- 更新日 : 2024年4月12日
ヒューマンスキルとは?構成要素や高めるメリット、習得方法を解説!
ヒューマンスキルの構成要素は、リーダーシップ・コミュニケーション能力・ネゴシエーション能力・プレゼンテーション能力・ファシリテーション能力・コーチング能力・ヒアリング能力す。高めると作業効率・対人関係が向上し、自己成長やキャリアアップできるメリットがあります。研修・セミナー参加などで習得できます。
目次
ヒューマンスキルとは?
ヒューマンスキルとは他人と良好な人間関係を築き上げ、円滑なコミュニケーションを行う能力を指します。対人関係能力と訳され、目標達成に向けて他人との関係性を効果的なものとし、協働していく能力の意味で用いられます。アメリカの経済学者であるロバート・カッツ氏によって、テクニカルスキル・コンセプチュアルスキルと並んでマネジメント層に必要な能力として提唱されました。具体的にはチームをまとめ上げる能力、課題解決能力、自分の意見を伝える能力、相手の考えを引き出す能力などが、ヒューマンスキルに該当します。
テクニカルスキルとは?
テクニカルスキルとは特定の業務遂行に必要不可欠なスキルを言います。具体例にはプログラミングやデータ分析能力、機械操作能力などが挙げられ、一般的には教育や訓練によって習得可能です。業務の効率性アップや品質向上につながり、企業の競争力強化に欠かせないスキルとされています。
コンセプチュアルスキルとは?
コンセプチュアルスキルとは物事の本質を捉え、概念化する能力を言います。日本語に訳すと概念化能力となり、物事や事象の根本的な性質を正しく認識し、一般的なものとしてわかるようにするスキルを指しています。課題解決や目標達成のために必要な、問題点・障害物の把握に必要なスキルです。経営陣が身につける能力として、近年とくに注目されています。
ヒューマンスキルが注目される背景は?
ヒューマンスキルが注目される背景には、まず技術の急速な発展が挙げられます。多くの作業が自動化されたりAIに置き換わったりしため、人にはより人間らしい仕事が求められるようになりました。クリエイティブな仕事、深い思考を要する仕事をするためには、ヒューマンスキルが必要とされます。
またグローバル化の進展、多様性を認める社会への変化も、ヒューマンスキルへの関心の高まりにつながっています。さまざまな価値観や文化、バックグラウンドを持つ人とコミュニケーションを取らなければならなくなったため、ヒューマンスキルが必要とされるようになりました。
ヒューマンスキルの構成要素は?
ヒューマンスキルはリーダーシップ・コミュニケーション能力・ネゴシエーション能力・プレゼンテーション能力・ファシリテーション能力・コーチング能力・ヒアリング能力・向上心の7つの要素によって構成されています。それぞれがどのようなものであるか、説明します。
リーダーシップ
チームをまとめ上げ、統率していく能力がリーダーシップです。与えられた業務の遂行のため、チーム一丸となって取り組めるかどうかが問われます。先頭に立つだけでなく、チームや業務に応じて後方からの支援とするような、さまざまな形でのリーダーシップの取り方が求められます。
コミュニケーション能力
コミュニケーション能力は円滑なコミュニケーションを可能にし、信頼関係を築ける能力です。ヒューマンスキルにおいては最重要な能力と言っても過言ではなく、良好で信頼できる人間関係の構築に必要不可欠です。
ネゴシエーション能力
ネゴシエーション能力は相手に対して自分が有利に立てるように、交渉する能力を言います。相手の立場も尊重しながらも自分の意見や主張が通るように対話を重ねていく能力で、とくに営業で必要とされます。場数を踏むことで習得でき、高いネゴシエーション能力獲得には多くの経験が必要とされます。
プレゼンテーション能力
プレゼンテーション能力とは、自分の意見や主張を相手に伝える能力を言います。どんなに良い提案でも、採用されなければ意味はありません。意見・主張のよさが相手にきちんと理解されるよう、効果的な伝え方ができる能力が必要とされます。
ファシリテーション能力
ファシリテーション能力とは話し合いの際に、スムーズに進めるよう案内・調整する能力を言います。具体的には段取りするスキルや状況を正確に分析する力、リーダーシップを発揮して話し合いを進める力などが挙げられます。
コーチング能力
メンバーの能力を育成していく能力がコーチング能力です。一方的に教えることに重点を置くティーチングとは異なり、コーチングは一緒に成長していくことに重点が置かれます。教える側・教えられる側という形を取るのではなく、パートナーという関係性でともに高め合っていく能力がコーチング能力だと言えます。
ヒアリング能力
ヒアリング能力とは、相手の声に耳を傾けられる能力を言い、傾聴とされる場合もあります。相手の心を開かせ、本音を聞き出すスキルです。信頼関係を築く必要があり、コミュニケーション能力も求められます。
向上心
向上心は目標達成や課題解決、業務遂行に向かって、意欲的に取り組むために必要な能力です。困難な状況となったり壁にぶつかったりしても諦めずにやり抜こうとする、強い精神力や折れない心が、向上心につながります。現状に満足することなく、常に高みを目指して挑戦を続ける能力も、向上心には求められます。
ヒューマンスキルを高めるメリットは?
ヒューマンスキルが高まると作業効率の向上、問題解決能力の向上、自己成長、キャリアアップが図れます。
・作業効率の向上
ヒューマンスキルにより仲間とスムーズで円滑なコミュニケーションが取れるようになり、コミュニケーション不足を原因としたミスが減らせます。職場環境がよくなるため人間関係のストレスが少なくなり、作業効率がアップします。意見やアイデアを出しやすいため問題解決が図れることでも、作業の効率化が実現します。
・問題解決能力の向上
どんな状況においても状況を冷静に観察できるようになり、問題解決の糸口がつかみやすくなります。思考力や判断力も強化され、問題解決能力が高まります。
・自己成長
対人関係において自分自身も見つめられるようになり、自己理解が深まります。自分自身の強みや弱みを把握できるようになり、改善が図れます。
・キャリアアップ
自己成長は当然、キャリアアップにつながります。またヒューマンスキルによって良好な対人関係が築けるため、多くのチャンスにも恵まれるようになります。
ヒューマンスキルを習得する方法は?
ヒューマンスキルは、どのようにしたら習得できるのでしょうか?ヒューマンスキルの習得方法を説明します。
研修・セミナーに参加する
ヒューマンスキルの習得方法には、まず研修・セミナーへの参加が挙げられます。基礎からしっかりと学べ、理論から応用までの幅広い知識が身につけられます。
また研修・セミナーは1度に多くの受講者が学べ、コスト的にも効率的です。目的意識の共有もできる他、お互いに高め合うことでより効果的な学習機会になることも期待できます。
人事評価項目に取り入れる
人事評価項目に取り入れることでも、ヒューマンスキルの習得につながります。きちんと評価される体制になっていることは、学習意欲を向上させます。査定の対象となり、給料に反映されれば、効果的にヒューマンスキル向上が図れます。
1on1やフィードバックを実施する
ヒューマンスキルの習得には、1on1やフィードバックの実施も重要です。ヒューマンスキルは対人関係での能力であるため、高いか低いか、あるいはどの程度身についているか、なかなか自分ではわかりません。1on1やフィードバックで他人からの指摘を受けることは、現時点の能力の正確な把握につながり、さらなる学びに結びつきます。
ヒューマンスキルを習得させて従業員のキャリアアップを図ろう
ヒューマンスキルは対人関係の能力であり、良好な人間関係の構築や円滑なコミュニケーションに役立ちます。技術が革新的に発展し、また社会の多様化やグローバル化が進む中で、人への対応力が求められ、注目されるようになりました。
ヒューマンスキルの習得方法には研修・セミナーへの参加、人事評価項目への採用、1on1やフィードバックの実施などがあります。ヒューマンスキルの引き上げにより作業効率や問題解決能力が向上し、自己成長やキャリアアップにもつながるといったメリットがあります。従業員の自己成長やキャリアアップへの支援は、企業が行うべきものとして、社会的にも注目されています。ヒューマンスキル習得方法のうち、自社に合うものから順番に選んで取り組みましょう。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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