- 更新日 : 2026年9月7日
社会保険の同日得喪手続き
「同日得喪」という言葉は、あまり聞きなれないと思いますが、「どうじつとくそう」と読みます。
漢字から連想される通り、社会保険の資格取得と資格喪失を「同日」に行う手続きです。
今回は、この「同日得喪」手続きについて解説します。
「同日得喪」手続きは定年再雇用時に発生します
平成25年4月より高年齢者雇用安定法が改正され、定年年齢を65歳未満に定めている事業主に対し、高年齢者の雇用確保措置を講じることが義務化され、労働者の65歳までの雇用を確保することが必要となったこと等に伴い、60歳で定年を迎えた労働者を継続雇用することが増えています。
この継続雇用では、60歳を迎えた時点で一旦定年退職とし、新たな雇用条件で雇用契約を結び直すことが多いと思います。その際、役職がなくなったり、勤務日数が減ったり等の事情等により給与額が下がることもあります。
ただし、給与から天引きされている社会保険料は、「標準報酬月額」というものを基準に料率を掛けて保険料を決定しているため、固定給の大きな変動から3ヵ月は給与額が減っても、社会保険料は前の高い給与額を元に計算された「標準報酬月額」で社会保険料が計算され、天引きされてしまいます。
そこで、定年再雇用時は「同日得喪」の手続きをすることにより、定年再雇用が行われた月分の保険料から、再雇用後の新たな雇用条件での給与を元に「標準報酬月額」を決定し、社会保険料を計算することができるようになっています。
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同日得喪手続きの方法
年金事務所(保険者が健康保険組合の場合には、健康保険組合にも同様の手続きが必要です)に
・被保険者資格喪失届
・被保険者資格取得届
を、同時に提出します。
添付書類
上記書類提出の際、下記書類の添付が必要です。
・就業規則や退職辞令の写し等の退職したことがわかる書類
(就業規則において「定年」ついて記載がある箇所の写し 等)
・継続して再雇用されたことがわかる雇用契約書の写し
・従前の被保険者証
(一旦、社会保険の資格を喪失するため、今まで使っていた保険証を返却し、新しい保険証の交付を受ける必要があります。)
注意点
同日得喪制度の利用する際は下記ポイントもチェックしてください。
報酬増額時は「同日得喪」にしない
「同日得喪」制度は、定年再雇用の際、再雇用後の給与に対して社会保険料を適切な金額にするタイミングが、通常ですと遅くなってしまう為、利用するという説明をしました。定年再雇用に伴い、給与額が下がる場合は、早く社会保険料も下げるため、「同日得喪」手続きが有効です。
ただし、定年再雇用に伴い、報酬が特に変わらない場合・報酬が上がった場合は、早く社会保険料を変更する必要がないため、「同日得喪」手続きは不要です。
社会保険料が下がると・・・厚生年金額・傷病手当金額も下がります
「同日得喪」制度は、上述のとおり定年再雇用に伴い、給与額が下がる場合、早く社会保険料を下げるために行います。但し、社会保険料が下がるということは、その分、将来の厚生年金額も下がりますし、私傷病等でお休みしている間に生活保障として支給される傷病手当金も少なくなるということになります。メリットだけではないということも、頭にいれておきましょう。
まとめ
社会保険の同日得喪手続きは、従業員側にメリットが多いと思われがちですが、社会保険料は事業主と従業員の折半負担のため、事業主が支払う社会保険料も減額されるというメリットがあります。対象者が発生した場合には、間違いなく手続きが行えるよう、必要書類等の準備を進めておきましょう。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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