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  • 更新日 : 2021年7月30日

確定申告と生命保険料控除の関係を解説!計算方法から申告書の書き方まで

確定申告と生命保険料控除の関係を解説!計算方法から申告書の書き方まで

確定申告で所得税や住民税の負担を減らすために、「生命保険料控除」の制度が活用できます。自分の身や生活を守るために保険料を支払う生命保険に対して、税率を軽減する仕組みです。

内容や申請方法を理解していればスムーズな申告につながり、有利に制度を活用できるでしょう。今回は生命保険料控除とはなにかを紹介し、控除される金額の計算方法や上限額、申請書の書き方などについて解説します。また、すでに年末調整を受けている場合の対応についてもみていきましょう。

生命保険料控除とは

生命保険料控除とは、確定申告によって支払った保険料の一部が、所得から控除される制度です。控除される金額は支払った保険料によって変動します。

万が一事故や病気で自分や家族の生活が困難になったときのために、公的保険だけでなく自ら保険料を支払って備えておくことは非常に重要です。自助努力をした範囲で税率を軽減することが、生命保険料控除の基本的な考え方といえます。

生命保険控除は、平成22年度の税制改正によって制度が改正されました。契約日が平成23年12月31日の場合は従来の「旧制度」、平成24年度以降の場合は「新制度」の対象です。

新制度は、これまでの控除対象に介護医療保険料が追加されました。また、旧制度と新制度では控除額が異なります。

確定申告で生命保険料控除を受けられる保険

生命保険料控除が受けられる対象の保険は「生命保険」「個人年金保険」「介護医療保険」の3つです。平成22年度の税制改正による新制度で新たに加わった介護医療保険も含め、いずれも正しく理解しておくと確定申告の際に役立つでしょう。ここでは3つの控除対象になる保険と、控除の条件などについて詳しく解説します。

一般生命保険料

「一般生命保険」とは、死亡保険や学資保険のことです。生存または死亡に起因して、一定の保険金が給付される保険契約となります。生命保険控除の対象となるのは、保険金の受取人が以下の人物であることが条件です。

  • 契約者本人
  • 契約者の配偶者
  • 6親等以内の血族
  • 3親等以内の姻族

一般生命保険料であっても、契約が5年未満の「貯蓄保険」、企業・労働組合等の所属者を対象とした「団体信用生命保険」などは控除の対象外となるため注意しましょう。

個人年金保険料

「個人年金保険」とはある一定の期間に保険料を積み立て、国民年金とともに老後の資金として活用するものです。国民の義務である国民年金や厚生年金の積み立てとは違い、自ら払い込みをします。

個人年金保険は「個人年金保険料税制適格特約」を付加することで、税金の負担を軽減できます。特約を付加するための条件は、以下の通りです。

  1. 年金の受取人が契約者かその配偶者
  2. 被保険者と年金の受取人が同一人物
  3. 保険料の払込期間が10年以上
  4. 確定年金や有期年金の場合は、年金受取開始年齢が60歳以降、年金の受取期間が10年以上

これらの条件がすべて満たされていると、個人年金保険料税制適格特約が付加でき、個人年金保険料控除の対象です。一方で、特約を付加した後にはいくつかの制限が設けられます。

付加するための条件については「契約変更ができない」「個人年金保険料税制適格特約だけを解約することはできない」などが挙げられます。控除を受ける前に、契約内容等の確認をしておくことをおすすめします。

介護医療保険

「介護医療保険」とは、通院や入院に伴い給付金を受け取る保険です。がん保険や医療保険、介護保険が対象となります。

介護医療保険が控除の対象になったのは、平成24年度の新制度に入ってからです。そのため、平成23年12月31日以前に契約した保険は制度の対象外となります。

また、保険金の受取人が一般生命保険料と同様でなければならないなど、生命保険料控除の対象にはさまざまな条件があります。確定申告の前に、契約内容についてしっかりと確認しておきましょう。

生命保険料控除の計算方法

生命保険料控除では、所得税と個人住民税の計算方法が異なります。旧制度と新制度では対象となる保険が異なるため、控除の限度額も違っています。まずは所得税の計算方法について、以下の図をもとに見ていきましょう。

生命保険料控除の計算方法(所得税)

所得税の計算は、年間の支払保険料等の金額によって方法が違うのが特徴です。旧制度であれば、「生命保険料」と「個人年金保険料」のそれぞれに控除が適用されます。控除の限度額は、合わせて10万円です。

一方新制度では、これまでの控除対象保険に加え「介護医療保険料」が適用されます。控除限度額は12万円になるため、旧制度に比べお得感があると思われがちです。

しかし、3つの保険料についてそれぞれの控除額が抑えられるため、新制度でも控除額が低くなる場合もあるでしょう。個人住民税の計算は、以下の図の通りです。

生命保険料控除の計算方法(個人住民税)

個人住民税も所得税の控除計算と同様に、年間の支払い保険料によって計算方法が変わります。旧制度、新制度どちらも控除限度額は7万円とされています。そのため、こちらも新制度のほうが1つの保険控除額が低くなっていると理解しておきましょう。

生命保険料控除の限度額

先ほど紹介したように、生命保険料控除の限度額は旧制度と新制度で異なります。どちらの制度に適用するかについては、契約した日付によって判断します。

しかし、保険の種類によって契約日が異なり、旧制度の適用範囲のものもあれば、新制度に適用する場合もあります。その際には、控除金額の計算をしたうえで、控除額の大きいほうを適用すると覚えておきましょう。

なお、所得税の控除限度額は、以下の通りです。

生命保険料控除の限度額

【旧制度の場合】

  • 保険1種類に対する控除限度額(一般生命保険料、個人年金保険料) 5万円
  • 全体の控除限度額 10万円

【新制度の場合】

  • 保険1種類に対する控除限度額(一般生命保険料、個人年金保険料、介護医療保険料) 4万円
  • 全体の控除限度額 12万円

また、個人住民税の控除限度額は、以下の通りです。

【旧制度の場合】

  • 保険1種類に対する控除限度額(一般生命保険料、個人年金保険料) 3万5千円
  • 全体の控除限度額 7万円

【新制度の場合】

  • 保険1種類に対する控除限度額(一般生命保険料、個人年金保険料、介護医療保険料) 2万8千円
  • 全体の控除限度額 7万円

このように、新制度だと1つの保険料で差し引かれる控除額が低くなっています。場合によっては新制度を適用することで、損となるケースもあるでしょう。新旧どちらの控除も選択できるような場合には、しっかり計算した上で確定申告してください。

確定申告で生命保険料控除を受けるための必要書類

確定申告で生命保険料控除を受ける際に必要になる書類は「確定申告書A第一表・第二表」「源泉徴収票」「生命保険料控除証明書」です。書類の漏れがあると申告できない場合があるため、事前に確認して準備しておきましょう。

  1. 確定申告書A第一表・第二表
  2. 確定申告の際に、申告内容を記入する用紙です。税務署でもらうほか、郵送や国税庁のWebサイトからプリントアウトもできます。

  3. 源泉徴収票
  4. 所属している会社から交付される書類です。その年に会社から支払われた給与、ボーナス、退職金などを合わせた支給額と、差し引かれた所得税が記載されています。

  5. 生命保険料控除証明書
  6. 「生命保険料控除証明書」とは、契約している保険会社から送られてくる、保険内容についての証明書です。加入している保険の種類、対象となる控除の区分、証券番号、契約者名、1年間に納めた保険料などが書かれています。

確定申告だけでなく、勤務先の年末調整でも添付する書類となっているため、厳重に保管しておくことをおすすめします。また、これらの書類に加え、申請の際には朱肉の印鑑が必要です。シャチハタでは代用できないため注意しましょう。

保険料控除申告書の書き方

保険料控除申告書の書き方

確定申告で生命保険料控除を受けるためには、「保険料申告書」を記入しなければなりません。記入の際には、「生命保険料控除証明書」の内容が必要となるため、手元に準備しておきましょう。

生命保険料控除証明書は、保険会社から郵送または電子式で交付してもらいます。もし手元になかった場合や紛失してしまった場合には、再発行のお願いをしましょう。

生命保険料控除証明書から確認して記入する欄は、「契約している保険の種類」「旧制度、新制度どちらに適用するか」「証明額から計算された控除額」です。特に、旧制度・新制度の確認欄は、控除額や限度額に直接かかわる内容のため、記入漏れがないようくれぐれも注意しましょう。

すでに年末調整を受けている場合は?

生命保険料控除の申請を年末調整で行った場合は、確定申告の必要がありません。年末調整は、自分の働いている企業1箇所から給与などをもらっている給与所得者のうち、収入が2,000万円以下の人が対象です。

そのため、一般的な会社員は、確定申告をする前に年末調整で生命保険料控除の申請を行わなくてはいけません。一方、収入額が2,000万円以上の人や、2箇所以上から給与を受け取っている人は、確定申告で控除を受ける必要があります。

所得税と住民税が安くなる生命保険料控除を利用しよう

生命保険料控除は、納める税金の負担を軽減できる制度です。保険料控除を受けるためには、申請にあたって最低限必要な知識を身につけておくことをおすすめします。特に、自分の契約している保険が旧制度、新制度のどちらにあたるかを知っておけば、どれぐらいの控除を受けられるかを計算できます。

制度を上手く活用して、自分に有利な控除を受けましょう。生命保険料控除のほかにも、確定申告にはさまざまな制度が組み込まれています。確定申告のさらに詳しい内容について知りたい人は、下記のページも参考にしてみてください。

よくある質問

生命保険料控除とは?

生命保険料控除は、所得税・住民税の計算の際に所得金額から1年間に支払った生命保険料の一定額を差し引ける制度です。詳しくはこちらをご覧ください。

生命保険料控除の限度額は?

平成24年1月1日以降の生命保険料の各控除4万円、合計で12万円です。ただし、平成23年12月31日以前の保険には旧制度が適用されます。詳しくはこちらをご覧ください。

年末調整を受けていたら生命保険料の確定申告は不要?

給与所得者かつ、その給与等の収入金額が2,000万円以下の場合は、原則として年末調整によって税額の精算が行われるため、確定申告は不要です。詳しくはこちらをご覧ください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

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