- 更新日 : 2026年8月28日
【育休期間・給付金計算シート付】育休の計算方法とは?期間・給付金・出生後休業支援給付金までまるごと解説
育休の計算は「期間の計算」と「育休手当の計算」の2つに分けて理解するのが基本です。
- 育休手当は賃金日額×支給日数×67%(180日目まで)
- 181日目以降は支給率が50%に切り替わる
- 出生後休業支援給付金で手取り実質10割も可能
Q. 育休手当の金額はどう計算する?
A. 育休開始前6ヶ月の賃金総額÷180日で「賃金日額」を算出し、支給日数と支給率(67%または50%)をかけて計算します。
育休の計算方法は、大きく分けて「育休期間の計算」と「育休手当(育児休業給付金)の計算」の2つに分かれます。本記事では、育休(育児休業)の基礎知識から、産後パパ育休やパパ・ママ育休プラスを含む期間の計算方法、育児休業給付金の支給額の計算方法、2025年4月に創設された出生後休業支援給付金による手取り10割の仕組みまで、具体例を交えて解説します。
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育休の基礎知識とは?
育休の計算を正しく行うには、まず育休制度そのものの仕組みと対象者を理解することが前提になります。期間や給付金の計算式は、この基礎知識をもとに組み立てられているためです。
育休(育児休業)とは
育休とは、原則1歳未満の子どもを養育するために従業員が取得できる休業制度です。産休(産前産後休業)とは異なり、労使協定を締結していれば勤続1年未満の従業員を対象外にできる点が特徴です。
雇用保険に加入していれば、パートやアルバイトなどの雇用形態でも育休の対象になります。血縁関係のある実子だけでなく、法的に認められた養子なども対象です。
育休の対象者
育休の対象者は、1歳未満の子どもを養育する従業員であり、性別を問いません。ただし、子どもと同居していることが条件です。
厚生労働省の令和6年度雇用均等基本調査によると、育児休業取得者の割合は女性が86.6%、男性が40.5%となっており、男性の取得率は前年度から大きく上昇しています。
参考:令和6年度育児休業取得率の調査結果(雇用均等基本調査)のポイントについて|厚生労働省
産後パパ育休と通常の育休の違い
産後パパ育休(出生時育児休業)とは、子の出生後8週間以内に4週間(28日)を限度として、2回に分割取得できる休業です。通常の育休とは別枠で取得できる点が特徴です。
通常の育休との違いは、取得できる期間と就業可否にあります。通常の育休は子どもが最長2歳になるまで取得可能ですが、産後パパ育休は出生後8週間以内という短期間の制度です。また、育休中は原則就業不可ですが、産後パパ育休は労使協定を締結すれば就業できます。
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育休期間の計算方法は?開始日・終了日の求め方
育休期間の計算は、産休終了日の翌日を育休開始日とし、子どもが1歳になる前日を育休終了日とするのが基本です。延長事由がある場合は最長2歳まで計算方法が変わります。
育休開始日の計算方法
育休開始日は、原則として産休(産後8週間・56日間)を取得した翌日です。産後パパ育休を利用する場合は、出生日または出産予定日のいずれか遅い日を起点に計算します。
以下は出産日を起点にした育休期間の計算例です。
| ケース | 育休開始日 | 育休終了日 |
|---|---|---|
| 出産日2026年1月1日、1歳まで取得 | 出産後57日目(2026年2月27日) | 子どもが1歳になる前日(2026年12月31日) |
| 出産日2026年1月1日、2歳まで延長 | 出産後57日目(2026年2月27日) | 子どもが2歳になる前日(2027年12月31日) |
育休終了日の計算方法(延長時の考え方)
育休を取得できるのは、原則子どもが1歳になる前日までです。保育所が見つからないなどの理由がある場合は、事前申請により1歳6ヶ月、さらに2歳まで延長する計算方法が認められています。
延長には事前申請が必要であり、単に希望するだけでは適用されない点に注意が必要です。厚生労働省の自動計算サイトを利用すると、出産予定日や育休開始日を入力するだけで、法令に基づいた期間を自動計算できます。
参考:産休・育休はいつから?産前・産後休業、育児休業の自動計算|厚生労働省
パパ・ママ育休プラスの期間計算方法
パパ・ママ育休プラスとは、両親がともに育休を取得することで、特別な事情がなくても子どもが1歳2ヶ月に達するまで育休を延長できる制度です。延長分の2ヶ月は、後から育休を取得した方に加算される点がポイントです。
つまり、後から取得した方の育休が先に終了してしまう場合は、2ヶ月の延長は適用されません。夫婦での取得順序を計画する際は、この計算ルールを踏まえておく必要があります。
育休手当(育児休業給付金)の計算方法は?
育休手当は、休業開始時賃金日額に支給日数と支給率をかけて計算します。開始から180日目までと181日目以降で支給率が変わる点が計算上の最大のポイントです。
育休手当の計算式
育休手当の計算式は、以下の2パターンに分かれます。
- 育休開始から180日目まで:休業開始時賃金日額×支給日数×67%
- 育休開始から181日目以降:休業開始時賃金日額×支給日数×50%
休業開始時賃金日額とは、原則として育休開始前6ヶ月間の賃金総額を180日で割った金額です。基本給だけでなく、残業手当や通勤手当などを含む、社会保険料控除前の金額で計算します。
休業開始時賃金日額の算出方法
休業開始時賃金日額は「育休開始前6ヶ月間の賃金総額÷180日」という式で算出します。この日額に支給日数と支給率をかけることで、月々の支給額が決まります。
たとえば、育休開始前6ヶ月間の賃金総額が180万円であれば、休業開始時賃金日額は1万円(180万円÷180日)です。この日額を基準に、以下の上限額・下限額が適用されます。
育休手当の上限額・下限額
育児休業給付金には、賃金日額と月額支給額の両方に上限・下限が設定されています。この限度額は毎年8月1日に改定される点に注意が必要です。
令和8年8月1日以降(令和9年7月31日まで)の休業開始時賃金日額の上限額は16,540 円です。この上限額をもとにした支給日数30日の場合の上限・下限は、次の表のとおりです。
| 支給率 | 上限額(月額) | 下限額(月額) |
|---|---|---|
| 67% | 332,454 円 | 64,380円 |
| 50% | 248,100 円 | 48,045円 |
【給料別】育休手当の計算シミュレーションは?
育休手当は全員が同額ではなく、育休前6ヶ月間の給料水準によって支給額が変わります。ここでは給料月額別に、実際の計算過程をシミュレーションします。
給料が20万円の場合
育休開始前6ヶ月間の給料が平均20万円の場合、休業開始時賃金日額は約6,667円(120万円÷180日)です。180日以内の1ヶ月あたりの支給額は約13万4,000円、181日目以降は約10万円となり、1年間の総額はおよそ140万4,000円になります。
給料が30万円の場合
給料が平均30万円の場合、休業開始時賃金日額は1万円(180万円÷180日)です。180日以内は月額20万1,000円、181日目以降は月額15万円が支給され、1年間の総額は210万6,000円になります。
給料が50万円の場合
給料が平均50万円の場合、計算上の賃金日額は1万6,667円となりますが、上限額16,540 円を超えるため上限額が適用されます。この場合、180日以内の月額支給額は上限額と同じ33万2,454円、181日目以降は24万8,100円となり、1年間の総額は約348万3,324円になります。
出生後休業支援給付金で手取り10割になる計算方法とは?
2025年4月に創設された出生後休業支援給付金を組み合わせると、育休開始後一定期間の給付率が実質80%になり、社会保険料免除や非課税の効果を含めると手取りベースで10割相当になります。
出生後休業支援給付金の仕組み
出生後休業支援給付金は、子の出生後一定期間内に夫婦ともに14日以上の育休を取得した場合、通常の育休手当(67%)に13%が上乗せされる制度です。合計で「67%+13%=80%」の給付率になります。
出生後休業支援給付金にも上限・下限が設定されており、支給日数28日の場合、上限額は60,205円、下限額は11,658円です。社会保険料が免除され、育休手当自体が非課税であることを踏まえると、額面80%でも手取りベースではほぼ10割相当になります。
育休の計算にあわせて会社が対応すべきことは?
育休の期間や給付金を正しく計算できても、会社側の手続きが伴わなければ従業員は安心して育休を取得できません。対応すべき事項をあらかじめ整理しておくことが重要です。
会社が対応すべき主な事項は、次の5点です。
- 従業員に対する個別の説明・意向確認
- 育児休業給付および社会保険料免除の手続き
- 育休を取得しやすい雇用環境の整備
- 育休取得状況の公表
- 育休取得に伴うハラスメントの防止
このうち、育児休業給付の受給資格確認と初回支給申請は、育休開始から4ヶ月を経過する日の属する月の末日までにハローワークへ届け出る必要があります。社会保険料の免除申請とあわせて、スケジュール管理を徹底することが求められます。
育休手続きに関する各種テンプレート
従業員による育休取得の申し出は、原則書面で行うことが義務付けられています。後のトラブルを回避するためにも、申請に関わる書面を用意しておきましょう。
「育児休業申出書」については、以下をご活用ください。以下のリンクから、フォームに入力すれば無料でダウンロードできます。
https://biz.moneyforward.com/payroll/templates/415
育児短時間勤務申出書のテンプレートが必要な場合は、以下を利用しましょう。
https://biz.moneyforward.com/payroll/templates/872/
https://biz.moneyforward.com/payroll/templates/868/
育休の計算方法を正しく押さえて実務負担を軽減しよう
育休の計算方法は、期間の計算と育休手当の計算の2つを分けて理解することがポイントです。休業開始時賃金日額の算出方法や支給率67%・50%の切り替え時期、さらに出生後休業支援給付金による手取り10割の仕組みまで押さえておくことで、従業員への説明や試算の精度が高まります。育休の計算方法を正確に把握し、担当者の実務負担軽減と従業員対応の質の向上に役立ててください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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