• 更新日 : 2024年6月14日

内定式は何をする?入社式との違いや準備、プログラム、面白事例を解説

内定式は、会社が内々定を出した学生に、正式な内定通知を出すための式典です。内定式はいつ行われるのか、何のために行われるのか、どのようなことを行うのか、ご存じでしょうか。

今回は、内定式の概要、内定式を行う理由、プログラムと流れ、事前準備、内定式を開催するにあたってのポイントや注意点について解説します。

内定式とは?

内定式とは、会社が内々定を出した学生に、正式な内定を通知するために実施する式典のことを言います。

内定と内々定は似た言葉で紛らわしいですが、会社が内々定を出している学生に採用通知書を渡し、学生は会社に入社承諾書を提出します。これによって、会社は学生に正式に内定を通知します。

内定式の開催時期

内定式は、多くの会社で10月1日に開催されます。これは、日本経済団体連合会(経団連)の「採用選考に関する指針」で、「採用内定日の遵守:正式な内定日は、卒業・修了年度の10月1日以降とする」とされているためです。

引用:採用選考に関する指針|一般社団法人日本経済団体連合会

もちろん、採用スケジュールの関係で10月には開催できず、11月以降に開催する会社もあります。

ただし、一般的に内定式は10月1日に行う会社が多いため、内定式が遅い時期に開催されると学生は不安になることも考えられます。内定式が11月以降にずれ込む場合には、定期的に内々定者と連絡を取る等、フォローする体制が必要になるでしょう。

中小企業の中には内定式を開催しない会社もあります。内定式を開催しない会社に入社するのを不安に感じるかもしれませんが、中小企業では特に珍しいことではないため安心してください。

内定式と入社式との違い

内定式は、内々定を出していた学生に正式に内定を通知するための式典です。それに対して、入社式は、新入社員が入社することを会社が迎え入れ、記念するための式典という違いがあります。

内定式を行う理由

内定式を行う大きな理由の1つは、「会社が学生に正式に内定を約束する」ことです。内定式という厳かな式典を行うことで、学生に「私はこの会社に入社するんだ」という入社意識を持たせることも内定式を行う理由です。

他にも以下のような理由で内定式を行います。

  • 内定者に会社のことをもっと理解してもらう
  • 入社に際して必要な書類の手続きを行う
  • 内定者同士の交流をもってもらい、連帯感を高めてもらう
  • 内定者と先輩社員との交流を深めてもらう

内定式の一般的なプログラム

内定式の一般的な内容には以下のようなものがあります。

  • 社長や役員の挨拶
  • 内定通知書の授与
  • 内定者の自己紹介
  • 先輩社員との交流
  • 書類の提出などの事務手続き
  • 入社までのスケジュール案内などの事務連絡
  • 内定者懇親会

内定式の所要時間は1.5時間〜2時間程度であることが多いですが、懇親会が行われるような場合には数時間になる場合もあります。

社長や役員の挨拶

内定式では、最初に社長や役員からの挨拶があります。会社の経営理念、求める社員像、今後の展望などについて述べられるのが一般的です。

会社によっては、成功した事業の例や過去の失敗から回復したエピソードなどを話す場合もあります。

内定通知書の授与

内定通知書の授与は、内定式の主要なイベントの1つです。社長から内定者の1人ひとりに内定通知書を手渡すのが一般的ですが、大手企業など、多くの内定者がいる会社では、内定者の代表のみに内定通知書を手渡し、他の内定者には後から個別に渡すというケースもあります。

最近は、オンライン内定式が行われるケースもあるようです。オンライン内定式の場合は、内定通知書の手渡しができないため、自宅に郵送することになります。

内定者の自己紹介

内定者同士は、内定式で初めて顔を合わせるのがほとんどでしょう。会社はこの機会を利用して、内定者同士で自己紹介をさせることが多くあります。

内定者の中には、急に自己紹介をするように言われても、言いたいことが言えない人もいるでしょう。内定式で内定者に自己紹介をさせたい場合には、内定式の案内の際に、各自2〜3分で自己紹介することを事前に案内しておくとよいでしょう。

書類の提出などの事務手続き

内定式の後半では、提出書類の説明や入社までのスケジュールを伝えます。提出書類には、入社承諾書、健康診断結果など、大事な書類に関する説明があるため、説明に漏れがないように注意が必要です。

また、内定式当日に提出する書類がある場合もあります。捺印やサインが必要な際には、印鑑や筆記用具を忘れないように、内定式の案内に当日の持ち物として記載しておきましょう。

内定者懇親会

内定式の後に、内定者同士あるいは内定者と先輩社員が交流を深められる懇親会を開催する場合があります。

内定者同士の交流を深めあったり、先輩社員に仕事のことを聞いたりできる場を設けることは、内定者にとっても有意義な時間になるでしょう。会社の担当者は和やかな雰囲気になるように準備が必要です。

企業側:内定式に向けた事前準備

ここでは、企業が内定式を開催するにあたっての事前準備について解説します。

開催時期の決定

まず、内定式を開催する時期を決定します。内定式は、内々定を出した学生に対して正式に内定を通知する式典のため、経団連の指針により、卒業・修了年度の10月1日以降にしか開催できません。

そのため、10月1日以降で会社と内々定者の都合が合う時期に行うように決定します。

開催日時の決定

内定式は、多くの会社が10月1日に行うように調整して開催します。午前中に開催すると、会社も内定者も午後の予定が立てやすくなります。

内定者同士は初めての顔合わせになるため、親睦を深める意味でも午後の時間帯は空けてあげたほうがよいでしょう。

開催内容の決定

内定式の開催内容を決めます。会社によって内容は異なりますが、会社独自のプログラムがあっても特に問題はありません。

一般的なプログラムとしては、開会・閉会、社長や役員の挨拶、内定証書の授与、内定者の挨拶、事務手続き、懇親会などです。それぞれのプログラムについて、内容を検討しましょう。

内定者・社内への連絡

内定式の詳細が決まったら、内定者や社内の関係者に内定式開催に関する連絡を行います。内定者への連絡は、メールや郵便で行ってください。次のような項目を伝えるようにしましょう。

  • 内定式の開催日時
  • 内定式の場所と当日の集合時間・場所
  • 当日の服装
  • 当日の持ち物
  • 問い合わせ先

これらは、分かりやすいように記載してください。内定式の後に懇親会や食事会などを予定している場合も、案内に入れましょう。

内定証書の作成

内定証書とは、内定式で会社から内定者に渡す書類です。採用試験に合格し、入社を認める旨を簡潔に記したものになります。ただし、会社は必ずしも内定証書を作成して渡す必要はありません。

しかし、内定者は内定証書を渡されることによって、自分がこの会社に入社して、会社の一員として働くのだという実感が湧いてくるでしょう。また、入社するまでのモチベーションを維持する意味でも内定証書は有効です。

内定式プログラム・内定式案内のテンプレート

マネーフォワード クラウド給与では、内定式プログラムと内定式案内のテンプレートを用意しています。内定式当日の流れや学生への案内方法に困っている方は、ぜひ参考にしてください。

内定者側:内定式に向けた事前準備

ここからは、内定者が内定式に参加する際に準備をしておきたい服装、持ち物、挨拶・マナーを中心に解説します。

服装

内定式の案内に服装についての記載があればそれに従います。服装の指定がない場合でも、内定式はあくまでも式典のため、基本的にはスーツで出席するようにしましょう。清潔感のある髪形や服装で参加することを心がけてください。

持ち物

内定式の案内に持ち物が記載されていれば、最低限それを準備して持参します。基本的に必要な持ち物は以下のようなものです。

  • 筆記用具
  • メモノート、メモ帳など
  • 提出を指定された書類
  • 印鑑
  • 名刺入れ
  • クリアファイル
  • A4サイズの書類が入る大きさのバッグ
  • 予備のストッキング(女性の場合)

持ち物は事前に確認して忘れ物がないようにしましょう。

挨拶・マナー

内定式の場では、挨拶と社会人のビジネスマナーを守ることが大切です。挨拶は丁寧に礼儀正しく応対することが印象をよくします。

また、内定式当日の集合時間を厳守することも社会人として大事なことです。ビジネスマナーとしては次のようなことに注意しましょう。

  • 決められた時間は厳守する
  • 清潔感のある髪形・服装などの身だしなみに注意する
  • 丁寧ではっきりした言葉遣いを心がける
  • 関係者の顔と名前を覚えるようにする

内定式の流れや内容の確認

会社から内定式の案内が届いていれば、どのように内定式が進んでいくのか、自分が発言する場があるのかなどを確認しておきます。

自己紹介をする必要がある場合には、事前に自己紹介で話すことを決めておいたほうが当日に話がまとまらなくなって中途半端になることがありません。自分の名前や出身校、趣味や特技など、自分らしさをアピールできることを短めにまとめましょう。

会社の経営理念やビジョンを再確認

内定をもらってから内定式までに時間が経っていると、就職活動のときに覚えていた会社の経営理念やビジョン、事業内容などがあいまいになっていることがあります。

内定式では、会社の人や他の内定者と話す機会があり、会社や仕事の内容の話題になることもあるでしょう。その際に間違った話をしないように、会社のHPや就職活動の際にもらった資料の見直し、業界や最新の情報を再確認して、内定式当日に慌てないようにすることが大切です。

内定式のユニークな事例

ユニークな内定式を行っている会社の事例をいくつか紹介します。

昭和産業株式会社:「体験型内定式」天ぷら研修

1960年に世界初の家庭用てんぷら粉を販売した昭和産業株式会社では、内定者による「体験型内定式」天ぷら研修(以下、天ぷら研修)を開催しています。天ぷら研修を行ったのは以下のような目的によるものでした。

  • 経営陣や社員、内定者同士のコミュニケーションを活発にする
  • 自社商品を使った研修を行うことにより、商品や企業への理解を深めてもらう
  • 新社会人になることへの意識改革を行う
  • 調理への理解の促進や食品ロスについて認識を深めてもらう

内定者は自社の商品に触れて、会社への理解を深めるとともに、全員で天ぷら研修を行ったことによって同期の決断力アップにも寄与したのではないでしょうか。

参考:コロナ禍を経て4年ぶりの開催 「昭和産業 体験型内定式」天ぷら研修 を実施|昭和産業株式会社

ホダカ株式会社:内定式サイクリング

自転車メーカーの株式会社ホダカでは、総距離250kmを超える「内定式サイクリング」を毎年行っています。目的は、同期・先輩社員と交流したり、社風を肌で感じてもらったりするためです。内定式サイクリングでは、観光名所やグルメを堪能しながらサイクリングを楽しみます。

数日かけて埼玉県越谷市の本社に全員ゴールしたあと、内定式が執り行われ内定証書が授与されます。ときには寄り道をしながら、寒さに負けずサイクリングの魅力を存分に感じているようでした。内定式が無事終わると、内定者は入社後に同期や先輩社員と一緒に働くことが楽しみになるそうです。

参考:
レポート『内定式サイクリング』を実施しました|ホダカ株式会社
レポート『内定式サイクリング』を実施しました|ホダカ株式会社

株式会社サイバー・バズ:全社総会と合わせて行う内定式

株式会社サーバー・バズでは、半期に一度、全社総会を行っており、その際に、内定式や入社式も行っています。総会の第1部で入社予定者の「内定式」を行い、ステージ上で内定証書が授与されます。

その後、社長のプレゼンテーション、半期ごとの新しい「スローガン」の発表、表彰式と進み、第2部は、経営陣や社員、内定者が交流できる懇親会になっています。

内定式を全社総会と一緒に開催することによって、内定者が社長の想いや会社の社風を感じたり、入社前から半期ごとのスローガンを社員と共有できたりと、会社に対して親しみが湧くイベントになっています。

参考:
【速報】2024年度上半期社員総会|株式会社サイバー・バズ
<レポート>2023年度上半期全社総会&2023年度新卒の入社式!|株式会社サイバー・バズ

内定式の開催のポイントや注意点

内定式を開催する際に、気をつけるポイントや注意点について解説します。

時間の管理

内定式の段取り全体を把握して、各イベントでの時間配分をきちんと管理し、内定式の時間が予定より延長することがないように注意しましょう。リハーサルなどを行って、内定式が円滑に進められるように準備してください。

会社側の出席者の人選

内定式で挨拶する社長や役員、先輩社員などの人選も注意すべきポイントです。挨拶する社長や役員は、入社が待ち遠しくなるようなユーモアのある話ができる方がベターですが、難しい部分のため、上司とよく相談して人選してもらうとよいでしょう。

先輩社員は、なるべく内定者と年の近い若手社員に来てもらうと、内定者は自分の入社後をイメージしやすくなります。

独特の場所に来ることへの配慮

内定者は、内定式というフォーマルな場に集められるため、とても緊張した状態で式場に来場します。また、多くの先輩社員と顔を合わせることも初めてであるため、会社側が思っている以上に緊張しているはずです。

内定者に少しでもリラックスした状態で内定式に参加してもらうため、運営の手伝いの人には、和やかな雰囲気で応対を心がけるようにお願いしておきましょう。

内定式を円滑に進めるように万全の準備をしましょう

内定式は、内定者にとっては会社に入社する前の大事なイベントです。会社側として、内定者があまり緊張しないで内定式に臨めるようにする必要があります。

そのために、内定式のプログラムや流れの全体像を把握し、入念に事前準備を行い、当日も和やかに内定式が進むように注意しながら進めていくようにしましょう。


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