• 更新日 : 2023年8月18日

アクティブラーニングとは?具体例を用いて形式やメリットを解説

アクティブラーニングとは?具体例を用いて形式やメリットを解説

アクティブラーニングは従来の座って講義を聴くスタイルとは異なり、能動的に参加する学習方法です。グループディスカッションや体験学習、ディベートといった形式で行われ、Think-Pair-ShareやLTDといった手法があります。汎用的能力を育成できるというメリットがあるため、多くの大学で取り組まれています。

アクティブラーニングとは?

アクティブラーニングとは、学ぶ者が能動的に参加する学習法のことです。一般的に学校の授業などでは教員が座っている生徒に向かって一方的に話をする形式で学習しますが、アクティブラーニングでは学生同士が意見を交わしたり、議論したりすることによって学びます。アクティブラーニングで生徒が能動的に学習することで、認知的、倫理的、社会的能力、教養、知識、経験を含む汎用的能力の育成を図れます。

アクティブラーニングが注目された背景

アクティブラーニングが注目された背景として、まず教育機関に求められている内容が変化したことが挙げられます。これまで大学などの教育機関には、学生により多くの知識を詰め込むことが求められていました。一人の教員がより多くの学生に学習させることができる、座学による授業形式が中心だったのは、そのためです。しかし、次第に知識よりも経験やスキルの習得が重視され、教育機関は学生に社会に出てから実際に仕事に生かせる能力を習得させることが求められるようになり、アクティブラーニングが注目されるようになりました。

就職活動において、仕事にすぐに生かせる能力が学生に求められるようになったことも、アクティブラーニングが注目をされるようになった理由の一つです。企業は採用した学生に対して、社会人として必要なマナーや仕事の進め方を一から教育してきました。しかし、少子高齢化が進み、労働力が不足しているため、ある程度のビジネススキルを身につけた学生を採用し、即戦力としたいと考えるようになっています。アクティブラーニングによってビジネスの世界を少なからず知る学生が求められるようになったことも、アクティブラーニングが注目されている理由の一つでしょう。

アクティブラーニングのやり方 – 型と形式

アクティブラーニングのやり方には、どのようなものがあるのでしょうか。代表的な形式や用いられる手法を紹介します。

グループディスカッション

グループディスカッションによく用いられる代表的な手法は、以下のとおりです。

・Think-Pair-Share

Think-Pair-Shareはグループディスカッションの前に、2人がペアになってお互いに自分の意見やその根拠について話し合う手法です。2人の考え方の共通点や違いを考察することで、自分の意見を明確にしたり、深めたりすることができます。グループディスカッションの準備によく用いられます。

・ラウンドロビン

順番に意見や考え、アイデアを発表していく手法がラウンドロビンです。発言に対してリアクションせずに、ひたすら新しいアイデアを出していくことで、議論の課題とすべきポイントを見出します。

・ピア・レスポンス

まず各自がアウトラインを作成し、ペアになった相手と意見を交換しながら改善していく手法が、ピア・レスポンスです。他者の視点でアウトラインを検討・改善し、意見に反映させるために行います。読み手と書き手という2つの視点を体験し、自分の感想を伝えることで表現力の向上にも役立ちます。

・ジグソー

ジグソーはグループ内で役割を分け、それぞれが学習した後でメンバーに教え合う手法です。各自が他人に教えるために深く学習することで、グループ全体の理解をより深めることができます。

体験学習

体験学習には、以下の手法がよく使われます。

・LTD

LTDは「Learning Through Discussion」の頭文字を取った言葉で、話し合いの学習法と呼ばれます。予習によって学習内容を理解し、グループで話し合うことで、さらに深く学べます。予習で自分自身の知識と他の知識との関連づけを十分に行うことで、LTDの効果を高めることができます。

・学生主体型実地調査

学生主体型実地調査は医学部などに向く手法で、早期臨床体験の事前学習として位置づけられています。まず、ビデオを視聴して全体討論を行い、その後10人程度のグループで調査テーマを決定します。次にグループ内で担当を決め、各人が学習した後、グループで実地調査の準備を開始します。実地調査の後は結果を公開授業で発表し、討論や統括を行います。医学部の新入生に対し、調査準備のサポートや実地調査の際のマナーなど、必要なスキルをレクチャーする際に適した手法です。

・多人数双方向型授業

多人数双方向型授業は、ディスカッションと電子掲示板上でのやり取りを組み合わせた学習方法です。まず数名のグループに対して課題を出し、各グループはテキストで取り上げられていない事例について検討します。数回の授業を経てグループ単位でレポートを提出し、研究成果を発表します。その後に電子掲示板で質疑応答を投稿し、総括レポートを提出します。電子掲示板を活用することで教員と学生、または学生間のコミュニケーションが活発になる手法です。

・チーム対抗型多人数討論

チーム対抗型多人数討論は大人数でも学習できる手法で、150人規模の授業で取り入れられた実績もあります。まず、準備されたいくつかのテーマの中から同じテーマを選んだ数名がチームを組み、さらに他のテーマを一つ選んで2つのテーマについて学習します。次に、作成したレジュメを基に選ばれた2チームが発表を行い、残りのチームは聴衆役となって質問する学習形式です。聴衆役チームの投票によって、勝ち負けが決まります。競争原理とゲーム感覚を採り入れた学習で、参加人数が多くても活発に討論できるというメリットがあります。

ディベート

ディベートに用いられる代表的な手法は、マイクロ・ディベートです。

・マイクロ・ディベート

短時間でのディベートを可能にするための手法です。肯定役・否定役・ジャッジ役の3人組を作り、順番に意見を述べてディベートを行います。振り返りをした後、グループを変えて再び同様のディベートを行い、レポートにまとめて提出します。

アクティブラーニングの具体例・事例

現在、多くの大学でアクティブラーニングへの取り組みが行われています。ここでは、3校の事例を紹介します。

京都外国語大学

京都外国語大学は語学教育に適した「反転授業型のアクティブ・ラーニング」を開発し、授業内と授業外の学習を結合させ、グローバル化を目指す大学の教養課程における語学教育の授業モデルとしています。

自己調整学習支援システムによって「目標設定→実行→振り返り」のサイクルで学生が学習内容を理解・実践できるように支援し、同システムの予習復習サポートソーシャル・ラーニング機能を用いて学習計画表を作成させ、学習ログで学習量を把握します。

さらに、将来の職業につながるキャリア科目群で課題解決型学習(PBL)を行い、人間力の育成を図っています。

県立広島大学

県立広島大学は教育改革を進める全学的な取り組みとして、主に教室外で行う「行動型学修」と学修者の知的能動性を揺り動かして深い学びを喚起する「参加型学修」を組み合わせた「能動的学修」を学士課程教育に導入しています。これにより、幅広い教養と高度な専門性を備えた人材を育成し、生涯にわたって学び続ける自律的な学修者「アクティブ・ラーナー」の育成を目指しています。

山口大学

山口大学は正課教育と正課外教育の共創により、共通教育を中心としたアクティブラーニングを組織的に推進しています。この取り組みにより、次の時代を切り拓く人材に必要な力「山口大学生コンピテンシー」の修得を保証するための先導的な学修成果可視化モデルを構築し、学びの好循環の創出を目指しています。

ビジネスにおいてアクティブラーニングは使える?

アクティブラーニングはチームでプロジェクト作業を行うとき、グループディスカッション・ワークショップを実施するとき、ロールプレイングシミュレーションを行うときに、問題解決型の課題や小規模のプロジェクトを割り当てる際に活用可能です。これらにアクティブラーニングを取り入れることで、従業員は自分自身で考え、より深く学べます。また、従業員同士のコミュニケーションが活発になり、協力し合う効果も期待できます。

アクティブラーニングを人材育成に役立てよう

アクティブラーニングは学習者が能動的に学ぶ学習方法で、認知的、倫理的、社会的能力、教養、知識、経験を含む汎用的能力の育成を図れることがメリットです。グループディスカッションや体験学習、ディベートなどの代表的なアクティブラーニングでは、Think-Pair-ShareやLTD、マイクロ・ディベートといった手法が用いられます。

教育機関に求められる学習内容や、就職活動において企業が学生に求める能力が変化したことにより、アクティブラーニングは多くの大学で積極的に取り組まれています。しかし、アクティブラーニングはビジネスにおいても活用すべき学習方法です。アクティブラーニングのやり方を理解し、人材育成に役立てましょう。


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