• 作成日 : 2022年4月8日

年末調整の障害者控除を受けるには?書類の書き方も解説!

年末調整の障害者控除を受けるには?書類の書き方も解説!

本人、配偶者、親や家族が障害者である場合、「障害者控除」の対象となります。年末調整で申告することで、課税金額を低く抑えて所得税負担を軽減することができます。控除を受けるには年末調整の書類に記入することが必要ですが、障害者が本人か、配偶者、親や家族なのかで、書き方は異なります。この記事では、障害者控除について、その概要から受けるために必要な書類の書き方まで詳しく解説します。

年末調整の障害者控除とは?

年末調整は1年間の所得税額を計算し、毎月の給料から差し引かれていた金額の合計額との差額を精算する手続です。所得税は、課税給与所得額に税率をかけて計算しますが、一定の金額は所得税の計算から除外されます。基礎控除扶養控除生命保険料控除といったものが課税給与所得額から差し引かれ、障害者控除もこうした控除のひとつです。本人、同一生計配偶者、親や家族が一定の障害者である場合に対象になり、所得税の負担を軽くすることができます。

障害者控除についてはこちらの記事でも説明していますので、参考にしてください。

年末調整における障害者控除の範囲は?

障害者控除の対象となるのは、以下のような人です。

    障害者控除の対象者

  1. 精神上の障害により物事の善悪の理解や、適切な行動ができない人
  2. 児童相談所・知的障害者更生相談所・精神障害者保健福祉センター・精神保健指定医から知的障害者と判定された人
  3. 精神障害者保健福祉手帳の交付を受けている人
  4. 身体障害者手帳に、身体上の障害がある者として記載されている人
  5. 戦傷病者手帳の交付を受けている人
  6. 原子爆弾被爆者として厚生労働大臣の認定を受けている人
  7. 常に就床を要し、複雑な介護が必要な人
  8. 精神または身体に障害のある年齢65歳以上の人で、その障害の程度が上記の①②④に該当する人と同程度である人として市町村、特別区の区長や福祉事務所長の認定を受けている人

障害者手帳がなくても障害者控除は受けられる?

障害者控除の対象となる程度の障害があることが明らかである場合には、年末調整時に身体障害者手帳などがなくても障害者控除を受けることができます。手帳の交付を申請中である場合や医師の診断書の交付を受けている場合がこれに該当します。このような場合は、手帳の申請に使用した診断書のコピーなどを添付し、障害の程度を証明することが求められます。

反対に手帳があっても障害者控除を受けられない場合もあります。身体障害者手帳は、6級より重い程度の障害がある身体障害者に交付されるため、7級より軽い障害の身体障害者は、障害者控除を受けることはできません。

年末調整の障害者控除で控除される金額は?

年末調整の障害者控除で課税金額から差し引かれる金額は、控除対象障害者の障害の程度や、障害が重い障害者と同居しているかどうかで、以下の3つの金額のいずれかになります。

障害者控除の金額

障害者の区分控除額
一般の障害者27万円
特別障害者40万円
同居特別障害者75万円

「特別障害者」は上記、障害者控除の対象となる障害者のうち、次のような人です。

(1)のすべての人
(2)のうち重度の知的障害者と判定された人
(3)のうち障害等級が1級の人
(4)のうち障害の程度が1級か2級の人
(5)のうち障害の程度が恩給法別表第1号表ノ2の特別項症から第3項症までの人
(6)のすべての人
(7)のうち(1)(2)(4)と同程度の人

また「同居特別障害者」は、次のような同居している特別障害者です。

  • 本人と同居
  • 生計を一つにしている配偶者や親族と同居

年末調整の障害者控除の書き方は?

年末調整で障害者控除を受けるには、書類に必要事項を記入して申告する必要があります。以下のように障害者控除を申告するための記入欄は、「給与所得者の扶養控除等申告書」にあります。

給与所得者の扶養控除等(異動)申告書

参照:国税庁「令和3年分給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」

本人が控除対象障害者である場合

控除対象障害者が、本人である場合の記入方法は、以下の通りです。

本人が一般の障害者である場合

本人が一般の障害者である場合

  1. 障害者控除のチェックボックスにチェックします。
  2. 表の「本人・一般障害者」欄にチェックします。
  3. 内容記入欄に「障害者控除対象者氏名・等級・障害者手帳交付年月日」を記入します。

本人が特別障害者である場合

本人が特別障害者である場合

  1. 障害者控除のチェックボックスにチェックします。
  2. 表の「本人・特別障害者」欄にチェックします。
  3. 内容記入欄に「障害者控除対象者氏名・等級・障害者手帳交付年月日」を記入します。

配偶者が控除対象障害者である場合

控除対象障害者が配偶者である場合の記入方法は、以下の通りです。

配偶者が一般の障害者である場合

配偶者が一般の障害者である場合

  1. 障害者控除のチェックボックスにチェックします。
  2. 表の「同一生計配偶者・一般障害者」欄にチェックします。
  3. 内容記入欄に「障害者控除対象者氏名・等級・障害者手帳交付年月日」を記入します。

配偶者が特別障害者である場合

配偶者が特別障害者である場合

  1. 障害者控除のチェックボックスにチェックします。
  2. 表の「同一生計配偶者・特別障害者」欄にチェックします。
  3. 内容記入欄に「障害者控除対象者氏名・等級・障害者手帳交付年月日」を記入します。

配偶者が同居特別障害者である場合

配偶者が同居特別障害者である場合

  1. 障害者控除のチェックボックスにチェックします。
  2. 表の「同一生計配偶者・同居特別障害者」欄にチェックします。
  3. 内容記入欄に「障害者控除対象者氏名・等級・障害者手帳交付年月日」を記入します。

親や家族が控除対象障害者である場合

控除対象障害者が親や家族である場合の記入方法は、以下の通りです。

親や家族が一般の障害者である場合

親や家族が一般の障害者である場合

  1. 障害者控除のチェックボックスにチェックします。
  2. 表の「扶養親族・一般障害者」欄にチェックし、人数を記入します。
  3. 内容記入欄に「障害者控除対象者氏名・等級・障害者手帳交付年月日」を記入します。

親や家族が特別障害者である場合

親や家族が特別障害者である場合

  1. 障害者控除のチェックボックスにチェックします。
  2. 表の「扶養親族・特別障害者」欄にチェックし、人数を記入します。
  3. 内容記入欄に「障害者控除対象者氏名・等級・障害者手帳交付年月日」を記入します。

親や家族が同居特別障害者である場合

親や家族が同居特別障害者である場合

  1. 障害者控除のチェックボックスにチェックします。
  2. 表の「扶養親族・同居特別障害者」欄にチェックし、人数を記入します。
  3. 内容記入欄に「障害者控除対象者氏名・等級・障害者手帳交付年月日」を記入します。

年末調整の障害者控除を受けるのを忘れたときは?

年末調整で障害者控除の申告を忘れた場合には、確定申告で申告を修正することができます。改めて正しい内容での申告を行うことで障害者控除を受けることができ、払い過ぎとなった所得税が還付されます。確定申告は、毎年2月16日から3月15日までですが、還付を申告する場合は2月16日より前でも受け付けられます。

ただし、年末調整の書類に記入し忘れたとしても、会社によって修正が行われている場合もあります。前年の年末調整データをもとに、障害者控除も変更がないものとして年末調整を行っているケースです。源泉徴収票を見て障害者控除の有無を確認し、記載があれば会社に問い合わせることをおすすめします。

障害者控除が受けられる場合は年末調整で申告しよう

一定の障害者は、所得税計算において障害者控除の対象となり、税負担を軽くすることができます。障害者控除の金額は、一般障害者は27万円、特別障害者は40万円、同居特別障害者は75万円です。年末調整で障害者控除を受けるには、書類に記入して提出することが必要です。障害者控除記入欄は、扶養控除等申告書にあります。

障害者控除記入欄には、対象となる障害者控除の種類にチェックを入れたり、内容を記入したりして申告します。障害者控除対象者が一般障害者と特別障害者のどちらに該当するか、本人・配偶者・親や家族のいずれであるかを正確に申告するため、間違えずに正しい場所にチェックすることが大切です。

よくある質問

年末調整の障害者控除とは?

本人や配偶者、親などの家族が一定の障害者の場合に受けることができる、所得税が軽減される制度です。詳しくはこちらをご覧ください。

障害者控除で控除される金額は?

障害の程度や同居・非同居によって異なり、一般の障害者は27万円、特別障害者は40万円、同居特別障害者は75万円です。詳しくはこちらをご覧ください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

監修:坪 義生(社会保険労務士)

じんじ労務経営研究所代表(社会保険労務士登録)、労働保険事務組合 鎌ヶ谷経営労務管理協会会長、清和大学法学部非常勤講師、「月刊人事マネジメント」(㈱ビジネスパブリッシング)取材記者。社会保険診療報酬支払基金、衆議院議員秘書、㈱矢野経済研究所、等を経て、91年、じんじ労務経営研究所を開設。同年より、企業のトップ・人事担当者を中心に人事制度を取材・執筆するほか、中小企業の労働社会保険業務、自治体管理職研修の講師など広範に活動。著書に『社会保険・労働保険の実務 疑問解決マニュアル』(三修社)、『管理者のための労務管理のしくみと実務マニュアル』(三修社)、『リーダー部課長のための最新ビジネス法律常識ハンドブック』(日本実業出版社、共著)などがある。

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