• 更新日 : 2024年10月30日

スキルセットとは?意味や例文、職種別の例、高める方法、企業事例を解説

業務に応じて、リーダーシップや語学力など様々なスキルが必要とされます。これらのスキルを適切に組み合わせれば、より業務を効率的に進めることが可能となるでしょう。

当記事では、スキルセットの意味や職種ごとの例、習得方法など、幅広く解説します。当記事を参考に、適切なスキルセットの構築を行ってください。

スキルセットとは?

「スキルセット」とは、業務を進めるうえで必要となる技術や経験、知識などの組み合わせを指す言葉です。スキルを適切に組み合わせることで、業務効率化や生産性の向上を図ることが可能となります。

スキルとの違い

スキルは、コミュニケーション能力やリーダーシップなど、特定の能力や資質を指しています。一方、スキルセットは業務の遂行に必要な様々な能力や資質を組み合わせたものです。

スキルセットの言い換え

スキル(skill)は、知識や技能、技術などを指す言葉です。それらのスキルを組み合わせたスキルセットは、「知識や技能、技術の組み合わせ」と言い換えられるでしょう。

スキルセットの使い方・例文

スキルセットは、ビジネスにおいて幅広く使用される言葉です。使い方としては、次のような例が挙げられます。

  • IT人材であっても、コミュニケーション能力を含めたスキルセットが求められる
  • 彼は、営業に必要なスキルセットを身につけることで、著しい成果を挙げた
  • 必要なスキルセットを備えた人材を探すことは難しい

スキルセットの種類

スキルセットには、大きく分けて「ハードスキル」と「ソフトスキル」の2種類が存在します。それぞれについて解説します。

ハードスキル

「ハードスキル」とは、業務の経験や専門的な講習などから得られる専門的な知識や技能に着目したスキルを指す言葉です。具体的には、以下のようなスキルがハードスキルに分類されます。

  • プログラミング能力
  • デザイン能力
  • ライティング能力
  • 会計処理能力
  • 語学力
  • 営業力
  • 企画力

ソフトスキル

「ソフトスキル」は、ビジネスパーソンとして広く備えるべき能力や資質を表す言葉で、業種や職種を問わず求められます。具体的には、以下のような能力や資質がソフトスキルに該当します。

  • リーダーシップ
  • コミュニケーション能力
  • マネジメント能力
  • 問題解決能力
  • 決断力
  • 傾聴力
  • 論理的思考力

ビジネスに求められるスキルセット

ビジネスに求められるスキルセットは、課題解決や対人関係など、必要なシーンによって異なります。それぞれを具体的に見ていきましょう。

基本スキルセット

「基本スキルセット」には、以下のような例が挙げられます。

  • 基本的なPCスキル
  • 文書作成能力
  • ビジネスマナー

表計算ソフトの使用といった基本的なPCスキルや、電話やメール対応などのビジネスマナーが身についていることは、社会人としてのスタートラインです。そのため、基本スキルセットは、業種や職種、シーンを問わず、あらゆるビジネスパーソンに必要なスキルセットとなります。新人研修などを通じて、身につけることが多いでしょう。

課題解決スキルセット

「課題解決スキルセット」は、次のようなものが該当します。

  • マネジメント能力
  • 論理的思考力
  • 分析力

企画立案では、まず目標を定めなくてはなりません。目標達成には必要な過程を分析し、計画を立てることが求められます。また、計画を効率的に進めるためには、スケジュール管理が重要です。したがって、課題を解決するためには、上記のような能力が求められることになります。

対人関係スキルセット

「対人関係スキルセット」の例は、以下の通りです。

  • リーダーシップ
  • コミュニケーション能力
  • プレゼンテーション能力

業務を進めるためには、自分が所属する部署だけでなく他部署も含めた様々な人材と協力する必要があります。そのため、上記のような対人関係スキルセットが重要となり、これらの能力を備えていれば、スムーズな協同作業が可能となるでしょう。

自己管理スキルセット

「自己管理スキルセット」には、以下のような例が挙げられます。

  • 体調管理能力
  • モチベーション管理能力
  • ストレス管理能力

体調不良の状態では、十全のパフォーマンスの発揮は叶いません。また、ストレスを溜め込むことなく、業務へのモチベーションを維持できれば、業務効率も向上します。自己管理スキルセットを身につければ、業務の効率化や生産性の向上が図れるでしょう。

【職種別】スキルセットの例一覧

従事する職務に応じて、必要な能力や資質は異なります。そのため、スキルセットは職種に応じて構築しなければなりません。

エンジニア

エンジニア職には、以下のようなスキルセットが必要です。

  • 専門的知識
  • 課題解決能力
  • 管理能力
  • コミュニケーション能力

ITに携わるエンジニアには、システムエンジニアやWebエンジニアなど様々な種類が存在します。しかし、いずれであっても高度な専門的知識が必要なことに違いはありません。また、問題が発生した場合には、原因の特定および解決を図る必要があり、課題解決能力も重要です。納期に間に合わせるための管理能力も求められ、複数のメンバーでプロジェクトを進める場合には、コミュニケーション能力も重要となるでしょう。

デザイナー

Webデザイナーや、UIデザイナーといったデザイナー職に必要なスキルセットは、以下の通りです。

  • 専門的知識
  • 企画力
  • 管理能力
  • コミュニケーション能力

デザイナーとして業務を行ううえでは、デザインの知識やデザインソフトの操作方法など、専門的な知識が必要不可欠です。また、自ら企画し、クライアントに提案するための企画力も求められます。ひとりで業務を進めることも多いデザイナーは、スケジュール管理も自ら行わなければなりません。クライアントから求める情報を引き出すためのコミュニケーション能力も必須です。

営業

営業職に求められるスキルセットは、以下のようなものです。

  • 情報収集能力
  • コミュニケーション能力
  • プレゼンテーション能力
  • 論理的思考力

営業は、顧客が何を求めているかを探る必要があり、情報収集能力が求められます。その際には、顧客から情報を引き出すためのコミュニケーション能力も必要とされるでしょう。また、集めた情報を効果的に用いるための論理的思考力が重要であり、顧客を惹き付ける魅力的なプレゼンを行うためのプレゼンテーション能力も必要です。

人事

人事職は、以下のようなスキルセットが必要な職種です。

  • コミュニケーション能力
  • 情報収集能力
  • 課題解決能力
  • マネジメント能力

人事職には、必要な部署へ必要な人材を配置するための能力が必要です。そのため、人材を必要とする部署を調べるための情報収集能力やコミュニケーション能力、効率的に人材を配置するためのマネジメント能力が求められます。また、どの人材をどの部署に配置すれば課題を解決できるかを考えなければならないため、課題解決能力も必要となるでしょう。

マネジャー

プロジェクトやチームのまとめ役となるマネジャーに必要とされるスキルセットは、以下のような例が挙げられます。

  • リーダーシップ
  • コミュニケーション能力
  • マネジメント能力
  • 決断力

マネジャーが担うプロジェクトやチームの規模や範囲は様々ですが、まとめ役としてリーダーシップやコミュニケーション能力が求められることに違いはありません。チームが成果を挙げられるように、適切に管理するマネジメント能力も重要な要素です。また、必要なタイミングで必要な決断を下すための決断力も求められます。

経営者

組織の長となる経営者には、様々な資質が必要となり、以下のようなスキルセットを備えた人材であることが望ましいといえるでしょう。

  • 決断力
  • 判断力
  • 俯瞰力
  • 実行力

経営者には、企業の命運を左右する重大な決断を下すことが求められます。そのため、適切なタイミングで適切な決断を下すことを可能とする判断力や決断力が必要です。決断した計画を実行に移すための実行力も必要となるでしょう。また、事業全体を俯瞰し、市場内における自社の立ち位置を正確に把握することも求められます。

スキルセットを習得するには?

スキルを習得し、必要なスキルセットを備えるためには、どのような方法が有効なのでしょうか。効果的な習得方法を紹介します。

マインドセットを整える

「マインドセット」とは、業務を行う際の心構えや、思考のパターンを指す言葉です。どのようなトラブルや、アクシデントが起きるかわからないビジネスシーンにおいては、マインドセットは重要な要素となります。マインドセットを整えたうえで、スキルセットを習得すれば、どのような場面であっても対応できるようになるでしょう。

研修・セミナーに参加する

研修やセミナーに参加することは、スキルセットの習得に有効な手段です。ビジネスマナー研修や、PCの基本的な操作講習、電話対応研修などを実施すれば、基本スキルセットの習得に役立ちます。また、自社での開催だけでなく、外部の専門家などを活用すれば、専門的なハードスキルも効率的に獲得できるようになるでしょう。

スキルマップを活用する

「スキルマップ」の活用は、効率的なスキルセットの習得に役立ちます。従業員の現段階におけるスキルレベルを表したスキルマップを用いれば、必要なスキルが把握しやすくなります。不足している部分は補い、得意分野をさらに高めることで、高度なスキルセット習得につながるでしょう。

スキルマップを活用する際には、可視化を助ける以下のようなテンプレートの利用がおすすめです。

スキルマトリックス(エクセル) テンプレート|給与計算ソフト「マネーフォワード クラウド給与」

スキルマトリックス(ワード) テンプレート|給与計算ソフト「マネーフォワード クラウド給与」

スキルセットを高めるポイント

より高度なスキルセットとするためには、先に述べた研修やセミナーへの参加だけでなく、ビジネススクールの活用も検討に値します。従業員の自発的な学習態度が必要となりますが、体系的にスキルを学べるため、社内で不足しているスキルの獲得に役立つでしょう。オンラインで開講しているビジネススクールも多いため、学習における利便性が高いこともポイントです。

企業がスキルセットの習得を支援する制度を設けることも、スキルセットを高度なものとするための有効な手段となるでしょう。語学試験の受験費用や教材費の補助を行えば、語学力を高めたい従業員の助けとなります。従業員の自己投資を支援する制度を設ければ、従業員の学ぶ意欲も高まり、専門的な人材育成につながります。

スキルセットを支援している企業事例

富士通株式会社では、デジタル人材の不足を解消するために、「Global Strategic Partner Academy」と呼ばれる人材育成プログラムを実施しています。同プログラムは、専門性の高いスキルセットを備えた人材の育成を目的としたものです。

同プログラムでは、マイクロソフトをはじめとした先端ITサービス企業との連携のもと、最先端のデジタル技術や、ノウハウを習得可能としています。高度なデジタル技術を持った人材の連携を、国際的な規模で強化することによって、顧客や社会の課題解決につなげたい考えです。従業員のスキルセット習得を支援することで、企業のビジネス成長を図る取り組みといえるでしょう。

参考:グローバル規模のデジタル人材不足の解消に向けた人材育成プログラム「Global Strategic Partner Academy」を開始|富士通株式会社

適切なスキルを組み合わせよう

ビジネスにおいて、必要とされる技術や知識は様々です。どのような業種や職種であるかによっても、必要な技能は異なっており、適切なスキルセットの構築が重要となります。

求められるスキルセットから外れたものであれば、いかに高度であっても、業務の効率化や生産性の向上にはつながりません。どのような技能がどのような業務で求められているのかを正確に見極めることが重要です。当記事で紹介した事例を参考に、見極めを行い、適切なスキルセットを構築してください。


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