• 更新日 : 2023年11月8日

iDeCoは年末調整で申告できる?年末調整や確定申告の書き方や手順を解説!

自分で将来の年金を積み立てていくiDeCo(個人型確定拠出年金)は、掛け金に応じて、所得税や住民税の控除を受けることができます。個人払込で掛け金を支払っている場合には、年末調整確定申告の際に、支払額の申告が必要です。

ここでは、iDeCoの申告が必要になるケースを解説したうえで、申告の手順や書類の書き方について説明します。

目次

iDeCo(個人型確定拠出年金)は年末調整で申告できる?

iDeCoを利用している人は、年末調整で申告できるのでしょうか。

iDeCoの掛け金は、年末調整の際に申告して、所得から差し引くことが可能です。その結果、所得税と住民税の課税額を減らすことができます。

掛け金が「小規模企業共済等掛金控除」の対象となるため年末調整が必要

iDeCoの掛け金は、小規模企業共済等掛金控除という所得控除の対象です。年末調整や確定申告の際に申告することで、その年に支払った掛け金を全額、所得から差し引くことができます。

所得税には「所得控除」や「給与所得控除」などの控除がありますが、「所得控除」の1つである小規模企業共済等掛金控除を申告することで、支払う税金をさらに抑えることが可能です。

小規模企業共済等掛金控除で節税できる所得税の額は、「1年間の掛け金×所得税の税率」で求められます。

例えば所得税率が20%の人が毎月1万円の掛け金を支払った場合の節税額は、12万円×20%=2万4,000円です。所得税の額は課税所得が多いほど高くなるため、iDeCoの掛け金を増やせば、その分だけ節税効果も大きくなります。

所得税だけでなく住民税の節税も可能

個人住民税は、定額で課税される「均等割」と、所得に応じて課税される「所得割」によって決まります。小規模企業共済等掛金控除によって、このうちの所得割の部分も節税することが可能です。

所得割は、1年間の所得に一定の税率を掛けて計算されます。実際の税率は都道府県や市区町村によって異なることがありますが、基本的には大きな差はなく、おおむね10%(市町村民税+都民税または道府県民税)が基準です。

iDeCo(個人型確定拠出年金)の支払い方法によっては年末調整や確定申告が必要なくなる?

iDeCoの支払い方法によっては、年末調整や確定申告が不要になる場合があります。

事業主払込を選択している会社員や公務員は年末調整が不要

iDeCoの掛け金を支払う方法には、加入者本人が納付する「個人払込」と、事業主が給与から天引きして納付する「事業主払込」の2つがあります。

事業主払込を選択している公務員や会社員の人は、年末調整の際に別途手続きなどを行う必要はありません。毎月の納付や年末調整にかかる控除額の計算は、事業主が代わりに済ませてくれているためです。

個人払込をしている会社員や公務員は年末調整の手続きが必要

個人払込を選択している場合には、会社員や公務員であっても年末調整の手続きが必要です。勤務先などに後述の書類を提出し、支払ったiDeCoの掛け金を申告しなければなりません。

ただし、この際に必要になるのは、あくまで年末調整の手続きです。自営業やフリーランスでない場合には、確定申告は不要である点に注意してください。

iDeCo(個人型確定拠出年金)の年末調整と確定申告の書き方と手順

個人払込でiDeCoの掛け金を支払っている場合は、年末調整や確定申告でどのような手続きをするのでしょうか。手順や書類の書き方について確認しておきましょう。

年末調整の書き方と手順

公務員や会社員の人は、年末調整の際にiDeCoの掛け金を申告します。

繰り返しになりますが、以降で説明する手順は、個人払込を選択している人を対象にしたものです。毎月の給与から掛け金を天引きしている場合には、手続きは不要となります。

年末調整では、「小規模企業共済等掛金払込証明書」と「給与所得者の保険料控除申告書」という2枚の書類が必要です。

「小規模企業共済等掛金払込証明書」は、国民年金基金連合会より、毎年10月下旬ごろから順次発送されます。受け取ったハガキを保管し、年末調整の際に勤務先に提出しましょう。

なお、iDeCoに加入したタイミングによっては、「小規模企業共済等掛金払込証明書」の発送が遅くなる場合もあります。年末調整までに間に合うかどうかは、iDeCoで利用している金融機関などのホームページで確認しておくと良いでしょう。

「給与所得者の保険料控除申告書」は、一般的には勤務先で配布されますが、国税庁のホームページからダウンロードして印刷することもできます。

参考:給与所得者の保険料控除の申告|国税庁

必要事項を記入したら、「小規模企業共済等掛金払込証明書」とあわせて勤務先に提出しましょう。

確定申告の書き方と手順

フリーランスなどの自営業の人や無職の人は、確定申告でiDeCoの掛け金を申告します。また、年末近くになってからiDeCoに加入した場合には、公務員や会社員であっても確定申告が必要です。それぞれのパターンで記入する書類が異なるため、以下で詳細を確認しておきましょう。

会社員と公務員が確定申告を行う手順

会社員や公務員の人が確定申告をする場合には、自営業の人が確定申告をする際に使用する共通様式(令和4年分以降用)の確定申告書に必要事項を記入して、所轄の税務署に提出します

確定申告書は、国税庁のサイトからデータを印刷して用意することもできます。

また、マイナンバーカードを持っている人は、e-Taxで確定申告をするのが便利です。国税庁のホームページの「確定申告書等作成コーナー」を利用すれば、マイナポータルを経由して各種申告に必要な証明書等のデータを一括して取得し、確定申告の必要項目に自動入力される機能を利用できます。このマイナポータル連携の対象には、iDeCoのデータも含まれます。

まず記入するのは、確定申告書の第一表にある、「⑭小規模企業共済等掛金控除」の項目です。小規模企業共済等掛金払込証明書を参考に、支払ったiDeCoの掛け金を記入します。

次に、第二表の「⑬社会保険料控除」と同じ欄にある「⑭小規模企業共済等掛金控除」にも、掛け金の額を記入します。今回は年末調整に間に合わなかったケースを想定しているため、「支払保険料等の計」「うち年末調整等以外」の両方に同じ金額を記入しましょう。

あとは記入が終わった確定申告書に源泉徴収票を添付し、小規模企業共済等掛金払込証明書とあわせて税務署に提出すれば、確定申告は完了です。なお、確定申告できる期限は、原則2月16日から3月15日に設定されています。

参考:マイナポータル連携特設ページ(マイナンバーカードを活用した控除証明書等の自動入力)|国税庁
参考:確定申告書等の様式・手引き等(令和4年分の所得税及び復興特別所得税の確定申告分)|国税庁

自営業と無職の人が確定申告を行う手順

自営業の人は、事業収入やその事業にかかった経費を差し引いた事業所得、社会保険料控除や生命保険料控除などの各種所得控除をすべて記載します。

自営業の人は年末調整がないため、会社員や公務員の人よりも記入する項目が多くなっています。

iDeCoに関連した項目へ記入する手順は、基本的に共通です。第一表の「⑭小規模企業共済等掛金控除」に掛け金の額を記入し、同じく第二表の「⑭小規模企業共済等掛金控除」にも記入を行います。

所得の種類や各種所得控除など、すべての必要事項を記入したら、所轄の税務署に確定申告書を提出し、確定申告は完了です。

iDeCo(個人型確定拠出年金)を実際に利用して年末調整をするといくら節税できる?

iDeCoを利用すると、所得税や住民税をどのくらい節税できるのでしょうか。具体的な例を交えてシミュレーションをしてみましょう。

20歳で年収300万円(税率5%を想定)の人が毎月1万円の積み立てをした場合

まず、20歳で年収300万円の人が毎月1万円をiDeCoで積み立てた場合には、1年間の節税額は以下のようになります。

所得税の軽減額
6,000円
住民税の軽減額
12,000円
合計
18,000円

※各種所得控除の金額は人によって異なるため、実際の節税できる金額と異なる場合があります。

仮に65歳まで積み立てを続けた場合には、合計で81万円もの大幅な節税が可能です。

50歳で年収800万円(税率20%を想定)の人が毎月2万3000円の積み立てをした場合

続いて、50歳で年収800万円の人が、毎月2万3000円を積み立てた場合です。

所得税の軽減額
55,200円
住民税の軽減額
27,600円
合計
82,800円

※各種所得控除の金額は人によって異なるため、実際の節税できる金額と異なる場合があります。

先ほどの例と比べて積み立てる額が多い分、受けられる控除の額が増え、1年間で14万円以上も節税をすることができます。

詳細のシミュレーションをしたい人は公式サイトで確認可能

iDeCoの公式サイトでは、積み立て額に応じた節税額をシミュレーションすることが可能です。年収、年齢、毎月の積み立て額を入力すると、1年間でどれだけの節税になるかが表示されます。65歳まで積み立てた場合の節税の総額も表示されるため、iDeCoのメリットを実感したい方は、一度シミュレーションをしてみるのがおすすめです。

なお、iDeCoで積み立てた金額を受け取る際、年金として受給する場合には公的年金等控除、一時金として受給するときには退職所得控除が適用されます。しかし、iDeCo以外の公的年金(国民年金や厚生年金保険など)の受給額が公的年金控除の金額よりも多いケースや、退職金が退職所得控除の金額よりも多いケースでは、将来iDeCoで積み立てた金額を受け取るときに税金が課税されることになります。したがって、給付されるときに支払う税金が増えることがあるため、必ずしもシミュレーションで計算した金額がそのままメリットになるとは言えません。税金について詳しく知りたい人は、税理士などの専門家に相談してみてください。

iDeCo(個人型確定拠出年金)で年末調整する際の2つの注意点

年末調整でiDeCoの掛け金を申告する際には、以下の2点に注意する必要があります。

iDeCo(個人型確定拠出年金)を利用した証明書を破棄すると再発行が必要となる

年末調整の際には、原則として小規模企業共済等掛金払込証明書の原本の提出が必要です。送付されてきた原本は、年末調整までなくさずに保管しておきましょう。

なお、原本を紛失してしまった場合には再発行も可能です。手続きの方法については、iDeCoで利用している金融機関などのホームページで確認してください。

年末調整のやり方や申告期限は会社によって異なる

年末調整で必要になる手続きや申告期限は、勤務先によって異なります。場合によっては申告期限が1週間程度しかないこともあるため、あらかじめ余裕を持って準備しておきましょう。

iDeCo(個人型確定拠出年金)の年末調整に関するよくある質問

iDeCoの年末調整や確定申告に関するよくある質問を紹介します。

年末調整や確定申告ではiDeCoの掛け金証明書が必要ですか?

「個人払込」でiDeCoの掛け金を納付している人は、毎年10月下旬ごろに国民年金基金連合会から発送される「小規模企業共済等掛金払込証明書」が年末調整や確定申告に必要です。

毎月の給料から掛け金が天引きされている場合には、基本的に手続きや証明書は不要です。

年末調整に間に合わせるためにはいつまでに加入すればいいですか?

8月の前半(14日)までに不備のない状態でiDeCoに加入し、9月までに掛け金の引落実績を作る必要があります。引落が9月までに間に合わなかった場合、「小規模企業共済等掛金払込証明書」の送付が遅くなり、年末調整の時期に間に合わない可能性があります。その場合には、後日届いた「小規模企業共済等掛金払込証明書」により確定申告をしましょう。

iDeCoの掛け金を年末調整時に証明する書類はありますか?

毎年10月下旬ごろに、国民年金基金連合会から、「小規模企業共済等掛金払込証明書」が送られてきます。年末調整では原本を提出する必要があるため、なくさないように保管しておきましょう。

iDeCo(個人型確定拠出年金)を活用して年末調整や確定申告で節税しよう

iDeCoを活用して小規模企業共済等掛金控除を受けることで、所得税や住民税を節税できます。

「個人払込」でiDeCoの掛け金を納付している人は、年末調整や確定申告の際に申告が必要です。10月下旬ごろに発送される「小規模企業共済等掛金払込証明書」を保管しておき、忘れずに手続きしましょう。

よくある質問

iDeCo(個人型確定拠出年金)は年末調整で申告できる?

iDeCoの掛け金は、年末調整の際に申告して、所得から差し引くことが可能です。詳しくはこちらをご確認ください。

年末調整や確定申告ではiDeCoの掛け金証明書が必要ですか?

「個人払込」でiDeCoの掛け金を納付している人は、毎年10月下旬ごろに国民年金基金連合会から発送される、「小規模企業共済等掛金払込証明書」が必要になります。 詳しくはこちらをご確認ください。


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