• 更新日 : 2024年4月5日

五月病とは?なりやすい人の特徴は?原因や対処法を解説

五月病とは?なりやすい人の特徴は?原因や対処法を解説

五月病とはゴールデンウィーク明け頃に感じる心身の不調のことです。正式な病名ではありませんが、不調が続くとうつ病などになることもあるため、しっかり予防する必要があります。この記事では五月病の定義、原因、症状と五月病になりやすい人の特徴、予防方法を解説します。五月病の発症予防のための取り組みの一助として頂ければ幸いです。

五月病とは?

五月病とはゴールデンウイーク明け頃に感じる、やる気が出ない、気分がふさぐ、倦怠感が続くなどといった心身の不調のことです。五月病は正式な病名ではありませんが、心身の不調が原因で欠勤などに至る場合もあり、放っておくとうつ病を発病することもあるため、注意が必要です。

五月病とうつ病の違い

強いストレスが原因で心身に不調をきたすという点で五月病とうつ病は共通していますが、以下の点において異なります。

原因となるストレスが明確か否か

五月病は新しい職場などの環境に馴染めないことによるストレスが原因で心身の不調を感じるものであり、原因となるストレスが明確です。したがって新しい環境に慣れて、原因となるストレスがなくなれば、比較的短期間で治ることも多いと言われています。なお、強いストレスを受け続けていると、うつ病に至る場合もあります。

一方、うつ病はストレスが主な要因で脳が正常に機能しなくなる病気ですが、ストレスの要因と言えるライフイベントが明確でない場合が多いと言われています。したがって、ストレスから離れることができても、適切な治療を受けられないと治らないこともあります。一般的には回復までに3〜6か月ほどを要し、なかには年単位の期間を要する場合もあります。

医学的な正式病名か否か

五月病は医学的な正式な病名ではありません。精神科や心療内科を受診した場合、適応障害と診断されることがあります。ちなみに適応障害は正式な病名で、特定のストレスを原因として心身の不調をきたす病気です。なお、五月病とは異なり、うつ病は医学的な正式な病名です。

五月病になる原因

以下では、五月病になる主な原因を3つ解説します。

生活リズムが不安定になりやすい時期

4月は就職や転勤といったイベントが多い時期です。就職や転勤などで、自宅の出発時刻や帰宅時刻が変わり、それに合わせて起床時刻や就寝時刻が変わることもあるでしょう。また、単身赴任や親元を離れて一人暮らしになった場合には、新たに自分で家事をする時間を割かなければならないこともあります。

このように、4月は生活リズムが変わり不安定になりやすい時期です。不安定な生活リズムや新しい職場環境などになかなか慣れることができずにストレスを感じることが続くこともあるでしょう。

その場合ゴールデンウィークで一旦職場から離れると、再度出社するのが億劫になり、体調を崩してしまい五月病を発症してしまいます。

新しい人間関係に疲れてしまう・人間関係構築が上手くいかない

就職、転職や転勤などを通じて、新しい人間関係が始まります。また、転勤などで自宅を離れた場合には、家族から離れて一人暮らしとなるため、身近な相談相手を欠くことになるかもしれません。

新しい人間関係を築くのは人によってはなかなか難しい場合もあります。人間関係の構築がうまくいかないことで職場に通うことに苦痛を感じるようになると、五月病を発症することもあるでしょう。

学校や仕事場の期待とのギャップ

就職、転職や転勤などを機に、周囲からの期待に応えるべく心機一転頑張ろうと考えることでしょう。その際、新しい職場が自分の想像していたものと異なる場合には、そのギャップをストレスに感じることもあります。

また、新しい仕事の内容が思っていたより難しく、なかなか習得できずに仕事がうまくはかどらないために苦痛を感じることもあるでしょう。このようなストレスを感じ続けると、五月病を引き起こしかねません。

五月病の症状-身体的な症状

五月病の症状は、心身ともに不調が出る場合、身体的または精神的不調のみが出る場合のいずれもあります。以下ではそのうち身体的な症状について、代表的なものを5つ紹介します。

倦怠感、疲れやすい

五月病になるまでに新しい環境に慣れることができずに強いストレスを感じ続けることで、心身ともに疲れて、次項で紹介する不眠に至ることがあります。また、交感神経と副交感神経のバランスが崩れてしまうことにもつながります。

その結果、五月病になると強い倦怠感が見られたり、ちょっとしたことでも疲れを感じたりするようになります。

不眠

不眠とは一睡もできない状況をイメージするかもしれませんが、以下のような状況が不眠に定義されます。

  • 入眠困難:なかなか寝つくことができない
  • 中途覚醒:眠りが浅く、深夜や未明に何度も目が覚める
  • 早朝覚醒:早朝に目が覚めてしまい、その後眠れない
  • 熟眠障害:睡眠時間を十分にとっても、熟睡できていない

職場などでストレスを受け続けて五月病になると、ネガティブな考えが頭に浮かぶ等により、不眠になることがあります。不眠により業務時間中に眠気や倦怠感が強くなり、仕事の能率が落ちるために、そのこと自体がネガティブ感につながる悪循環に陥ってしまうこともあるでしょう。

食欲不振

過度なストレスにより五月病になると、緊張感が強い状態が続いて胃腸の働きが抑えられることから食欲不振になります。また、先に述べた五月病の症状である不眠や、五月病の原因である生活リズムの乱れも食欲不振を引き起こすことがあります。

動悸

動悸とは、心臓がドキドキするのを感じる状況です。胸の痛みを伴う場合などには心臓の病気等による場合もありますが、ストレスにより自律神経やホルモンバランスが乱れることで動悸が起こることもあります。ストレスを受け続けることで発症する五月病でも動悸が起こることがあるのです。

めまい

動悸と同じく、自律神経やホルモンバランスの乱れによりめまいが生じることもあります。ストレスを受け続けることで自律神経やホルモンバランスに乱れが生じるため、五月病でもめまいが起こる可能性があります。

五月病の症状-精神的な症状

次に五月病の精神的な症状について、代表的なものを3つ紹介します。

抑うつ状態

五月病の精神的な症状で最も代表的なものが抑うつ状態です。抑うつ状態とはうつ病とは診断されないものの、うつ病の症状のいくつかが発生している状態を指します。身体的な症状、精神的な症状の両方がありますが、精神的な症状としては主に以下の症状が挙げられます。

  • 抑うつ気分:気分の落ち込み、憂鬱な気分、悲しい気分、将来に希望が持てないなどの気分
  • 興味や関心等がなくなる:普段は楽しんでいた趣味や娯楽を楽しめなくなる
  • 無価値感・自責感:自己評価が下がり、自分が悪い、自分は役立たずなどと思いがちになる
  • 消えてしまいたい気持ち、死にたい気持ちになる

意欲・判断力の低下

五月病になると、先に述べた抑うつ状態の症状である気分の落ち込みや興味、関心の低下から、何事にもやる気が起こらない意欲低下が見られます。また、本や新聞、テレビの内容が頭に入らなくなったり、考えをまとめることができなかったり、判断力が低下してしまったりすることもあります。

不安・イライラ・緊張感

五月病の精神的症状の代表である抑うつ状態の症状として、一般的には気分の落ち込みなどの抑うつ気分をイメージしますが、不安感やイライラ、緊張感が強くなることがあります。

精神的な不安感が強くなると、じっとしていられなくなり、イライラ感から周囲にあたってしまうことで人間関係を悪化させてしまいます。その結果自分を責める気持ちが強くなってしまい、さらに症状を悪化させてしまう悪循環に陥ってしまうこともあるでしょう。

五月病になっているかも?他人からも分かる症状

五月病になっているかどうか、他人が見分けることもできます。以下では五月病の他覚症状を4つ紹介します。

提出・期限が守れない

五月病になりやすい人は責任感が強い人が多いと言われ、普段は提出期限や納期を遵守します。ところが五月病が疑われる状況ではそれが遵守できないことがあるため、周囲の人が気づくきっかけになります。

ケアレスミスが増える

五月病の症状として、不眠や意欲・判断力の低下を挙げましたが、それらに起因して集中力が低下し、ケアレスミスが増えます。五月病になりやすい人は、完璧主義者とも言われますが、普段の仕事ではあり得ないミスをすることもあるため、周囲の人が五月病であることに気づくきっかけになるでしょう。

遅刻や無断欠勤が多くなる

五月病になることで、会社や学校に行きたくない気持ちが強くなったり、不眠などが原因で朝しっかりと目覚められなくなったりするため、遅刻や無断欠勤が多くなります。

普段は非常にまじめな性格の人が五月病になりやすいため、そのような人が頻繁に遅刻や無断欠勤するのは五月病の見逃せないサインになります。

対人関係でのトラブル増加

五月病の精神的な症状で不安感、イライラ、緊張感が強くなることを紹介しました。その結果、上司や同僚などにあたってしまう等の対人関係のトラブルが増加する可能性があります。

普段は気配りに長けている人や、協調性が高い人が五月病を発症することが多いため、
そのような人が対人関係でトラブルを起こしているときは注意が必要です。

五月病になりやすい人の特徴

五月病の原因は、端的に言えば新しい環境への適応ができないことです。したがって、新しい環境への適応が苦手な人が五月病になりやすいと考えられますが、その具体的な特徴について4点紹介します。

環境の変化に弱い

五月病は新しい環境に適応できないことが原因で発症するため、当然のことながら環境の変化に弱い人は五月病になりやすいと言えます。新しい環境の下で対人関係を築くのが苦手な人などは要注意と言えます。

完璧主義・真面目

真面目で完璧主義な人も五月病になりやすいと言われています。これはうつ病になりやすい人の特徴とも共通しています。

新しい仕事に慣れようとして真面目に取り組み、完璧にこなそうとしても、初めてのことで思うように成果を挙げられないことがあるでしょう。真面目で完璧主義な人の場合、そのような状況自体をストレスに感じてしまいます。長く続くとストレスを溜め込み、五月病を発症してしまいます。

責任感が強い

責任感が強い人も同様に五月病になりやすく、こちらもうつ病になりやすい人の特徴と共通しています。

責任感から仕事を他人に任せることができずに自分で抱え込みがちになり、オーバーワークになってしまいます。また、難題に直面した場合でも自分で解決しようとして他人に相談できないため、ストレスを抱え込むことになります。その結果、五月病を発症してしまうのです。

ストレスを発散できない・他人に相談できない

ストレスを発散できない人や、困ったときに他人に相談できない人も五月病になりやすいと考えられています。

そのような人は元来、気配りに長けているため、自分を前面に出さずに他人の意向や考えを聞き、それに合わせてしまいがちです。結果として知らず知らずのうちにストレスを溜め込むことになり、五月病を発症してしまいます。

五月病の予防方法

五月病を予防するには、五月病の原因を解消したり、五月病になりやすい性格などを意識した行動を心がけたりすることなどが重要です。以下では、五月病の予防方法を4点紹介します。

趣味を作る・趣味を継続する

五月病になりやすい人は真面目であるため、仕事に没頭するとうまくいかない場合のストレスが非常に大きくなり、その結果、五月病を発症する場合があります。仕事以外の趣味を作りそれを継続することは、良い気分転換になり、ストレス解消につながるため、五月病の発症予防につながることでしょう。

運動する

ウォーキングや軽いジョギングなどの運動は、身体の健康はもちろん、ストレス解消にもつながるため、五月病などメンタルヘルス不調を防ぐ効果があると言われています。気分転換の意味もあるので、無理のない程度に継続的に取り組むことが重要です。

生活リズムを規則的にする

新しい環境の下での不慣れな生活では、生活リズムを乱してしまいがちですが、結果として不眠に至ってしまうと五月病を発症する可能性があります。

仕事を頑張りすぎず、帰宅後も適度な休息を取るように心がけましょう。その際には規則正しい生活を心がけ、睡眠や食事をしっかり取ることが心身の健康を維持するために非常に重要なことは言うまでもありません。

同じ環境の友達を作る

就職や転勤などで新しい環境に身を置いたとき、同様に新しい環境に身を置くことになった人を見つけて友達になることが重要です。

それにより新しい環境での愚痴などを共有したり、問題が発生したときなどに相談したりできます。ストレスを溜め込まずに過ごすことができるようになり、五月病の発症予防に効果的でしょう。

五月病の特徴を理解し、発症予防に向けた取り組みを

就職や転勤などで新しい環境に身を置いたものの、適応できずにストレスを溜め込み続けると五月病を発症する場合があります。

従業員が五月病を発症することは、本人はもちろん、企業にとっても従業員の療養による休職等を通じて戦力ダウンにもつながりかねないため、好ましいとは言えません。

五月病の発症予防のためには、上司や同僚が職場への転入者や新入社員などに普段と異なる様子がないかなど十分に配慮をしたり、声掛けを行ったりすることが重要です。また、従業員に対して発症予防のためのセルフケアの方法を指導するなど、会社として発症予防策を十分に理解した上で取り組む必要があります。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。

関連記事