- 更新日 : 2024年10月30日
ガクチカとは?意味や作り方・探し方を解説!
学生時代に、スポーツやアルバイトなどに打ち込んだ方も多いのではないでしょうか。学生時代の熱意を持って打ち込んだ経験は、社会人になってからも活かされることでしょう。当記事では、ガクチカの意味や必要とされる背景・目的などについて解説します。必要となる要素や書き方、例文も紹介しているため、ぜひ参考にしてください。
目次
ガクチカとは?
「ガクチカ」とは、「学生時代に力を入れたこと」の略語です。就活においてよく質問されるため、志望動機や自己PRと並ぶ重要項目です。
就活でガクチカはなぜ聞かれる?
企業は、これから雇い入れようと考える学生が自社にマッチしているかを確認する必要があります。そのために学生が、学生時代に何を行っていたのかを把握することも必要となります。就活において、ガクチカが聞かれるのはそのためです。
自己PRとの違い
自己PRは、自身の強みとなる部分をアピールし、能力を示します。これに対して、ガクチカは学生時代に打ち込んだ経験を伝えることになります。自己PRは能力、ガクチカは経験の把握を目的として質問されるため、混同しないように注意が必要です。
履歴書との違い
履歴書は経歴を時系列に沿って書き出す書類です。履歴は、入学や卒業といった誰の目から見ても明らかな事実の積み重ねとなります。その期間内に打ち込んだ経験を示すガクチカとは、異なったものといえるでしょう。
エントリーシートとの違い
エントリーシートは、採用選考などのために提出する応募書類です。自己PRやガクチカを内容として記載する場合もありますが、あくまで応募書類であり、ガクチカとは異なります。
就活の際にガクチカで見られるポイント
企業は、ガクチカにおいてどのような点を重視するのでしょうか。本項では、就活の際にガクチカで見られるポイントを解説します。
自発性
言われたことしかできない指示待ちの学生を欲する企業は、あまりありません。そのため、企業はガクチカで学生に自発性があるかを判断します。ボランティアなど、自主性に任される活動を行っていたのであれば、自発性が高いと判断されるでしょう。
ガクチカと本人の特徴・人となり
ガクチカからは、学生が学生時代に何を考え、何に打ち込んできたのかを知ることができます。本人の性格や特性は、仕事への取り組み方にも関わってくるため、把握することは非常に重要です。特にモチベーションは、仕事のパフォーマンスにも関わる要素のため、本人に合った方法で維持する必要があります。
ガクチカと会社がやっていたことのマッチング具合
ガクチカは、スポーツや資格取得、アルバイトなど多岐にわたり、その内容も種々様々です。何かに打ち込むこと自体は素晴らしいのですが、その経験が活かせなければ企業にとって意味がありません。そのため、就活の際にはガクチカと自社の業務に関連性があるかを見られます。
ガクチカを探す方法
「自分にはガクチカがない」「これは適切なガクチカなのだろうか」と悩む方も少なくありません。ガクチカを探す方法は複数存在するため、自分に合った方法を選択しましょう。
経験を振り返る
学生時代の経験を振り返ることは、最も基本的なガクチカの探し方です。特に力を入れて取り組んだことはないと考えていても、振り返ってみれば「そういえば」といえるような経験が見つかるはずです。
企業研究・求められている人材を把握する
対象となる企業を研究し、求められる人物像を把握することも有効な手段です。ガクチカは、企業の業務とマッチしていることが望ましいため、求められる人物像を把握すれば、適切なガクチカが導き出せるでしょう。
自分の経験を抽象化する
「テニスサークル活動に打ち込んだため、テニスが得意です」では、企業も対応に困るでしょう。このように具体的過ぎるガクチカではなく、その活動を通じて何が得られたかを抽象化することが大切です。テニスサークルの例であれば、「大会出場を通して、困難な状況でも諦めない粘り強さを得られた」などとするのが効果的です。
一般的にガクチカの候補に上がりやすいテーマから探す
ガクチカでは、「アルバイト」や「資格取得」、「インターンシップ」などが候補として取り上げられることが多くなっています。これらの一般的な候補と、自分の経験を照らし合わせることで、ガクチカを探すことも可能です。
ガクチカを決めるうえでの注意点
ガクチカが見つかっても、それが本当に適切かどうかの判断は難しいでしょう。ガクチカの決定には、守るべき注意点が存在します。
ガクチカは素晴らしい功績やエピソードでなくてもよい
大会での入賞や、活動への表彰など、どうしても素晴らしく誇れるエピソードをガクチカに選んでしまいがちです。しかし、ガクチカは本人の人となりの把握や、企業とのマッチ具合を確かめるために質問されるため、成功だけでなく失敗のエピソードであっても問題ありません。
苦手なことに取り組んだことでもOK
人間は誰しも苦手なことが1つや2つ存在します。苦手な分野を克服しようと取り組んだ経験は、結果を問わず社会人になっても活かされることでしょう。苦手分野の克服に取り組んだというガクチカは、企業に対して困難を前にしても諦めない姿勢を伝えることにつながります。
学業に打ち込んだも十分な「ガクチカ」
「学生の本分は学業なため、学生時代に打ち込むことは当然でありガクチカではない」と考えてしまうかも知れません。しかし、学業に打ち込んだことも立派なガクチカとなり得ます。知識を積極的に取り入れ、自己研鑽を怠らないその姿勢は、企業への好印象につながるでしょう。
ガクチカは企業ごとに変えてもよい?
ガクチカが複数あるのであれば、企業ごとに変えることが推奨されます。なぜなら、ガクチカは企業の求める人物像と合っていなければならないからです。
新たな分野へのチャレンジ精神を求める企業もあれば、集団における強固なリーダーシップを持った人材を求める企業も存在します。そのため、前者であれば未経験の分野におけるアルバイトなど新しいことにチャレンジした経験を、後者であればサークルでのリーダー経験などをガクチカにするとよいでしょう。
ガクチカは、単なる経験の発表ではなく、就活におけるアピールでもあります。そのことを忘れず、企業ごとに適切なガクチカを選択しなければなりません。どのような立派なガクチカもミスマッチがあれば、効果を発揮できないでしょう。
ガクチカの例
学生時代の経験は個人ごとに様々です。そのため、ガクチカも種々様々となります。しかし、よくガクチカとして取り上げられる分野も確かに存在するため、以下に代表的なガクチカの例をいくつか紹介します。
- 学業「大学の講義だけでなく、毎日率先した自己学習に努め、つねに上位の成績を収めてきた経験」「外国語の講義を受けるだけでなく、積極的に外国人と交流し、実践的な語学力を身に着けた経験」
- アルバイト「大学時代を通じ、飲食店でのバイトを行い、リーダーとしてまとめ上げてきた経験」「接客業でのアルバイト経験を通して、接客スキルを身に着けた経験」
- インターンシップ「営業職のインターンシップで、良好な営業成績を収め、表彰された経験」「企画職のインターンシップで、新たな企画を提案し、新サービスの開発につながった経験」
- 資格取得「将来IT業界で働くために、ITパスポートの資格取得へ向けた勉強とスキルアップを行った経験」「会計学の講義から興味を覚え、より詳しい知識を得るためにFPの資格を取得した経験」
ガクチカの例文
どのようなガクチカであっても、「結果」と「動機」、「具体的行動」「経験を通した学び」を伝えることが大切です。以下に1つ例文を紹介します。
学生時代に力を入れた経験は、飲食店でのアルバイトです。以前から接客業に興味があり、将来の就職先に考えていたことがアルバイトを始めた理由です。
アルバイト先では、接客だけでなく厨房での業務や店舗の管理なども行う必要があり、スタッフ相互の連携が重要となっていました。しかし、アルバイト先は新規開業の店舗だったため、不慣れなスタッフが多く中々連携が取れない状況でした。そこで、親睦を深めるためのイベントを企画し、チームワークの向上を図ることにしたのです。
イベント開催の結果として、スタッフ相互の理解が進み、チームワークの向上も見られました。このことから、飲食業における相互理解とチームワークの重要性を学びました。この学びを入社後の業務に活かしたいと考えています。
打ち込んだことは力になる
学生時代の経験は、貴重で他に代えがたいものです。学生時代に熱意を持って打ち込んだ経験は、その後の人生にも大きく影響を与えるでしょう。そのため、学生時代の経験を示すガクチカは、本人の人となりや特性を知るうえで非常に重要です。もし、ガクチカでお悩みであれば、ぜひ当記事を参考にしてください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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