• 更新日 : 2024年10月30日

定額減税における新入社員の扱い- 扶養の対象かどうかなど解説!

新入社員が親の扶養控除対象になるかどうかは、企業の人事担当者にとって重要な問題です。特に、定額減税の適用に関しては、扶養控除の適用範囲を正確に把握することが求められます。

本記事では、定額減税における新入社員の扶養控除の扱いについて、親が勤務する会社の立場と新入社員を雇い入れた会社の立場から解説します。また、2024年4月入社の新入社員が定額減税の対象となるか、最終的な扶養対象の判断方法、そして外国人新入社員の住民税の扱いについても触れます。

定額減税において、新入社員は親の扶養控除対象になる?

令和6年に新入社員となる人の場合、それまで親の扶養親族となっていることが一般的です。定額減税では、扶養控除等申告書に氏名が記載されている控除対象扶養親族のうち、居住者は月次減税額の計算に含めることになります。親の定額減税と本人の定額減税の関係はどのようになるのでしょうか。

3月31日まで親の扶養に新入社員が入っていた場合

定額減税では、令和6年6月の最初の月次減税事務を行うときまでに提出された扶養控除等申告書や源泉徴収に係る定額減税のための申告書により、その提出日の現況における同一生計配偶者の有無および扶養親族(いずれも居住者に限る)の人数を把握し、月次計算に含めることができます。

新入社員が3月31日まで親の扶養に入っていた場合、その年の扶養控除は親に適用されます。扶養控除はその年の1月1日から12月31日までの状況に基づいて判断されるため、3月31日まで親の扶養に入っていた新入社員は、その年の扶養控除対象として親の所得税計算に含まれ、月次減税額の計算に含まれます。

一方、6月の最初の月次減税事務を行う時点で、新入社員自身も基準日在職者として定額減税の対象となるため、一時的に二重取りの状態になります。しかしながら、親の勤務先の年末調整時に年調減税で適切に対応することになります。

6月以降まで親の扶養に新入社員が入っていた場合(6月以降入社の新入社員)

では、最初の月次減税事務を行う6月以降に新入社員となった場合はどうでしょうか。3月31日まで親の扶養に入っていた場合と同様、年内に扶養控除が適用されるため、親の所得税計算に影響を与え、月次減税額の計算に含まれます。年末調整時に年調減税で対応することになるでしょう。

一方、新入社員本人の定額減税については、6月以降に中途入社した従業員は、月次減税の対象外となります。これは、月次減税が6月1日時点で在籍している基準日在職者を対象としているためです。月次減税を行わず、年末調整時に年調減税で対応することになります。

2024年4月入社の新入社員は定額減税の対象?

新入社員が就職した企業の観点から改めて整理していきましょう。2024年4月に入社した新入社員は、定額減税の対象となります。定額減税は2024年6月1日以降に基準日在職者に支給される給与や賞与に対して適用されるため、4月入社の新入社員は6月以降の給与から定額減税が適用されます。企業としては、所定の月次減税の事務手続きを行うことになります。

最終的に定額減税の扶養対象はどう判断する?

次に、親が勤務する企業の立場で見ていきましょう。定額減税額の計算に含まれるのは、基準日在職者が企業に提出した扶養控除等申告書に記載されている控除対象扶養親族であり、かつ、居住者とされています。6月の最初の月次減税事務を行うまでに提出されている扶養控除等申告書または源泉徴収に係る申告書の記載内容で判定されることになります。

算出された月次減税額を控除しますが、それまで扶養親族とされていた子が就職し、扶養親族でなくなっても月次減税額の変更は行いません。扶養親族の異動ということで定額減税額に差額が生じますが、年末調整または確定申告によって精算します。

2024年まで国民健康保険に入っていた外国人の場合(住民税はどうなる?)

2024年まで国民健康保険に入っていた外国人が定額減税の対象となるかどうかは、その年の1月1日時点で日本に住所があるかどうかで判断されます。住民税は前年の所得に基づいて課税されるため、2023年中に日本に住所があり、一定の所得があった場合、2024年の住民税が課税されます。

この場合、定額減税の対象となり、住民税の減税が適用されます。ただし、2024年中に日本に住所がない場合や、所得が一定額以下の場合は、住民税が課税されず、定額減税の対象外となります。

新入社員の扶養控除を正確に判断し、適切な定額減税を行おう!

新入社員が親の扶養控除対象になるかどうかは、年末調整時に最終的に判断されます。2024年4月入社の新入社員は定額減税の対象となり、親の扶養控除から外れることになります。

また、外国人新入社員の場合、住民税の課税状況に応じて定額減税の適用が決まります。企業の人事担当者は、これらのポイントを正確に把握し、適切な対応を行うことが重要です。


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