• 更新日 : 2024年8月16日

コミュニケーションスキルとは?種類や活きる場面、大事な要素

コミュニケーションスキルとは、情報や考えなどをスムーズに共有するスキルのことです。日常生活でもビジネスシーンでも重要なスキルと言えるでしょう。本記事ではコミュニケーションスキルの概要や、活かされる場面、大事な要素、トレーニング方法などを紹介します。従業員のコミュニケーションスキルを高める上で活用してください。

コミュニケーションスキルとは?

コミュニケーションスキルとは、コミュニケーションを通じて、情報や考えなどをスムーズに共有するスキルのことです。対人関係を築く上で重要なスキルであり、日常生活でもビジネスシーンでも必須のスキルと言えるでしょう。

コミュニケーションは双方向

コミュニケーションは「情報共有」や「意思疎通」を意味します。自分の意見や考え、自分の持つ情報などを相手に一方的に伝えることではありません。相手の意見や考えにもしっかりと耳を傾け、相手にうまく働きかけたり、適切にレスポンスしたりすることもコミュニケーションです。つまりコミュニケーションは双方向のものということです。

コミュニケーションは上達する

コミュニケーション能力がもともと高い人もいますが、コミュニケーションスキルは後天的に得られるスキルであるため、訓練などを通じて上達します。

スキルとは、訓練や勉強などを通じて後天的に得られる能力を意味します。生まれながらに持つ才能や能力などとは異なり、訓練や経験などを通じて獲得できるものです。したがって、コミュニケーションスキルは、訓練などにより磨き上げることが可能です。

コミュニケーションは外向的とは異なる

話し上手でどのような相手に対してもよどみなく色々な話ができる、いわゆる外向的な人がいます。このような人がコミュニケーションスキルの高い人と感じることがあるのではないでしょうか。

実はコミュニケーションとは相手とうまく意思疎通を図ることであり、相手に一方的に伝えることだけがコミュニケーションではありません。相手の話に耳を傾け、相手の気持ちに共感しながら適切なレスポンスをすることも含めてコミュニケーションです。

仮に内向的な性格であっても、聞く力や感受性に優れており、高いコミュニケーションスキルを持っている人もいます。外向的な人がコミュニケーションスキルが高いとは必ずしも言えません。

コミュニケーションスキルの種類

コミュニケーションスキルにはどのような種類があるのでしょうか。以下では6種類を紹介します。

わかりやすく伝える力

頭で考えていることを相手がわかりやすい形で言語化して伝える力のことです。良いアイディアであっても相手が理解できなければ意味がありません。相手が理解しやすい言葉で、話の内容を整理した上で端的に伝えることが大切です。

相手に伝える論理的な表現力

相手に自分の考えや意見を十分に理解してもらう上で、論理的な表現力は重要です。主観だけでは単なる押しつけになります。自分の考えや意見に客観的な根拠を持たせながら、順序立てて論理的に表現することで、話に説得力を持たせることができます。相手に納得感が生じ、自らを相手にうまく伝えることにつながります。

真摯に耳を傾ける姿勢

相手の考えなどに真摯に耳を傾ける姿勢も、コミュニケーションスキルの重要な要素です。相互理解が深まって相手が気持ちよく話ができるようになり、コミュニケーションの効果が高まります。

好感を持ってもらえるような態度

自分のことを相手に聞いてもらう上でも、相手が話しやすい雰囲気を作る上でも、自分に好感を持ってもらえるような態度でふるまうことは重要です。具体的には、信頼感を持ってもらえるような態度で接しましょう。また誠実さや、包容力をうかがわせて安心感を生む態度も同様に重要と言えます。

非言語で伝える力

相手にわかりやすく伝えるためには、言葉(言語)だけではなく非言語で伝える力もコミュニケーションスキルの重要な要素と言えるでしょう。具体的には、表情やアイコンタクト、ジェスチャー、話し方のトーンなどで相手の視覚や聴覚に訴えることです。これにより、言葉でうまく伝えられない感情や態度などを相手に伝えることにつながります。

非言語を読み解く力

非言語で伝える力の逆で、相手の非言語での訴えをうまく読み解く力もコミュニケーションスキルの重要な要素です。非言語を読み解くと相手の本当に訴えたいことに近づくことができ、相互理解を深められるでしょう。

ビジネスコミュニケーションスキル

ビジネスコミュニケーションスキルとは、文字通りビジネスで成果を挙げるために必要なコミュニケーションスキルのことです。

職場内での基本的な情報伝達である報(報告)・連(連絡)・相(相談)はもちろん、会議や商談などでのプレゼンテーション、従業員との面談といったマネジメント上必要なコミュニケーションなど、さまざまなシーンで大変重要と言えるでしょう。

ビジネス上のコミュニケーションが円滑に行われないと、業務の生産性や従業員エンゲージメントの低下、顧客や取引先との信頼関係の低下など、さまざまな形での悪影響が懸念されます。

コミュニケーションスキルが高い人・低い人

コミュニケーションスキルが高い人、低い人とはどのような人なのでしょうか。それぞれの特徴を簡単に紹介します。

コミュニケーションスキルが高い人

コミュニケーションは双方向性を持つため、自分の意見などを伝えることと、相手を理解することの双方に長けている人がコミュニケーションスキルが高いと言えるでしょう。会話の中で話す時間と聞く時間のバランスが取れていて、相手から信頼感を得やすいため、相互理解を深めることができ、コミュニケーションの効果が高まります。

コミュニケーションスキルが低い人

コミュニケーションスキルが低い人は、一般的に会話に消極的です。会話をする場合でも相手の気持ちを考えない発言をしたり、会話のキャッチボールにならずに自分の話ばかりしたりするなどの特徴があります。相手が話しづらい雰囲気を作ってしまうため、相互理解が深まりません。

コミュニケーションスキルが活きる場面

コミュニケーションスキルが活きる場面として、主に以下の9つの場面が挙げられます。

人間関係や信頼関係の構築

コミュニケーションスキルを活かすことで、自らの好感度を高めて相手からの信頼感が得られます。相互理解も深まるため、良好な人間関係や信頼関係を構築することが可能です。

説明や説得

コミュニケーションスキルを身につけると、物事や考えなどを言葉でわかりやすく伝えられるので、内容についても説得力を持たせることができます。また相手の反応を確認しながら理解度に合わせて話ができるため、相手の納得感も高まります。このように相手に何かを説明したり、説得したりする場面でスキルを活かすことが可能です。

得意先との折衝や交渉

得意先との折衝や交渉を行う場面で、コミュニケーションスキルを活かせば成功に導くことが可能です。コミュニケーションスキルにより、自社の考えや意見などを得意先に分かりやすくプレゼンテーションし、論理的かつ説得力のある形で話を進められます。

また、得意先の考えや意見、ニーズなどをしっかりとヒアリングしながら、双方にとって良好な条件が何かを考えながら話を進められるため、折衝や交渉がまとまりやすいでしょう。

会議の効率の良い進行

会議の場では立場やバックボーンの異なる出席者から、さまざまな意見が出されます。コミュニケーションスキルにより、それらの意見に耳を傾けて、論点を明確に整理した上で出席者に伝えることが可能です。他の出席者の発言も促せるため、会議の効率の良い進行に役立ちます。

また、会議の出席者各人がコミュニケーションスキルを高めると、出席者間の相互理解が深まります。活発な議論のもと良い意見が出やすくなり、会議の生産性が高まるでしょう。

情報の交換や共有

ビジネスシーンや一般的な人間関係を問わず、情報の交換や共有を行う上でコミュニケーションスキルは不可欠です。コミュニケーションスキルを活かせば、相互に十分な理解を図ることができます。情報交換や共有も円滑に進むため、チームワークを高められるでしょう。その結果、ビジネスシーンや一般的な人間関係において良い成果につながることが期待できます。

ミスを防止するため

コミュニケーション不足により、指示内容などを誤認することでミスを犯してしまうことがしばしば見られます。このようなミスを防止するためにコミュニケーションスキルは役立ちます。

相手の理解を促すために、わかりやすく明確に指示を伝えたうえで、相手の反応をしっかり確認しましょう。確実に理解してもらう形でコミュニケーションを取ることが、ミス防止のために大変重要です。

対立や衝突の防止

意見の相違や相手に対する理解が不十分なことで誤解が生じ、対立や衝突が起こることがあります。このような対立や衝突の防止にも、コミュニケーションスキルが重要な役割を果たします。

コミュニケーションスキルを持つことで、自らの考えや意見を相手に明確に伝えられるとともに、相手の考えや意見もしっかりと傾聴できます。また、話を聴く中で効果的な質問を通じて不明点を解消するなど、お互いに納得のいく形でコミュニケーションを図ることが可能です。その結果、対立や衝突を防ぐことにつながります。

自身の成長やキャリア開発のため

組織においては、内外に関わらず多くの人と協力して成果を挙げる必要があります。考えや能力、経験などの異なる人と協力関係を築く上でコミュニケーションは重要で、どのような組織においてもコミュニケーションスキルの高い人は重宝されます。

特にビジネスパーソンについては、コミュニケーションスキルが評価される傾向にあります。つまり、自身の成長やキャリア開発を進める上で活かせるスキルだと言えるでしょう。

リモートワークを円滑にするため

オフィスワークと比べてリモートワークは、コミュニケーションを図りにくいと言われています。一方で、昨今では働き方の多様化などによりリモートワークの導入が進んでいます。

オフィスでは、休憩時間や隙間時間などに雑談をしたり、仕事に関する意見を交換したりしてコミュニケーションを取りやすいでしょう。一方、リモートワークではそれが難しいのが実情です。オンラインミーティングやチャットでの情報交換が重要になりますが、コミュニケーションスキルを活用すれば、十分に認識をすり合わせながらリモートワークを円滑に進められるでしょう。

コミュニケーションスキルで大事な要素

コミュニケーションスキルにとって大事な要素を3点、以下に解説します。

協調性

コミュニケーションは相互理解を図る目的で行うもので双方向性を持つため、一方的であってはなりません。相手を否定するのではなく、しっかりと受け止めることが重要です。

したがってコミュニケーションスキルでは、相手を理解して共感するための協調性が大事な要素になるでしょう。協調性のある態度で接することにより、相手からの信頼感が高まります。自分の話にもしっかりと耳を傾けてもらえるため、相互理解が深まりコミュニケーションの効果も高まるでしょう。

意思の疎通

コミュニケーションにおいては、相手と意思疎通が十分に行えるかが重要な要素です。意思疎通にあたっては、相手の言葉を聴く力が必要となります。

相手の言葉を聴くとは、相手の話を遮ったり否定したりするのではなく、相手が伝えたいことを最後まで聴くということです。聴くだけでなく理解を深めることが重要で、そのための質問力も求められます。

自己表現力

自己表現力は、自分の意見や考えなどをうまく表現する能力です。表現方法は言葉によるもののほか、言葉によらないもの(非言語によるもの)があります。

言葉による表現とは、相手にわかりやすく伝える能力を指します。内容を十分に整理して根拠を明確にするなど、端的かつ論理的に伝えることが重要です。相手の性格や考え方などを踏まえて、表現方法を変えるのも効果的でしょう。また、表現のバリエーションが多いほど相手により正確に伝えられますが、それを増やすためには語彙力を磨く必要があります。

非言語による表現も、言葉による表現を補えるため重要と言えます。非言語による表現とは、具体的には表情・アイコンタクト・ジェスチャーなどです。非言語による表現を交えることで、相手に対して自らの感情を交えて自分のことをより正確に伝えられるでしょう。

コミュニケーションスキルのトレーニング方法

コミュニケーションスキルのトレーニング方法を以下で2点紹介します。

あいさつと10秒雑談

コミュニケーションスキルを磨くためには、毎朝のあいさつに5〜10秒ほどで終わる雑談を付け加える「あいさつと10秒雑談」を心がけるとよいでしょう。雑談の内容は、天気のことや時事問題、服装や髪型といったファッションに関することなど、ちょっとした話のきっかけになることで構いません。話しやすい雰囲気や自分が相手に関心を持っていることなどが伝わればよいため、日々繰り返すことによる積み重ねが重要です。

積極的に感謝の言葉を伝える

何かをしてくれた際に積極的に「ありがとう」「助かるよ」などの感謝の言葉を添えることもコミュニケーションスキルを磨くトレーニングになります。

感謝の言葉は自分への好感度を高めることにもつながり、その結果距離も縮まって自ずと会話の機会が増えるでしょう。好感度が高まることで、話しやすい雰囲気にもつながります。相互理解も促されるため、コミュニケーションスキルの向上につながるでしょう。

従業員のコミュニケーションスキルを高め、生産性も高めよう

コミュニケーションスキルは、社会生活を送る上で大変重要なスキルです。特にビジネスシーンにおいては、組織や企業としての業績や成果を高める必要がありますが、その際にコミュニケーションスキルが重要な役割を果たします。

コミュニケーションスキルは、訓練などを通じて磨くことが可能です。本記事で紹介したコミュニケーションスキルの特徴や重要な要素を理解した上で、自社の従業員がコミュニケーションスキルを高められる取り組みを進めて生産性を向上させましょう。


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