• 更新日 : 2024年12月19日

実務経験証明書の依頼文の書き方!トラブルを避ける発行依頼のコツ

実務経験証明書は、転職活動や研修受講などにおいて、自身の職務経験を証明するために必要不可欠な書類です。療育分野では、児童指導員やサービス管理責任者、児童発達支援管理責任者、相談支援専門員として働いた期間を示す書類の提出が求められることがあります。

当記事では、トラブルを防ぎつつ円滑に実務経験証明書の発行を依頼するためのコツを詳しく解説します。適切な依頼方法や発行方法を知り、迅速に手続きできるよう準備しましょう。

実務経験証明書とは?

療育分野における実務経験証明書とは、児童指導員やサービス管理責任者、児童発達支援管理責任者、相談支援専門員として仕事した期間を証明する書類です。勤務年数や日数、勤務先の名称などを記載します。

実務経験証明書の提出が求められるのは、「サービス管理責任者や児童発達支援管理責任者の研修を受けるときや新たに配置されるとき」「療育業界で資格が必要な職種に転職するとき」などが挙げられます。ただし、研修受講時に実務経験証明書が必要かどうかは自治体ごとに異なるため、事前に各自治体の公式ホームページなどで確認してください。

実務経験証明書を取得するには?

実務経験証明書の取得方法には、今の勤務先の施設または過去に勤めた事業所へ発行を依頼する方法が挙げられます。現在勤めている事業所がある場合は代表者や管理者に直接依頼し、実務経験証明書が次の職場で求められている指定様式かまず確認しましょう。

退職後の事業者に依頼する場合は、電話やメールで事前に相談して発行の了承を得た上で、実務経験証明書のフォーマットや切手付きの返信用封筒を同封して郵送しましょう。記入サンプルを添付し、記入例を示すことで、相手の負担を軽減できます。

なお、事業所側の持っている実務経験証明書が転職先や提出先の希望する様式ではない、あるいは書類の用意がないときは、自分で印刷してから記入を依頼するとスムーズです。実務経験証明書は自治体のホームページに掲載されていることが多いので、一度確認してみましょう。

実務経験証明書の依頼文の無料テンプレート

実務経験証明書の作成依頼をする際には、依頼文を添えることが大切です。依頼文には、挨拶文や発行目的、従事期間、送付方法、提出期限などの必要事項を記載するのが一般的です。依頼文の作成が難しい場合は、以下の無料のテンプレートをぜひご活用ください。

実務経験証明書の依頼文のテンプレートのダウンロードはこちら

実務経験証明書の発行を依頼する際のコツ

実務経験証明書発行の依頼時は、基本的なビジネスマナーを守ることが重要です。依頼先が多忙でも、誠実で丁寧な依頼文を作成することで、スムーズな対応につながります。以下では、書き方のポイントや注意点を詳しく解説します。

タイトル

依頼文の冒頭には、内容が一目で分かる簡潔なタイトルを用紙の中央に配置します。他の内容と区別して視覚的に目立たせるため、タイトルは少し大きめのフォントサイズを使用するとよいでしょう。

<例>

  • 実務経験証明書発行のお願い
  • 実務経験証明書の発行依頼

日付

書面の右上に投函日を記載します。書類の正式な発行依頼日になるため、正確に記載しましょう。日付は西暦・和暦のどちらを使用しても問題ありませんが、同封する他の書類と形式を統一することが大切です。

<例>

  • 2025年1月15日
  • 令和7年1月15日

宛先

事業所名や担当者名を、日付から一段下げた左寄せで記載します。事業所全体に依頼する場合は「御中」、特定の担当者宛の場合は「様」を用います。「(株)」ではなく「株式会社」とするなど、事業所名や担当者名は正式名称で記載し、省略は避けましょう。また、事業所が複数ある場合はどの拠点宛てなのかを明記します。

<例>

  • ○○株式会社 総務部 御中
  • NPO法人○○ ○○様

前文

前文では、文頭に頭語を入れて、相手の発展を喜ぶ言葉を伝えます。相手の状況を慮る言葉を添えることで、より礼儀正しい印象を与えられます。実務経験証明書の依頼文では、時候の挨拶を省略しても失礼にはあたりませんが、相手への配慮として簡潔な挨拶を入れるとよいでしょう。

<例>

拝啓 時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。

用件

用件の部分では、発行目的・勤務期間・必要枚数・発行期限などを具体的かつ簡潔に記載しましょう。実務経験証明書の発行部数は、事業所への提出用と本人保管用として2~3枚程度がおすすめです。また、行政指定の書式を使用する場合は、その旨と書類を添付することを伝えるとよいでしょう。

<例>

私の在籍期間は○年○月○日~○年○月○日でございます。今回、○○で○○として就任するにあたり、実務経験証明書が必要となりました。必要枚数は3枚で、記載用の書式を同封しております。お忙しいところ恐縮ですが、○月○日までにご対応いただけますと幸いです。

末文

末文には、配慮の言葉とともに「敬具」などの結語を右寄せで記載します。誠意の伝わる丁寧な言葉で締めくくりましょう。

<例>

お忙しいところ恐れ入りますが、ご確認の上、ご対応いただけますと大変助かります。何卒よろしくお願い申し上げます。

敬具

連絡先

最後に、氏名・住所・電話番号・メールアドレスなどの自分の連絡先を右下に配置します。住所は郵便番号や都道府県を省略せず記載し、電話番号は日中連絡の取れる番号にしましょう。

<例>

住所:〒○○-○○ ○○県○○市○○町○○番地

名前:○○ ○○

電話番号:090-1234-5678

メールアドレス:[email protected]

実務経験証明書の発行を依頼する際のコツ

実務経験証明書の発行を遅滞なく進めるためには、事前の準備や依頼の仕方が重要です。ここでは、現在の勤務先や退職した事業所に依頼する際の具体的なポイントや注意点について詳しく解説します。

自分で在籍期間を調べて書き方の見本を作成する

実務経験証明書の発行を依頼する際、自分で在籍期間や勤務日数を調べて見本を作成するとスムーズに進みます。年金手帳や給与明細などの記録をもとに、入職・退職年月や従事日数を算出し、事前にまとめておきましょう。

中には、発行を依頼した事業所が日々の業務に追われて事務処理まで手が回らないケースもあります。また、記入方法が分からないことが理由で後回しにされるパターンも考えられるでしょう。そのため、自分で在籍期間を記した見本を用意すれば、事業所側の事務負担を軽減でき、発行手続きが迅速になる可能性があります。特に郵送依頼の場合は、返信用封筒を同封するなど、相手に配慮した準備を行いましょう。

要点をまとめた上でメールもしくは電話で連絡する

退職後の職場などに実務経験証明書の発行依頼を前もって連絡する際は、要点を整理した上で、できればメールするようにしましょう。療育業界は基本的に多忙であり、電話をしても出られない可能性があります。どうしても電話連絡する必要がある場合は、昼休みなど忙しくない時間帯を選びましょう。月曜日の午前中など、支援のピークタイムは避けるようにします。

また、連絡前に「発行目的・勤務期間・必要枚数・送付先・発行期日」などを明確にしておきます。行政指定の書式がある場合は先方に送付する旨も一緒に伝えます。相手が多忙であることを考慮し、負担のかからない依頼方法を心がけましょう。

スケジュールに余裕を持って発行を依頼する

実務経験証明書の発行には、事務的手続きや社内決済などに時間がかかることが多く、1か月程度を要する場合もあります。特に大規模な法人では稟議でさらに時間がかかることがあるため、余裕を持って依頼することが重要です。いつまでに必要となるのかスケジュールを逆算し、計画的に進めるようにしましょう。

ただし、実務経験証明書には一般的に「発行から6か月以内」という有効期限があります。早く発行してしまうと有効期間が切れて無効になる恐れがあるため、必要時期を逆算して適切なタイミングで依頼するようにしましょう。

丁寧な依頼文を添えて実務経験証明書を発行してもらおう

実務経験証明書の発行依頼は、基本的なビジネスマナーを守り、必要情報を簡潔かつ正確に伝えることが重要です。特に、発行目的や勤務期間、必要枚数などを明確にし、相手への負担を軽減する工夫が求められます。また、発行に時間がかかる場合を考慮し、余裕を持ったスケジュールで依頼しましょう。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。

関連記事