険料(10月支払)が決まります。
算定基礎届と月額変更届の違い
健康保険・厚生年金保険の保険料は、被保険者である従業員が毎月受け取る報酬を一定の基準に基づいて区分した標準報酬月額に基づいて決定されます。この標準報酬月額の決定は、原則として3つの方法によって行われます。
1つ目は従業員が雇用され、被保険者となった際の「資格取得時の決定」です。
これは、「被保険者資格取得届」を日本年金機構(事務センターまたは年金事務所)へ提出することによって行われます。
多くの事業所では毎年昇給があるため、これに対応した標準報酬月額の変更も必要になります。
これが2つ目の方法である毎年7月に行われる「定時決定」であり、毎年4月から6月までの給与に基づいて決定されます。その際、日本年金機構に提出するのが「算定基礎届」です。
3つ目として、事業所によっては従業員の業績などによって年度の途中で大幅に昇給したり、逆に降給したりすることもあります。
これに対応するために実施されるのが「随時改定(月額変更)」であり、3ヵ月連続して報酬に著しい変動があった場合に適用されます。これは「月額変更届」を提出することにより行われます。
社会保険料が決まるまでの流れ(定時決定)
社会保険料は、被保険者資格取得届による資格取得時決定によって決まります。
ここでは、その以降に毎年実施される定時決定によって社会保険料が決まるまでの流れを見ていきましょう。
1.日本年金機構からの届出用紙の送付
算定基礎届の用紙は、6月中旬以降に事業所へ順次発送されます。
この届出用紙には、5月中旬時点までに届け出られた被保険者の氏名や生年月日、従前の標準報酬月額などが印字されています。
2.対象者の確認
事業所では対象者を確認します。定時決定の対象は、7月1日時点で在籍するすべての被保険者です。
ただし、後述の通り6月30日までに退職した者や、6月1日以降に被保険者資格を取得した者などは除外されます。
3.報酬月額の算出
4月から6月までの3ヵ月間に支払われた報酬の総額を3で割り、その平均額を標準報酬月額とします。その際、支払基礎日数が17日以上ある月のみが対象となります。
4.算定基礎届の作成と提出
算出した報酬月額に基づいて算定基礎届を作成し、日本年金機構(事務センターまたは管轄の年金事務所)に提出します。算定基礎届の提出期限は、毎年7月10日までです。
10日が土曜日または日曜日の場合は、翌営業日が提出期限となります。提出方法には電子申請や電子媒体(CDまたはDVD)、郵送の他、窓口で直接提出する方法があります。
5.日本年金機構からの標準報酬月額決定通知書の送付
日本年金機構で事務処理が完了し、標準報酬月額が決定すると、7月中旬より順次「標準報酬月額決定通知書」が事業所に郵送されます。変更された標準報酬月額は、その年の9月から翌年8月までの各月に適用されます。
標準報酬月額の計算方法
1.事例の情報
年齢:40歳
勤務地:東京
基本給:45万円
通勤手当あり
残業代あり
4月 | 5月 | 6月 | |
---|---|---|---|
基本給 | 45万円 | 45万円 | 45万円 |
残業代 | 4万円 | 3万円 | 2万円 |
通勤手当 | 1万円 | 1万円 | 1万円 |
合計 | 50万円 | 49万円 | 48万円 |
2.健康保険の標準報酬月額の決定
まず、4月から6月までの各月の報酬額を計算します。標準報酬月額の決定に際しては、基本給に加えて残業代や通勤手当も「報酬となるもの」に含まれます。
4月の報酬額:45万円(基本給) + 4万円(残業代) + 1万円(通勤手当) = 50万円
5月の報酬額:45万円(基本給) + 3万円(残業代) + 1万円(通勤手当) = 49万円
6月の報酬額:45万円(基本給) + 2万円(残業代) + 1万円(通勤手当) = 48万円
次に、この3ヵ月の合計額と平均を計算します。
合計額:50万円 + 49万円 + 48万円 = 147万円
平均額:147万円 ÷ 3 = 49万円
この49万円を基に、標準報酬月額の等級を決定します。
東京都の令和6年3月分の健康保険の標準報酬月額表によると、30等級(48万5千円~51万5千円)に該当するため、標準報酬月額は50万円となります。
※東京都の標準報酬月額表(全国健康保険協会)
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/~/media/Files/shared/hokenryouritu/r6/ippan/r60213tokyo.pdf
3.厚生年金保険の標準報酬月額
東京都の令和6年3月分の厚生年金保険の標準報酬月額表によると、27等級(48万円以上~50万円未満)に該当するため、健康保険と同様に標準報酬月額は50万円となります。
4.健康保険料の計算
対象者は40歳で介護保険の第2号被保険者(40歳~64歳)であるため、健康保険料率9.98%に介護保険料率1.60%を加えた11.58%の保険料率を使用します。
標準報酬月額:50万円
健康保険料(全額):50万円 × 11.58% = 57,900円
健康保険料(折半額):57,900円 ÷ 2 = 28,950円
5.厚生年金保険料の計算
厚生年金保険料率は18.3%ですので、これに基づいて計算します。
標準報酬月額:50万円
厚生年金保険料(全額):50万円 × 18.3% = 91,500円
厚生年金保険料(折半額):91,500円 ÷ 2 = 45,750円
6.結果のまとめ
以上の結果をまとめると、以下のようになります。
①標準報酬月額
健康保険:30等級(標準報酬月額:50万円)
厚生年金保険:27等級(標準報酬月額:50万円)
②健康保険料(介護保険料込み)
全額:57,900円
折半額:28,950円
③厚生年金保険料
全額:91,500円
折半額:45,750円
標準報酬月額は年間平均で計算する場合もある
通常、標準報酬月額は資格取得時決定・定時決定・随時決定によって決められますが、例外的に従業員の給与が季節的に変動する場合などは、年間を通じた給与の平均を基に保険者が標準報酬月額を算定することができます。これを「保険者算定(年間平均)」といいます。
保険者算定が認められるのは、以下の3つ要件を満たしている場合です。
- 通常の方法(定時決定)で算出した標準報酬月額と年間平均で算出した標準報酬月額(前年の7月~当年の6月までに受けた報酬の月平均額から算出した標準報酬月額)の間に2等級以上の差が生じたこと
- この2等級以上の差が、業務の性質上例年発生することが見込まれること
- 被保険者が同意していること
参照:「算定基礎届の記入・提出ガイドブック 令和6年度」(日本年金機構)
例えば、以下のようなケースが該当します。
・4、5、6月の3ヵ月の平均
報酬月額 =(380,000円+380,000円+380,000円)÷ 3 = 380,000円
定時決定では、標準報酬月額が38万円となります。しかし、次のようなケースも考えられます。
・毎年4、5、6月が繁忙期にあたり、他の期間よりも報酬が増える業種(部署)の場合で前年の7月から当年の6月までの年間平均が320,875円
この場合、標準報酬月額を32万円と決定することができます。
年間平均で計算する場合の記入方法
主な提出書類は「健康保険・厚生年金保険被保険者月額算定基礎届」です。この届出書の記入においては、以下の点に注意が必要です。
- 算定対象月(4月、5月、6月)の報酬額を記入すること
- ⑱備考欄の「8.年間平均」を○で囲むこと
参照:「算定基礎届の記入・提出ガイドブック 令和6年度」(日本年金機構)
なお、「年間報酬の平均で算定することの申立書」及び「保険者算定申立に係る例年の状況、標準報酬月額の比較及び被保険者の同意等」を必ず添付しなければなりません。また、必要に応じて賃金台帳等の資料の提出を求められる場合があります。
算定基礎届の記入で注意が必要なケース
ここでは、定時決定の際の算定基礎届の記入において、特に注意が必要なケースとその対応方法について解説します。
4~6月の間に従業員が入社した
4月から6月までに新たに入社した従業員については、定時決定の対象となるかどうかがポイントとなります。
支払基礎日数に17日未満の月がある場合は、17日以上の月を対象とします。
例えば5月だけ17日未満の場合は、5月を除いた4月と6月の報酬の合計を月数となる「2」で割って報酬月額を算出します。
6月以降に従業員が入社した
6月以降に入社した従業員は、定時決定の対象外です。
この場合、算定基礎届を提出する必要はありません。新しく入社した従業員については、資格取得時の標準報酬月額が適用され、定時決定では変更が行われないため、誤って記入・提出しないように注意する必要があります。適用されるのは、翌年の定時決定からです。
従業員が6月30日に退職した
従業員が6月30日に退職した場合、算定基礎届の提出は不要です。
算定基礎届は7月1日時点で在職している従業員が対象であるため、6月末に退職した従業員は定時決定の対象外となります。この場合は、退職に伴う資格喪失手続きを行い、7月以降の社会保険料の変更を確認する必要があります。
育休や介護などで従業員の報酬額が0円になっている
従業員が育児休業や介護休業を取得している場合、報酬が0円であることがあります。
4、5、6月のいずれも支払基礎日数が17日未満のとなる場合があります。
この場合は、従前の標準報酬月額で決定します。0円となる月については、算定基礎届に報酬額を0円と記入し、総計及び平均額を記入する必要はありません。
7月以降に給与改定が行われる
給与改定が7月以降に予定されている場合、算定基礎届には4月から6月までの報酬額を基に記入します。
7月以降の給与改定は定時決定には反映されず、給与が大幅に増減した場合は、別途「月額変更届」による随時改定の手続きが必要になることがあります。
算定基礎届に記載する内容について
ここでは、算定基礎届の書き方をご説明します。
まず、用紙の上部にある「提出者記入欄」を確認します。一般的には、既に「事業所整理記号、事業所所在地、事業所名称、事業主氏名」が印字されています。電話番号欄には、必ず連絡のつく番号を記入します。
その下からは、用紙の番号に沿ってみていきましょう。
ここでも、算定基礎届の対象となる従業員については基本的な情報が既に印字されています。基本的な情報とは、用紙の(1)~(6)の部分です。
- 被保険者整理番号
- 被保険者氏名
- 生年月日
- 適用年月:令和4年(2022年)の場合、「令和4年9月」
- 従前の標準報酬月額:現在適用されている標準報酬月額の等級
- 従前改定月:前回社会保険料の改定があった月
(新たに被保険者となった場合や随時改定を行った場合、または昨年度の定時決定月)
引用:被保険者報酬月額算定基礎届70歳以上被用者算定基礎届|日本年金機構
情報の印字内容を確認し、最近雇用した従業員など、印字されていない従業員がいたら記入します。算入基礎届の1枚の用紙に記入できるのは5名までですので、対象者がそれ以上いる場合には複数枚使用します。
次に、従業員一人ひとりについて、⑩~⑮までを記入します。
10.給与計算の基礎日数
給与計算の基礎日数とは「支払基礎日数」と呼ばれ、給与の支給額を計算するもととなった日数のことです。給与の形態により数え方が異なります。
- 月給の場合:暦日数(欠勤控除がある場合は、賃金規定などで定められた所定労働日数から欠勤日数を引いた日数)
- 日給、時給の場合:出勤日数
11.通貨によるものの額
通貨(金銭)によって支払われた報酬の額を記入します。支給月は支給日をもとに判断します。例えば3月末締の給与を4月25日に支給した場合、4月の欄に記入します。
12.現物によるものの額
現物支給したものについて、金額に換算し、記入します。内容は前見出しの表をご参照ください。金額の換算は日本年金機構の「全国現物給与価額一覧表」に従って行います。
13.合計(11+12)
各月の合計を計算し、記入します。
14.総計(一定の基礎日数以上の月のみ)
(13)の3ヶ月の合計を記入します。このとき、支払基礎日数が17日以上の月のみ加算して合計を出します。
週の所定労働時間が通常の従業員の4分の3以上の短時間労働者で、17日以上の月がない場合は15日以上の月で計算します。15日以上の月もない場合は、従前の標準報酬月額を適用します。(保険者算定といいます。)
なお、支払基礎日数にかかわらず、パートタイム労働者には(16)備考の「7.パートタイム」にマルをつけます。
また、週の所定労働時間が通常の従業員の4分の3未満の短時間労働者は、11日以上の月で計算します。((16)備考の「6.短時間労働者(特定適用事業所等)」にマルをつけます。)
15.平均額
(14)を該当の月数で割って平均金額を出し、記入します。
記載例
引用:算定基礎届の記載例|日本年金機構
算定基礎届の提出先や提出期間は?
算定基礎届の用紙は、6月上旬~下旬に送られてきます。そして、提出期間は7月1日~10日となっています。ただし、曜日によっては10日の期限は数日ずれる場合があります。
提出については、用紙での提出と電子媒体での提出がありますが、電子媒体での提出には日本年金機構が提供する専用のプログラムが必要となります。
算定基礎届の用紙を使用した場合は、用紙に同封されていた返信用封筒を使用して日本年金機構の事務センターに郵送するか、管轄の年金事務所に提出します。
算定基礎届の作成から提出は、クラウドサービスの活用により効率化できます。
電子申請にも対応しているケースが多く、業務に負担を感じている企業は導入の検討をオススメします。
クラウドサービスの詳細については、下記ページを参考にしてください。
算定基礎届の正しい記載と提出が従業員の生活を守ります
算定基礎届は、標準報酬月額を算定する基礎となる重要な届出です。従業員が一年間支払う社会保険料、ひいては将来受け取る年金額に影響を与える重要な見直しが「定時決定」で行われるのです。ですから、事業主は被保険者である従業員について、漏れや間違いのないようにしっかりと算定基礎届の記載と提出を行わなければなりません。
よくある質問
算定基礎届とは?
健康保険や厚生年金、介護保険などの被保険者の標準報酬月額を算定し、保険料を決定するために提出する届出書です。年に1度、定期的に提出する必要があります。詳しくはこちらをご覧ください。
算定基礎届の対象となる報酬は?
算定基礎届に関しては変動給も含めた額で保険料が決定されます。詳しくはこちらをご覧ください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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