• 更新日 : 2024年11月1日

6時間勤務に休憩はいらない?休憩の付与ルールや注意点を解説

休憩は、従業員が心身をリフレッシュさせ、休憩後の業務に臨むためにも重要な時間です。しかし、休憩はただ付与すればよいわけではありません。法に則った時間や方法によって、付与することが求められています。

休憩は、正しく付与しなければ、罰則の対象ともなります。ぜひ、当記事を参考に正しく理解してください。

労働時間が6時間ちょうどなら休憩は不要

従業員は、始業から終業時刻までずっと働き詰めというわけではありません。多くの従業員には、休憩時間が付与されています。しかし、休憩の付与が不要となる場合もあるため、正確に対象を理解しましょう。

労働基準法に基づく休憩時間の長さ

労働基準法第34条第1項では、従業員の労働時間が6時間を超える場合には45分の休憩、8時間を超える場合には1時間の休憩の付与が必要であるとしています。6時間を「超える」場合に休憩の付与が必要となることに注意が必要です。

6時間ちょうどは、6時間以内に含まれるため、休憩の付与が不要です。また、8時間ちょうども8時間以内となるため、1時間ではなく、45分の休憩時間の付与で足ります。ただし、これらの時間は最低限の時間であるため、より多くの休憩を付与することは、労働基準法上問題ありません。実際に7時間や7時間30分の所定労働時間の従業員に、1時間の休憩を付与する会社も少なくありません。

参考:労働基準法|e-Gov法令検索

6時間勤務でも残業が発生する場合は休憩が必要

すでに述べた通り、6時間ちょうどであれば休憩時間の付与は不要です。しかし、業務の繁忙等によって残業が発生した場合は例外となります。

6時間を超える勤務には最低45分の休憩を設定する

所定労働時間が6時間の従業員が、残業を行った場合には、残業時間がどれだけ短くても必ず6時間を超える労働時間となってしまいます。そのため、通常は休憩時間の付与が不要となる所定労働時間が6時間の従業員であっても、残業を行わせる場合には、最低45分の休憩の付与が必要です。

残業によって労働時間が8時間を超える場合には、1時間の休憩の付与が必要です。ただし、その後さらに労働時間が延長されたとしても、1時間の休憩を付与すれば足り、追加の休憩は不要です。9時間であれば1時間10分など、比例付与されるわけではないことに注意しましょう。

業務終了直前に残業を依頼するのは労働基準法違反

所定労働時間が6時間の従業員が残業を行えば、必ずその労働時間は、6時間を超えて休憩付与の対象となりますが、終業直前に残業を命じる場合は注意が必要です。

詳細は後述しますが、休憩は労働時間の途中に付与しなければならず、始業前や終業時刻に接着する形で付与することは許されません。残業により労働時間が6時間を超える場合には、残業に入る前に最低45分(8時間を超える場合は1時間)の休憩の付与が必要です。休憩を付与しないまま、残業に入ると法違反となるため、注意してください。

休憩を付与する際の注意点

休憩を付与する際には、いくつかの注意点が存在します。注意点を把握することで、正しい休憩の付与が可能となります。

雇用形態に関わらず、全従業員へ平等に付与する

休憩の付与は、雇用形態によって異なるものではありません。正社員はもちろんのこと、アルバイトやパートタイマーといった短時間労働者、契約社員などの有期雇用労働者も対象です。どのような雇用形態であっても、残業時間を含めて労働時間が6時間を超えれば45分、8時間を超えれば1時間の休憩を付与することになります。

ただし、経営者と一体的な立場にある管理監督者や、高度プロフェッショナル制度対象者等の一定の者は、休憩の規定が適用されません。

休憩時間は分割付与も可能

休憩時間は、45分や1時間を一度に付与することが通常です。しかし、休憩は分割して付与することも可能となります。1時間の休憩のうち30分は、12時から12時30分に付与し、残りの30分は15時から15時30分に付与するような分割付与も可能です。

ただし、肉体的・精神的なリフレッシュという休憩本来の目的に照らして、あまりにも細切れとなるような分割付与は認められません。たとえば、1時間の休憩を5分ごとに12分割するような扱いは、休憩本来の目的にそぐわないため、その時間は休憩時間として認められないことになります。

休憩の3原則

休憩には、労働基準法で定められた「一斉付与の原則」「自由利用の原則」「途中付与の原則」の三原則が存在します。原則ごとに解説します。

一斉付与

労働基準法第34項第2項により、休憩時間は一斉に付与しなければなりません。雇用形態や役職等に関わりなく、全従業員が一斉に休憩を取得することが原則です。ただし、労使協定を締結することで、従業員を一斉付与の対象外とすることも可能です。

労使協定を締結すれば、従業員ごとに交替で休憩に入ったり、部署単位で休憩時間をずらしたりすることも認められます。また、以下の事業に該当する場合には、労使協定を締結することなく、当然に一斉付与の対象とはなりません。

  • 坑内労働
  • 運輸交通業
  • 商業
  • 金融広告業
  • 映画演劇業
  • 通信業
  • 保健衛生業
  • 接客娯楽業
  • 官公署の事業

なお、派遣労働者がいる場合には、派遣先の従業員だけでなく、派遣労働者も含めて一斉に付与することが必要です。また、派遣労働者を一斉付与の対象外とするためには、派遣先で労使協定を締結しなければなりません。

参考:労働基準法|e-Gov法令検索

自由利用

労働基準法第34条第3項では、休憩時間は従業員の自由に利用させなければならないと定めています。休憩時間という名目であっても、労働から解放されていないと判断される場合は、休憩時間とはなりません。ただし、以下に該当する場合には、休憩時間を自由に利用させなくても問題ありません。

  • 坑内労働者、警察官、消防吏員等
  • 乳児院や児童養護施設等の職員で、児童と起居を共にする者(所轄労働基準監督署長の許可要)
  • 児童福祉法規定の居宅訪問型保育事業の職員で、家庭的保育者として保育を行っている者

休憩時間は自由利用が原則ですが、事業所内で自由に休息できる場合には、休憩時間中の外出を許可制にすることも認められています。また、休憩の目的を妨げない限り、事業所の規律保持上必要な制限を加えることも可能です。

参考:労働基準法|e-Gov法令検索

途中付与

労働基準法第34条第1項では、休憩の途中付与についても定めています。この規定により、休憩時間は労働時間の途中において付与しなければなりません。就業前や終業後に休憩時間を付与することはできず、そのような付与方法は法違反となります。

たとえば、9時始業の従業員に対して、8時から9時を休憩時間とすることや、終業時刻18時の従業員に対して、18時から19時を休憩時間とすることは認められません。

参考:労働基準法|e-Gov法令検索

休憩時間に該当しない例

休憩時間は、労働から解放された状態で、従業員の自由に利用させなくてはなりません。自由に利用できない休憩時間は、休憩時間としては認められないことになります。休憩時間に該当しない時間を休憩時間として扱うと、別途休憩時間の付与が必要となるだけでなく、法定労働時間を超過し、残業代の支払いが必要となる場合もあるため、注意しましょう。

休憩時間中の電話・来客対応

休憩時間中の電話番や来客対応は、労働から解放されているとは言い難く、休憩時間ではなく労働時間として扱われます。電話番や来客対応を任せたい場合には、労使協定を締結し、従業員が休憩を交替で取れるようにしましょう。

当直・宿直勤務などに設ける仮眠時間

当直や宿直勤務では、仮眠時間が設けられている場合もありますが、休憩時間として扱うことは認められません。何か指示があれば、即座に対応が求められる「手待ち時間」に該当し、労働時間として扱われることが、その理由です。仮眠時間のほかに、労働時間に応じた休憩時間を付与しなければなりません。

強制参加のランチミーテイング

会社が参加を強制しているランチミーティングなども、休憩時間としては認められません。参加が強制されている時間は、会社の指揮命令下にあるとされ、労働時間として扱うことが適当なためです。一方で、ランチ中にたまたま居合わせた上司や同僚とミーティングを行ったとしても、強制されたものでない限り、休憩時間として扱って差し支えありません。

休憩を中断して行う業務上のトラブル対応

休憩中であっても、機器の故障やクレームなどトラブルが発生することは珍しくありません。一斉休憩の対象であれば、誰かが休憩を中断して、トラブルに対応せざるを得なくなるでしょう。このようなトラブルへ対応するための時間は、労働から解放されていないため、休憩時間としては扱えません。休憩を切り上げたことで不足した時間数を後に付与しましょう。

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休憩時間を正しく付与しない場合の罰則

定められた時間を付与しなかったり、休憩時間を自由に利用させなかったりした場合には、労働基準法第34条違反となります。この場合には、労働基準法第119条によって、6か月以下の懲役、または30万円以下の罰金が予定されているため、注意が必要です。

休憩時間中に来客対応を行わせたような場合は、自由利用の原則に反するだけでなく、その時間が労働時間として扱われることになります。休憩時間は無給ですが、労働時間には賃金の支払いが必要です。支払われなかった場合には、労働基準法第24条違反として、同法第120条により、30万円以下の罰金が科されることになります。

また、休憩時間が労働時間として扱われたことによって、法定労働時間を超過した場合には、法定の割増率による割増賃金の支払いが必要です。割増賃金が正しく支払われなかった場合には、労働基準法第37条違反として、同法第119条により、6か月以下の懲役、または30万円以下の罰金が科される恐れがあります。

参考:労働基準法|e-Gov法令検索

休憩時間を理解し正しく付与しよう

従業員のリフレッシュのために重要な休憩時間ですが、付与時間をはじめ守るべき事柄が多く存在します。雇用形態や元の所定労働時間に関わりなく、条件を満たせばすべての従業員が付与対象となるため、漏れがないように対象者を把握しておきましょう。違反には罰則も予定されているため、当記事を参考に理解を深め、正しい休憩の付与を行ってください。


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