- 更新日 : 2026年4月15日
【2026年】労働基準法改正の変更点は?人事労務担当者向け法令改正を解説
2026年は子ども・子育て支援金の徴収開始・障がい者雇用率の引き上げ・男女間賃金差異の公表義務拡大など、給与計算と雇用管理に直結する法令改正が集中しています。
- 子ども・子育て支援金の給与天引きが開始(4月)
- 男女間賃金差異・女性管理職比率の公表義務が101人以上に拡大(4月)
- 障がい者法定雇用率が2.5%から2.7%に引き上げ(7月)
Q. 2026年で最初に対応すべき改正は?
A. 4月施行の子ども・子育て支援金です。給与計算システムの改修が必要なため、今すぐベンダーへの確認が必要です。
労働基準法の改正とは、企業と労働者との間で最低限満たすべき労働条件を定めた法律を、時代の変化に伴い変更することです。労働基準法は、制定されてからこれまでに数回の法改正を経て現在に至っています。
この記事では、労働基準法をはじめとする人事労務関連法令の概要と改正の履歴を一覧で確認した上で、2026年に対応が必要な最新の法令改正を人事労務担当者向けに解説します。
2026年は、約40年ぶりの労働基準法大改正の議論が進む中、社会保険の適用拡大・障がい者雇用率の引き上げ・カスタマーハラスメント防止措置の義務化・子ども・子育て支援金の徴収開始など、給与計算や雇用管理に直結する改正が集中しています。
各施行日までに何をすべきかを正しく理解し、手続き漏れのないよう備えましょう。
目次
- 2026年現在、労働基準法改正で議論されている変更点とは?
- 人事労務担当者がおさえるべき2026年の法令改正は?
- 1.2026年4月1日:被扶養者認定の「130万円の壁」判定ルールが変更
- 2.2026年4月1日:【年金制度改正法】在職老齢年金の支給停止基準額が引き上げ
- 3.2026年4月1日:「子ども・子育て支援金」の給与天引きが開始
- 4.2026年4月1日:【改正労働安全衛生法】高年齢労働者の労災防止・フリーランス保護が義務化・努力義務化
- 5.2026年4月1日:【改正女性活躍推進法】男女間賃金差異と女性管理職比率の公表義務が拡大
- 6.2026年7月1日:【障害者雇用促進法】障がい者法定雇用率が2.7%に引き上げ
- 7.2026年10月1日:【改正労働施策総合推進法】カスタマーハラスメント防止措置が義務化
- 8.2026年10月予定:社会保険の賃金要件(106万円の壁)が撤廃
- 2019年~2025年:人事労務に関する主な法令改正一覧
- 2025年までの労働基準法・関連法令の改正による重要ポイントは?
- 労働基準法の改正で企業が取り組むこととは?
- 2026年の法令改正、準備は万全にしておこう
2026年現在、労働基準法改正で議論されている変更点とは?
2025年1月に厚生労働省の「労働基準関係法制研究会」が報告書を公表し、約40年ぶりとなる労働基準法の抜本的な見直しの方向性が示されました。
以下はあくまで検討中の方向性であり、確定した法改正ではありません。当初2026年の通常国会への法案提出が見込まれていましたが、2025年12月に提出が見送られており、施行される場合は2027年以降になる見通しです。
ただし内容・方向性に変わりはないため、今から実態把握と準備を進めておきましょう。
1.連続勤務の上限規制:14日以上の連続勤務が禁止される見通し
現行法では「4週4休」の変形休日制を利用すると、理論上は最大48日間の連続勤務が可能です。
脳・心臓疾患や精神障害の労災認定基準において「連続2週間勤務」が発症の判断要素とされていることを踏まえ、いかなる休日制度を採用していても14日以上の連続勤務を法律で禁止する規定が新設される見通しです。
シフト制を採用している医療・介護・小売・飲食業は特に影響が大きくなります。
2.勤務間インターバル制度:努力義務から義務化へ
終業から次の始業までに一定の休息時間を確保する「勤務間インターバル制度」は、現在努力義務にとどまっています。
労働者の睡眠確保と疲労回復のため、原則11時間以上のインターバルを設けることが義務化される方向で検討されています。
例えば23時まで残業した場合、翌日の始業は最早10時以降にしなければなりません。夜勤・交代制勤務・恒常的な残業がある職場は特に影響が大きくなります。
3.法定休日の特定義務化:就業規則への明示が必須に
現行法では法定休日をいつにするか明示する義務がなく、特に変形労働時間制を採用している企業では「法定休日(割増率35%)」と「所定休日(法定労働時間を超える部分について割増率25%)」の区別が曖昧になりがちです。
就業規則等で法定休日を明確に特定することが義務化される方向で検討されています。
4.有給休暇の賃金算定:「通常賃金方式」への統一が検討中
有給取得時の賃金計算は現在「通常賃金」「平均賃金」「健康保険の標準報酬日額」の3方式から選択できますが、特にパート・アルバイトの計算が煩雑になっています。
通常の賃金方式(通常通り出勤した場合に支払われる賃金)を原則とすることで、有給取得による収入減をなくすことが検討されています。
5.「つながらない権利」:時間外連絡を制限するガイドライン策定へ
テレワークやスマートフォンの普及により、勤務時間外・休日の業務連絡が常態化しています。
勤務時間外のメール・チャット・電話への応答を拒否できる権利について、国がガイドラインを策定する方向で検討されています。
6.副業・兼業の労働時間通算:割増賃金の計算ルールが簡素化へ
現行では複数の会社で働く場合、労働時間を通算して割増賃金を計算する必要があり、企業の副業解禁を阻む要因となっています。
割増賃金算定における労働時間の通算ルールが簡素化される方向で検討されており、企業が副業・兼業を認めやすくなることが期待されます。
7.週44時間特例措置の廃止:全業種で週40時間に統一される見通し
商業・映画演劇業・保健衛生業・接客娯楽業で従業員10人未満の事業場に認められている「週44時間」の法定労働時間特例が廃止され、全業種で週40時間に統一される方向で検討されています。
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※記事の内容は、この後のセクションでも続きますのでぜひ併せてご覧ください。
労働基準法の基本と実務 企業がやりがちな15のNG事項
労働基準法は「労働者が人たるに値する生活を営むための労働条件の最低基準」を定めた法律です。
本資料では、企業がやりがちな違法行為を軸に、最低限把握しておきたい労働基準法の基本ルールをまとめました。
時間外労働の管理 労基法違反から守る10のルール
年5日の有給休暇の取得が義務化され、企業には正確な休暇管理が求められています。
本資料では、有給休暇に関する基本ルールをはじめ、よくあるトラブルへの対処方法を社労士がわかりやすく解説しています。
労働時間管理の基本ルール【社労士解説】
多様な働き方を選択できる「働き方改革」が世の中に広まりつつありますが、その実現には適切な労働時間管理が欠かせません。
労働時間に関する用語の定義や休憩・休日のルールなど、労働時間管理の基本ルールを社労士が解説します。
労働条件通知書・雇用契約書の労務トラブル回避メソッド
雇用契約手続きは雇入れ時に必ず発生しますが、法律に違反しないよう注意を払いながら実施する必要があります。
本資料では、労働条件通知書・雇用契約書の基本ルールをはじめ、作成・発行のポイントやトラブル事例について紹介します。
人事労務担当者がおさえるべき2026年の法令改正は?
2026年は議論中の労働基準法大改正に加え、社会保険の適用拡大・障がい者雇用率の引き上げなど、実務への影響が大きい改正が集中しています。
確定済みの改正は各施行日から逆算して早めに対応し、未確定の改正も動向を注視しながら今から準備を進めましょう。
1.2026年4月1日:被扶養者認定の「130万円の壁」判定ルールが変更
2026年4月から、健康保険の被扶養者認定における年間収入の判定が、実績ベースから労働条件通知書に記載された年収見込みベースに変わります。
契約上の年収が130万円未満であれば、繁忙期の残業で一時的に130万円を超えても、原則として扶養認定は取り消されません。パートやアルバイトを多く雇用している企業ほど、従業員からの問い合わせが増えることが予想されます。
- 労働条件通知書に時給・所定労働時間・勤務日数・通勤手当が明確に記載されているか確認・整備する
- 扶養内勤務を希望する従業員に新ルールの内容を周知する
- 加入している保険者(協会けんぽ・健康保険組合)の手続き変更を確認する
2.2026年4月1日:【年金制度改正法】在職老齢年金の支給停止基準額が引き上げ
65歳以上で働きながら年金を受給する従業員に関する「在職老齢年金」制度が改正されました。
これまで月額51万円だった支給停止の基準額が、2026年4月から月額65万円に引き上げられました(毎年度、賃金の変動に応じて改定されます)。
これにより、高齢従業員の「働き損」が軽減され、就労継続の意欲向上が期待されます。
- 60歳以上の在職者で在職老齢年金を受給している従業員を把握する
- 基準額引き上げにより新たに全額受給が可能になる社員に制度変更の内容を周知する
- 必要に応じて処遇・給与設計の見直しを検討する
3.2026年4月1日:「子ども・子育て支援金」の給与天引きが開始
2026年4月分保険料(多くの企業では5月支給の給与)から、健康保険料に上乗せする形で「子ども・子育て支援金」の徴収が始まります。
子どもの有無にかかわらず健康保険の被保険者全員が対象で、2026年度の支援金率は0.23%(労使折半)。賞与からも徴収されます。
- 給与計算システムが新制度に対応しているかベンダーに確認・設定変更を依頼する
- 健康保険組合・協会けんぽから示される新しい保険料額表をシステムに反映する
- 「なぜ保険料が増えたのか」という従業員からの問い合わせに対応できるよう制度内容を周知する
4.2026年4月1日:【改正労働安全衛生法】高年齢労働者の労災防止・フリーランス保護が義務化・努力義務化
2025年5月に公布された改正労働安全衛生法の主要部分が施行されます。
- 高年齢労働者の労災防止(努力義務):60歳以上の従業員の身体機能の低下に配慮した作業環境の改善が事業者の努力義務となります
- 個人事業者等への安全衛生対策の拡大(義務):フリーランス・一人親方など個人事業者が自社従業員と混在して働く場合、個人事業者等を含めた安全衛生管理体制の整備が義務となります
- 治療と仕事の両立支援(努力義務):がん等の疾病を抱える従業員への就業上の配慮が努力義務化されます
出典:令和8年4月1日より「高年齢者の労働災害防止のための指針」が適用されます|厚生労働省 山口労働局
- 60歳以上の従業員の作業環境を確認し、改善が必要な箇所を洗い出す
- フリーランス・業務委託で現場に入る個人事業者等がいる場合、安全衛生管理の対象に含めているか確認する
- 治療と仕事の両立支援について、就業規則や社内対応方針を整備する
5.2026年4月1日:【改正女性活躍推進法】男女間賃金差異と女性管理職比率の公表義務が拡大
2026年4月1日より、企業における女性活躍に関する情報公表の義務対象が大きく拡大されます。
これまで従業員数301人以上の企業にのみ義務付けられていた「男女間賃金差異」の公表が、従業員数101人以上の企業に拡大されます。
さらに、新たに「女性管理職比率」の公表も101人以上の企業に義務化されます(100人以下の企業は努力義務)。 データの収集・計算から自社サイト等での公表までに時間を要するため、新たに対象となる中小企業は早めの準備が必要です。
出典:男女間賃金差異と女性管理職比率 の公表義務が拡大|厚生労働省
- 自社の「常時雇用する労働者数」が101人以上であるかを確認する
- 厚生労働省のガイドラインに従い、男女間賃金差異と女性管理職比率のデータを正確に収集・算出する
- 2026年4月以降、自社サイトや「女性の活躍推進企業データベース」で速やかに公表できる体制を整える
6.2026年7月1日:【障害者雇用促進法】障がい者法定雇用率が2.7%に引き上げ
2026年7月から、民間企業の障がい者法定雇用率が現行の2.5%から2.7%に引き上げられます。
これにより、従業員数37.5人以上の企業に障がい者の雇用義務が発生します。
出典:障害者の法定雇用率引上げと支援策の強化について|厚生労働省
- 2026年7月1日時点の自社の障がい者雇用数・雇用率を再計算する
- 雇用率を満たせない場合は、採用計画を前倒しで立てる
- ハローワークや障がい者就業・生活支援センターへの相談を早めに行う
- 法定雇用率未達の場合、障がい者雇用納付金の試算をしておく
7.2026年10月1日:【改正労働施策総合推進法】カスタマーハラスメント防止措置が義務化
2026年10月1日より、顧客等からの著しい迷惑行為(カスタマーハラスメント)から従業員を守るための防止措置が事業主に義務化されます。
企業には、パワーハラスメント防止措置と同様に、相談窓口の設置・ 被害者への配慮・社内規程の整備などが求められます。
出典:雇用・労働職場におけるハラスメントの防止のために|厚生労働省
- 就業規則にカスハラ対応に関する規定を追加する
- 社内相談窓口の設置と担当者の選任を行う
- 管理職向けにカスハラ対応の研修を実施する
- カスハラ発生時の対応フロー(記録・報告・配置転換)を整備する
8.2026年10月予定:社会保険の賃金要件(106万円の壁)が撤廃
2026年10月から、社会保険(健康保険・厚生年金保険)の加入要件における賃金要件(月額8.8万円以上、いわゆる「106万円の壁」)が撤廃される予定です。
これにより、従業員数51人以上の事業所の場合、週の所定労働時間が20時間以上であれば、収入額に関係なく社会保険の加入対象となります。
なお、企業規模要件(従業員数51人以上)については2027年10月以降に段階的に撤廃される予定で、2035年には全企業が対象となります。
- 新たに加入対象となるパート・アルバイト社員を特定し、人数と影響額を試算する
- 給与計算システムの設定変更をベンダーに早めに確認する(対応には数ヶ月かかる場合あり)
- 対象社員に収入への影響を丁寧に説明する
- 就業規則・雇用契約書に必要な修正がないか確認する
2019年~2025年:人事労務に関する主な法令改正一覧
労働基準法だけでなく、育児介護休業法・派遣法・雇用保険法なども毎年改正されており、人事労務担当者は幅広い法令を継続的に確認する必要があります。
2019年〜2025年までの主な改正一覧です。
| 年 | 改正した内容 |
|---|---|
| 2019年 |
|
| 2020年 |
|
| 2021年 |
|
| 2022年 |
|
| 2023年 |
(中小企業の月60時間超の時間外労働割増賃金率が50%へ)
|
| 2024年 |
|
| 2025年 |
|
2025年までの労働基準法・関連法令の改正による重要ポイントは?
2025年までの労働基準法・関連法令の改正による重要な変更点を挙げます。対応が完了しているか、改めて確認してください。
-
- 時間外労働の上限を規制(建設業・運送業・医師等を含む)
- 時間外労働の割増賃金率を引き上げ
- 有給休暇の取得を義務化
- フレックスタイム制の清算期間の延長
- 高度プロフェッショナル制度を創設
- 労働者名簿、賃金台帳などの保存期間を延長
- 賃金請求の消滅時効の期間を延長
- 雇用形態の待遇による格差をなくす
- 男性の育児休業の取得状況を公表義務化
- 労働条件の明示事項の追加
- 養育特例の申請手続きの簡素化
- 障がい者雇用除外率の引き下げ
- 出生後休業支援給付金・育児時短就業給付の新設
- 育児・介護休業法の改正(柔軟な働き方の実現)
時間外労働の上限を規制(建設業・運送業・医師等を含む)
2024年に建設業・運送業・医師等に対する時間外労働の上限規制の適用猶予が終了しました。
これにより、全ての業種に対して時間外労働の上限規制が適用されることになりました。
上限を超えないための管理ではなく、残業そのものを削減する 業務改善が企業に求められています。
時間外労働の割増賃金率を引き上げ
2010年から始まった時間外労働の割増率50%以上への引き上げは、当初大企業のみが対象でした。
しかし、猶予期間の終了により2023年からは中小企業も50%の割増賃金率が適用されています。
有給休暇の取得を義務化
法改正により、年10日以上の有給休暇が付与される労働者には、年5日以上の有給休暇取得が義務化されました。
取得が5日に満たない場合、会社が時季指定を行う必要があります。取得管理を怠ると労働基準法違反となるため注意が必要です。
フレックスタイム制の清算期間の延長
フレックスタイム制とは、労働者が働く長さや始業時間などを自由に決められる制度です。
2019年の改正で、清算期間が1ヶ月から最長3ヶ月へ延長されました。
引用:フレックスタイム制のわかりやすい解説&導入の手引き|厚生労働省
この図の通り、月をまたいだ労働時間の過不足調整が可能となり、より柔軟な運用ができるようになっています。
高度プロフェッショナル制度を創設
2019年に高度プロフェッショナル制度が創設されました。この制度は、高度な専門知識を持った労働者が対象です。
労働基準法に定められた労働時間や休憩、休日及び深夜の割増賃金に関する規定を適用しないというルールを設けました。
- 金融商品の開発業務
- 研究開発業務
- アナリスト業務 など
上記のような業務は専門知識を要するため、高度プロフェッショナル制度が該当します。
労働者名簿、賃金台帳などの保存期間を延長
2020年の改正により、労働者名簿・賃金台帳などの記録簿の保存期間が3年から5年へと延長されました。
ただし、経過措置として当面の間は3年の保存で足りるとされています。民法では未払い賃金などの債権を5年遡って請求できます。
労働基準法との矛盾を解消するために改正されたものです。
賃金請求の消滅時効の期間を延長
2020年の改正により、賃金請求の消滅時効の期間が2年から5年(当面の間は3年)へと延長されました。
労働者は未払い賃金がある場合、5年前(当面の間は3年前)までさかのぼって請求できます。
雇用形態の待遇による格差をなくす
2021年からパートタイム・有期雇用労働法が中小企業にも適用され、正社員と非正規社員の間の不合理な待遇差が禁止されました。いわゆる「同一労働同一賃金」の原則です。
待遇差が不合理と判断された場合、非正規社員から差額相当分の損害賠償を請求されるリスクがあります。
男性の育児休業の取得状況を公表義務化
2023年4月から、従業員1,000人超の企業を対象に、男性の育児休業取得率を年1回公表する義務が定められました。
公表の目的は男性の育児休業取得を推進し、女性の雇用継続や少子化対策につなげることにあります。
労働条件の明示事項の追加
2024年4月から、労働条件通知書・雇用契約書に明示すべき事項が追加されました。
- 従事すべき業務の変更の範囲
- 就業場所の変更の範囲
- 有期労働契約を更新する場合の基準
- 無期転換の申し込みの機会
養育特例の申請手続きの簡素化
2025年1月から、3歳未満の子を養育する従業員が「養育期間標準報酬月額特例(養育特例)」を申請する際、事業主が申出者と子の関係を確認した場合は戸籍関係書類の添付が不要になりました。
障がい者雇用除外率の引き下げ
2025年4月から、障がい者の雇用義務を軽減する「除外率」が業種ごとに10ポイント引き下げられました。
実質的な雇用義務人数が増えた企業では、採用・雇用管理体制の見直しが必要です。
出生後休業支援給付金・育児時短就業給付の新設
2025年4月から雇用保険に2つの給付金が新設されました。
出生後休業支援給付金
夫婦ともに14日以上育児休業を取得した場合、給付率が最大80%に引き上げられます(通常の育児休業給付に加え、約13%を上乗せ給付)。最大28日分に適用されます。
育児時短就業給付
2歳未満の子を養育しながら時短勤務をする雇用保険被保険者に、時短中の賃金の10%相当額が給付されます。
育児・介護休業法の改正(2025年4月・10月施行)
2025年4月に子の看護休暇の見直し・所定外労働の免除対象拡大などが施行されました。
2025年10月には、3歳以上小学校就学前の子を養育する労働者を対象に「柔軟な働き方を実現するための措置」が義務化されました。
労働基準法の改正で企業が取り組むこととは?
法改正への対応で最優先すべきことは「業務効率の見直し」と「就業規則の見直し」の2つです。どちらも放置すると法令違反になるリスクがあるため、改正のたびに速やかに対応しましょう。
業務効率の見直し
時間外労働や休日出勤を削減するには、業務そのものの改善が必要です。具体的には以下の3点から着手してください。
- 1人ひとりの業務量を把握し、特定の社員に負荷が集中していないか見直す
- 欠勤・退職時にも業務が回るよう、業務のマニュアル化と複数担当化を進める
- 人員不足が常態化している部署は、採用計画を早めに立てる
割増賃金の増加を防ぐためだけでなく、社員の健康確保・離職防止の観点からも、業務効率の改善は優先度の高い経営課題です。
就業規則の見直し
法改正があった際は、速やかに就業規則を改定してください。就業規則が法律に反する内容のままでは、労働基準監督署の是正勧告や労使トラブルの原因になります。
改定後は以下の対応も必ず行いましょう。
- 改定内容を全社員に周知する(周知義務あり)
- 労働者代表の意見書を添付し、労働基準監督署へ届け出る(常時10人以上の事業場)
- 変更内容を反映した雇用契約書・労働条件通知書のひな形を更新する
2026年の法令改正、準備は万全にしておこう
この記事では、2019年以降の人事労務関連法令の改正を振り返りつつ、2026年に対応が必要な主な改正を解説しました。
近年は毎年のように法改正が行われています。人事労務担当者は改正内容を正確に把握し、就業規則・給与計算・社内手続きに漏れなく反映させましょう。
2026年は子ども・子育て支援金の徴収開始・社会保険の適用拡大・障がい者雇用率の引き上げ・カスハラ防止措置の義務化など、給与計算や雇用管理に直結する改正が集中しています。
2027年以降に見込まれる約40年ぶりの労働基準法大改正に向けた準備も、今から始めましょう。労働関連法令は、労働者が安心して働くための最低限のルールです。改正内容をいち早くキャッチアップし、法令違反のリスクを防ぎましょう。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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