- 更新日 : 2023年8月25日
役職とは?一覧を用いて順番、肩書きの意味を解説!
役職とは、会社の組織における立場や職務、責任の重さを表す重要なものです。役職の名称は会社によって異なりますが、名刺などに肩書があることで、相手の立場や職務を予想することができます。
ここでは、会社における一般的な役職の一覧のほか、自治体や官公庁、外資系企業などで用いられる役職名や順位と、その意味について解説します。
目次
役職とは
「役職」とは、会社の組織内における役割や職務を表す呼び方です。社長や部長など、とくに管理職として組織を管理・監督する立場にある役割や職務を指し、役職の序列や名称は多岐に渡ります。役職は、組織を機能的に運営し、目的に向かって推進する意義を持ちます。
役職はなぜ存在する?
役職の第一の意義は、「その人の役割の明確化」にあります。役職がつくことで、相手の立場や職務がわかりやすくなります。また、肩書を得ることで、本人がやるべき仕事や責任の範囲について自覚できるでしょう。指揮命令系統も明確となり、日々の組織運営もスムーズになります。
企業や業界によって役職の定義は異なる
役職は、社長や部長など、ある程度階級や役割、名称が固定されています。しかし、企業によっては独自の呼び方があったり、同じ名称でも異なる役割を担っていたりするケースがあります。
役職には、さまざまな呼称があり、会社によって自由に定めることが可能です。そのため、転職した際は、前職での役職の概念をそのまま持ち込まず、その企業での役職の役割・立場をわかるように説明することが重要です。
一般的な役職一覧
企業における一般的な役職は以下の通りです。
一般社員・担当 | 普通の社員を指します。役職がついておらず、企業内で最も人数が多いポジションです。 |
---|---|
主任 | 一般社員のサポート・教育・管理を行います。チームリーダーの役割を担います。 |
係長 | 管理職の入り口ともいえる役職です。係を統括し、部下となる社員の教育・係のマネジメントを行います。 |
課長 | 複数の係で組織される課を管理・統括する役職であり、係長よりもさらに大きな単位のチームを取りまとめます。 |
次長 | 部長の次に高いポジションです。部長補佐や副部長と呼ばれることもあります。 |
部長 | 部署を取りまとめる事業部で最も責任が重い役職です。 |
本部長(事業部長) | 複数の事業部をマネジメントする本部の責任者です。取締役を兼任することもあります。 |
取締役 | 企業の経営方針を決定する会議に出るなど、役員として現場を統括する重要なポジションです。 |
常務取締役 | 社長や副社長、専務取締役のサポートを行います。企業の経営方針を決定する役員のなかでも責任が重いポジションです。 |
専務取締役 | 社長や副社長の補佐的なポジションです。社長不在時に社長を代理するほどの地位となります。 |
副社長 | 社長を補佐するナンバー2のポジションです。社長に近い裁量や権限を有します。 |
代表取締役(社長) | 経営のトップ、企業の代表者となる役職です。代表取締役の上の会長職があることもありますが、実務面では実質的なトップといえます。 |
一部の企業・自治体で使用される役職一覧
国家公務員や地方公務員でも係長や課長、部長、次長といった役職で呼ばれるポストがありますが、なかには一般企業ではなじみのない呼び方をする役職があります。地方自治体や一部の企業では、以下の役職が用いられることがあります。
主事 | 一般職員のことを指す用語です。 |
---|---|
主任 | 複数の部下を管理・統括する最初の管理職にあたるポジションです。 |
主査 | 一般企業の係長に相当するポジションです。 |
主幹 | 仕事の中心となる人物に与えられる肩書です。課長補佐や課長に該当します。 |
参事 | 課長・部長級に該当する肩書です。 |
参与 | 組織のトップクラスに該当します。 |
公務員の役職一覧
国家公務員の役職には以下のものが用いられます。
係員、主任 | 一般の職員を指す言葉です。主任はそのリーダーの役割となります。 |
---|---|
主査・専門職 | 一般の職員のマネジメントを行います。一般企業では係長相当に該当します。 |
上席専門官・課長補佐・専門官 | 専門官とは、専門的な役割を割り振られた役職です。専門官のなかでも、上の立場の人に「上席」がつきます。課長補佐は、その名の通り課長をサポートする役割です。 |
室長・企画官・調査官 | 部局に割り振られた所掌事務(主な仕事)を分割して担当し、管理する役職をいいます。 |
参事官 | 一般企業にあたる課長のポジションです。 |
審議官 | 政策の調整、部下のマネジメントを行います。 |
総括審議官 | 事務職の総括として審議官の取りまとめを行います。 |
官房長・局長・政策統括官 | 官公庁のナンバー3 にあたる局長と、局長と同レベルにあるポジションに官房長や政策統括官があります。 |
省名審議官 | 事務次官に次ぐ各省のナンバー2のポジションです。 |
事務次官 | 官公庁におけるトップクラスの役職です。大臣や長官のサポートを行います。 |
海外・外資系で使用される役職一覧
海外の企業や外資系企業では、以下の役職を用います。
Leader | 主任や係長に該当します。 |
---|---|
Manager | 課長~部長クラスに該当します。日本でも「〇〇マネージャー」と役職名が用いられることもあります。 |
Director | アメリカ系の企業であれば部長クラスを指す役職です。イギリス系の企業では取締役級の役職であったり、中小企業の社長を指したりする場合もあります。 |
General Manager | 事業所長、工場長、センター長的な役職です。 |
Vice President | 総括本部長や事業部長を指す役職です。 |
CFO | Chief Financial Officerの略で、財務担当責任者を指します。財務部門を取りまとめる役職です。 |
COO | Chief Operations Officerの略で、組織のNO2としてCEOやPresidentを補佐します。 |
CEO | chief executive officerの略で、最高経営責任者を指します。 |
President | 取締役社長、事業部本部長の意味合いがあります |
Chairman | 取締役会長の職にあたる用語です |
役職には含まれない肩書き
役職のようでいて、上記に述べた序列を示す役職に該当しない肩書も多くあります。
エバンジェリスト | IT業界に多い職種で、製品の魅力やメリットを専門家としてわかりやすく説明する役割を担う職種を指します。 |
---|---|
インテグレーター | IT系の企業で主に使われます。もともとの「複数のシステムを一つにまとめあげる」という意味であり、同様のニュアンスで用いられます。業務内容を分析、情報システムの企画・構築・運用など、システムの企画から完成、保守・管理までを一括して総合的に行います。 |
フェロー | 大学や研究機関などで研究職に用いられる用語です |
アーキテクト | 主に建設業界において使われ、建設設計の全体的な構造や仕組みを決める技術者代表者を指します。システムの構築やIT系の企業の技術者にも使われます。 |
マーチャンダイザー | 主にファッション業界で用いられる職種名です。商品開発、仕入れから販売、マーケティングまでと幅広い業務を行い、ブランドやメーカーでの企画を取りまとめます。 |
アソシエイト | 仲間やスタッフなどの一般職を指す用語です。事務職や契約社員など補佐・補助する役割を担います。 |
スーパーバイザー | 一般職を育成・指導する管理者や監督者の役割を担います |
コンダクター | 旅行会社では、顧客の満足を指揮する意味合いで、旅の手配・添乗などを行う職務の人を指します。チームや組織を指揮・統率する人を指すこともあります。 |
アナリスト | 調査・分析を仕事とする人を指します。金融や投資では証券アナリストを指し、高度な専門知識を持っていて、さまざまな角度から企業や業界の動向を調査・分析し、評価・アドバイスを行います。 |
異なる組織での役職を正しく理解しよう
役職は、指揮命令系統を明確にし、日々の組織運営を効率的かつスムーズにするために、責任と権限を持つ人に与えられる職務に応じた名称・肩書のことです。企業や組織によって担う職務や立場が異なるため、同じ名称でも企業によって異なる役割を担っていることがあります。
さまざまな役職の主な役割を理解しておけば、ビジネスシーンでスムーズにコミュニケーションが取れるようになるでしょう。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
人事労務の知識をさらに深めるなら
※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。
関連記事
相談役とは?設置した方が良い?役割や顧問との違い、報酬の相場を解説
相談役は、会社で生じるさまざまな経営上の問題を解決するために助言を行う役職です。豊富な経験や知見を活かして企業に貢献しますが、不透明な影響力であるとの批判があり日本の国際競争力を弱めているという声もあります。本記事では、相談役と他の役職を比…
詳しくみるラテラルシンキングとは?考え方や具体例、思考の鍛え方を解説
時代の変化とともに、新しい課題や問題は次々と出現するものです。これに対応するため、従来の思考法だけではなく、新しい視点やアイデアを生み出す必要があります。 そこで注目されるのが「ラテラルシンキング」です。これは、従来の枠組みを超えた独自の発…
詳しくみるパルスサーベイとは?意味やメリット・デメリット、質問項目、事例を紹介
パルスサーベイとは、従業員の精神的健康度や満足度を調べることです。絶え間なく繰り返される脈拍(Pulse)のように何度も調査をおこなうことで、従業員や職場の「今」を把握しやすくなります。質問項目や活用シーン、デメリット、実施の際の注意点など…
詳しくみるライフキャリアレインボーとは?意味や書き方を解説
ライフキャリアレインボーとは、キャリアについて仕事だけでなく、「子ども」や「職業人」など人生の中で訪れるさまざまな役割として捉える理論です。ライフキャリアを描くことで、社員の自主性やモチベーションを高めるなどのメリットがあります。 本記事で…
詳しくみるコンセプチュアルスキルとは?構成要素や育成方法について解説!
絶え間なく情報が流れ続けている現代では、ビジネス環境も日々目まぐるしく変化しています。そのような環境下では、膨大な情報や知識の中から物事の本質を見極める能力が重要です。 当記事では、物事の本質を理解するコンセプチュアルスキルについて解説しま…
詳しくみる離職票は必要?離職証明書との違い、再発行の方法、退職時・失業保険の手続きを解説
離職票は、従業員が退職した際、企業がハローワークで退職手続きをすると発行される書類です。退職した従業員が雇用保険の求職者給付、いわゆる失業保険を受給するためには、離職票が必要となります。 離職票の発行はどのようにして申請し、いつ従業員に交付…
詳しくみる