• 更新日 : 2024年1月12日

紹介予定派遣とは?派遣や契約社員との違い、メリットを解説!

紹介予定派遣とは、直接雇用契約を結ぶことを前提にした派遣社員(以下、派遣)です。一般的な派遣とは異なり、守るべきルールやメリット・デメリットにいくつかの違いがみられます。本記事では、紹介予定派遣がどのようなものかについて、派遣や契約社員との違い、メリットなどを解説します。

紹介予定派遣とは?

紹介予定派遣は、派遣先の企業に直接雇用される見込みで、一時的に派遣される雇用形態です。派遣期間中に、企業と派遣社員が直接雇用契約を結ぶかどうかを検討し、双方が合意すれば、そのまま直接雇用する状態で継続できます。ただし、紹介予定派遣で派遣された場合でも、必ず直接雇用が確約されるわけではありません。

紹介予定派遣は一種の職業紹介であるため、派遣先企業は派遣元の企業に対して、通常の派遣費用に加え、職業紹介契約に応じた紹介手数料を支払うことになります。大まかな流れとしては、まず候補となる人材を派遣先企業に派遣し、一定期間業務を行ってもらいます。派遣期間中に派遣先企業が、最終的にその人材の採用可否を決定するところがゴールです。

一般的な派遣との違い

紹介予定派遣とは、前述の通り、ある種の採用活動もかねた派遣です。そのため、守るべきルールや必要な手続きなどの面で、一般的な派遣とはいくつかの違いがあります。特に、派遣期間に関する定めなどは一般的な派遣とは大きく異なり、場合によってはトラブルにも繋がりかねないため、正確に把握しておきましょう。

直接雇用が前提

紹介予定派遣は一般的な派遣と異なり、派遣された従業員を直接雇用することが前提です。ただし、派遣期間中に適性がないと判断すれば、直接雇用しないこともあります。

一般的な派遣として従業員を受け入れていた場合でも、優秀な方であれば引き抜きを考えることもあるでしょう。ただし、派遣契約書であらかじめ引き抜きを禁じているケースもあり、無理に引き抜けば派遣元企業とトラブルになる可能性も否定できません。

一方、紹介予定派遣は直接雇用が前提となるため、そのようなトラブルの心配は不要です。

面接や書類選考の流れの違い

一般的な派遣と紹介予定派遣では、面接や書類選考の流れにも違いがあります。

まず一般的な派遣では、派遣先企業が派遣予定の従業員を事前に選考することは法律上禁止されていますが、紹介予定派遣では禁止されていません。ただし書類選考や面接を通じて、事前に派遣してもらう従業員の特定はできます。

そのため紹介予定派遣では、大まかに以下の流れで派遣従業員と派遣先企業のマッチングが行われます。

  1. 派遣元企業から、募集条件・労働条件の提示が行われる
  2. 希望する派遣従業員が応募を行う
  3. 書類選考や面接を実施
  4. 派遣契約を締結し、就業を開始する

実際に紹介予定派遣を始めてから必要な手続きなどを調べると、思わぬ混乱や遅れが生じるため、事前に自社でどのようなフローとなるのか確認をしておきましょう。

期間の違い

紹介予定派遣の場合、一般の派遣とは異なり、派遣期間に最大6ヶ月の上限があります。なお、最短の期間は特に制限されておらず、極端にいえば1日から紹介予定派遣が可能です。

上限期間の長さは職種による違いがないことや、派遣期間中の契約更新も認められていないため注意が必要です。

なお一般の派遣では、派遣社員が同じ組織(部署や課、グループ)で3年を超えて勤務できない、いわゆる「3年ルール」が存在します。紹介予定ではない派遣を受け入れている企業では、こちらへの注意も必要です。

直接雇用の可否

一般的な派遣の場合、あらかじめ契約で派遣先企業による派遣従業員の直接雇用(いわゆる引き抜き)に制限を設けていることが一般的です。派遣従業員の引き抜き自体は法律で禁止されているわけではありません。しかし派遣の引き抜きが発覚した場合、トラブルに発展する可能性が高いでしょう。

一方、紹介予定派遣の場合は直接雇用を前提としているため、当然ながら派遣先企業が派遣従業員を直接雇用することは全く問題ありません。

契約社員・試用期間との違い

紹介予定派遣と契約社員・試用期間の違いはやや複雑なため、混乱するかもしれません。ここではそれぞれ整理をした上で、紹介予定派遣との違いを確認しておきましょう。

契約社員について

契約社員とは、一定期間を定めた雇用契約(有期雇用契約)によって雇い入れられた従業員です。雇用期間を除けば、正社員と法律上の扱いに大きな違いはありません。ただし、企業によっては、待遇に差を設けているケースもあります。

試用期間について

試用期間とは、従業員を採用した後で適性を判断するため、採用した企業が本採用の前に設けるトライアル期間のことです。企業によって異なりますが、通常3ヶ月から6ヶ月ほどの長さとなります。

なお、契約社員も試用期間中の従業員も、どちらも直接雇用です。したがって、雇用先企業には労働基準法その他の各種法令を守る義務が生じます。

一方、紹介予定派遣で就業する従業員は、実際に勤務している派遣先企業との雇用契約は成立していません。派遣元企業との間でのみ雇用契約が結ばれているため、何かトラブルがあった場合や法律上の権利を主張する場合は、基本的には派遣元企業と話し合う必要があります。

紹介予定派遣の従業員を雇う際に人事労務担当者が行う手続き

紹介予定派遣を雇用するためには、事前の準備も含めていくつかの手続きが必要です。

まず、従業員を派遣してもらう前に、紹介予定派遣の契約に職業紹介後の雇用条件を定めておかなければなりません。紹介予定派遣では、通常の採用と同じように書類選考と面接の実施が可能です。そのため、労働条件を明示する必要があります。

次に、晴れて派遣従業員を直接雇用することになった場合は、通常の受入れと同じように入社に関わる各種の事務手続きが必要です。

  1. 社会保険(健康保険・厚生年金保険)に関する手続き(資格取得の手続き)
  2. 労働保険(労災保険・雇用保険)に関する手続き
  3. 税金(住民税・所得税)の手続き

なお、派遣従業員の採用を見送る(拒否する)場合は、派遣元企業の求めに応じて理由を明示しなくてはいけません。

紹介予定派遣を雇う場合の企業側のメリット

紹介予定派遣として従業員を雇う場合は、主に金銭面と時間面でそれぞれ大きなメリットがあります。通常の採用活動にはないメリットなので、うまく活用することにより無駄なく採用活動を進めることが可能です。ここでは、紹介予定派遣を雇う場合の企業側のメリットを解説します。

金銭的コストが削減できる

紹介予定派遣を利用して採用を進める場合、コストを削減できる点がメリットです。

例えば、通常の方法で採用を行う場合は、広告を出したり求人票を登録したりする必要があるため、多くのコストが必要です。一方、紹介予定派遣であれば、あらかじめ派遣会社が候補者となる人材を集めてくれるため、これらのコストを削減できます。

また紹介予定派遣の場合、基本的に即戦力の採用となるため、育成コストも削減することが可能です。

時間的コストが削減できる

紹介予定派遣では採用のミスマッチを回避しやすいため、採用にかかる時間的コストを削減することも可能です。通常の採用では、その従業員の働きぶりを採用前に見極めることはできません。従業員側も同様で、実際に働いてから社風に合わずに、すぐに辞めてしまう可能性もあります。

紹介予定派遣では、上記のようなミスマッチが起こりづらく、無駄の少ない採用手段の1つだといえるでしょう。

紹介予定派遣を雇う場合の企業側のデメリット

紹介予定派遣を雇う場合は、デメリットもあります。そのため、自社にとって総合的にどのような影響があるのかを事前に見極めておくことが、紹介予定派遣を利用する上で重要です。ここでは、紹介予定派遣を雇う場合の企業側のデメリットを紹介します。

紹介手数料がかかる

紹介予定派遣では、直接雇用が決まった際の「紹介手数料」が発生するのはデメリットです。また派遣契約であるため、直接雇用までの過程で派遣料も発生します。

金銭的・時間的コストを削減できることは確かですが、紹介手数料も加味して全体のコストを見積もることが大切です。

社内での評判等に影響する

直接雇用の際には、社内での評判等に関しても注意が必要です。派遣だった方を正社員として直接雇用すると、自分たちより有利な条件で採用されたと感じる方もいるかもしれません。

これにより、周囲の従業員の士気の低下や、会社に対する反感に発展する可能性がゼロではないことを、あらかじめ認識しておきましょう。

紹介予定派遣の就業者側のメリット

紹介予定派遣を活用することで、就業者側も以下のようなメリットが得られます。

  • 実際に働いてから就業可否を決められる
  • 転職を希望する場合、派遣会社が別会社をアテンドしてくれる

それぞれの内容を解説します。

実際に働いてから就業可否を決められる

就業者にとっては、実際に働いてから就業可否を決定できることは大きなメリットです。例えば、正社員で入社した場合でも、入社前のイメージと乖離していることや、面接で聞いていなかった事情が明らかになるといった理由により、早期退職するケースはあります。入社後、すぐに退職してしまうと、短い職歴が付いてしまい、その後の転職活動に悪影響をもたらす可能性があるでしょう。

しかし紹介予定派遣であれば、実際に入社する前に、業務内容や社風、自身のキャリアと適合するかなどを自分で判断できるため安心です。

転職を希望する場合、派遣会社が別会社をアテンドしてくれる

紹介予定派遣の場合、派遣先の企業の仕事や社風と合わず入社を希望しない場合、就業者は入社を辞退できます。紹介予定派遣は、派遣従業員と派遣先企業の双方の合意があった場合に直接雇用に切り替わる契約形態のためです。

この場合は、派遣会社(派遣元)に別の会社にアテンドしてもらえないかを相談してみましょう。なお、この際には実際にどこが合わないのか具体的に伝えるようにすると、より適性のある会社へ派遣してもらえる可能性が高くなります。

紹介予定派遣での注意点

紹介予定派遣における就業者側が得られるメリットをお伝えしましたが、いくつか注意点もあります。転職活動を進めるにあたり、大きな落とし穴になることもあるため事前に把握しておくことが大切です。

必ずしも正社員登用になるとは限らない

紹介予定派遣を経て採用されたとしても、必ずしも正社員として登用されるとは限らないため注意が必要です。直接雇用といっても、期間を定めずに雇用される正社員としての契約と、一定期間を定めて雇用される契約社員としての契約の2種類があります。

したがって紹介予定派遣として勤務し、派遣先から直接雇用の決定があった場合でも、どのような雇用形態なのかを必ず確認しなくてはいけません。

直接雇用にならないケースも

紹介予定派遣の場合でも、直接雇用してもらえないケースもあります。これは前述の通り、派遣従業員と派遣先企業の双方の合意があって初めて、直接雇用が実現するためです。

紹介予定派遣は、派遣期間中の勤務状況や仕事ぶりを見て直接雇用の判断が行われます。そのため企業側の判断により、直接雇用されない可能性があることを念頭におく必要があります。

雇用契約時に契約条件が変わる場合もある

派遣先で直接雇用された後、契約条件が変わってしまうことがあります。直接雇用を機に、雇用契約を締結する会社が変更となるためです。

紹介予定派遣で就業している期間の雇用契約は、派遣会社と締結します。そのため、給与をはじめとした各種条件は、派遣会社との契約条件に準じた内容です。

一方、直接雇用された後は、派遣先の企業と雇用契約を締結します。したがって、就業先の企業と締結する雇用契約に準じた条件で働くことになります。場合によっては、条件が悪くなることも考えられるため、直接雇用の際には注意が必要です。

紹介予定派遣の特徴を正確につかみ、有効利用を

今回は紹介予定派遣について、注意点やメリット・デメリットを解説しました。もちろん、通常の採用活動や派遣と異なり注意すべき点もありますが、うまく活用できれば採用面で大きな助けとなることは間違いありません。

紹介予定派遣のメリットが自社の状況に合致するのであれば、積極的に活用することでさまざまなコストを削減できるでしょう。本記事が、導入を進めるきっかけになれば何よりです。


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