• 作成日 : 2014年7月25日

就業規則の作成は怖くない!簡単にできる作り方解説(テンプレート付き)

就業規則

はじめに

就業規則を作るのが面倒と感じている方、どう作るか分からなくて困っているという方が多いのではないでしょうか?しかし、就業規則は一定の条件を満たした企業は作成することが義務付けられています。

そこで、今回は就業規則に関する基本事項から、業種ごとの特性に応じた就業規則の注意点などを紹介していきたいと思います。

就業規則の概要

就業規則1
Photo by Elvert Barnes

概要

就業規則は、労働基準法に基づき、被雇用者の労働時間・賃金・服務規程のような労働条件などを定めた規則のことをいいます。

作成義務が生じる条件

就業規則の作成義務は、事業場(事業所・店舗など)原則10人以上の従業員がいる場合に生じます。なお、就業規則は企業単位ではなく、事業場単位で作成しなければならないので、注意が必要となります。

行政官庁への届け出

作成・変更を行なった就業規則の届け出を労働基準監督署へ行なう際には、以下の点に注意する必要があります。

・労働者代表の意見添付が必要
ここでいう労働者代表は、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合はその代表過半数、労働組合がない場合は従業員の過半数により選ばれた方となります。届け出を行う際に労働者の意見も聞いているということを示すために、この代表者の意見を添付する必要があります。
なお、役員や管理監督者は労働者代表になることはできません。

・事業場ごとの届け出が一般的
ただし、複数の営業所や店舗などを展開する企業については、営業所や店舗の就業規則が「本社の就業規則と同じ内容である場合」に限っては、本社所在地を管轄する労働基準監督署長経由で、一括で届け出ることも可能です。

また、届け出を行なった就業規則は、従業員に対して周知することが義務付けられています。

共通で記載する必要がある項目

就業規則を作成する際には、業種など個々の条件に関係なく、共通して盛り込まなければならない項目があります。ここでは、その項目に関してみていきます。

就業規則を作成する際に必ず入れる必要がある項目(絶対的必要記載事項)

就業規則には、労働基準法により常に記載しなければならないと決められている事項があります。それを絶対的必要記載事項といいます。この事項を記載しないと、当然受理されませんので注意しましょう。

・労働時間関係
始業・終業時刻、休憩時間、また休日・休暇などが含まれます。

・賃金関係
給料の決定・計算・支払い方法、賃金締め切り、支払いの時期、昇給などに関する事項が含まれます。

・退職関係
退職に関する事項(解雇などの理由も含む)が含まれます。

場合によっては入れなくてはならない項目(相対的必要記載事項)

下記に該当する制度を設ける場合に記載しなければならない項目を相対的必要記載事項といいます。

・退職手当に関して
適用される従業員の範囲、手当の決定、計算・支払い方法や時期が含まれます。

・臨時の賃金・最低賃金に関して
臨時の賃金(退職手当はのぞく)・最低賃金額が含まれます。

・費用負担に関して
食費・作業用品などの負担の項目が含まれます。

・安全衛生に関して
安全・衛生の項目が含まれます。

・職業訓練に関して
職業訓練の項目が含まれます。

・災害補償・業務外の傷病扶助に関して
災害や業務外のケガ・病気の扶助が含まれます。

・表彰・制裁に関して
表彰や制裁の種類・程度に関する事項が含まれます。

・その他
事業場の労働者すべてに適用されるルールが含まれます。

業種ごとに注意が必要な点

就業規則2
Photo by Timothy Vollmer

ここまで就業規則に関して基本的な内容を見てきましたが、もちろん業種などにより特徴・働き方・環境などは様々です。そこで代表例として以下の3業種に関して、就業規則を作成・変更する上での注意点などをご紹介します。

IT業

特に注意が必要な点として労働時間に関する項目があります。IT業では長時間や不規則な労働時間になってしまいがちになり、従業員への負担が考えられますので、その問題を解決するためにも労働時間や給与に関する項目、休暇・病気などの健康管理規程に関する項目を記載することが必要となるでしょう。

小売業

小売業は、販売成績などに対する評価制度や成果報酬の内容がポイントになると考えられます。成績に応じた目標管理制度、人事評価制度の導入に関する事項の記載が求められることになります。

飲食業

まず、第一に飲食業にとって最重要となりうる衛生管理に関することが挙げられます。衛生管理に関する作業手順を規則に記載する必要が出てくると予想できます。また、パートタイムの従業員が多いと考えられるので、給与形態や労働時間などに関する規程や評価制度を充実させることも考えられます。

就業規則のテンプレート

ここで、無料で使用することができる就業規則のテンプレートをいくつかご紹介します。

東京労働局
東京労働局によるもので一般的なものといえるかもしれません。

roumu.com
正社員用、パートタイマー、嘱託就業用の3種類が用意されています。

bizocean
豊富なテンプレートが用意されているのが特徴となります。

まとめ

いかがでしたでしょうか?就業規則は、上記の項目をしっかり押さえていれば、最低限のものを作成することはできます。また、就業規則を作成することは、労働環境や労働条件などを含め、どういう会社にしていきたいのかを意識する機会にもなります。

ぜひ、就業規則の作成をただの面倒な作業と捉えずに、どういう会社にしていくのかを考えるための良い機会と捉え、前向きに行なうようにしてみてください。


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