- 更新日 : 2025年7月3日
HRとは?ビジネスでの意味や最新の動向を紹介
HRとは、「Human Resources」の略で、「人的資源(人材)」という意味です。近年、労働力人口の減少や人材の流動化・多様化に伴いHRが注目されています。企業の成長に欠かせないHRについて、理解を深めておきましょう。この記事では、HRの意味やHRに含まれる領域、HR領域に活用できるHRテックについて解説します。
目次
HR(ヒューマンリソース)とは?
まずは、HRの概要やシーン別の意味、人事部との違いなどを見ていきましょう。
HRは何の略?
HRとは、Human Resources(ヒューマンリソース)の略です。
HRの日本語は?
日本語に訳すと、Human Resourcesは「人的資源」すなわち「人材」という意味になります。
一般的に使用されるHRの意味
一般的には、「企業における人的資源の活用」という意味で使用されます。HRと使用するときは、人材の採用や開発・育成、評価、マネジメントなど幅広い役割を指すことが特徴です。HRでは、社員を単なる労働力と捉えるのではなく、会社の資産であると解釈しています。企業における資産はヒト・モノ・カネ・情報などさまざまですが、最も重要なのは人材であるという考え方です。
どれほど設備や資金に恵まれていても、それを扱う人物に能力や意欲が欠けていれば資産を有効活用できません。近年の日本では、少子高齢化に伴い労働力人口が減少し、働き方改革やITの発展によって人材が流動化・多様化しています。すなわちHRは、人材を企業の最も重要な資産としたうえで、人材を確保し、個々の社員の能力を最大限に発揮させることを使命としているのです。
人的資源における事業領域を指す場合のHR
「HR業界」は、人的資源における事業領域を指す言葉としてしばしば使用されます。「人事業界」と混同しがちですが、「人材業界」は求職者と企業を結びつけることが主な事業内容です。対して「HR業界」は人的資源全般に関わるため、厳密には異なる業界として認識しましょう。HR業界の領域は主に以下の4つです。
- 採用
経営目標の達成に向け、自社に最適な人材の採用 - 人材育成
社員の能力向上に向けた教育の計画・実施 - 人材労務
社員が働きやすい職場環境の整備 - システム・業務ツール
企業のHRに関する業務を効率化するためのシステムやツールの開発
役職名とHR
海外やベンチャー企業では、日本の人事部に相当する部署の名称として「HR部」が設置されている場合があります。HRという言葉が使われている役職名は、たとえば、「CHRO」や「HRコンサルタント」などです。CHROとは、Chief Human Resource Officerの略で、人事関連の最高責任者を意味します。企業におけるHR領域のトップであり、人事業務のトップである人事部長とは異なる点に留意しましょう。
HR部門と人事部はどう違う?
HR部門は人的資源全般に関連する業務を担う部署であるのに対し、人事部は人材採用や人事評価といった管理的な業務を手がける部署という点で異なります。HR部門の業務は、経営戦略に基づいて採用や組織開発、評価制度などを実施する”攻めの姿勢”が特徴です。「HRソリューション部」や「HRセールス部」などは顧客のHR領域を手伝う部署となっています。対して、人事部は管理や労務に限定された保守的な役割を果たすという点も両者の違いと言えるでしょう。
HRに含まれる領域
採用人事
HR業界の代表的な分野のひとつです。採用人事とは、採用計画立案から求人掲載、面接、入社までを指します。企業が掲げる経営目標に基づく事業目標を達成するために人的資源を最適に分配する必要がありますが、人材が足りない場合は新たに採用しなければなりません。あくまでも採用はHRにおける通過点のため、入社後に定着し、活躍するまでを実現できるように、後述する「配置」「評価」「育成」とセットで考えておくことが重要です。
配置・異動の手続き
既存社員や新たに採用した社員の配置や異動を判断する業務です。異動は、配置や異動は、経営戦略に基づき、社員の能力や行動特性に加え、事業・個別プロジェクトの状況などさまざまな要素を考慮しながら慎重に行なわなければなりません。異動においては、会社が指示するものだけでなく、「社内公募制度」「フリーエージェント(FA)制度」「自己申告制度」など社員の希望を反映させるものもあり、それらの制度の策定・運用もHRの領域となります。
評価制度の整備
人事制度である「評価制度」「賃金制度」「等級制度」整備もHRの役割です。そもそも人事制度とは、経営目的の実現および社員のモチベーションの向上を図り、一貫性のある人事管理を行うための基準や運営の仕組みのことを言います。「等級制度」では社員に期待する人材像を決めてレベル分けを行い、評価制度では社員の仕事ぶりを評価して育成・処遇に活用するのです。賃金制度においては、期待レベルに応じた基本給と、組織業績および個人成績に応じた賞与で構成します。
育成や研修・オンボーディング制度の整備
社員を組織に貢献する人材へ育てるために、育成や研修、オンボーディング制度の整備を行います。オンボーディングとは、採用した新入社員の即戦力化を促すとともに、離職率の低下にも寄与する教育プログラムのことです。OJTやOff-JT、e-ラーニングなど、自社や研修内容に合った研修方法の選定も行うため、業務は多岐にわたります。
人事戦略のプラン立ておよび実行
採用や人事などのHRに関する各分野を最適化するための人事戦略を企業経営の観点から立案し実行する業務となります。具体的な業務は、人材育成において目指すべき人材要件やそのための育成計画、人事評価・報酬制度などのマネジメント方針を決定することです。そのほか、事業戦略を実現するための要因や人件費などを立案します。
労務・福利厚生の業務
就業規則や報酬、社会保険、子ども・子育て拠出金、住宅手当、交通費、健康診断、退職金など社員の労働条件や働きやすい環境を整備する業務です。この分野を整備し、充実させることで、従業員エンゲージメントや社員のモチベーションの向上が期待できます。人的資源をより有効活用するためにも必要不可欠な分野と言えるでしょう。
組織開発
組織開発とは、組織で働くメンバー同士の関係性を深め、組織をより良い方向に活性化させる取組みのことです。社員が能力を最大限に発揮するためには、職場の人間関係が良好でなければなりません。、「若手社員と上司の関係性に問題はないか」「相談しにくい環境になっていないか」「職場の心理的安全性が保たれているか」などの観点から、マネジメント層の研修の実施や指示系統の変更を検討することが主な業務となります。
HR領域に活用できるHRテックとは?
HR テック(Human Resources Technology)とは、ビッグデータやクラウド、AI(人工知能)などのテクノロジーを用いて、人事領域が抱える課題を解決するサービスや技術のことです。具体的には、採用管理・労務管理・給与計算・勤怠管理・目標やエンゲージメントの管理などのサービスが挙げられます。
HRテックが注目された背景
労働力人口の減少や働き方の多様化、テクノロジーの進化などの影響がHRテックが注目されている背景にあると考えられます。労働力不足における人材不足のなか、限られた人員で生産性を高めるために業務の効率化が求められるようになりました。また、短時間勤務やリモートワーク、さまざまな雇用形態など多様な働き方に対応できる勤怠管理が必須となっています。近年、テクノロジーの進化によってこれらの課題に対応できるシステムが豊富に開発され、その結果、企業の規模を問わずHRテックが導入されるようになったのです。
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HRテックを活用して、人事・労務業務を効率化しよう!
労働力人口の減少に伴い人材確保が困難ななか、人材は会社の重要な資産となっています。ヒトがいなければ、企業活動すらできなくなってしまうのです。社員が最大限に能力を発揮できるようにするためにも、働きやすい環境の整備は不可欠となっています。効率的かつ適切に人事・労務業務を行うためにも、この機会にHRテックの導入を検討してみてはいかがでしょうか。HRテックならぜひ「マネーフォワードクラウド」にお任せください。
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