- 更新日 : 2024年12月24日
労働者名簿の履歴はどこまで書けばいい?
労働者名簿の「履歴」については、法的に明確な記載範囲の定めはありません。そのため、記載する内容や範囲は会社の判断に委ねられています。
目次
労働者名簿で記載することが多い履歴の内容
労働者名簿の「履歴」には、従業員の入社前の経歴や社内での職務変遷を記載しますが、どこまで詳細に書くべきかについては、以下の順序で考えるとわかりやすいです。
1. 入社前の経歴
最初に記載するのは入社前の経歴です。
- 最終学歴
必須ではありませんが、必要に応じて最終学歴を記載します。例えば、「〇〇大学 経済学部 卒業」といった形で、最終学歴のみを記入することが一般的です。 - 職歴
必要に応じて、直前の職歴を記載します。例えば、「前職:営業マネージャー」「前職:〇〇株式会社 技術部」といった情報を記載すると、従業員の経験やスキルが把握しやすくなります。
2. 入社後の履歴
入社後の経歴も記載するとよいでしょう。入社後の異動や昇進、役職変更などの重要な人事異動があった場合は、その都度更新します。
- 部署や役職の変更
従業員が異動したり、昇進したりした場合は、日時とともに記録します。たとえば、「2023年4月:営業部に配属」「2025年10月:営業部リーダーに昇格」などのように具体的な情報を記載します。 - 業務内容の変更
業務内容が大きく変わった場合、もしくは異なる業務に就くようになった場合も記録しておきます。たとえば、「2026年4月:プロジェクト管理業務に従事」といった形で記録することで、業務範囲が明確にわかるようになります。
3. 特定の業務経験や資格取得(安全衛生上必要な場合)
業務内容によっては、安全衛生の観点から特定の経験を記録しておくと有用です。また、資格取得も業務に関連するものであれば記載します。
- 特定業務の従事歴
安全衛生管理のために特定業務の履歴が必要な場合もあります。たとえば、「2024年1月〜2026年3月:溶接作業に従事」「2027年〜:アスベスト除去作業の経験あり」といった記載が考えられます。 - 資格取得
業務に関連する資格を取得した場合は、その取得年月と資格名を記録します。例えば、「2025年4月:宅地建物取引士取得」「2026年9月:フォークリフト運転技能講習修了」と記載します。
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労働者名簿の履歴に関しては法令で細かい記載方法が定められていない
労働者名簿の「履歴」欄に記載する内容について、法令上の具体的な指示はありません。従業員のキャリアや業務履歴が把握しやすくなるよう、必要に応じて更新しておくとよいでしょう。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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