- 更新日 : 2025年12月8日
パルスサーベイとは?意味やメリット・デメリット、質問項目、事例を紹介
パルスサーベイとは、従業員の精神的健康度や満足度を調べることです。絶え間なく繰り返される脈拍(Pulse)のように何度も調査をおこなうことで、従業員や職場の「今」を把握しやすくなります。質問項目や活用シーン、デメリット、実施の際の注意点などをまとめました。また、実際に導入している企業の事例も紹介します。
目次
パルスサーベイとは?
パルスサーベイ(Pulse Survey)とは、従業員の満足度や精神的健康度を調べる調査のことです。絶え間なくリズムを刻む脈拍(Pulse)のように繰り返し調査を実施することで、従業員や職場の現状を把握しやすくなります。
パルスサーベイは、週1回~月1回程度の頻度で実施します。調査が従業員の負担にならないように、質問数は5~10問ほどにまとめておくことが一般的です。
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パルスサーベイの活用シーン例
パルスサーベイは日常的に実施できる気軽な調査です。次のようなシーンで実施されます。
- 従業員のストレス・メンタルヘルスチェック
- 新入社員のオンボーディング
- 人事異動にともなうフォロー
- 新制度の導入や見直しのとき
それぞれのシーンで、パルスサーベイがどのように活用されるのか見ていきましょう。
従業員のストレス・メンタルヘルスチェック
パルスサーベイは、従業員や職場の状況を知るための調査です。こまめに実施することで、従業員がストレスを抱えているのか、メンタルヘルスに不調がないかを理解しやすくなります。
また、同じ質問を繰り返し実施することで、従業員や職場の変化も調べられます。「先週よりもストレスが低くなった」「部署全体のメンタルヘルスが低下している」など、個人・全体の状況を簡単に把握できるでしょう。
新入社員のオンボーディング
新入社員がスムーズにチームに馴染み、戦力となるためにも、オンボーディング(新入社員向けの教育システム)を実施することがあります。しかし、オンボーディングにより期待するような効果が得られたかは、調査してみなくてはいけません。
簡単に従業員の状態をチェックするパルスサーベイを用いて、オンボーディングの効果を測定してみましょう。新入社員が居心地のよさを感じているのか、業務に支障がないのかを調べれば、オンボーディングをよりよいものへとブラッシュアップするヒントが見つかります。
人事異動にともなうフォロー
部署を異動することは、従業員にとって大きなストレスとなります。業務が変わるだけでなく、メンバーも変わるため、慣れるまでに時間がかかるかもしれません。
パルスサーベイを実施することで、異動した従業員のメンタルヘルスの状態を把握でき、適切なフォローを実施しやすくなります。早めに適切なサポートを実施すれば、従業員が早期に職場に馴染めるだけでなく、本来のパフォーマンスを発揮しやすくなるでしょう。
新制度の導入や見直しのとき
新制度を導入するときも、パルスサーベイを実施すべきタイミングといえます。現場でどのように制度が受け取られているのかを把握でき、調整する点を見つけやすくなります。
また、制度の見直しを検討しているときにも、パルスサーベイを実施しましょう。制度に対する満足度や問題点などを詳しく調べれば、よりよい制度へと改善しやすくなります。
パルスサーベイを実施するメリット
パルスサーベイを実施することには、次のメリットがあります。
- リアルタイムで社員や組織の状態を把握できる
- 社員のエンゲージメントの向上
- 低コストで実施できる
それぞれのメリットについて見ていきましょう。
リアルタイムで社員や組織の状態を把握できる
パルスサーベイは週1回~月1回程度の頻度で繰り返し実施するため、従業員や組織の状態をリアルタイムで把握できます。労働環境に満足しているのか、人間関係に問題はないのかなど、質問項目を調整することでトラブルの芽の早期発見が可能です。
また、従業員各自が自分自身を振り返るときにも、パルスサーベイを活かせます。仕事やプライベートでの悩み・トラブルを自覚することで、問題が深刻になるのを回避できるかもしれません。
社員のエンゲージメントの向上
パルスサーベイは、従業員のエンゲージメントを調査する際にも活用されることがあります。従業員がどの程度企業に愛着を持っているか、企業理念を理解しているかなどを調べることで、意欲や主体性を確認しやすくなります。
エンゲージメントを調べることは、企業の生産性向上と成長を実現するうえで欠かせない要素です。従業員の働きやすさを把握するためにも、定期的にパルスサーベイでエンゲージメントをチェックしましょう。
低コストで実施できる
パルスサーベイは10問程度からなる調査です。社内でも簡単に作成できるため、コストがあまりかかりません。
また、オンラインで解答できるようにすれば、質問票を印刷・配布・回収する手間もかかりません。集計や分析も自動的にできる仕組みを構築するなら、さらに簡単に実施できます。
パルスサーベイを実施するデメリット
パルスサーベイを実施するときは、デメリットも理解しておくことが必要です。主なデメリットとしては、次の点が挙げられます。
- 回答頻度が多いため従業員の負担になる
- 課題の本質が見えない場合がある
- 回答のマンネリ化になる恐れ
それぞれのデメリットについて解説します。
回答頻度が多いため従業員の負担になる
リアルタイムに従業員や職場について把握するためには、高頻度でパルスサーベイを実施しなくてはいけません。従業員によっては、調査への回答を負担に感じる可能性があります。
また、オンラインで回答する方式の場合、簡単に質問票に到達できるかどうかも従業員の負担を左右します。少しでも負担を軽減するためにも、ワンクリックで質問票を開けるように工夫しておきましょう。
課題の本質が見えない場合がある
パルスサーベイを実施しても、適切に分析しなくては、課題の本質が見えないことがあります。たとえば、従業員のストレスが増加傾向にあるときは、単に「各自ストレスを適度に解消しましょう」と奨励しても、何の解決にもなりません。なぜ全体のストレスが増加しているのか分析し、妥当性の高い結果を導き、フィードバックすることが求められます。
課題の本質を見えやすくするためにも、パルスサーベイの質問内容を吟味するだけでなく、適時、見直すことが必要です。従業員の時間と手間を無駄にしないためにも、課題分析の工程を丁寧に実施しましょう。
回答のマンネリ化になる恐れ
パルスサーベイの結果を丁寧に分析し、社内環境の整備などに適切に活用されていないときは、従業員の回答に対するモチベーションが低下しています。定期的に結果を公表し、結果がどのように活かされているのか、従業員にわかるように公表しましょう。
従業員のパルスサーベイに対する意欲が低下すると、回答もいい加減になってしまうかもしれません。「いつも同じ回答をする」「すべて「普通」に〇をする」といった従業員が増え、パルスサーベイの意義が失われることもあります。
パルスサーベイの効果的な質問項目、質問例
パルスサーベイは、次の項目について尋ねることが一般的です。
- 企業に対する満足度
- 経営理念の浸透度
- 業務負担、業務理解
各項目における質問例を紹介します。業態や業種、社風などを考慮し、自社に合う質問を作成しましょう。
| 質問項目 | 質問例 |
|---|---|
| 企業に対する満足度 |
|
| 経営理念の浸透度 |
|
| 業務負担、業務理解 |
|
パルスサーベイ実施の流れ
パルスサーベイは次の流れで実施します。
- 質問票を作成する
- 調査を実施する
- 調査結果を集計・分析する
- 課題の発見・対策を実行する
まずはパルスサーベイの目的を決めます。「従業員のメンタルヘルスを理解したい」「生産性が高くなる職場環境を構築したい」などをリストアップし、5~15問程度の質問からなる目的に沿った質問票を作成しましょう。はい・いいえで答えられるものか、5~10段階評価式など、手間をかけずに回答できるように工夫してください。
オンラインで調査を実施する場合は、メールやチャットツールなどで従業員に配布します。すぐに回答できるように、メールチェックや休憩の時間に合わせて送信しましょう。
調査結果はすぐに集計・分析します。回答内容が大きく変化した従業員やチームがある場合は、何かトラブルが起こっているのかもしれません。個人面談などの一対一で話し合う機会を設け、トラブルが拡大する前に対応しましょう。
パルスサーベイの企業事例
パルスサーベイを実施している企業は少なくありません。実際の企業事例から、パルスサーベイによって得られる変化や効果、スムーズに実施・活用するポイントなどを探っていきましょう。
ソフトバンク株式会社
ソフトバンク株式会社では、従業員の最新かつ一人ひとりの状態を可視化するために、2019年10月からパルスサーベイを導入しました。従来、従業員満足度調査は年に一度実施していましたが、集合体としての結果のみが表示されていたため、個人の状態はわかりにくいという問題を抱えていました。
しかし、会社が組織として強くなるには、全体だけでなく個人が適切な状態で働けているのかを把握する必要があります。そこで従業員満足度調査はそのまま継続しながら、個々に特化したパルスサーベイを開発し、週単位・月単位で実施することにしました。
ソフトバンク株式会社のパルスサーベイは、回答時間は2分程度(従業員満足度調査は20分程度)と、従業員に負担をかけない分量です。パルスサーベイによりワークライフインテグレーション(仕事と生活の統合、人生の充実)を実現して個人の力を高め、その結果としての組織力向上を目指します。
参考:なぜ、ソフトバンクの人事本部はゼロからパルスサーベイを開発したのか?|ソフトバンク株式会社
株式会社サイバーエージェント
株式会社サイバーエージェントでは、個人個人の才能開花によって事業成長を実現するため、適材適所の実現を目指しています。適材適所を実現するには、従業員個人の能力を知るだけでなく、従業員のキャリアに対する希望や中長期的な志向を、企業側が正確に把握していることが欠かせません。
従業員のコンディションやキャリアに対する志向、抱えている問題を知るために導入されたのが「GEPPO」です。GEPPOは3つの設問からなるアンケートを実施・回収するシステムです。結果をベースとして適材適所を図り、個人と組織のミスマッチの解消や業務量改善に取り組んでいます。
パルスサーベイ実施の注意点
目的を達成できるパルスサーベイを実施するためにも、次のポイントに注意が必要です。
- 社員に負担をかけない頻度・分量
- 適切なフィードバック
- パルスサーベイの目的を明らかにする
調査したい内容を明らかにする的確な質問を厳選し、社員に負担をかけない分量にまとめ、適度な頻度で実施することが大切です。頻度・分量が多いと回答率が低下するだけでなく、従業員のモチベーション低下につながることもあります。また、質問票が見やすくまとめられていること、扱いやすいUI・デバイスであることも重要なポイントです。
パルスサーベイを実施した後は、結果を従業員にフィードバックすることが必要です。結果がわからない状況では、従業員のパルスサーベイに対するモチベーションが低下するだけでなく、人事部門に不信感を持つ可能性があります。
集計結果を公表し、どのように制度や組織に反映されているかを示しましょう。また、従業員個人に対しては、キャリアや働き方に関するアドバイスとしてフィードバックを提供するようにしてください。
パルスサーベイは明確な目的を掲げて実施することで、より意味のあるものになります。パルスサーベイで何を知りたいのかを明確にし、的確な設問を作成しましょう。また、頻度やUI・デバイスも、パルスサーベイの目的を達成するためにふさわしいものにすべきです。
パルスサーベイを通して従業員と組織のリアルな状態を把握しよう
パルスサーベイは、高頻度で実施されるため、従業員と組織の現状把握に適した調査方法です。従業員が働きやすさを感じているのか、ストレスやメンタルヘルスの状態はどうなのかなどを厳選された質問を通して把握していきます。
従業員が適切な状態で働けることで、組織としての力は強まります。パルスサーベイを通して従業員と組織をリアルタイムに把握し、企業の生産性向上につなげるだけでなく、企業そのものの力を高めていきましょう。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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