- 更新日 : 2026年1月14日
64才で退職したら失業保険は何ヶ月待ち?受給までの流れやチェックポイント
64才で退職した場合、失業保険がいつから受給できるのかは、多くの人が気になるポイントです。
自己都合か会社都合かの違いで、受給開始が月単位で変わることも少なくありません。
さらに64才と65才では、受けられる制度そのものが変わります。
本記事では、64才退職時の待機期間、手続きの流れ、損をしない受給方法まで、重要ポイントを整理してわかりやすく解説します。
目次
64才で退職の場合、失業保険は何ヶ月待ちになるのか?
64才で退職した場合、失業保険の受給開始時期は、退職理由によって大きく変わります。
待期期間が7日間である点には変わりありませんが、自己都合だと、その後1~3ヶ月の給付制限が発生し、受給開始が遅れます。
一方で、会社都合や特定理由離職の場合は給付制限がありません。早ければ約1ヶ月後に受給が可能です。
まずは自分の退職理由がどの区分に当てはまるか、正しく理解する必要があります。
自己都合退職の場合
自己都合退職では、共通の待期期間として7日間が設けられ、その後に給付制限として1~3ヶ月の待機期間が追加されます。
このため、実際に失業保険の受給開始は、退職からおおむね1〜3か月後から可能です。
給付制限中は、原則として失業保険の支給がありません。また、特に手続きが遅れると、受給開始がさらに後ろ倒しになり、生活への影響が大きくなります。
64才は、年金受給前で収入が限られやすいため、退職前に給付制限期間を理解し、資金計画を立てておくことが大切です。
会社都合退職の場合
会社都合で退職する場合、全員共通の待期期間7日間のみが設けられ、自己都合退職のような給付制限はありません。
急な解雇や倒産など、労働者側に責任がない退職理由と認められるため、失業保険の早期受給が可能です。
そのため、ハローワークでの手続きがスムーズに進めば、退職からおおむね1ヶ月後には失業保険の受給が開始されます。
ただし、会社都合として扱われるかどうかは、離職票に記載された退職理由によって判断されます。
自己都合よりも有利な扱いとなるため、自分の退職理由が会社都合に当てはまる可能性があるかどうか、離職票の記載内容を確認し不明点があればハローワークへ相談することが重要です。
特定理由で退職の場合
特定理由退職とは、家族の介護や本人の病気、職場でのハラスメントなど、本人の意思だけでは回避できない、やむを得ない事情により退職せざるを得ない場合に適用される区分です。
この場合、自己都合に該当しますが、会社都合扱いに近い取り扱いとなり、給付制限は発生しません。また、本人の希望に反して雇止めとなった場合であれば、給付制限期間がないだけでなく、受給日数も特定受給資格者と同様になります。
待期期間7日間が終了した後、受給が開始されるため、会社都合と同じく最短で1ヶ月後の受給が可能です。
ただし、該当する条件は細かく定められており、なかには医師の診断書や申立書の提出が求められる場合もあります。
退職理由に心当たりがある場合はハローワークへ相談することが大切です。
64才の退職と65才の退職では何が違う?
64才と65才で退職する場合では、受けられる雇用保険制度が大きく異なります。
64才は基本手当の対象であるため、毎月受給が可能であり給付日数も長いのに対し、65才になると高年齢求職者給付金という一時金での支給に変わります。
退職する年齢がわずか1才違うだけで、受給額や受給期間に大きな差が出るため、退職するタイミングが非常に重要なポイントです。
給付の種類が異なる
64才での退職は、高年齢求職者給付金ではなく、基本手当の対象です。働く現役世代と同じ制度で給付日数も設定されているため、4週間ごとの失業認定を受けながら継続的に給付を受けられます。
さらに、再就職までの生活を一定期間支える制度であり、求職活動を行いながら安定した収入の確保が可能です。
一方で、65才を超えて退職すると失業保険の制度が高年齢求職者給付金に変わり、一時金としての支給へ変更となります。給付日数の概念はなく、受給額も限定される点が特徴です。
そのため、64才での退職は制度上でもメリットが多く、同じ退職でも年齢によって受けられる保障が大きく異なる点を理解しておく必要があります。
雇用保険の扱いが異なる
64才で退職した場合と、65才で退職した場合では、雇用保険の扱いが異なります。64才で退職した場合に対象となるのは、一般に基本手当と呼ばれる失業保険です。
この制度では、求職活動を続けながら、現役世代と同じ仕組みに基づき、一定期間にわたって毎月給付を受けられます。給付日数は90〜150日(一般受給資格者の場合)と定められており、生活の安定に大きく関わる点が特徴です。
また、求職活動の実績を積みながら段階的に給付されるため、再就職を目指すための仕組みが整っています。
一方、65才になると基本手当の対象外となり、高年齢求職者給付金へ切り替わります。この制度は一時金での支給となるため、継続的な保障は受けられません。
雇用保険の扱いが大きく変わる点からも、64才での退職は制度上有利といえます。
受給日数と金額が異なる
64才で受給する基本手当は、毎月継続して支給され、給付日数は一般受給資格者の場合で90〜150日と定められています。
そのため、受給期間が長くなり、結果として受給総額も大きくなります。さらに、退職理由によっては、待期期間終了後、最短で1ヶ月後から受給が開始される点も特徴です。
求職活動を行いながら安定した収入を確保できるため、再就職までの生活を支える重要な制度といえます。
一方、65才以上が対象となる高年齢求職者給付金は、一時金として支給される制度です。
支給回数は1回のみで、給付額も限定的なため、継続的な収入源にはなりません。このように、受給日数や総支給額の面で比較すると、64才で退職するほうが制度上のメリットが大きいといえます。
【ステップで解説】受給開始までの流れ
64才で退職後、失業保険の受給までには一定の手続きがあります。
まず、退職後に離職票を受け取り、ハローワークで求職登録を行い、その後、待期期間である7日間と退職理由に応じた給付制限期間を経たのち、受給が開始されます。
受給開始時期は、退職理由によって大きく変わるため、自分のケースに当てはめながら手続きの流れを理解しておくことが重要です。
ステップ①離職票をハローワークへ提出して求職申請を行う
まずは、退職後に会社から交付される離職票を持参し、住んでいる地域を管轄するハローワークで求職申請を行います。この手続きにより、失業保険を受給するための第一歩が始まります。
離職票を提出する際には、離職理由や賃金、退職日などの記載内容に誤りがないかを必ず確認しましょう。内容に誤りがあると、給付開始時期や給付額に影響する可能性があるため、注意が必要です。
求職申請が完了すると、求職者として正式に登録され、以降の失業保険受給の流れへと進みます。
ステップ②完了後に待期期間に入る
求職申請が受理されると、すべての人に共通する7日間の待期期間に入ります。この期間は失業状態であることを確認するための期間であり、基本手当の支給は行われません。
待期期間中は原則として就労が認められていないため、短時間のアルバイトや手伝いであっても避ける必要があります。万が一就労した場合、待期期間がやり直しとなる可能性があるため、注意が必要です。
この期間を無事に経過することで、失業保険受給の前提条件が整います。
待期期間自体は短期間ですが、その後の給付開始時期に直接影響する重要な段階であるため、制度を正しく理解し、慎重に行動することが大切です。
ステップ③雇用保険受給者の初回説明会に参加する
7日間の待期期間終了後、ハローワークから指定された日時の初回説明会へ参加します。この説明会は、失業保険を受給するうえで欠かせない手続きの一つです。
会場では、基本手当の支給条件や受給期間、失業認定日の流れ、必要書類の提出方法、求職活動の進め方などについて詳しい説明が行われます。特に、求職活動の実績として認められる内容や注意点は、今後の受給に大きく影響するため、内容を正しく理解することが重要です。
また、原則として参加が必須とされており、欠席すると受給開始が遅れる可能性があります。
説明会で配布される資料は、今後の手続きの際にも使用するため、大切に保管しておきましょう。
ステップ④失業認定を受ける
説明会参加後は、指定された認定日にハローワークへ出向き、失業状態であることの確認を受けます。
この際、認定期間の求職活動の実績や就業の有無を申告しますが、虚偽の申告や申告漏れがあると、給付停止や返還を求められる可能性があるため、正確かつ丁寧に申告することが重要です。
申請内容に問題がなければ失業認定が行われ、ここではじめて、基本手当を受給するための条件が満たされます。
ステップ⑤基本手当を受給する
失業認定が完了すると、おおむね一週間程度で基本手当が指定口座へ振り込まれます。1回目の振込以降は、4週間ごとに自身に設定された認定日にハローワークへ行き、求職活動の実績を報告することで継続して受給できます。
安定して受給を続けるためには、定期的な求職活動を行い、その実績を正確に申告することが欠かせません。
また、基本手当は再就職までの生活を支える重要な制度です。給付期間や給付金額を把握し、計画的に活用することが大切です。
失業保険と年金は同時にもらえる?
64才の場合、失業保険と老齢年金は原則として同時に受給できません。
なぜなら、失業保険は働く意思と能力があることを前提とした制度であるのに対し、老齢年金は引退後の生活を支える制度であり、制度の目的が異なるからです。ですので、失業保険を受給している間は、老齢年金の支給が停止または調整されます。
ただし、一部の厚生年金制度では、収入額や就労状況に応じて支給額が調整されるケースもあります。
特に、退職時期が64才後半の場合、年金の支給開始月と失業保険の受給期間が重なる可能性があるため注意が必要です。
制度の併用可否や支給調整の有無は個人の状況によって異なるため、退職前に年金事務所やハローワークで事前に確認しておきましょう。
64才で退職した際に確認したほうがよい3つのポイント
64才での退職は制度上有利ですが、受給時期や金額を最大化するためには注意すべき点があります。
退職理由が正しく扱われないと給付制限がかかり、手続きが遅れると受給が後ろ倒しになったりするため、事前にポイントを押さえておくことが重要です。
また、病気や介護で退職した場合には、受給期間延長制度を活用することで、より安定的に再就職活動が行えます。
①退職理由により受給開始時期が変わる
退職理由は、受給開始時期を大きく左右する重要なポイントです。
自己都合での退職は、7日間の待期期間に加え1〜3ヶ月の給付制限が発生するため、実際の受給開始までに時間がかかります。
一方、会社都合退職や特定理由離職に該当する場合は、給付制限がなく、待期期間の7日が終了すると受給開始となります。
離職票の記載内容が誤っているケースも少なくないため、受け取ったら必ず確認し、自分の状況と照らし合わせて修正を依頼することが大切です。
②受給期間の延長制度を活用できる
64才では、体調の変化や家族の介護が必要になり、退職せざるを得ないケースも多く、すぐに求職活動が困難な場合があります。
そのような事情があるときに利用できるのが、失業保険の受給期間延長制度です。最大で3年間延長できるため、急いで求職活動をする必要がなく、生活を安定させながら準備ができます。
この制度を利用すると、本来の受給期間を最大で3年間延長できます。期間を延長しておけば、状況が落ち着いた時点で改めて受給を開始できるため、無理に求職活動を行う必要がありません。
ただし、延長を希望する場合には手続きが必要なため、理由が発生した時点で早めにハローワークへ相談することが重要です。
③パート勤務や短時間労働でも条件により受給できる
失業保険は、パート勤務や短時間勤務を行った場合にも、一定の条件を満たせば受給できます。
この場合に重要なのは、就労時間や日数が限定的であり、ハローワークから失業状態であると認定されるかどうかです。1日の労働時間が短かったり、週の就労日数が少なかったりする場合は、就労した日を除いて失業認定を受けられるケースがあります。
ただし、働き方によっては就業したと判断され、受給対象外となる場合もあります。そのため、パートや短時間勤務を始める前に、必ずハローワークへ相談し、保険受給へ影響があるかどうか確認することが必要です。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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