• 更新日 : 2023年12月27日

出張とは?各種手当や日帰り・宿泊の判断基準を解説!

普段の就業場所において業務を行うだけでなく、異なった場所に出張する必要性が生じる場合もあります。会社員には馴染みの深い出張ですが、正しく理解できている方は少ないのではないでしょうか。当記事では、出張の定義や出張手当などについて解説します。ぜひ出張の正しい理解の助けとしてください。

出張とは?

「出張」とは、普段の就業場所とは異なった場所へ赴いて業務を行うことを指します。たとえば、東京の会社に勤務する従業員が、大阪の取引先へ訪問する場合などを例に挙げることができるでしょう。また、グローバル化が進展している昨今では、国内に限らず、海外出張が行われる場合も多くなっています。

出張と似た言葉として「外勤」や「外回り」が存在します。法律上の定義が存在しないため、両者を厳密に区別することは困難ですが、出張は外勤などに比べて遠い場所へ赴く場合を指すことが多くなっています。

どの程度の距離からを出張とするかは企業によりますが、一般的に新幹線を利用するような距離であれば、出張とされることが多いでしょう。また、出張には出張手当が支給されることが多くなっていますが、外勤や外回りに出張手当を支払うことはありません。外勤手当などを設けることで、両者を区別していることが通常です。

出張は日帰りの場合もあれば宿泊を伴う場合もあります。こちらも両者を分ける法的な定義は存在せず、企業ごとに基準を定めることが可能です。片道120分以下、直線距離100㎞以内であれば日帰り出張とする、などと定めます。

出張の際に支払われる手当

出張を行う従業員には、一定の出張手当が支給される場合が多くなっています。出張経費を精算した経験がある方も多いでしょうが、両者はどのような部分で異なっているのでしょうか。

出張手当

出張手当とは、従業員が出張を行った際に支払われる金銭的な補償です。通常の勤務地とは異なった場所での業務は、精神的にも肉体的にも負担となることが多いため、その補償を目的として支給されます。負担の大きい業務を行った従業員への慰労を目的とした手当といえるでしょう。

手当の額や決定方法は、企業が自由に設定可能です。一律の額としても構いませんが、通常は役職や宿泊の有無などによって異なっています。また、海外か国内かでも差を設けることが通常です。

出張経費

出張経費は、出張先への移動や宿泊などをはじめとした出張のために要した費用を指します。出張経費の清算は、一時的に従業員が立て替え、後に実費精算する方法と概算額を出張前に渡し、出張後に実費精算する方法の2種類が存在します。経費の種類は様々で、新幹線の利用料金や宿泊費用はもちろん、移動のためのタクシー代、レンタカーの料金、駐車場代なども経費とされます。

ただし、経費とされるためには、業務と関連していることが必要であり、私的利用目的の費用は経費とはされません。たとえば、出張先へ赴く途中で、たまたま開催されていたイベントへの参加に要した費用などを経費とすることはできません。

出張手当と出張経費との違い

出張手当は、従業員への金銭的な補償として本給に上乗せして支給されるものです。これに対して、出張経費は、出張のために要した宿泊費などの実費を支給(清算)するものであり、加給の性質はありません。両者の性質は大きく異なっており、混同しないように注意が必要です。

出張手当と交通費の違い

交通費は、文字通り交通のために要した費用を指します。出張するには、新幹線や飛行機といった交通機関を利用する必要があるため、必ず交通費が発生します。自動車での移動であっても、ガソリン代や高速料金などが掛かり、これらも交通費とされます。出張のために必要な交通費は支給されますが、あくまで経費の形であり、手当として支給されるわけではありません。

出張手当を出すメリット

出張手当の導入は、従業員の慰労のためにも推奨されます。しかし、出張手当を実際に導入するためには、額の基準や決定方法、移動時間の扱いなどについて考えなければなりません。

企業ごとに決められており「出張旅費規程」に記載されているケースが一般的

出張手当を導入するか否かは、企業の裁量に委ねられているため、支給しないことも可能です。しかし、多くの企業では従業員の慰労を目的として出張手当を支給しています。従業員が出張の疲れを癒し、万全のパフォーマンスを発揮するためにも導入が推奨されます。

企業が出張手当を導入する場合には、就業規則等に根拠となる規定を置く必要があります。出張手当に関する諸規定は、「出張旅費規程」に記載されていることが一般的です。出張旅費規程を設ける理由は、日当とすることによる節税が大きな理由ですが、事務手続きの簡便化も1つの目的となります。

基準は移動時間や距離

出張手当の額や支給基準は、法律上の定めがないため企業が自由に設定可能です。区別することなく、一律としても問題ありません。しかし、以下のように移動距離や役職などにより、区別されていることが一般的です。

国内出張(日帰り)国内出張(宿泊)海外出張
一般従業員2,000円2,500円4,000円
役職者2,500円3,000円6,000円
役員3,000円3,500円8,000円

出張における移動時間はどう考える?

出張は必ず移動を伴いますが、通常移動中は業務を行いません。そのため、特別の指示などがない限り、出張における移動時間は従業員の自由な時間として扱われます。しかし、移動時間の扱いについては、注意点があるため、後ほど詳しく解説します。

出張手当における注意点

出張の定義や出張手当は、企業ごとに自由な設定が可能なため、大きな裁量の幅があります。しかし、無制限に許されるわけではなく、注意点もあるため紹介します。

出張時の移動時間は労働時間に含まれる?

すでに述べた通り、出張における移動時間は通常従業員の自由時間として扱われます。移動時間は、業務から解放されているため、労働時間としては扱われません。

しかし、移動中に出張先で使用する資料の作成を命じられたり、モバイル端末を用いた打ち合わせを行っていたりする場合もあるでしょう。そのような場合には、移動時間であっても業務から解放されているとは判断されず、労働時間として扱われることになります。

出張費の削減を検討したい場合

出張手当や出張経費は、企業にとって大きな金銭的負担となります。そのため、削減を検討している企業も多いでしょう。しかし、出張経費を従業員の負担とすることは許されません。本来従業員は、通常の就業場所への通勤義務しかなく、異なった場所での業務に必要となる費用は、企業が負担しなければならないからです。出張経費を削減したいからといって、企業が負担すべき費用まで削減しないように注意しましょう。

また、出張手当は精神的・肉体的疲労に対する補償を目的としています。支給は任意とはいえ、従業員のモチベーションやパフォーマンスの維持のためにも、不支給やあまりにも低額な設定とはしない方が良いでしょう。

出張手当なしは違法?

出張手当を支給するか否かは、企業の判断に委ねられています。そのため、出張手当の制度を設けなくても違法とはなりません。ただし、就業規則等に出張手当の規定があるにも関わらず、支給しないことは許されません。また、すでに存在する出張手当の規定を削除したり、減額したりすることは、不利益変更に当たるため、従業員の同意や合理的理由なしには行えないことにも注意が必要です。

出張を正しく理解しよう

遠方の取引先との打ち合わせなど、通常の就業場所とは異なった場所での業務が必要となる場合もあります。打ち合わせなどはリモートで済まされることも多くなりました。しかし、どうしても対面が必要となる場面もあるでしょう。

遠方の取引先に出向くには、出張を行う必要が出てきます。出張は精神的にも肉体的にも負担が大きく、手当等の支給により補償することが必要となります。当記事を参考に出張を正しく理解し、適切な手当を設定してください。


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