• 更新日 : 2025年11月13日

特定理由離職者の給付日数は?延長できる条件や受給までの流れも解説

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特定理由離職者に該当するのは、雇止めにより離職した人、やむを得ない事情で自己都合退職した人です。

実際に失業保険に申し込もうと考えている人の中には「特定理由離職者の給付日数が知りたい」「手当を受給するまでの流れを知りたい」などと考えている人もいるでしょう。

そこで本記事では、特定理由離職者の給付日数や特定理由離職者と判定されるための詳しい条件などを解説します。失業手当を受給できるまでの流れや必要書類などもまとめています。

特定理由離職者とは

特定理由離職者とは、雇用契約が更新されなかった人、やむを得ない事情で自己都合退職をした人のことです。たとえば、契約社員やパートで雇止めにあった人、結婚したことによって会社に通うのが困難になった人などが該当します。

特定理由離職者と似た受給者として特定受給資格者がありますが、特定受給資格者とは会社の倒産や解雇などで離職した人のことです。

もし特定理由離職者や特定受給資格者と判定されれば、失業手当を受給できる条件が以下のように緩和されます。

本来の受給条件 特定理由離職者や特定受給資格者と
判定された場合の受給条件
離職より前の2年間で
雇用保険への加入期間が12ヶ月以上ある
離職より前の1年間で
雇用保険への加入期間が6ヶ月以上ある

離職するまでの1年間で雇用保険に半年以上は加入していれば、失業手当を受給可能です。雇用保険に加入していたかどうかは、給与明細や「雇用保険被保険者証」などで確認できます。

特定理由離職者に該当する人

特定理由離職者に該当するのは、以下の2つのうちいずれかに該当する人です。

  1. 雇用契約の期間が満了し、かつ更新や延長がされないことによって離職した人(更新を希望した場合に限る)
  2. やむを得ない事情で自己都合退職した人

1は更新を希望したにもかかわらず、会社の合意を得られずに離職した人です。ただ、雇止めにあった人のうち一部の人は特定受給資格者に該当します。

一方、2のやむを得ない事情で離職した人は、心身の障害や妊娠などで離職した人です。詳しくは以下の表にまとめました。

1 体力の不足、心身の障害、疾病、負傷などが原因で離職した人
2 妊娠、出産、育児などを理由に離職し、雇用保険法の第20条の第1項における受給期間延長措置を受けた人
3 以下のような家庭の事情が急変したことが原因で離職した人

  • 父もしくは母の死亡、疾病、負傷などによって、父もしくは母を扶養するために離職を余儀なくされた人
  • 常に本人の看護を必要とするような親族の疾病や負傷などが理由となって、離職を余儀なくされた人
4 配偶者もしくは扶養すべき親族と別居生活を続けることが困難となったことが原因で離職した人
5 以下のいずれかが原因で通勤が困難もしくは不可となった人

  • 結婚を機に住所が変更となったため
  • 保育所やその他の施設へ通うため、もしくは親族へ保育を依頼する必要があるため
  • 事業所が通勤困難な地域へ移転したため
  • 自身の意思に反して、住所もしくは居所の移転を余儀なくされたため
  • 鉄道、軌道、バスやその他の交通機関が廃止されたため、もしくは運行時間が変更されたため
  • 事業主の命令による転勤や出向などで別居を回避するため
  • 配偶者の事業主の命令による転勤や出向などで別居を回避するため、もしくは配偶者の再就職により別居を回避するため
6 人員整理で希望退職者が募集されて離職した人

上記のいずれかに該当していれば、特定理由離職者に分類されます。

参考:特定受給資格者及び特定理由離職者の範囲と判断基準|厚生労働省

特定理由離職者と判定されるには書類や診断書が必要

特定理由離職者と判定されるには、資料を持参する必要があります。

雇止めにあった人は、雇用契約書の原本や就業規則のコピーなどを持参してください。やむを得ない事情で退職した人は、それぞれの離職理由を証明するために以下の資料を提出する必要があります。

1 診断書など
2 受給期間延長通知書など
3 所得税法の第194条に基づく扶養控除等申告書、健康保険証、診断書など
4 転勤辞令、住民票の写し、所得税法の第194条に基づく扶養控除等申告書、健康保険証など
5 通勤経路の時刻表、住民票の写し、保育園の入園許可書、事業所移転の通知書、住居の強制立退きの通知書、交通機関の廃止や運行時間の変更に関する通知書など
6 (窓口に問い合わせの必要あり)

自身の離職理由に該当する資料や書類を、失業保険に申し込むときに持参してください。

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特定理由離職者の給付日数

特定理由離職者の失業手当の給付日数は90日~330日の範囲で決まります。

特定理由離職者のうち1の雇止めで離職した人と2のやむを得ない事情で退職した人で給付日数が異なるため、別々で詳しく紹介します。

参考:基本手当の所定給付日数|ハローワークインターネットサービス

特定理由離職者のうち1に該当する人の給付日数

特定理由離職者のうち1の雇止めによって離職した人の所定給付日数は、以下の通りです。

年齢/
雇用保険の加入期間
被保険者の期間が1年未満 被保険者の期間が1年以上5年未満 被保険者の期間が5年以上10年未満 被保険者の期間が10年以上20年未満 被保険者の期間が20年以上
30歳未満 90日 90日 120日 180日
30歳以上
35歳未満
120日 180日 210日 240日
35歳以上
45歳未満
150日 240日 270日
45歳以上
60歳未満
180日 240日 270日 330日
60歳以上
65歳未満
150日 180日 210日 240日

所定給付日数は、年齢と雇用保険に加入していた期間をもとに決まります。

なお、雇止めで離職した人の給付日数は2027年3月31日までの暫定措置となっています。「雇止めによる離職者の基本手当の給付日数に係る特例」であり、以前は所定給付日数が最大150日でした。

参考:雇用保険法等の一部を改正する法律(令和6年法律第26号)の概要|厚生労働省

特定理由離職者のうち2に該当する人の給付日数

特定理由離職者のうち、2のやむを得ない事情で自己都合退職した人に所定給付日数は以下の通りです。

年齢/雇用保険の加入期間 被保険者の期間が1年未満 被保険者の期間が1年以上5年未満 被保険者の期間が5年以上10年未満 被保険者の期間が10年以上20年未満 被保険者の期間が20年以上
全年齢 90日 120日 150日

やむを得ない理由で退職した人の場合、所定給付日数は雇用保険に加入していた期間で決まります。年齢による差はありません。雇止めにより離職した人よりも、所定給付日数は少なめとなっています。

特定理由離職者が失業手当を受給できるまでの流れ

失業保険を申請してから手当を受給できるまでの流れは以下の通りです。

  1. 失業保険を申請する(7日間の待機期間)
  2. 雇用保険受給者初回説明会を受ける
  3. 失業の認定を受ける
  4. 失業手当を受給する

通常は説明会を受けたあとに1ヶ月の給付制限期間がありますが、特定理由離職者の場合は給付制限期間がありません。よって特定理由離職者と判定された人は、説明会を受け、初回の失業認定ののち、すぐに失業手当を受け取れます。

それぞれの手続きについて、以下より詳しく解説します。

参考:雇用保険の具体的な手続き|ハローワーク インターネットサービス離職されたみなさまへ|厚生労働省

1. 失業保険を申請する

まずはハローワークで失業保険に申請しましょう。申請に必要な書類や特定理由離職者と判定してもらうための資料を以下にまとめました。

申請に必要な書類 特定理由離職者と
判定してもらうための主な資料
  • 顔写真(マイナンバーカードがあれば省略可能)
  • 個人番号確認書類
  • 身元確認書類
  • 個人名義の通帳
  • 雇用契約書
  • 就業規則
  • 診断書
  • 健康保険証
  • 通勤経路の時刻表

上記の書類を忘れずに持参してください。申請して書類を提出したら受給資格を決定してもらえます。

また、申請と同時に求職の申し込みも行わなければなりません。受給資格の決定と求職の申し込みまで完了したら、次回の説明会について案内してもらえます。

2. 雇用保険受給者初回説明会を受ける

申請したときに指定された日時に雇用保険受給者初回説明会を受ける必要があります。説明会には「雇用保険受給資格者のしおり」と筆記用具を持参してください。

説明会が終わったら「雇用保険受給資格者証」と「失業認定申告書」が渡されて、初回の認定日の日程が知らされます。

なお、雇用保険受給者初回説明会には必ず参加しなければなりません。参加するのが難しい場合は、ハローワークの職員へ事前に相談してください。

3. 失業の認定を受ける

説明会を受けたら、指定された日時にハローワークで失業の認定を受けてください。特定理由離職者と判定された人は給付制限期間がなく、説明会後すぐに認定を受けられます。

認定を受ける際は、説明会でもらった「失業認定申告書」に求職活動の状況を事前に記入して「雇用保険受給資格者証」と一緒に提出します。

なお失業の認定を受けるまでに、求職活動を原則として2回以上行わなければなりません。

求職活動に該当するのは、求人への応募、許可・届出のある民間機関への職業相談、公的機関が行う講習・セミナーの受講などです。求人の閲覧や知人への求人の紹介依頼などは求職活動として認められないため注意してください。

参考:求職活動実績について|ハローワーク

4. 失業手当を受給する

失業の認定を受けると、約5営業日以内に失業手当が口座に振り込まれます。ただ、1回の認定で全額が振り込まれるわけではありません。3の失業の認定と4の手当の受給を4週間ごとに、数回繰り返します。

また、人によって失業の認定を受ける回数は異なります。認定の回数は所定給付日数をもとに計算可能です。所定給付日数のうち28日分ずつが口座に振り込まれるため、たとえば所定給付日数が90日である人は4回目の認定後に失業手当が振り込まれて受給が終了します。

ただ、条件に当てはまれば給付日数の延長も可能です。詳しくは本記事の「特定理由離職者の給付日数は延長してもらえる?」をご参照ください。

特定理由離職者の給付日数は延長してもらえる?

特定理由離職者のうち雇止めで離職した人は、給付日数が延長される可能性があります。

ただし給付日数を延長してもらうには3つの条件があり、3つのうちいずれかに当てはまっていれば、失業手当を満額受給したあとに30日~90日延長されます。

詳しい条件については、こちらをご確認ください。自身が条件に該当しているのか不安な場合は、失業の認定日にハローワークの職員へ質問してみると良いでしょう。

なお、特定理由離職者のうち妊娠や出産などのやむを得ない理由で退職した人は、延長の対象となりません。延長される可能性があるのは、雇止めにあった人であるため注意してください。

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※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

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