- 更新日 : 2023年12月22日
クールビズとは?実施期間はいつ?企業や家庭でできる対策
クールビズとは、地球温暖化対策を主な目的として政府が提唱する夏を快適に過ごすライフスタイルのことです。夏場における室内の適正温度あるいは上限温度の目安を28℃にして軽装で仕事をする取り組みですが、仕事の効率を落としてしまうと本末転倒です。本記事では、クールビズに取り組む際のポイントや注意点について解説します。
目次
クールビズとは?
クールビズとは、夏の服装を軽装にすることによって室内でも適切な温度で快適に過ごすための取り組みです。クールビズでは、快適に過ごすための室温が28℃となるようにして仕事に取り組みます。
ここでいう28℃は空間の温度を指し、エアコンのリモコンの温度設定ではありません。この温度は、衛生環境を確保するための施行令や規則で定められた範囲が17℃以上28℃以下とされていることに起因します。ジャケットを羽織らなかったりノーネクタイで過ごしたりと、企業によってクールビズの取り組み方法はさまざまです。
クールビズが促進された背景・目的
クールビズの大きな目的は、持続可能な社会を目指すことです。ここでは、クールビズの取り組みの背景や目的について解説します。
地球温暖化
クールビズは地球温暖化対策の一環として2005年に日本政府が打ち出し、同年6月1日から始まりました。2005年は、ちょうど京都議定書が発効した年です。京都議定書において、温室効果ガスの排出削減が国際的に規定され、環境問題への関心が高まりました。
参考:
パリ協定の目標達成に向けてー京都議定書目標達成計画|全国地球温暖化防止活動推進センター
地球温暖化防止国民運動|環境省
脱炭素化
クールビズの取り組みでは、脱炭素化型の社会を通じて2050年のカーボンニュートラルの実現を目指しています。カーボンニュートラルとは、二酸化炭素などの温室効果ガスの排出量と森林などの吸収量を均衡させて、トータルの排出量をゼロにすることです。そのためにできることとして、エネルギー使用量を抑えて省エネや省二酸化炭素につなげるクールビスの取り組みがあります。
クールビズの実施期間
クールビズは、5月1日〜9月末までの期間に集中的に実施するよう環境省より呼びかけています。ただ、地域ごとの気候条件等によって実施期間外であっても、クールビズに取り組むことが推奨されています。企業によっては実施期間が異なることがあるため、社内規定の確認が必要です。
クールビズで推奨される服装
クールビズは夏でも快適に過ごすための取り組みですが、軽装なら何でもよいわけではなく、ビジネスにふさわしい服装が求められます。
男性の場合は、基本はノーネクタイ・ノージャケットです。一般的にトップスはポロシャツや半袖シャツを着用します。ジャケットを着用しないため、シャツのシワが目立ったり清潔感を損なったりしないように注意が必要です。
定期的なアイロンがけや、ノンアイロンシャツを活用するとよいでしょう。一方、ボトムスではチノパンの着用が一般的です。
環境省が公表しているクールビズの服装の可否は、以下のとおりです。一つの目安として、クールビズ期間中の服装を選ぶ際の参考にしてみてください。
クールビズ | スーパークールビズ (6月1日〜) | |
---|---|---|
ノーネクタイ | ◯ | ◯ |
ノージャケット | (◯) | ◯ |
半袖シャツ | ◯ | ◯ |
かりゆしシャツ | (◯) | ◯ |
ポロシャツ | ✕ | ◯ |
アロハシャツ | ✕ | ◯ |
Tシャツ | ✕ | △ |
ランニングシャツ | ✕ | ✕ |
チノパン | (◯) | ◯ |
ジーパン | ✕ | △ |
ハーフパンツ | ✕ | ✕ |
スニーカー | ✕ | ◯ |
サンダル | ✕ | △ |
◯:可、(◯):可だが徹底されていない、✕:原則不可
女性の服装はもともとビジネスカジュアルである場合が多く、クールビズの服装を意識することは少ないでしょう。しかし、クールビズ期間中でも肌の露出が多い服装などビジネスにふさわしくない格好は避ける必要があります。
クールビズにおいて重要なポイント
ここでは、クールビズ期間中における意識すべきポイントについて解説します。クールビズの取り組みをしながら、効率的に仕事を進めるためにも以下のポイントをぜひ参考にしてみてください。
可能な限り冷房に頼らないこと
クールビズにおいてまず重要なのが、できる限り冷房に頼らないことです。エネルギー消費を抑えて地球温暖化対策をするのがクールビズの本来の目的であるため、冷房に頼りすぎずに過ごせるよう工夫が必要です。
例えば、麻などの通気性のよい素材の服を選んだり、冷感グッズを活用したりすることで冷房によるエネルギー消費を抑えられるでしょう。
外気温と室内温度の差分を減らすことによる健康
クールビズを進めるにあたっては、外気温と室内温度に大きな差が出ないよう配慮が必要です。外気温と室内温度の差が大きいと、ホルモンバランスを崩したり、自律神経に悪影響が出たりする恐れがあります。健康を損ねないためにも、室内を冷やしすぎない温度管理が大切です。
熱中症予防
クールビズに取り組むにあたっては、熱中症にならないよう注意が必要です。クールビズでは適切な室温が28℃とされています。しかし、室内の温度を同じ28℃に保つにしても、冷房時の外気温や西日の入りやすさなどの立地条件によってエアコンの設定温度は変わってきます。
それらを考慮せずにエアコンの温度を必要以上に高く設定してしまうと、熱中症になってしまい健康を害してしまう危険もあるのです。クールビズに取り組む上では、無理をしすぎないことが大切です。
参考:
適正な室温で快適に!クールビズの提案|内閣府
適正な室温とは|環境省
【企業の場合】クールビズの進め方
クールビズを進めていく中で、社内でぜひ取り入れたい取り組みについてご紹介します。これらの取り組みを行うことで、エネルギー消費を抑えながら効率的に仕事を進められるようになるでしょう。
うちわや扇子の利用
社内でうちわや扇子を積極的に利用することで、体感温度を下げられます。うちわや扇子を使うと、汗が蒸発しやすく熱が放出されるので、涼しいと感じられるのです。暑さをしのぐために昔から使われてきたこれらの道具をうまく活用しましょう。
ブラインドや断熱シートを使用する
ブラインドや断熱シートの使用も有効です。ブラインドで西日を避けるだけでも、室内の温度上昇を防げます。また、グリーンカーテンも取り入れるとより一層効率的にクールビズを進められるでしょう。
グリーンカーテンは、日差しの約80%のエネルギーをカットできると言われています。根から吸収した水を植物が葉から蒸散させるときに、気過熱として周囲の熱を奪い温度を下げる効果が期待できるのです。
服飾の色を清潔感・爽快感のあるものにする
クールビズの服装では、清潔感があり爽快感のあるカラーの服飾を選びましょう。おすすめのカラーはホワイトやブルー系です。例えば、サックスブルーのシャツは爽やかな印象を与えられます。さらにスタイリッシュさを求めるのであれば、ストライプ柄もよいでしょう。
勤務時間を朝方にシフトする
クールビズを進めやすくするために、勤務時間を朝方にシフトさせるのも1つの方法です。1日のうちでも比較的気温の低い午前中に仕事をするとエアコンの使用を抑えられます。
また、明るい時間帯に仕事を切り上げることで、夜の残業時間削減につながり夜間の照明に使われていたエネルギーの節電も期待できます。残業時間を減らすことで家族との時間もしっかり確保でき、ワークライフバランスも実現しやすくなるでしょう。
通気性のよいデスク・チェアを利用する
クールビズをストレスなく進めるために、通気性のよい空間づくりも大切です。風通しのよいところに机などを配置することで、仕事に集中できリフレッシュしやすい環境となるでしょう。また、通気性のよいチェアを使用することで、熱がこもりにくくなり湿気を効率よく逃してくれます。
快適にクールビズを進めて仕事の効率をアップさせよう
地球温暖化対策として始まったクールビズですが、現在では多くの企業で定着しています。しかし、クールビズ期間にどのような服装をしたらよいか迷う方もいるでしょう。
この機会に、社内でのルールを見直してみるとよいかもしれません。クールビズ期間中であっても仕事の効率を落としたり、熱中症になったりしないよう各企業での工夫も必要です。ぜひ、本記事の内容を参考にしながらクールビズの取り組みを進めてみてください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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