• 更新日 : 2023年7月28日

オブザーバーとは?会議での役割や意味を解説

オブザーバーとは?会議での役割や意味を解説

オブザーバーとは、「傍聴者」を意味する言葉で、ビジネスにおいては「議決する権利はないが会議に参加できる人」という意味で用いられます。オブザーバーは会議の公平性を保つ役割がありますが、決定や発言は行いません。この記事では、オブザーバーの概要や会議で担う役割、その必要性、具体例、注意点について解説します。

オブザーバーとは?

オブザーバーは、決定権や発言権はないものの、第三者として会議に参加する人のことを言います。ビジネスプロジェクトにおける会議のシーンなどでよく使われる言葉です。ここでは、オブサーバーの概要について解説します。

オブザーバーの語源

オブザーバーは英語の「observer」が語源です。「observer」は名詞で「観察者、監視者、立会人、傍聴人、第三者、遵守者」などを意味します。言葉の意味のとおり、ビジネスにおけるオブサーバーは会議に立ち会うのみで、原則として、決定や発言は行いません。ただし、会議の進行役に意見を求められた場合は発言をすることになります。

オブザーバーとアドバイザーの違い

混同しやすい言葉として、アドバイザーが挙げられます。アドバイザーとは、顧問や相談役など会議の助言を行う人のことです。具体的には、税理士やコンサルタント、退任後の役員などを指します。オブサーバーは基本的に意見を出さないことに対し、アドバイザーは重要な箇所で助言を求められるという点が両者の違いです。

オブザーバーとファシリテーターの違い

ファシリテーターも混同しやすい言葉のひとつでしょう。ファシリテーターとは、会議で参加者の発言を促したり、話をまとめたりする人のことです。進行だけでなく、目的の設定と共有、発言しやすい雰囲気づくり、参加者の意見の整理、時間管理などさまざまな役割を担います。ファシリテーターの最終的な役割は、話し合いをより良い結論に導くことです。オブザーバーはファシリテーターのように発言を促したり、話をまとめたりすることは行いません。

ビジネスにおけるオブザーバーの意味

ビジネスにおけるオブザーバーは、主に会議で用いられます。発言をせずに会議を見聞きするため「第三者的な立場での参加者」という意味と捉えられるでしょう。オブザーバーとひと口に言っても、新入社員をマネージャークラスの会議に参加させる場合や、役職に就いている人が会議を公平にするために参加する場合もあります。

オブザーバーが会議で担う役割

ここでは、オブサーバーが会議で担う役割を見ていきましょう。

発言を公平にすること

ほとんどの会議は発言内容を記録しますが、実際の会議の様子は記録されていません。すなわち、権力がある人が強い意見を持ち、中立性が保たれずに会議が進行する場合もあるのです。前述したファシリテーターも参加しますが、ファシリテーターでさえ意見を言えないこともあります。オブサーバーの参加によって、第三者の監視のもと会議が行われることになり、一方通行の会議を予防しやすくなるのです。より多くの視点の意見を出し合えれば、会議は有益なものとなるでしょう。この場合のオブサーバーは、ある程度の役職に就いている人を選任すると、より公平性が保たれやすくなります。

プロジェクトの進行状況を把握すること

プロジェクトリーダーが会議に参加する場合、プロジェクトの進行状況を把握する役割を担います。大きなプロジェクトの場合、1つのプロジェクトに対して複数のチームで進めることがほとんどです。プロジェクトをスケジュール通り完遂するためには、各チームの進捗や課題などを把握して、全体の進捗状況の管理が求められます。オブザーバーとして進行状況を把握すれば、状況に応じてチームメンバーの増員やスケジュールの調整など早めの対策を講じられるのです。

責任を持った発言を促すこと

会議に第三者が参加することで、参加者の当事者意識を高めて責任を持った発言を促せます。特にオブザーバーが上司や権力を持つ人物であった場合、参加者は自分の発言に慎重になるでしょう。参加者が全く発言をしなかったり、無責任な発言をしたりすれば、会議は意味をなしません。しかし、オブザーバーから「観察されている」という認識を持つことで、積極的かつ有効性の高い発言を期待できます。

オブザーバーはなぜ必要?

会議にオブザーバーが必要とされる理由は、適度な緊張感のもとで全員が能動的に会議に参加できるようにする役割を果たすためです。前述のとおり、第三者として客観的な立場から会議を観察するオブザーバーがいることで、会議の公平性が保たれ、責任を持った発言を促せます。第三者の監視が無意識的に働くため、意見の幅と深みが増し、効率的かつ効果的な会議を実施できるのです。

オブザーバーの実践について具体例・注意するべき点

ここでは、オブザーバーの実践について具体例を紹介します。注意するべき点についても併せて解説しています。

若手社員が多く参加する会議

若手の社員は上下関係を気にして発言を控える人が多い傾向です。若手社員が多く参加する会議にはオブザーバーを招いて、発言しやすい環境づくりをしましょう。会議でまったく発言をしない人がいると、その会議の生産性や有効性は大幅に低下します。人事担当者をオブサーバーにすると公平性が保たれるだけでなく、人事評価も可能です。的確な発言をした人を最適な部署に異動したり、昇格を査定したりすることもできるでしょう。

会議に参加する際にオブザーバーが注意したいことは、自分の役割を理解し、その役割に徹することです。なかには、的確な意見を数多く出す社員もいるかもしれません。しかし、会議の公平性を保つためにもその社員ばかり発言させるのではなく、多くの人が発言できるようにしましょう。発言を促すのはファシリテーターの役割ですが、あまりにも発言者が偏っている場合は、公平性を保つよう指示する必要が出てくる可能性があります。

参加人数が多い会議

参加人数が多い会議の場合、上層部の参加者も多くなるため、意見が偏ったり、会議時間が長引いてしまったりします。会議への参加人数が多ければ多いほどその分の仕事がストップし、労働生産性が低下してしまうことも課題です。そこで会議にオブサーバーが参加すると、参加者がオブザーバーを意識して進行するようになるため、意見の偏りやぶつかり合いの予防が期待できます。オブザーバーは基本的には意見や結論を出しませんが、会議の公平性が失われたり、意見の衝突が起きたりする場合は、事実のみを整理してその場を落ち着かせるようにしましょう。

注意したいのは、結論がコンプライアンス違反に当たらないかどうかチェックを怠らないようにすることです。最近では、以前は問題にならなかった行動や考え方が問題視される事例が増加傾向にあります。その結果として、コンプライアンス違反となる結論にならないように会議を監視することも、オブザーバーの役割として求められるようになりました。

進捗が滞っている会議

解決策が見つからない議題の場合も、ただ繰り返し会議を実施すればいいというわけではありません。会議のたびに参加者は自身の仕事を中断せざるを得ず、生産性の低下を引き起こすだけになってしまいます。会議を少しでも進展させるためにも、時間制限を設けてオブザーバーを参加させ、参加者の意識を高めることが重要です。進捗が滞っている会議や、迅速に結論を出したい会議にこそ、監視役ともなるオブザーバーを参加させたいところでしょう。

会議によっては、専門家がオブザーバーとして招かれる場合があります。オブザーバーのため、意見は求められないことがほとんどですが、万が一意見を求められた場合は「専門家としての責任を持つ」という点に注意しなければなりません。専門家として意見を発した以上、オブザーバーとはいえ責任が生じるためです。決定事項や方向性を否定する場合は最大限の注意を払いましょう。

オブザーバーを取り入れて有意義な会議にしよう

この記事では、オブザーバー意味や会議での役割について解説しました。決定や発言は行わないものの、第三者として客観的な立場から会議に参加するオブザーバーは、発言を公平にする役割を持ちます。

ある程度の役職に就いている人や専門家にオブサーバーとして会議に参加してもらうことで、より公平性のある会議となるでしょう。若手社員が多く参加する会議や参加人数が多い会議、進捗が滞っている会議などを行う際は、オブサーバーを招くことを検討してみてはいかがでしょうか。


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