• 更新日 : 2026年8月4日

算定基礎届の電子申請はどうやる?やり方とGビズID利用の手順を解説

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Point算定基礎届の電子申請はどうやる?

算定基礎届の電子申請は、GビズIDとe-Govを使いパソコンから完結できます。

  • GビズID取得には審査で1〜2週間かかる
  • CSVは届書作成プログラムで無償作成可能
  • 提出期限は毎年7月1日〜7月10日

Q. 算定基礎届の電子申請に必要な準備は?

A. GビズIDの取得・PC環境の確認・4〜6月分の賃金台帳の準備が必要です。

算定基礎届の電子申請とは、GビズIDとe-Govを使い、事業所のパソコンから「被保険者報酬月額算定基礎届」の手続きを完結させる方法です。2020年4月以降、特定法人で義務化されたことを背景に、算定基礎届のオンライン申請を選ぶ事業所が増えています。

この記事では、電子申請のメリット・デメリット、GビズID(ジービズID)を使った申請のやり方、提出期限から逆算した準備スケジュール、申請データの作り方までを順に解説します。

算定基礎届の電子申請とは?

算定基礎届の電子申請とは、これまで紙で作成・提出していた被保険者報酬月額算定基礎届を、インターネット経由で日本年金機構へ提出する手続きを指します。担当者は事業所のパソコンから申請でき、窓口や郵送に伴う手間を省けます。

行政手続きのデジタル化が進む中、社会保険・労働保険関連の届出も電子化の対象となっています。資本金1億円超の特定法人などは2020年4月から電子申請が義務化されており、それ以外の中小企業でも算定基礎届のオンライン提出を選ぶ流れが広がっています。

参考:定時決定(算定基礎届)|日本年金機構

参考:2020年4⽉から特定の法人について電子申請が義務化されます。|厚生労働省

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算定基礎届の電子申請にはどんなメリット・デメリットがある?

電子申請には、業務効率化とコスト削減という利点がある一方、初期設定や操作習得に手間がかかるという側面もあります。両方を把握したうえで導入を判断することが重要です。

電子申請の主なメリット

電子申請の最大の利点は、時間と場所の制約なく申請できる点と、書類作成から提出までの事務作業を効率化できる点です。

メリット 内容
時間・場所を問わない 24時間365日、土日祝でもパソコンから申請可能。年金事務所や郵便局へ足を運ぶ必要がない
コスト削減 印刷代・封筒代・郵送費が不要。移動の交通費や人件費も削減できる
効率化・正確性向上 労務管理ソフトと給与データを連携でき、転記ミスを防止。e-Govの入力チェックで形式不備を事前に検知
進捗の可視化 e-Govのマイページで「受付中」「審査終了」などのステータスを確認できる
ペーパーレス化 紙の保管が不要になり、過去データも電子的に検索・参照できる
返戻対応の迅速化 不備があった場合もe-Gov上で通知が届き、修正・再申請のリードタイムが短縮される

電子申請の主なデメリット

電子申請のデメリットは、GビズIDの取得や環境設定といった初期準備に時間がかかる点と、操作に慣れるまでの学習コストがかかる点です。

デメリット 内容
初期設定の手間 GビズID取得には審査で1〜2週間程度かかる場合がある。PCの推奨環境確認も必要
システムメンテナンス e-Govは定期メンテナンスを実施するため、その間は申請できない
操作への慣れが必要 初回利用時はe-Govの画面操作や申請データ作成に戸惑うことがある

算定基礎届の電子申請にはどんな方法がある?

算定基礎届の電子申請には、主に3つの方法があります。事業所の規模や利用している労務システムによって最適な方法は異なります。

GビズIDを利用したe-Govからの申請

国が運営するポータルサイトであるe-Govに、GビズIDでログインし、Webブラウザ上で申請する方法です。

GビズIDとは、1つのアカウントで複数の行政サービスにログインできる、法人・個人事業主向けの共通認証システム(gBizID)で、無料で取得できます。

特徴:

  • 特定のソフトウェアに依存せず、Webブラウザだけで申請できる
  • 日本年金機構の届書作成プログラムで作成したCSVファイルをアップロードして申請できる
  • コストをかけずに電子申請を始めたい企業に向いている

参考:e-Gov

参考:GビズID

労務管理ソフトからのAPI連携申請

現在利用している労務管理ソフトや給与計算ソフトから、e-Govを経由せず直接申請する方法です。

特徴:

  • 給与データから算定基礎届の作成・申請までをシームレスに行え、作業効率が向上する
  • ソフトウェア内で申請状況も一元管理できる

API連携への対応状況は、利用しているソフトの公式サイト等で確認してください。

電子媒体(CD・DVD)による届出

作成した申請データをCDやDVDに記録し、管轄の年金事務所へ郵送または持参する方法です。厳密にはオンライン申請ではありませんが、インターネット経由の申請が難しい場合の代替手段として認められています。

特徴:

  • 大量の被保険者を抱える事業所など、通信環境に左右されたくない場合に選ばれる
  • 郵送の手間や媒体準備が必要なため、利便性はe-GovやAPI連携に劣る

算定基礎届の電子申請に必要な準備は?

電子申請をスムーズに進めるには、提出期間である7月上旬を見据え、計画的に準備することが欠かせません。特にGビズIDの取得には時間がかかるため、遅くとも6月中旬までにはID取得の申請を済ませておく必要があります。

STEP1:GビズIDアカウントを取得する

e-Govを利用した電子申請には、GビズIDアカウントの取得が必須です。審査には通常1〜2週間程度かかるため、早めの手続きが安心です。

  1. GビズID公式サイトへアクセス:「GビズIDアカウントの作成をはじめる」を選択し、申請を開始する
  2. 申請書を作成:法人情報・代表者情報を入力し、申請書を印刷する
  3. 必要書類を準備:申請書、印鑑証明書(発行3ヶ月以内)、代表者印(実印)を用意する
  4. 郵送:申請書に代表者印を押印し、印鑑証明書とともにGビズID運用センターへ郵送する
  5. 承認とパスワード設定:審査完了後の承認メールからパスワードを設定し、利用を開始する

STEP2:利用するパソコンの環境を整える

電子申請を行うパソコンが、e-Govの推奨環境を満たしているかを事前に確認・設定しておく必要があります。

  • OS:Windows、Macに対応
  • ブラウザ:Microsoft Edge、Google Chromeなどが推奨される
  • その他:必要に応じてブラウザ拡張機能(e-Gov電子申請アプリケーション)のインストールを求められる場合がある

事前にe-GovのトップページからGビズIDでログインできるかをテストしておくと安心です。

STEP3:算定基礎届の作成に必要な情報を集める

申請データの作成には、紙提出の場合と同じ情報をあらかじめ手元に揃えておく必要があります。

  • 対象となる被保険者全員の氏名、生年月日、基礎年金番号
  • 4月・5月・6月の3ヶ月間の賃金台帳(各月の給与支払額、各月の支払基礎日数)
  • 月額変更届の対象者情報(年度途中で標準報酬月額が改定された従業員)

これらの情報をもとに、日本年金機構の届書作成プログラムや労務管理ソフトで申請用のCSVデータを作成します。

GビズIDを使った算定基礎届の電子申請の手順は?

ここでは、最も一般的なe-GovとGビズIDを利用した申請手順を5つのステップで解説します。従業員数が多い事業所は、事前に作成したCSVファイルをアップロードする方法が効率的です。

STEP1:e-Govにログインする

まずe-Govの公式サイトにアクセスし、ログイン手続きを行います。なお、事前にe-Gov電子申請アプリケーションをインストールすることが必要です。

  1. e-Gov電子申請トップページの「ログイン」ボタンをクリックする
  2. ログイン方法の選択画面で「GビズIDでログイン」を選択する
  3. GビズIDのログイン画面で、登録済みのメールアドレスとパスワードを入力する

STEP2:手続きを検索し、申請書入力フォームを開く

ログイン後、マイページから対象の手続きを検索します。

  1. マイページの検索窓に「算定基礎届」または「被保険者報酬月額算定基礎届」と入力して検索する
  2. 「健康保険・厚生年金保険 被保険者報酬月額算定基礎届」を選択し、「申請書入力へ」をクリックする

STEP3:被保険者情報をCSVファイルで一括登録する

申請画面で、事前に作成したCSVファイルをアップロードします。

  1. 申請画面の「ファイル添付」や「CSV登録」をクリックする
  2. 届書作成プログラム等で作成済みのCSVファイルを選択し、アップロードする
  3. アップロード完了後、内容が自動的に申請フォームへ反映される

STEP4:内容を確認し、電子署名を付与して申請する

登録内容に誤りがないか最終確認を行い、申請を完了させます。

  1. 事業所情報や各被保険者の報酬月額などに誤りがないか画面上で確認する
  2. 問題がなければ「署名付与」をクリックする。GビズIDログインの場合、通常は追加操作なしで電子署名が付与される
  3. 「申請」ボタンをクリックして手続きを完了する

STEP5:申請後の状況を確認する

e-Govのマイページで、申請が正常に受理されたかを確認します。

  1. マイページの「申請案件一覧」や「状況確認」メニューを開く
  2. 申請のステータス、到達番号、受理日を確認し、提出完了を確認する

算定基礎届の申請データはどう作成する?

算定基礎届の電子申請で使うCSVファイルは、日本年金機構が公式サイトで無償提供する届書作成プログラムを利用して作成するのが一般的です。

届書作成プログラムは、算定基礎届だけでなく月額変更届や被保険者資格取得届など、さまざまな社会保険手続きの届書・電子申請用データを作成できるツールです。日本年金機構の公式サイトからダウンロードし、PCにインストールして利用します。

参考:電子申請(届書作成プログラム)|日本年金機構

基本的な作成の流れ:

  1. プログラムの起動:インストールした届書作成プログラムを起動する
  2. 事業所情報の登録:事業所整理記号や所在地などの基本情報を入力する
  3. 届書の選択:作成する届書の一覧から「算定基礎届」を選ぶ
  4. 被保険者情報の入力:氏名、基礎年金番号、4月〜6月の報酬月額、支払基礎日数などを入力する
  5. 電子媒体届書作成:入力完了後、「電子媒体届書作成」からCSV形式で保存する

算定基礎届の電子申請でよくある質問

ここでは、算定基礎届の電子申請で担当者がつまずきやすい点をQ&A形式で解説します。

算定基礎届の提出期限はいつまでですか?

算定基礎届の提出期限は原則として毎年7月1日から7月10日までで、電子申請と紙申請のいずれも同じ期間が適用されます。2026年度(令和8年度)の提出期限は7月10日(金曜)です。

提出最終日はアクセスが集中し、サーバーが重くなる可能性があります。トラブルを避けるため、期限の数日前までに申請を完了させることをおすすめします。

算定基礎届のCSVファイルはどこでダウンロードできますか?

CSVファイルそのものはダウンロードせず、日本年金機構の公式サイトで無償提供されている届書作成プログラムをダウンロードし、そのソフトを使って作成します。市販の労務管理ソフトの多くも同様のCSV出力機能を備えています。

算定基礎届の申請時にエラーが出た場合の対処法はありますか?

まずエラーメッセージの内容を確認し、原因を特定することが重要です。e-Govのチェック機能で表示されるエラーの多くは、全角・半角の入力間違い、必須項目の入力漏れ、報酬月額と支払基礎日数の関係が不適切といった形式不備が原因です。

該当箇所を特定し、CSVデータや入力フォームを修正して再申請してください。解決しない場合は、管轄の年金事務所やe-Govのヘルプデスクへ問い合わせましょう。

算定基礎届の電子申請とあわせて進めたい社内業務のデジタル化

算定基礎届の電子申請を導入する際、行政へのオンライン申請だけでなく、社内での書類準備や進捗管理の進め方も見直すことが大切です。

申請のみの電子化における課題

マネーフォワードでは、産休・育休などの社会保険手続きにおけるデジタルツールの活用状況について調査を実施しました。その結果、最も多かった回答は「行政への電子申請は行っているが、社内の進捗管理や書類準備は手作業(紙・Excel)である」で43.8%にのぼりました。一方で、「社内の進捗管理から行政への電子申請まで、一気通貫でシステム化されている」と回答した割合は24.9%にとどまっており、デジタル化の分断が発生している状況が分かりました。

一気通貫のシステム化による効率化

算定基礎届の電子申請においても、単に申請手続きだけを電子化するのではなく、給与計算などの社内データと直接連携できるAPI連携などを活用することで、データの転記ミスや二度手間の発生を防ぐことができます。社内実務と行政手続きを一気通貫でシステム化することが、労務管理全体の効率化につながります。

出典:マネーフォワード クラウド、育児休業の手続き業務におけるデジタルツールの活用状況【産休・育休に関する調査データ】(回答者:従業員の産休・育休に関する実務に関与している674名、集計期間:2026年3月実施)

算定基礎届の電子申請をスムーズに進めるために

算定基礎届の電子申請は、単なる手続きのオンライン化ではなく、企業の労務管理全体を効率化し、ペーパーレス化を推進する手段です。GビズIDを利用したe-Gov申請は、コストをかけずに始められるため、多くの中小企業にとって有力な選択肢となります。提出期限から逆算した準備を進め、算定基礎届のオンライン申請をスムーズに完了させましょう。

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