• 更新日 : 2023年11月17日

ワークエンゲージメントとは?意味や高める方法を紹介

ワークエンゲージメントとは?意味や高める方法を紹

ワークエンゲージメントが高い人は、仕事にやりがいを感じ、いきいきとしているなどといわれます。企業の従業員のワークエンゲージメントを高めることができれば、業務に熱心に取り組み、その結果として生産性が向上します。

ワークエンゲージメントとは何か、構成する要素や高める方法、高めることによるメリットや効果について解説します。

ワークエンゲージメントとは?

ワークエンゲージメントとは、仕事から活力を得て、誇りとやりがいを感じ、熱心に取り組んでいる状態を指します。仕事に対してポジティブで充実している心理状態を指し、「活力」「熱心」「没頭」の3つが揃った状態と定義されています。そのため、ワークエンゲージメントが高い人は、仕事にやりがいを感じ、いきいきとしているなどといわれるのです。

これは、仕事に向けられた一時的な状態を指すのではなく、個人と仕事全般との関係性を示す、持続的かつ安定的な状態を指す概念です。当初コンサルタント業界で使用されていた「エンゲージメント」という用語は、1990年代にギャラップ社で初めて使われたともいわれており、さまざまな研究がなされています。その後、2002年にオランダのシャウフェリ教授らによってワークエンゲージメントの概念が確立され、現在も広く活用されています。

ワークエンゲージメントと関連性が深い概念には、「ワーカホリズム」「バーンアウト」「職務満足感」の3つがあります。

職務満足感

「職務満足感」は、仕事をするうえで、組織や職場環境、自分の役割にどのくらい満足しているかをあらわす概念です。仕事に対する態度や認知は肯定的であり意欲が高い反面、仕事に没頭するワークエンゲージメントに比べて活動水準は低く、パフォーマンスが低い状態といえます。

ワーカホリズムとの違い

ワーカホリズムは、「過度に一生懸命に働く」といった強迫観念を持って働く状態とされています。ワークエンゲージメントと同様に活動水準は高く、パフォーマンスが高い反面、仕事に対する意欲は高いとはいえず、仕事に対する態度や認知は否定的な状態にあります。

バーンアウトとの違い

バーンアウトは「燃え尽き症候群」とも呼ばれ、仕事に過度のエネルギーを費やしたために燃え尽きた状態、つまり、疲弊し、仕事への意欲や自信を失くし、興味も関心もなくなった状態を指しています。仕事に対する態度や認知は否定的で意欲も低く、パフォーマンスも低い状態にあり、ワークエンゲージメントとは正反対の位置にある概念となります。

参考:コラム2-5図ワーク・エンゲイジメントが労働者の健康・仕事のパフォーマンスへ与える影響|平成30年版労働経済の分析-働き方の多様化に応じた人材育成の在り方について-|厚生労働省

ワークエンゲージメントを構成する3つの要素

ワークエンゲージメントは仕事に対してポジティブで充実している心理状態を指し、「活力」「熱心」「没頭」の3つの要素が揃った状態です。3つの要素について見ていきましょう。

活力

活力とは、精神力を向上させ、仕事に継続的に取り組む源となるエネルギーのようなものです。活力が増せば精神力が強くなり、継続して業務に取り組むことができるようになります。ミスやトラブルによりストレスを感じても、精神的に立ち直るのが早く、業務に邁進することができます。

没頭

没頭とは、業務に集中して他のことに目もくれず、熱心に取り組んでいる状態を指します。業務に没頭し集中力が高い状態であれば、仕事が正確でミスが起こりにくく、作業効率が向上し、企業の生産性も向上します。

熱意

熱意とは、自身の職務能力、キャリアに対して誇りをもっている状態、つまり、仕事へのやりがいに通じます。熱意を持って仕事に取り組むことで、業務に積極的に取り組むことができるようになります。

ワークエンゲージメントを高める方法

ワークエンゲージメントが高い従業員は、企業が理想とする従業員増の1つといえるでしょう。ワークエンゲージメントは、企業の努力によって高めることが可能です。ここでは、ワークエンゲージメントを高める具体的な方法を紹介します。

① 仕事量を適切な形に調整する

従業員が無理なく持続的に業務に取り組むためには、仕事量を適切な形で調整する必要があります。それには業務の効率化が大切です。

現状の業務の内容やプロセスを見直し、無理や無駄を省き、業務改善に積極的に取り組むことで、業務量の最適化が図れます。仕事量が多く、長時間労働となれば、仕事に対する態度や認知は否定的となり、ワーカホリズムやバーンアウトの状態に陥ってしまう可能性があります。

➁ 1on1などのサポート・フィードバックの機会を設ける

上司と部下が1対1で対話し、現状の業務上の問題点、キャリア形成、悩みなどについて話し合う場を「1on1ミーティング」などと呼び、実施している企業は多くあります。

定期的に1on1を実施することで、部下の現状把握、業務上の問題点の改善、仕事量の調整が可能となります。従業員も、自身の気持ちを理解してくれることで、仕事へのやりがいを感じるようになります。それには、1度きりではなく継続的に実施し、サポート・フィードバックの機会を設けることも大切です。

③ 仕事の裁量を大きくする

役職が上がり仕事の裁量が増えるほどワークエンゲージメントは高まります。ポストが上がり、裁量が増えれば、責任の重さ・業務の重要さを実感できるようになり、組織から自分が必要とされていると感じるようになります。

たとえば営業に従事する従業員に一定の裁量権を持たせて仕事を任せるようにすれば、責任感が強くなり、従業員の能力向上、提案・企画力の強化にもつながります。

④ スキルアップの研修を行う

ワークエンゲージメントを高めるには、従業員の育成が不可欠です。業務に必要な知識・能力の向上のためには、スキルアップのための研修を行う必要があります。

「新人研修」「中堅社員研修」「管理者研修」などと、経験年数やポストに応じて必要な研修を段階的に行い、従業員ひとり一人の能力を伸ばし、企業がサポートすることが重要です。

⑤ 適切な人事評価制度の構築

従業員の人事評価制度の構築も重要です。適切な人事評価を行い、昇給・昇格に公平感があることは、従業員のやる気・やりがいにつながります。一方、人事評価に不公平感を抱くようになると、従業員のモチベーションが下がり、パフォーマンスの低下を招くことになりかねません。

⑥ 報酬・賞などの制度を設ける

報奨金・賞などの制度も、従業員のモチベーション向上につながり、ワークエンゲージメントを高める効果があります。従業員が出した成果が認められる制度があれば、さらなる仕事への活力や熱意につながります。

ワークエンゲージメントの測定方法

仕事に対するやりがい、熱意などを具体的な数値に置き換えることは難しいと思う方もいるでしょう。ワークエンゲージメントの尺度や測定方法について紹介します。

MBI-GS(バーンアウトの測定)

ワークエンゲージメントと正反対の位置にある状態がバーンアウトです。バーンアウトを測定する方法に「MBI-GS(Maslach Burnout Inventory-General Survey)」があります。バーンアウトの測定ができれば、対極的な位置にあるワークエンゲージメントを測定することが可能となります。

MBI-GS」は、16項目の質問を回答する方法で測定します。「MBI-GS」が低ければワークエンゲージメントが高いことが予想できます。

OLBI(バーンアウトの測定)

「OLBI(Oldenburg Burnout Inventory)」も「MBI-GS」と同じく、バーンアウトの測定方法の1つです。疲弊と離脱の2つの因子に対する質問から、バーンアウトの測定を行います。「OLBI」が低ければワークエンゲージメントが高いことが予想できます。

UWES(ワークエンゲージメントの測定)

ワークエンゲージメントの測定に最も多く使用されているといわれているのが、「UWES(Utrecht Work. Engagement Scale)」です。「活力」「没頭」「熱意」の3要素の尺度から作成された17項目の質問に回答する方法で、ワークエンゲージメントを測定します。

「5段階スケール」や「7段階スケール」で回答する方法があり、質問項目が9項目や3項目の短縮版なども開発されています。

日本版の測定方法はある?

日本国内でも、日本の労働者に合わせた「UWES」が翻訳・研究され、広く使用されています。質問項目が9項目の短縮版などを利用すれば、簡易な測定が可能です。自社のワークエンゲージメントの状態を把握するためにも、一度利用してみてはいかがでしょうか。

ワークエンゲージメントを高めるメリット・効果

従業員のワークエンゲージメントを高めることは、企業にさまざまなメリットをもたらします。ワークエンゲージメントを高めることで期待できる効果を見てみましょう。

生産性の向上

ワークエンゲージメントを高めることは、新たなアイデアの創出や業務改善につながります。熱意があり、仕事や組織に対してポジティブな感情がなければ、仕事に必要な新たな知識を吸収したり、業務改善に取り組んだりすることは、なかなかできることではありません。

従業員のワークエンゲージメントを高めることで、企業の生産性向上、イノベーション、新商品開発など、さまざまな効果を生み出すことでしょう。

離職率の低下

ワークエンゲージメントが高いということは、従業員が企業で誇りとやりがいを感じ、熱心に業務に取り組んでいるということです。組織の中で活躍し、従業員の満足度が高ければ、結果として、離職率低下の効果を生み出します。

メンタル面での安定性

仕事や組織に対してポジティブな感情が産まれれば、ストレスを感じることなく業務に取り組むことができるようになります。企業にとって、従業員のメンタル対策は重要な課題です。メンタル面の安定性は、従業員のパフォーマンスの向上や職場環境の改善につながります。従業員がストレスが溜まることなく業務に取り組むことができれば、メンタル不調に悩むことはなくなるでしょう。

従業員エンゲージメントを高めることで企業は成長する

勤務する会社に貢献し、組織の中で自分自身の存在感を感じて、企業に愛着がある気持ちのことを「従業員エンゲージメント」などと呼びます。ワークエンゲージメントが高い従業員は、企業が理想とする従業員増の1つといえるでしょう。

従業員エンゲージメントが高まれば、従業員はやりがいを感じていきいきと働くことができるようになります。仕事にやりがいがあれば、おのずから結果もついてきて、従業員が成長するばかりか、企業の成長にもつながるのです。


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