• 作成日 : 2022年7月8日

代休とは?振替休日との違いや取得時の注意点

代休とは?振替休日との違いや取得時の注意点

「代休」とは、休日出勤によって休むことができなかった日の代わりに、ほかの日を休日として仕事を休むことです。振替休日は休日が前もって振り替えられるのに対し、代休はあとから変更されます。給与面でも違いが生じ、振替休日では割増賃金が発生しないのに対して、代休は後日に休んでも休日出勤をしたことは事実であるため、割増賃金が発生します。

代休とは

代休とは、休日出勤で休日に休むことができなかった場合に、代わりとして休日として仕事を休む日のことです。同じような意味で使われる言葉に振替休日がありますが、代休と振替休日はどのように違うのでしょうか?代休の意味を振替休日や有給休暇との違いから考えると、次のようになります。

労働基準法における代休の定義・意味

労働生基準法において休日は「1週につき1日以上、4週につき4日以上」と定められています。会社は労働基準法第35条の規定に従って、従業員に1週間のうちに1日以上、4週間のうちに4日以上の休日を与えなければなりません。違反すると6ヵ月以下の懲役、または30万円以下の罰金が科されます。

代休は、従業員に休日出勤をさせた場合に、代わりに取得させる休日のことです。労働基準法上の言葉ではなく、定義の記載や意味付けも法律上では行われていません。代休は労働基準法の休日についての規定を守るために使われるようになった、実務上の言葉だということになります。

振替休日と代休の違い

振替休日と代休はよく似ているため、混同して使う人が多くいます。代休が「代わりの休日」であるのに対して振替休日は「振り替える休日」で、どちらも働いた休日の代替として休む日のことを指しています。違いは「振り替え」であるか「代わり」であるか、ということになります。

振替休日とは、休日出勤をする前に違う日に休みとする場合の休日です。あらかじめ休日を異なる日に「振り替え」ておくため、振替休日となります。前もって振り替えておくため、振替休日が休日出勤日より先である場合もあります。

代休は、休日出勤をしたあとに、違う日に休日の代わりとして休む日のことです。休日出勤が先にあって、後日に代休を取ることになります。このため振替休日とは違い、代休が休日出勤日より先である場合はありません。

有給と代休の違い

有給休暇とは労働基準法に基づいて労働者に与えられる、給与が支払われる休暇のことです。労働基準法第39条の規定により雇用されてから6ヵ月を経過する労働者に対して、勤続年数に応じた日数の有給休暇が付与されます。

労働基準法上、代休は付与義務はなく、有給休暇とは別に与える休暇です。就業規則に規定すれば無給とすることができます。有給休暇が法律上有給である点が異なります。

代休を取るときの注意点

休日出勤をした場合には、別の日に代休を取って休日とします。代休には、いくつかの気をつけなければならない点があります。代休取得の注意点は以下の通りです。

代休における給与、振替休日の給与との違い

代休とは、休日出勤をしたあとに、代わりに取得した休日のことをいいます。会社は営業していても代休を取得している労働者にとっては休日ですが、代休取得日は当然には無給にはなりません。就業規則で無給としておく必要があります。一方、振替休日の場合の振り返られた休日は当然、無給です。

代休でも時間外労働に割増賃金が発生する

代休は休日の扱いとなることから給与は発生しませんが、代休取得の原因となった休日出勤については給与が発生します。また、代休は休日出勤があるからこそ生じる休日であり、時間外労働時間の割増賃金が発生します。割増賃金で割り増しされた部分は、代休を取得しても相殺されないため、給与として支払われます。

休日出勤によって生じる時間外労働の割増賃金率は、3割5分、または2割5分です。労働基準法に定められている「1週につき1日以上、4週につき4日以上」の休日は法定休日にあたり、3割5分の休日の時間外労働割増賃金率で割増賃金が計算されます。法定休日以外の休日、具体的には週休2日制の場合のどちらかの休日には2割5分の時間外労働割増賃金率が適用されます。

休日出勤した日の賃金は「1.35」、あるいは「1.25」をかけて計算され、代休の取得によって「1」にあたる部分が相殺されます。結果として「0.35」か「0.25」のどちらかが代休を取っても休日出勤についての割増賃金として支給されることになります。

代休で未消化の休日を残さないようにする

代休を取らないと、未消化の休日が残ってしまう点にも注意が必要です。代休は休日出勤をしたあとに取得するため、業務が忙しい、ほかの社員が働いているなかで自分だけ休むのは気が引ける、といった事情からあと回しになってしまい、そのままになってしまうことがあります。しかし代休を取らないでいると、休日は未消化のまま残ってしまい、好ましくありません。

代休には「いつまでに取らなければならない」という明確な期限はありませんが、性質上、休日出勤後できるだけ早く取ることが大切です。また、会社によっては代休取得のルールが就業規則などで定められていることもあります。会社に規定がある場合は、定められた通りに代休を取る必要があるため、確認してみましょう。

欠勤を許可なく代休にできない

欠勤を会社が勝手に代休とすることは認められていません。病気などでした欠勤を代休として処理すること自体は可能ですが、従業員の合意が必要になります。会社が労働者の許可を得ずに代休とすることはできないため、注意が必要です。

代休を正しく知って取り損ねを防ごう

労働基準法は、労働者の権利を守るための法律です。労働時間や給与など多くのことを定めているなかで、休日を「1週間のうちに1日以上、4週間のうちに4日以上」と規定しています。休日出勤をした場合の休日確保のため、代休はきちんと取るようにすることが大切です。

代休に関しては、休日を無給にするには就業規則の規定が必要なこと、代休を取っても時間外労働に対する割増賃金は支払われるべきであること、未消化分を残さないようにすること、会社の勝手な欠勤との相殺はできないことに注意しましょう。

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よくある質問

代休と振替休日の違いについて教えてください。

休日出勤の前にあらかじめ休日を振り替えるのが振替休日、あとで代わりの休日を取得するのが代休です。詳しくはこちらをご覧ください。

代休を取るうえでの注意点を教えてください。

割増賃金は支払われているか確認すること、未消化分を残さないようにすること、会社は欠勤と勝手に相殺できないことが注意点になります。 詳しくはこちらをご覧ください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

執筆:坪 義生(社会保険労務士)

じんじ労務経営研究所代表(社会保険労務士登録)、労働保険事務組合 鎌ヶ谷経営労務管理協会会長、清和大学法学部非常勤講師、「月刊人事マネジメント」(㈱ビジネスパブリッシング)取材記者。社会保険診療報酬支払基金、衆議院議員秘書、㈱矢野経済研究所、等を経て、91年、じんじ労務経営研究所を開設。同年より、企業のトップ・人事担当者を中心に人事制度を取材・執筆するほか、中小企業の労働社会保険業務、自治体管理職研修の講師など広範に活動。著書に『社会保険・労働保険の実務 疑問解決マニュアル』(三修社)、『管理者のための労務管理のしくみと実務マニュアル』(三修社)、『リーダー部課長のための最新ビジネス法律常識ハンドブック』(日本実業出版社、共著)などがある。

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