- 更新日 : 2026年6月3日
【2026年・令和8年】給与所得者の扶養控除等(異動)申告書の訂正方法
紙なら二重線で正しい内容を記入し、電子申請なら再提出で対応します。
- 紙の訂正:修正液は不可・二重線で訂正し正しい内容を追記する
- 電子申請:システムで該当箇所を修正し「再提出」ボタンで完了
- 訂正後の対応:必ず勤務先に再提出しないと税額調整は行われない
年末調整が終わった後に訂正が必要になった場合、1月31日までであれば会社で再計算が可能です。源泉徴収票の発行後や2月1日以降は会社での修正が困難なため、本人が確定申告で調整する必要があります。
給与所得者の扶養控除等(異動)申告書は、所得税の計算において扶養親族がいる場合に控除を受けるために必要な書類です。記載内容に誤りがあった場合や、扶養親族の状況に変更があった場合には、訂正の手続きを行う必要があります。本記事では、2026年最新の情報に基づき、扶養控除等(異動)申告書の訂正方法について、わかりやすく解説します。
※本記事の内容は2025年12月公表の税制改正大綱をもとにしています。税制改正大綱は自民党が毎年12月頃に発表する改正のドラフトであり、国会での審議を経て翌年春頃に法律として制定されます。最終的に制定された法律の内容と異なる場合があります。
目次
給与所得者の扶養控除等(異動)申告書とは?
給与所得者の扶養控除等(異動)申告書は、会社員やアルバイト・パートなど給与の支払いを受ける人が、その年の最初の給与の支払いを受ける日の前日までに、給与の支払者に提出する書類です。この申告書を通じて、給与の支払者は従業員の扶養親族等の状況を把握し、源泉徴収税額を適切に計算します。もしこの情報が正確でなければ、年間の所得税額にずれが生じ、年末調整で過不足が生じる可能性があります。
参考:A2-1 給与所得者の扶養控除等の(異動)申告|国税庁
申告書の提出は義務?
原則として、給与所得のあるすべての人が、扶養控除等の対象となる親族がいるかどうかにかかわらず、この申告書を勤務先に提出する必要があります。これは、給与支払者が従業員の所得税を源泉徴収する上で、基礎となる情報を提供するためです。
また、転職した場合など、新たに給与の支払いを受けることになった際にも、原則として新しい勤務先にこの申告書を提出する必要があります。
この手続きを怠ると、適切な税額が源泉徴収されず、後々になって納税額の不足が判明する可能性も考えられます。
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給与所得者の扶養控除等(異動)申告書の訂正が必要なケース
扶養控除等(異動)申告書の訂正が必要になる具体的なケースを把握しておきましょう。
扶養親族が増加した場合
結婚によって配偶者が扶養の要件を満たすようになった場合や子の出生または養子縁組により新たな扶養親族が増えた場合、これまで独立していた親族が収入要件を満たし扶養されるようになった場合、あるいは同居を開始した親族が扶養の要件を満たすようになった場合などが該当します。
これらの状況の変化は、扶養控除の適用や、特定扶養親族、老人扶養親族といった区分に該当するかどうかに影響を与えるため、申告書への追加記載が必要です。
扶養親族が減少した場合
扶養していた親族が就職や収入増加により扶養の要件を満たさなくなった場合や離婚によって配偶者が扶養親族でなくなった場合、死亡した場合、あるいは年齢や親族関係が特定の扶養控除の要件を満たさなくなった場合などが該当します。
これらの変化は、扶養控除の適用資格を失わせるため、申告書からの削除または情報の修正が必要です。
配偶者の所得の変動があった場合
配偶者の年間所得見込み額が、これらの控除の限度額を超過する場合、または新たに限度額内に収まるようになった場合には、「給与所得者の配偶者控除等申告書」の記載内容を訂正する必要があります。
特に、配偶者特別控除の適用範囲は納税者本人の所得にも影響を受けるため、配偶者の所得変動と合わせて自分の所得状況も考慮する必要があります。
住所、氏名、その他の記載事項に誤りがあった場合
申告書を提出した後、住所が変更になった場合や、氏名、マイナンバー、生年月日などの基本情報に誤りがあったことが判明した場合も、訂正が必要です。特に住所は、住民税の課税にも関わる重要な情報ですので、変更があった場合は速やかに届け出るようにしましょう。
また、誤ったマイナンバーを記載してしまうと、税務署での手続きに支障が出る可能性もありますので、注意が必要です。
【紙で提出】扶養控除等(異動)申告書の訂正方法
紙媒体で提出した申告書を訂正する際は、訂正方法に一定のルールがあり、誤った方法で修正を行うと、再提出を求められる場合がありますので、注意が必要です。
まず、誤記があった箇所には修正液や修正テープは使用せず、二重線で訂正します。これは公文書としての扱いに準じたもので、原本性を維持するための決まりです。二重線は丁寧に引き、訂正箇所が明確に判読できるように心がけます。
次に、その近くの余白に正しい情報を記載します。例えば生年月日や続柄、氏名などを修正する場合には、見やすい形で追記してください。
訂正印(個人印)の押印は、法令上は義務ではありません。ただし、企業によっては訂正箇所に印を求めるケースがありますので、社内ルールに準拠して対応しましょう。
もし訂正箇所が多い、もしくは複雑な場合は、新しい用紙を使用し、最初から正しい情報を記載して再提出する方が望ましいといえます。
【システム申請】扶養控除等(異動)申告書の訂正方法
システムを利用して提出した扶養控除等(異動)申告書の訂正は、専用のシステムを通じて行う必要があります。紙での修正は不可となっており、システム上で完結する仕組みです。
たとえば、マネーフォワードクラウド給与、弥生給与、freeeなどの給与ソフトを使用している場合、提出済みの申告書の一覧から該当の書類を選択し、該当箇所を修正後に「再提出」するという流れが一般的です。
提出先の勤務先や、税務署側の承認プロセスが必要になるケースもあるため、修正を行う前に勤務先の人事・総務部門と一度相談することをおすすめします。
扶養控除等(異動)申告書を訂正するタイミング
申告書の訂正で理想的なのは年末調整の前です。毎年12月に行われる年末調整に間に合うよう、11月中にはすべての情報が最新かつ正確になっていることが望まれます。これにより、源泉徴収税額の過不足を正確に清算できます。
もし年末調整後に異動や誤りが判明した場合も、焦らず対応すれば大丈夫です。勤務先によっては年末調整の再計算に応じてくれることもあります。ただし、源泉徴収票の発行後であったり、既に税務署に報告済みであったりする場合は、確定申告での調整が必要になります。
いずれの場合も、誤った内容を放置することで不適正な課税が生じることを避けるため、早めの確認と申告が求められます。
【令和8年税制改正】扶養控除と配偶者控除の所得制限の引き上げ
令和8年度税制改正大綱(2025年12月公表)により、扶養控除と配偶者控除の所得制限額が令和7年分からさらに引き上げられます。
これらの変更により、令和8年分(2026年分)以後の扶養控除等(異動)申告書では、新しい所得制限に基づいて扶養親族や配偶者の情報を確認・記載する必要があります。
「特定親族特別控除」の導入
2025年(令和7年)からは、19歳から22歳までの扶養親族を対象とした「特定親族特別控除」が新たに導入されています。
この控除の対象となる扶養親族の年間合計所得金額は、62万円超123万円以下(給与収入のみの場合は136万円超197万円以下)の範囲です。
この新しい控除に対応するため、扶養控除等(異動)申告書には、「特定親族特別控除」を申告するための新しい欄が設けられています。該当する扶養親族がいる場合は、この新しい区分で申告する必要があります。
基礎控除と給与所得控除の引き上げによる申告書への影響
令和8年度は、基礎控除の額が令和7年分の58万円から62万円となり、令和8年・9年は合計所得金額489万円以下の方には特例として最大42万円が上乗せされるため、合計最大104万円の控除となります。
また、給与所得控除の最低保障額についても、令和8年・9年は特例として69万円に5万円が加算され、74万円となります。
これらにより、給与収入のみの場合に所得税が課されない目安の上限(いわゆる「178万円の壁」)が特例的に先取りして適用されます。
なお、令和8年分の改正については、月次の源泉徴収(毎月の給与天引き)には反映されず、令和8年分は年末調整での精算となります。改訂後の源泉徴収税額表を用いた月次源泉徴収への適用は令和9年1月以降となります。
しかし、これらの控除額の変更は、扶養親族の所得が扶養控除の対象となるかどうかの判断基準に影響するため、申告書の記載内容についても注意が必要となる場合があります。
扶養控除等(異動)申告書を訂正する際の注意点
扶養控除等(異動)申告書を訂正する際には、いくつかの注意点があります。誤解や勘違いに基づいた修正は、かえって混乱を招きかねません。
よくある間違いの一つは、「扶養に入れられると思っていたが、年収基準を超えていた」というケースです。扶養控除の対象になるには、対象者の年間所得が原則48万円(給与所得なら103万円)以下であることが条件です。
令和7年分(2025年分)は58万円以下(給与収入のみの場合は123万円以下)、令和8年分(2026年分)以後は62万円以下(給与収入のみの場合は136万円以下)が所得税における判断基準です。
なお、住民税の所得要件引き上げ(62万円以下)は令和9年度分以後からの適用となるため、所得税と住民税で基準が異なる年度が生じる点にも注意が必要です。
収入の確認を怠ると、不適切な控除申請となります。
また、修正の際に「記載箇所の一部だけを直して関連箇所を修正しない」ケースも目立ちます。例えば、扶養親族が増えた場合は、その人数に応じた控除額や続柄欄の記載も連動して変更が必要です。
そして最も多い見落としは、「修正後の書類を勤務先に再提出しない」ことです。訂正しても会社が知らなければ税額調整は行われません。書類の再提出または通知を忘れずに行うことが大切です。
扶養控除等(異動)申告書の訂正でよくある疑問
扶養控除等(異動)申告書の訂正に関して、多くの方が抱く疑問点とその解決策をまとめました。
訂正箇所が複数ある場合はどうすればいいですか?
訂正箇所が複数ある場合は、一つ一つ丁寧に二重線で訂正します。訂正印の押印は法令上義務ではありませんが、勤務先のルールに従って対応してください。もし訂正箇所が多く、見づらくなる場合は、新しい申告書に改めて記載し直す方が良いでしょう。その際は、古い申告書は破棄せず、訂正の経緯を勤務先に伝えるようにしましょう。
訂正後の申告書を再提出する際に注意することはありますか?
再提出する際は、必ず最新の様式を使用し、全ての項目を正確に記入してください。訂正前の申告書に記載されていた内容も、変更がない部分は改めて記載する必要があります。また、提出日を明記し、勤務先の担当者に確実に受理されたかを確認しましょう。
訂正を忘れて年末調整が終わってしまった場合はどうなりますか?
年末調整後に扶養控除の追加などがあった場合は、ご自身で確定申告を行う必要があります。確定申告を行うことで、過払い分の所得税が還付される可能性があります。税務署の窓口やe-Taxを利用して手続きを行いましょう。
パートやアルバイトでも訂正の手続きは必要ですか?
パートやアルバイトの方も、扶養親族の状況に変更があれば、正社員と同様に訂正の手続きが必要です。勤務先に申し出て、指示に従って訂正申告書を提出してください。
訂正申告書を提出した後、さらに変更があった場合はどうすればいいですか?
訂正申告書を提出した後、さらに扶養親族の状況などに変更があった場合は、再度、訂正の手続きを行う必要があります。その都度、勤務先に申し出て、適切な対応を取りましょう。
扶養控除等申告書の訂正は迅速に正確に行いましょう
扶養控除等(異動)申告書の訂正は、扶養親族の状況に変更があった場合に、所得税額を適切に調整するために必要な手続きです。本記事では、訂正の基本的な流れから、よくある疑問、電子申請の可能性までを解説しました。正確な申告と迅速な訂正手続きが、スムーズな年末調整と適正な納税につながります。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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