- 更新日 : 2021年10月18日
源泉徴収の納付書はこう書く!

給与や報酬を支払う側の源泉徴収義務者は、毎月の給与等を支払う際に所得税をあらかじめ差し引き、原則として翌月の10日までに税務署に納付します。源泉徴収税を納付するときに使用する源泉徴収の納付書は「所得税徴収高計算書」と呼ばれ、支払う所得の種類により納付書が異なります。
目次
所得税徴収高計算書の種類
「所得税徴収高計算書」は所得の種類により、使用する納付書が異なります。
給与所得・退職所得等の所得税徴収高計算書(一般分、納期特例分)
給与所得・退職所得等の所得税徴収高計算書は、給料や賞与、退職所得、税理士や弁護士、司法書士の報酬に対する源泉徴収をした所得税を納付するときに必要な書類です。
報酬・料金等の所得税徴収高計算書
報酬・料金等の所得税徴収高計算書とは、税理士や弁護士の報酬以外の報酬や契約金、生命保険契約等に基づく年金に対する源泉所得税を納付する場合に利用する納付書です。
その他の納付書
上記のほか、利子や投資信託等の所得に対する源泉徴収税の納付書である「利子等の所得税徴収高計算書」や投資信託を除く(法人課税信託は含まない)配当の所得に対する源泉徴収税の納付書である「配当等の所得税徴収高」、定期積金の給付補てん金等に対する源泉徴収税を納付するときに必要な「定期積立の給付補てん金等の所得税徴収高計算書」等があります。
所得税徴収高計算書の書き方
源泉徴収義務者は、納付書となる「所得税徴収高計算書」を作成し、源泉徴収した所得税を税務署に納付する際に提出します。では一般の「給与所得・退職所得等の所得税徴収高計算書」を使って記入してみましょう。納期の特例を申請している場合、納付書が異なりますのでご注意ください。
(1)「支払い年月日」
(5)の「納期等の区分」の日付と合致するように、給料や賞与、退職手当、税理士等の報酬・料金等、該当する給与の区分の横に実際に支払われた「年月日」を記入します。
(2)「税務署名」
所轄の「税務署名」を記入します。
(3)「人員」
給与等の「区分」に対応する、各月に実際に働いていた人員数が入ります。
(4)「整理番号」
会社ごとに所轄の税務署によって割り当てられる番号のことで、税務署から納付書が届いた時にすでに印刷されている場合は記入する必要はありませんが、設立したばかりの会社や納税地を移転したばかりで「整理番号」が不明な場合は税務署に問い合わせて記入します。
(5)「納期等の区分」
給料や賞与、退職手当、税理士等の報酬・料金等が実際に支払われた年月を記入します。
(6)「本税」
「税額」の欄に記入した源泉徴収をした所得税の合計額を記入します。平成25年度から給料や賞与に対する復興特別所得税とから法改正により復興特別所得税と源泉所得税の合計額を記載することになっています。復興特別所得税と源泉所得税は、「給与所得の源泉徴収税額表」を使って求められ、この表には「月額表」と「日額表」、「賞与に対する源泉徴収額の算出率の表」が含まれます。
- 給与が毎月支払われる場合(半月ごとや半年後等の給与の支払いも含む)は「月額表」を使用します。
- 日給または一週間ごとや日割り計算で給与が支払われる場合は「日額表」を使用します。
- ボーナスが支払われる場合は「賞与に対する源泉徴収額の算出率の表」を使用します。
復興特別所得税と源泉所得税について
復興特別所得税と源泉所得税は、「甲欄を使用し、給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」が提出されているか提出されていないかにより、使用する税額表にある「甲欄」か「乙欄」、あるいは「丙欄」を参照して求められます。「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」が提出されている場合は「甲欄」を使用。提出されていない場合は「乙欄」または「丙欄」を使用します。
税額表を参照するときに使用する金額は、給与や報酬等の合計額から社会保険料を差し引いた金額です。まずは、扶養控除申告書に記載している扶養の人数を確認し、その人数を基に横軸を決定します。次に、月額表の給与総額から社会保険料を差し引いた金額に当てはまる縦軸を決定します。最後に、縦軸と横軸の交わったところが、給与所得の源泉徴収税額となります。
参考:
国税庁|給与所得の源泉徴収税額表(月額表)
国税庁|給与所得の源泉徴収税額表(日額表)
国税庁|賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表
(7)「合計額」
本税と延滞税がある場合は延滞税を含む合計額を「合計額」に記入します。金額の前には「¥」字を付ける必要があります。
(8)「徴収義務者」
源泉徴収義務者の住所、氏名等を記入します。
まとめ
源泉徴収の納付書は:「所得税徴収高計算書」と呼ばれ、所得税徴収高計算書は「給与所得・退職所得等の所得税徴収高計算書」「報酬・料金等の所得税徴収高計算書」「利子等の所得税徴収高計算書」「配当等の所得税徴収高計算書」「定期積金の給付補てん金等の所得税徴収高計算書」等の所得の種類に分かれています。
提出すべき納付書の種類と書き方や金額に注意しましょう。

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よくある質問
所得税徴収高計算書とは?
給料や賞与、税理士や司法書士に支払った報酬等から天引きした源泉所得税を、国に納めるときに使用する納付書です。詳しくはこちらをご覧ください。
支払い内容によって計算書の種類は変わる?
「給与所得・退職所得等の所得税徴収高計算書」「利子等の所得税徴収高計算書」「配当等の所得税徴収高計算書」など、支払い内容に応じた計算書があります。詳しくはこちらをご覧ください。
給料から天引きする所得税の求め方は?
給料の支払サイクルや扶養人数、社会保険料等控除後の給与の支給額などを「月額表」「日額表」にあてはめて求めます。詳しくはこちらをご覧ください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。