• 更新日 : 2023年9月29日

チューターとは?メンターとの違いや会社での導入方法、事例を解説

チューターとは?メンターとの違いや会社での導入方法、事例を解説

チューターとは、新入社員や若手社員に仕事をする上で必要なことを指導する先輩社員のことです。ビジネスマナーや担当する業務に関する知識を教え、任された業務を遂行できるようにする役割を担います。1対1の関係であるため、新入社員や若手社員に合わせた指導ができ、働きやすい環境をつくれます。また、社員を定着させて離職を防ぐ効果もあります。

会社におけるチューターとは?

チューター制度は、企業が行う従業員教育の方法の一つです。近年特に注目されており、導入する企業が増えています。チューターの役割やメンターとの違いなど、チューター制度について基本的なことを理解しておきましょう。

仕事内容を中心に指導する役割

新入社員や入社後2~3年の若手社員に対して、仕事のやり方などを教える社員をチューターと呼びます。1人に対して1人のチューターがつき、ビジネスマナーや担当業務の遂行に必要な知識・スキル・技術などを指導します。また、チューターは業界や企業に特有の文化や習慣、しきたりなど、円滑に仕事を進めるために必要な指導を行う役割も担っています。

メンターとの違い

チューターは、新入社員・若手社員にビジネスマナーや仕事の進め方など、主に業務に必要なことを教えます。これに対してメンターは、業務で必要なことの他に、仕事への取り組み方やモチベーションの維持・向上の方法、将来に向けたキャリア形成の方法などについても指導します。チューターが業務の遂行に焦点を当てた教育を行うのに対し、メンターは社会人として仕事を行う上で必要なこと全般について、必要なアドバイスを行う点が異なります。

支援を行う期間についても、チューターは短期、メンターは比較的長期であるという違いもあります。

場面によって変わるチューターの意味

チューターの意味は、場面や使われ方によって変わります。大学や専門学校などの教育機関では個人指導やグループ指導を提供する教員のことを指し、企業においては新入社員や若手社員に対して指導・支援する社員を指します。また、オンライン学習プラットフォームなどでは、質問や課題に対してサポートする人をチューターと呼ぶ場合があります。

会社でチューター制度を導入するメリット

チューター制度を導入する企業は、大企業を中心に増えています。これまでの教育制度とチューター制度には、どのような違いがあるのでしょうか?チューター制度を導入した企業にもたらされるメリットを説明します。

新入社員に適切な指導ができる

チューター制度は1対1で行うため、1対複数人で行う場合よりも細やかな指導が可能です。指導員は担当した新入社員に時間と手間をかけられ、適切に指導できます。新入社員も他人に気兼ねすることなく、わからないことや不安なこと、悩みなどを相談できます。信頼関係を構築できるため、より良い指導ができるという好循環が生まれます。

新入社員が働きやすい環境をつくる

チューター制度では、チューターは新入社員から仕事だけでなく、プライベートの悩みの相談も受けます。密なコミュニケーションによって信頼関係が構築されるため、新入社員が仕事や会社に早く慣れるでしょう。チューター制度は新入社員が環境の変化への対応をスムーズに行えるようにする効果があるため、働きやすい環境づくりにも役立ちます。

社員を定着させ離職者を防ぐ

チューター制度でチューターと新入社員・若手社員が密接な関係を築けることは、働く上での不安・不満の解消につながります。安心して働けることは、モチベーションの向上にもつながるでしょう。社員がやる気を持って仕事に取り組めるようにすることは定着率の向上につながり、離職者を減少させる効果があります。

会社でチューター制度を導入する方法

チューター制度を導入するためには、どのようなことが必要でしょうか?チューター制度の導入方法をお伝えします。

チューターに教育と研修を実施する

チューター制度では、チューターは新入社員・若手社員に適切な指導を行わなければなりません。そのため、チューターが指導力を身につけられるよう、教育と研修を行う必要があります。チューター制度を導入する際には、最初にチューターに対する教育と研修が求められます。

新入社員の成長に合うような指導を行う

チューターは、指導する新入社員・若手社員に合わせた指導を行わなくてはなりません。理解度などを考慮して、新入社員の成長段階に沿った指導ができるように環境を整える必要があります。

チューターと新入社員を仲介する人材を置く

チューター制度では、チューターと新入社員・若手社員は1対1の関係になりますが、忘れてはならないのがペアリングを行う人材です。チューター制度を活用するためには、チューターと新入社員・若手社員を仲介する人材を置かなればなりません。対象者の性格や人間性、相性が合うタイプ、想定される悩みなどを的確に判断できる仲介役を選定しましょう。

チューターと新入社員の相性を検討する

導入したチューター制度を適切に運用するためには、チューターと新入社員・若手社員の相性や関係性も検討する必要があります。1対1での関係は、些細なことで壊れることがあります。また、最初は良好であっても、長く続けるうちに合わなくなることもあるでしょう。チューターと新入社員・若手社員の相性や関係性を見守り、必要に応じて介入する体制を整えることで、チューター制度の適切な運用が可能になります。

チューター制度を導入している会社例

チューター制度を導入している会社を紹介します。自社で導入する際の参考にしてください。

ソニー株式会社

ソニーはチューター制度を早くから導入し、新人の早期戦力化やビジネスパーソンとしての基礎づくりに必要不可欠である制度として位置付けています。新入社員の立場に立って必要な支援を行えるチューターをつけることで、新入社員が安心して与えられた業務に取り組める環境づくりを実現しています。

サッポロビール株式会社

サッポロビールではチューター制を1988年より新入社員教育制度に導入し、以降20年以上にわたり企業文化として継承しています。新入社員、チューター、現場、ひいては会社の成長につながるDNAであり、今度も継続し、活性化していくとしています。

チューター制は注意点を理解し、体制を整えてから導入しよう

新入社員や若手社員に、経験のある社員が1対1で業務に必要なことを教育する制度をチューター制度と呼びます。研修などでの教育とは違い、一人ひとりに合わせた、きめ細かい教育ができる制度です。新入社員・若手社員に合わせた教育ができるため、働きやすい環境づくりにつながります。それが定着率アップにつながり、離職防止の効果も期待できます。

チュ-ター制度では1対1の関係となるため、新入社員・若手社員とチューターの相性が課題になります。良い関係を構築するためにはチューターの選定には気を配る必要があり、良好な関係が続いているかどうかも見守らなければなりません。場合によっては介入したり、チューターを代えたりする必要もあります。新入社員・若手社員の教育にチューター制度を導入する際は注意点をよく理解し、問題が生じた場合はすぐ対応できる体制を整えておきましょう。


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