- 更新日 : 2026年10月8日
扶養は12月に働いた分も含む?1月支給の給与の場合
税金は給与の支給日で判定するため、1月支給なら翌年の年収になります。
- 翌月払いなら12月分は来年に回る
- 社会保険は見込み年収や契約ベースの年収で判定する
- まず自社の締め日と支払日を確かめる
令和8年分から扶養控除の判定ラインは136万円に変わっています。
扶養控除の判定に使う年収は、その年の1月1日から12月31日までに支払われた給与の合計で決まります。12月に働いても支給日が翌年1月なら、それは翌年の年収となり、今年の税金上の扶養の判定には影響しません。一方で社会保険の扶養は今後の収入見込みで判断するため、12月の働き方が影響する場合があります。
扶養は12月に働いた分も含む?税と社会保険の違い
税金は実際の給与の支給日を基準にするため、1月支給分は翌年の年収になります。一方、社会保険は今後の見込み年収で判断するため、12月の働き方次第では扶養の判定に影響が出る場合があります。
税金は給与の支給日を基準に判定する
所得税や住民税の計算では、給与を収入に計上する時期は実際の支給日となります。12月にどれだけ多く働いても、その給与の支給日が翌年1月であれば今年の年収には含まれず、翌年の年収として集計されます。
たとえば末締め・翌月15日払いの会社では、令和8年12月の勤務分は令和9年1月15日に支払われます。この金額は令和9年分の年収として計算が始まります。
従業員から「今年136万円を超えそうなので休みたい」と申し出があっても、支給日が来年ならその調整は今年の税額に影響しません。
締め日と支払日による12月分の扱いの違い
同じ12月の勤務でも、締め日と支払日の組み合わせで年収に入る年が変わります。代表的なパターンは次のとおりです。
| 締め日・支払日 | 12月に働いた分の扱い | 扶養判定(年収) |
|---|---|---|
| 月末締め・翌月10日払い | 翌年1月10日 | 翌年の年収に含まれる |
| 20日締め・当月末払い | 12月20日分まで12月末 | 今年の年収に含まれる |
| 15日締め・当月25日払い | 12月15日分まで12月25日 | 今年の年収に含まれる |
翌月払いの会社では、今年の年収に反映されるのは11月勤務分(12月支給)までです。12月のシフトを減らしても、今年の税金の調整にはなりません。
社会保険は見込み年収で判定するため12月の働き方が影響する
健康保険や厚生年金は、過去の給与の累計ではなく今後1年間の収入見込みで扶養認定を行います。支給日にかかわらず、12月の働き方によって月額収入が高い状態が続くと判断されれば、その時点から扶養を外れる可能性があります。
税制上の扶養と違い、被扶養者の収入には給与以外のものも含まれます。判定に含まれるおもな収入は次のとおりです。
- 雇用保険の基本手当(失業保険)
- 老齢年金や遺族年金などの年金収入
- 健康保険の傷病手当金や出産手当金
一時的に残業が増えた場合は、事業主が証明することで引き続き扶養に入れる取扱いがあります。
また令和7年10月以降、扶養認定を受ける人が19歳以上23歳未満であれば、年間収入の基準が130万円未満から150万円未満に変わりました。
年齢は扶養認定日が属する年の12月31日時点で判定します。被保険者の配偶者は、この引き上げの対象外です。
なお、2026年4月以降は、労働条件通知書などに記載された賃金や労働時間をもとにした契約ベースの年間収入を基に扶養の可否を判定することも可能となっています。
参照:No.2509 給与所得の収入金額の収入すべき時期|国税庁
参照:労働契約内容による年間収入での被扶養者の認定の取り扱いについて|日本年金機構
参照:19歳以上23歳未満の方の被扶養者認定における年間収入要件が変わります|日本年金機構
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1月支給の給与が関わる最新の年収の壁とは?
1月に受け取る給与は、税金の上では新しい年の年収の一部になり、社会保険では加入要件の判定材料になります。令和8年度税制改正により、判定に使う金額が令和7年分から大きく変わっている点にも注意が必要です。
令和8年分から変わった年収の壁
基礎控除と給与所得控除の引き上げにより、税金の壁は令和8年分から上がっています。令和7年分との違いは次のとおりです。
| 項目 | 令和7年分 | 令和8年分以後 |
|---|---|---|
| 所得税がかからない上限 | 160万円 | 178万円 |
| 扶養控除・配偶者控除の判定 | 123万円以下 | 136万円以下 |
| 住民税がかからない上限 | 110万円 | 119万円 |
住民税は前年の所得をもとに計算するため、令和8年中の収入が119万円以下であれば令和9年度分の住民税がかかりません。非課税となる基準額は自治体によって異なる場合があります。
年収の壁ごとの税金と社会保険の扱い
税金の壁は、1月1日から12月31日までに支払われた給与の合計で判定します。1月支給分もここに含まれます。給与収入だけの人について、令和8年分の目安をまとめました。
【令和8年分の年収の壁と税・社会保険の判定】
| 年収の目安 | 税金・控除への影響 | 社会保険への影響 |
|---|---|---|
| 106万円 | 所得税:かからない 住民税:かからない 扶養控除・配偶者控除:対象 |
次をすべて満たすと勤務先の社会保険に加入する
※月額賃金に残業代や交通費は含まない |
| 119万円 | 住民税:かかる(令和9年度分から) 所得税:かからない 扶養控除・配偶者控除:対象 |
上の要件を満たす場合は加入 |
| 130万円 | 住民税:かかる 所得税:かからない 扶養控除・配偶者控除:対象 |
社会保険の扶養から外れる 厚生年金保険の被保険者が50人以下の企業も対象 ※被保険者の配偶者以外で19歳以上23歳未満の人は150万円未満まで扶養にとどまれる |
| 136万円 | 住民税:かかる 所得税:かからない 扶養控除・配偶者控除:対象外 ※配偶者特別控除・特定親族特別控除へ切替 |
加入中 |
| 169万円 | 所得税:かからない 配偶者特別控除:減額開始 ※207万円を超えると対象外 |
加入中 |
| 178万円 | 所得税:かかり始める ※合計所得金額が489万円以下の場合は基礎控除104万円が適用されるため、給与収入のみの人は178万円まで所得税がかからない |
加入中 |
19歳以上23歳未満の親族については、給与収入136万円超197万円以下の範囲で特定親族特別控除の対象になります。
社会保険の壁は月々の給与額と契約内容で決まる
社会保険の壁は、年間の累計額を待たずに月々の賃金や労働条件で判断されます。勤務先の社会保険に加入するかどうかは、上の表にある労働時間や賃金、企業規模の要件で決まります。
このうち月額8.8万円以上という賃金要件は、年金制度改正法により2026年10月の撤廃が決まっています。
撤廃後は、週の所定労働時間が20時間以上かどうかが主な判定基準になります。
企業規模の要件も令和9年10月に36人以上へ引き下げられ、その後も段階的に縮小されます。最終的には、企業の規模にかかわらず週20時間以上で加入対象になります。
上の要件に当てはまらない人は、原則として年収が130万円以上になると扶養から外れ、自分で国民健康保険と国民年金に加入します。
参照:令和8年度税制改正による所得税の基礎控除の引上げ等について|国税庁
年末調整において12月に働いた分の収入を含めるべき?
年末調整の対象は年内に支払うことが確定した給与に限られるため、12月の勤務分であっても支給日が翌年1月であれば今年の年末調整には含めません。
年末調整の対象は年内に支払いが確定した給与に限る
年末調整の対象は、1月1日から12月31日までに支払うことが確定した給与です。支給日が到来していない給与(翌月払いなど)は含めません。
- 12月25日が支給日の場合:年末調整の対象に含める
- 翌年1月10日が支給日の場合:年末調整の対象に含めない
判定の基準は実際に振り込んだかどうかではなく、支給日が年内に来ているかどうかです。そのため、支給日が12月中であれば、資金繰りの都合で未払いになっている給与も今年の年末調整の対象になります。
12月の勤怠データが確定した時点で誤って今年の年収として合算すると、源泉徴収票の金額と実際の振込額が合わなくなります。
翌年1月10日が支給日の給与は源泉徴収票の支払金額にも載せず、翌年分の源泉徴収票に記載します。
扶養控除等申告書の所得の見積額を確認する
給与所得者の扶養控除等(異動)申告書の所得の見積額欄にも、年内に支払われる予定の金額を記載します。12月に働いて1月に受け取る給与を誤って見積もりに含めていないか、確認を促すと親切です。
特に136万円や178万円の壁の近くで働いている場合、この食い違いが扶養の判定でトラブルにつながることがあります。
扶養を外れないための12月と1月の調整方法は?
シフト調整は、自社の給与の締め日と支払日を確認してから行います。支払日が翌月の場合、12月の調整は今年ではなく来年の年収対策になります。
シフト調整は給与の締め日と支払日を確認してから行う
給与がいつ支払われるかが、今年の年収に反映されるかどうかの分かれ目になります。支払日のパターンごとの考え方は次のとおりです。
- 翌月払い(例:末締め翌月10日払い):
12月分は1月支給となり来年の年収。今年の調整は11月勤務分までに終える - 当月払い(例:20日締め当月25日払い):
12月分が12月中に支払われるため、12月のシフト調整が今年の年収に反映される
担当者としては、11月頃の段階で扶養の枠に近い人へ「今月の働き方に注意してください」と案内すると、無用なトラブルを防げます。
手渡しや日払いの場合の12月分の扱い
銀行振込ではなく手渡しや日払いの場合も、支給日が年収の判定基準になります。契約や慣習によって支給日が定められている給与は、その支給日が属する年の収入になります。
たとえば12月31日に働き、その日のうちに手渡しで受け取った場合は今年の年収です。
一方、支給日が定められていない給与は、実際に支払を受けた日が基準になります。年が明けて1月4日に事務所へ取りに行った場合は、翌年の年収です。
支給日が決まっているかどうかで基準が変わる点は、税務調査でも確認されます。日払いや手渡しの運用がある場合は、支給日を就業規則や雇用契約書で明確にしておくと判断に迷いません。
確定申告が必要になるケースとならないケース
ダブルワークや副業がある人は、すべての勤務先の1月1日から12月31日までの支給額を合算して判断します。年末調整を受けた勤務先以外の給与と、給与以外の所得の合計が20万円を超える場合などは、原則として確定申告が必要です。
12月分の給与がまだ振り込まれていない翌月払いの場合、今回の確定申告から除くのが正しい処理です。
逆に、前年12月に働いて今年1月に受け取った給与は、今回の申告に含めます。源泉徴収票に記載された支払金額がどの年の給与かを確認するよう案内しましょう。
12月に働いた分が扶養内になるかは1月の支払日と保険区分で決まる
12月に働いた分がいつの年収になるかは、税金と社会保険のどちらで判断するかによってルールが変わります。税金は支給日が基準のため、給料日が1月なら翌年の年収となり、今年の扶養の判定には含まれません。
社会保険は見込み額や契約内容が基準のため、支払日にかかわらず12月の働き方で収入が高い状態が続けば、その時点から扶養を外れる可能性があります。
実務では、まず給与の支払日を確認し、今年と来年のどちらの年収になるかを伝えることが第一です。
令和8年分から扶養の判定は136万円、所得税がかかり始めるのは178万円に変わっている点もあわせて共有すると、従業員の不安を減らせます。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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