- 作成日 : 2022年2月10日
年末調整の保険料控除申告書で受取人がわからない場合はどうする?
年末が近づくと、年末調整に必要な「給与所得者の保険料控除申告書」という保険料控除を受けるための書類が勤務先から渡されます。
年末調整は毎年行うものですが、保険金の受取人が誰だったか、受取人欄の記入内容がわからないこともあるでしょう。
今回は、保険料控除申告書で受取人がわからない場合はどうするかを解説します。
受取人の欄を空欄のまま提出してはいけない
保険料控除申告書には下記のような項目が並んでおり、各保険には「保険金等の受取人」「契約者との続柄」を記入する欄があります。
この「保険金等の受取人」がわからないからと言って空白のまま提出することはしないようにしましょう。
保険金等の受取人は、契約者本人かその配偶者、その他の親族の氏名、続柄が確認できた場合に保険料控除の対象になります。
「保険金等の受取人」を空白のままで提出すると、その保険に関する控除が受けられなくなってしまいますので注意してください。
受取人が誰か確認する方法
保険料控除申告書を記入する際は通常、生命保険料控除証明書を見ながら記入を行います。しかし、生命保険料控除証明書には受取人の記載はほとんどないため、受取人が誰だったのかわからないことが多いのではないでしょうか。
その場合には、該当の生命保険の証券や保険会社のインターネット専用サービスなどで確認すれば受取人が誰なのか調べることができます。受取人がわからない場合には、保険証券や保険会社のサイトで確認して保険料控除申告書に転記しましょう。
それでもわからない場合には、保険会社の担当営業に確認するか、保険会社に直接確認するしかありません。
また、保険金等の受取人は契約者本人かその配偶者、その他の親族(6親等以内の血族と3親等以内の姻族)であることが保険料控除の対象となる保険契約の要件になっています。
保険の種類によっては、例えば、一般の生命保険であれば受取人は契約者本人以外、介護医療保険であれば受取人は契約者本人とある程度はわかる場合もあります。
しかし、間違いがないように、念のため証券などを確認し、続柄も含めて正しい受取人を記入するようにしてください。
死亡受取人と給付受取人はどっちを記入する?
受取人を記入することは理解したけれど、「死亡受取人」「給付受取人」どっちを記入するかがわからないという疑問も出てきます。
原則として、一般の生命保険料控除、ならびに介護医療保険料控除の申告時には、死亡保険金の受取人を記入してください。
死亡保障のない保険の場合には、給付金の受取人を記入してください。
一般的な保険金、給付金の受取人は以下のようにすれば問題ありません。
- 死亡保険金の受取人・・・配偶者やその他の親族
- 医療保険の給付金の受取人・・・契約者本人
いくつかの保障がセットになっている保険の場合は、死亡保険が主であれば死亡保険金の受取人(契約者の配偶者やその他の親族)、医療保険が主であれば入院・手術給付金の受取人(契約者本人)を記入してください。
保険料控除申告書の受取人欄は必ず記入しよう!
今回は、年末調整の申告書類「給与所得者の保険料控除申告書」の記入欄について見てきました。
年末調整で保険料控除を受けられるようにするには、加入していて申告する保険単位で保険金等の受取人の氏名と続柄を記入する欄が設けられています。
その保険料控除申告書の保険金等の受取人の欄には、契約者本人か配偶者、その他の親族の氏名と続柄が確認できる場合、受取人として記載することができます。保険料控除の対象となりますので、必ず記入するようにしてください。
もしも受取人がわからなくなってしまった場合には、保険証券や保険会社のインターネット専用サービス、保険会社への電話などの手段により受取人を確認し、確実に申告書の受取人欄に記入するようにしましょう。
よくある質問
年末調整において保険料控除の受取人欄は必ず記入する必要がありますか?
保険料控除申告書の保険金等の受取人欄は、契約者本人か配偶者、その他の親族の氏名と続柄が確認できる場合に保険料控除の対象になりますので、受取人欄の氏名と続柄は必ず記入する必要があります。詳しくはこちらをご覧ください。
受取人が分からない場合どうしたらよいですか?
受取人がわからない保険については、加入時に発行された保険証券や加入している保険会社のインターネット専用サービスなどを利用して確認できます。それも難しい場合には、保険会社に電話で確認してください。詳しくはこちらをご覧ください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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