• 作成日 : 2022年12月9日

付加年金とは?厚生年金においても活用できる?

付加年金とは?厚生年金においても活用できる?

付加年金は国民年金第1号被保険者が納付することで、将来受け取る年金額を増やすことができる制度です。月額400円を国民年金保険料と一緒に支払うことで、「200円×付加保険料納付済期間の月数」の付加年金が、老齢基礎年金に上乗せされます。国民年金保険料を支払う第1号被被保険者のみを対象にした制度で、厚生年金加入者は利用できません。

付加年金とは?

付加年金とは国民年金第1号被保険者が、将来受け取る年金額を増やすための制度です。国民年金保険料と一緒に付加保険料を納付することで、付加年金が上乗せされた老齢基礎年金を受け取ることができます。以下のように、国民年金法第87条の2に規定されています。

国民年金法第87条の2

第1号被保険者(第89条第1項、第90条第1項又は第90条の3第1項の規定により保険料を納付することを要しないものとされている者、第90条の2第1項から第3項までの規定によりその一部の額につき保険料を納付することを要しないものとされている者及び国民年金基金の加入員を除く。)は、厚生労働大臣に申し出て、その申出をした日の属する月以後の各月につき、前条第3項に定める額の保険料のほか、400円の保険料を納付する者となることができる。

引用:国民年金法|e-Gov法令検索

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付加年金の対象者は?厚生年金でも活用できる?

付加年金の対象者は国民年金第1号被保険者です。国民年金の被保険者は以下のように、第1号被保険者・第2号被保険者・第3号被保険者に区分されます。

  • 第1号被保険者:自営業者、学生、農業者、無職の人など
  • 第2号被保険者:厚生年金加入方者(会社員、公務員など)
  • 第3号被保険者:第2号被保険者(厚生年金加入者)に扶養されている配偶者

第1号被保険者・第2号被保険者・第3号被保険者のうち、第1号被保険者のみが国民年金保険料支払い義務を負っています。第1号被保険者が付加年金に加入する場合は、国民年金保険料と付加保険料を一緒に支払うことが求められます。

付加年金に加入できる人

付加年金は国民年金保険料支払い義務を負う、第1号被保険者のみに加入が認められています。また65歳未満の任意加入者も、付加年金保険料を支払うことができます。

付加年金に加入できない人

国民年金第1号被保険者でも、以下の人は付加年金に加入できません。

  • 国民年金基金に加入している人
  • 国民年金保険料の納付を免除されている人

第2号被保険者は基本的に付加年金を活用できない

3種類の国民年金被保険者のうち、第2号被保険者と第3号被保険者は国民年金保険料の支払い義務を負っていません。第2号被保険者と第3号被保険者が負担すべき国民年金保険料は、厚生年金から拠出されているためです。国民年金保険料を被保険者が自ら支払わなければならないのは第1号被保険者に限られ、第2号被保険者は付加年金を活用することはできません。

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付加年金と国民年金基金どっちがお得?

国民年金第1号被保険者は、付加年金を活用することで将来に受け取る年金額を増やすことができます。また第1号被保険者は、国民年金基金の加入によっても老齢時の年金受取額を増やせます。

付加年金のメリット・デメリット

付加年金のメリットは以下のとおりです。

  • 負担が少ない
    毎月の付加保険料は400円と少額なので、負担が小さいです。
  • 効率的に年金額が増やせる
    付加年金によって、老齢基礎年金に「200円×付加年金保険料を支払った月」分の金額が上乗せされます。1年分の付加保険料は2年間の年金受給で取り戻せるため、効率的です。
  • 繰り下げ受給により割り増しになる
    付加年金は老齢基礎年金と一緒に繰り下げ受給ができ、割り増しになります。
  • 脱退や再加入ができる
    付加年金は、それぞれの事情に応じて自由に脱退や再加入ができます。

反対に付加年金のデメリットは以下のとおりです。

  • 年金を少ししか増額できない
    付加年金による老齢基礎年金の増額は、少額にとどまります。
  • 繰り上げ受給により減額される
    繰り上げ受給をすると、付加年金も老齢基礎年金と同じ割合で減額されます。

国民年金基金のメリット・デメリット

国民年金基金のメリットは以下のとおりです。

  • 口数を選べる
    掛金上限額(1ヵ月あたり6万8,000円)を超えない範囲で、1口から口数を選べます。
  • 将来の年金額を大きく増やすことができる
    選ぶ口数によっては、将来受け取る年金額を大きく増やすことができます。

反対に国民年金基金のデメリットは以下のとおりです。

  • 脱退や中途解約ができない
    口数の増減は自由にできますが、脱退や中途解約はできません。
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サラリーマンの場合でも付加年金をさかのぼって支払うことはできる?

付加保険料は、付加年金の加入を申し込んだ月から納付することができます。申し込み前について、さかのぼって付加保険料を支払うことはできません。

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厚生年金加入者は付加年金以外の方法で年金受給額を増やそう

付加年金は、将来受け取る年金額を増やすための制度です。毎月400円の付加保険料を支払うことで、老齢基礎年金の受給額に「200円×付加年金保険料を支払った月数」が上乗せされます。少ない負担で確実に、効率よく年金受給額を増やすことができます。

付加年金は国民年金保険料を自ら納付する第1号被保険者を対象にした制度で、厚生年金に加入している第2号被保険者は活用できません。サラリーマンは付加年金以外で年金受給額を増やす方法を考えましょう。

よくある質問

付加年金とは何ですか?

付加保険料を支払うことで、将来受け取る年金額を増やすことができる制度です。詳しくはこちらをご覧ください。

厚生年金でも付加年金の制度を活用できますか?

付加年金を活用できるのは第1号被保険者に限られ、厚生年金加入者は活用できません。詳しくはこちらをご覧ください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

執筆:坪 義生(社会保険労務士)

じんじ労務経営研究所代表(社会保険労務士登録)、労働保険事務組合 鎌ヶ谷経営労務管理協会会長、清和大学法学部非常勤講師、「月刊人事マネジメント」(㈱ビジネスパブリッシング)取材記者。社会保険診療報酬支払基金、衆議院議員秘書、㈱矢野経済研究所、等を経て、91年、じんじ労務経営研究所を開設。同年より、企業のトップ・人事担当者を中心に人事制度を取材・執筆するほか、中小企業の労働社会保険業務、自治体管理職研修の講師など広範に活動。著書に『社会保険・労働保険の実務 疑問解決マニュアル』(三修社)、『管理者のための労務管理のしくみと実務マニュアル』(三修社)、『リーダー部課長のための最新ビジネス法律常識ハンドブック』(日本実業出版社、共著)などがある。

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