• 更新日 : 2026年10月5日

na年末調整で離婚した場合はどうする?扶養控除・ひとり親控除の申告方法とは?

Point年末調整で離婚したら何が変わる?

離婚した年の年末調整は、12月31日時点の状況で配偶者控除が外れ、ひとり親控除・寡婦控除の適用可否を確認する必要があります。

  • 控除の判定基準日は12月31日時点
  • ひとり親控除は35万円・寡婦控除は27万円
  • 申告書の配偶者欄削除と控除欄チェックが必須

Q. 離婚後、子どもの扶養控除はどちらが受けられる?

A. 子どもと生計を一にする側が受けられますが、養育費を支払う元配偶者が対象となるケースもあり、重複適用は不可です。

年末調整の時期に離婚をした従業員がいる場合、配偶者控除や扶養控除の扱いが変わり、代わりにひとり親控除・寡婦控除が申告できるようになることがあります。本記事では、年末調整と離婚の関係を軸に、控除の要件や扶養控除等申告書への記載方法をわかりやすく解説します。

年末調整で離婚した場合、何が変わる?

離婚をすると、配偶者控除・配偶者特別控除の対象から外れる一方、要件を満たせばひとり親控除や寡婦控除の対象になります。年末調整は12月31日時点の状況で判定されるため、離婚のタイミングによって適用される控除が変わる点に注意が必要です。

控除の判定はいつの時点で行うのか

年末調整における各種控除の適用可否は、その年12月31日時点の状況で判断されます。例えば、ある年の12月31日までに離婚が成立すればその年分の控除は対象外となり、翌年1月以降に離婚した場合はその年分については引き続き控除が適用されるというケースがあります。年の途中で離婚した場合でも、12月31日時点でひとり親・寡婦の要件を満たしていれば、その年の年末調整でひとり親控除・寡婦控除を受けられます。

配偶者控除・扶養控除への影響

離婚により配偶者ではなくなるため、配偶者控除・配偶者特別控除は受けられなくなります。一方、子どもを引き続き扶養している場合は、要件を満たせば扶養控除は継続して適用可能です。なお令和7年度税制改正により、扶養親族や同一生計配偶者の合計所得金額要件は、令和7年分から48万円以下から58万円以下へ引き上げられました。給与収入のみの場合は年収123万円以下が目安となります。

なお、令和8年度税制改正により、令和8年分以後は、扶養親族や同一生計配偶者の合計所得金額要件が58万円以下から62万円以下へ引き上げられました。給与収入のみの場合は、年収136万円以下が目安となります。

参考:令和7年度税制改正による所得税の基礎控除の見直し等について|国税庁

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離婚後に受けられる控除にはどんなものがある?

離婚後にひとりで子どもを養育している場合はひとり親控除、一定の要件を満たす人は寡婦控除の対象になります。両者は併用できず、どちらか一方のみの適用となります。

ひとり親控除の要件と控除額

ひとり親控除は、婚姻をしていない、または配偶者の生死が明らかでない人が、生計を一にする子(合計所得58万円以下)を有し、本人の合計所得金額が500万円以下であるなど、一定の要件を満たす場合に35万円の所得控除を受けられる制度です。男女や婚姻歴の有無を問わず適用される点が特徴で、2020年分の年末調整から新設されました。

なお、令和8年分からは、ひとり親控除の対象となる「生計を一にする子」の合計所得金額の要件が58万円以下から62万円以下に引き上げられました。子の給与収入のみの場合は、年収136万円以下が目安となります。

参考:No.1171 ひとり親控除|国税庁

寡婦控除の要件と控除額

寡婦控除は、夫と離婚した後婚姻をせず扶養親族がいる人、または夫と死別した後婚姻をしていない人などが対象で、合計所得金額500万円以下であれば27万円の所得控除を受けられます。2019年分まであった寡夫控除はひとり親控除に統合され、寡婦控除は女性を対象とする制度として整理されました。

以下にひとり親控除と寡婦控除の主な違いをまとめます。

項目 ひとり親控除 寡婦控除
控除額 35万円 27万円
対象性別 男女問わず 女性のみ(離婚・死別のケース)
婚姻歴 未婚・離別・死別いずれも対象 離婚後未婚、または死別後未婚
本人の所得要件 合計所得500万円以下 合計所得500万円以下
扶養親族の要件 生計を一にする子(合計所得58万円以下)が必要 子に限らない扶養親族がいること(離婚の場合)
併用可否 寡婦控除とは併用不可 ひとり親控除とは併用不可

参考:寡婦控除、ひとり親控除とは、どのようなものですか|日本年金機構

年末調整で離婚を申告する手順は?

離婚した場合の年末調整の申告は、給与所得者の扶養控除等(異動)申告書に必要事項を記入するだけで完了します。手順は大きく3ステップです。

STEP1 配偶者に関する記載を削除する

まず、扶養控除等申告書の配偶者欄に記載していた情報を削除し、「配偶者の有無」を「無」に変更します。離婚により税法上の配偶者ではなくなるため、配偶者控除・配偶者特別控除の対象からも外れます。

STEP2 異動月日及び事由欄に離婚を記載する

扶養控除等申告書の「異動月日及び事由」欄に、離婚が成立した日付と「離婚」という事由を記入します。この欄は就職・離婚・死亡など、扶養状況に変更があった場合に記載する箇所です。

STEP3 ひとり親・寡婦の欄にチェックする

申告書内の「C 障害者、寡婦、ひとり親又は勤労学生」の欄にある「寡婦」または「ひとり親」の該当項目にチェックを入れます。なお、令和2年より前の様式にはひとり親の項目がないため、担当者は最新様式を使用しているか事前に確認する必要があります。

子どもの扶養控除は自分と元配偶者のどちらが受けられる?

子どもと生計を一にし、扶養控除の要件を満たす側が扶養控除を受けられます。ただし、養育費を継続的に支払っている元配偶者についても、一定の要件を満たせば扶養控除の対象と判断されるケースがあります。

一定の年齢に達するまでといった条件のもと、扶養義務の履行として養育費が支払われている場合、元配偶者も子どもと生計を一にしている状態とみなされ、元配偶者側がひとり親控除や扶養控除を受けられることがあります。同じ子について双方が重複して控除を受けることはできないため、離婚時に養育費と扶養控除の取り扱いをあらかじめ取り決めておくとトラブルを防ぎやすくなります。

離婚のタイミングによって年末調整の扱いは変わる?

離婚が成立した時期によって、その年分の控除適用の有無が変わります。年末調整の判定基準日は12月31日であるため、年内に離婚が成立するか、年明けにずれ込むかで結果が異なります。

例えば、その年の12月31日までに離婚が成立すれば、その年分については配偶者控除などが適用されなくなります。一方、翌年1月1日以降に離婚が成立する場合は、その年分については引き続き控除が適用されるケースがあります。従業員から離婚の予定を聞いた場合、バックオフィス担当者は成立時期を確認し、どの年分の年末調整に反映すべきかを整理しておくとよいでしょう。

離婚したことが会社に知られてしまうことはある?

年末調整の書類提出をきっかけに、従業員の離婚の事実が会社側に伝わることがあります。扶養控除等申告書の記載内容や添付書類の変更から、担当者が状況を把握する場合があるためです。

バックオフィス担当者は、離婚に関する情報を含め、従業員の家族状況に関わる書類は個人情報として慎重に取り扱う必要があります。申告内容の確認は業務上必要な範囲にとどめ、社内での情報共有も最小限にするなど、プライバシーへの配慮を徹底しましょう。書類提出に消極的な従業員がいる場合は、控除を受けられないと本人が不利益を被る可能性があることを丁寧に説明し、協力を求めることも担当者の役割です。

離婚時の年末調整はチェック漏れと最新様式に注意しよう

年末調整で離婚した場合は、12月31日時点の状況をもとに配偶者控除の見直しとひとり親控除・寡婦控除の適用可否を確認し、扶養控除等申告書に正しく記載することが重要です。控除の要件や所得基準は税制改正で変わることがあるため、最新の様式と情報を確認しながら、年末調整の離婚に関する申告漏れがないよう対応しましょう。

よくある質問

年末調整におけるひとり親控除とは?

納税者が「ひとり親」に該当する場合、一定の控除額が上乗せされ、それを所得から差し引くことができる制度です。詳しくはこちらをご覧ください。

年末調整でひとり親控除が受けられる条件と控除額は?

現に婚姻をしていない人又は配偶者の生死が明らかでない人で、ある3つの要件のすべてにあてはまる人は35万円の所得控除を受けることができます。詳しくはこちらをご覧ください。

年末調整でのひとり親控除・寡婦控除の申告方法は?

年末調整の際に会社に提出する「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」に必要事項を記入します。詳しくはこちらをご覧ください。


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