• 更新日 : 2026年9月8日

【早見表】生命保険料控除はいくらまで書く?新旧制度の違いや注意点を紹介

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Point生命保険料控除はいくらまで受けられる?

旧制度は所得税10万円・住民税7万円、新制度は所得税12万円・住民税7万円が上限です。

  • 3つの区分ごとに控除額を計算する
  • 契約日で新旧のどちらかが決まる
  • 上限を超えて支払っても控除は増えない

令和8年分は、23歳未満の扶養親族がいる場合に一般枠が6万円へ広がります。

生命保険料控除とは、年末調整確定申告の際に、その年の税額を計算するにあたり、生命保険料を差し引いて計算する仕組みです。生命保険料控除の上限金額は、旧制度は所得税10万円、住民税7万円で、新制度は所得税12万円、住民税7万円と決まっています。上限金額を超えた分は控除されません。

この記事では、効率的かつ正しく生命保険料控除を行うための、基本概念や区分、上限金額や計算方法を解説します。

生命保険料控除とは何か

生命保険料控除とは、所得控除のひとつであり、所得から一定の金額を差し引き、課税対象額としない仕組みです。1月1日から12月31日までに払い込んだ保険料を、所得から差し引きます。生命保険料控除ができる保険には、生命保険、介護医療保険、個人年金保険の大きく3つの種類があります。

一般生命保険料控除

一般生命保険は、死亡やそのほか一定の事由に起因して、一定額の保険金が支払われる保険です。たとえば、死亡や高度障害に備える終身保険や、教育資金を準備するための学資保険が該当します。

また、被保険者が死亡や高度障害状態になったとき、毎月一定額を一定期間受け取れる収入保障保険も一般生命保険です。ただし、保険期間が5年未満の貯蓄保険や、貯蓄共済は対象外です。

平成24年1月1日以後に締結した保険契約のうち、対象となる主なものは次のとおりです。

  • 生命保険会社または外国生命保険会社等と締結した、生存または死亡に基因して一定額の保険金が支払われる保険契約
  • 旧簡易生命保険契約のうち、生存または死亡に基因して一定額の保険金等が支払われる保険契約
  • 農業協同組合と締結した生命共済契約その他これに類する共済に係る契約のうち、生存または死亡に基因して一定額の保険金等が支払われる保険契約
  • 確定給付企業年金に係る規約または適格退職年金契約

いずれも、保険金等の受取人のすべてが保険料の払込みをする方またはその配偶者その他の親族であることが要件になります。

参考:No.1141 生命保険料控除の対象となる保険契約等

介護医療保険料控除

介護医療保険は病気やケガなどに保険金が支払われる保険です。

病気やケガの際に医療費を一定金額保障する医療保険や、がんと診断されたら保障がおりるがん保険が代表的な種類です。また介護保険や就業不能保障特約も介護医療保険に該当します。一般生命保険料控除と同様に、保険期間が5年未満の貯蓄保険や貯蓄共済は対象外となる点に注意が必要です。

対象となる主な契約は次のとおりです。

  • 生命保険会社等または損害保険会社等と締結した、疾病または身体の傷害等により保険金が支払われる保険契約のうち、医療費支払事由に基因して保険金等が支払われる保険契約
  • 疾病または身体の傷害その他これらに類する事由に基因して保険金等が支払われる旧簡易生命保険契約または生命共済契約等のうち、医療費等支払事由に基因して保険金等が支払われるもの

介護医療保険料控除は新制度で新設された区分のため、旧制度にはありません。

参考:No.1141 生命保険料控除の対象となる保険契約等

個人年金保険料控除

個人年金保険は、契約時に決めた年齢まで保険料を払い込み、そのかわりに一定期間にわたり年金を受け取れる貯蓄型の保険です。

老後資金が公的年金では足りなくなるリスクを補う目的があります。平成24年1月1日以後に締結した保険契約(新個人年金保険料)として控除を受けるには、次の条件をすべて満たす必要があります。

  • 年金の受取人は、保険料もしくは掛金の払込みをする者、またはその配偶者となっている契約であること
  • 保険料等は、年金の支払を受けるまでに10年以上の期間にわたって定期に支払う契約であること
  • 年金の支払は、年金受取人の年齢が原則として満60歳になってから支払うとされている10年以上の定期または終身の年金であること

平成23年12月31日以前に締結した旧個人年金保険料については、生命保険料控除の対象となる保険契約であって、退職年金を除く年金を給付する定めのあるもののうち、新個人年金保険料の要件を満たすものが対象となります。

参照:No.1141 生命保険料控除の対象となる保険契約等|国税庁

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生命保険料控除はいくらまで?上限額と早見表

生命保険料控除の上限は、旧制度が所得税10万円・住民税7万円、新制度が所得税12万円・住民税7万円です。上限を超えて保険料を支払っても、超えた分は控除されません。まずは上限額と、年間保険料ごとの控除額を確かめましょう。

適用限度額が異なる

旧制度は所得税10万円、住民税7万円の控除だったのに対し、新制度は所得税12万円、住民税7万円に変更されています。区分ごとの限度額は次のとおりです。

区分 旧・所得税 旧・住民税 新・所得税 新・住民税
一般生命保険料控除 50,000円 35,000円 40,000円 28,000円
介護医療保険料控除 40,000円 28,000円
個人年金保険料控除 50,000円 35,000円 40,000円 28,000円
合計 100,000円 70,000円 120,000円 70,000円

参照:No.1140 生命保険料控除|国税庁

新制度の住民税の所得控除限度額は各28,000円ですが、合計額は70,000円が限度です。一般生命保険料控除と個人年金保険料控除について新旧の制度にまたがる契約がある方は、それぞれの制度で金額を計算します。

新旧制度をあわせた制度全体の適用額は、所得税で120,000円、住民税で70,000円になります。

【早見表】年間保険料ごとの控除額

計算式に当てはめなくても、次の早見表で1区分あたりの控除額を確かめられます。所得税の控除額は、年間の支払保険料に応じて次のとおりです。

年間の支払保険料 新制度 旧制度 新制度+特例
20,000円 20,000円 20,000円 20,000円
30,000円 25,000円 27,500円 30,000円
40,000円 30,000円 32,500円 35,000円
50,000円 32,500円 37,500円 40,000円
60,000円 35,000円 40,000円 45,000円
80,000円 40,000円 45,000円 50,000円
100,000円 40,000円 50,000円 55,000円
120,000円以上 40,000円 50,000円 60,000円

「新制度+特例」は、23歳未満の扶養親族がいる場合の一般生命保険料控除の金額です。介護医療保険料と個人年金保険料には適用されません。

住民税の控除額は、新制度であれば年間12,000円までが全額、56,000円を超えると一律28,000円になります。年間保険料が50,000円なら26,500円です。

いずれも1つの区分あたりの金額です。3つの区分を合計した金額が、所得税120,000円・住民税70,000円を超える場合は、それぞれの上限までとなります。

所得税の計算方法

所得税の控除額は、年間の支払保険料を次の表に当てはめて計算します。新制度と旧制度で計算式が異なります。

【新制度(所得税)】

年間の支払保険料等 控除額
20,000円以下 支払保険料等の全額
20,000円超40,000円以下 支払保険料等×1/2+10,000円
40,000円超80,000円以下 支払保険料等×1/4+20,000円
80,000円超 一律40,000円

【旧制度(所得税)】

年間の支払保険料等 控除額
25,000円以下 支払保険料等の全額
25,000円超50,000円以下 支払保険料等×1/2+12,500円
50,000円超100,000円以下 支払保険料等×1/4+25,000円
100,000円超 一律50,000円

たとえば、新制度の対象に該当する保険料を年間50,000円支払った場合、控除額は次のようになります。

50,000円 × 1/4 + 20,000円 = 32,500円

住民税の計算方法

住民税の控除額も、年間の支払保険料を表に当てはめて計算します。所得税とは金額の区分が異なります。

【新制度(住民税)】

年間の支払保険料等 控除額
12,000円以下 支払保険料等の全額
12,000円超32,000円以下 支払保険料等×1/2+6,000円
32,000円超56,000円以下 支払保険料等×1/4+14,000円
56,000円超 一律28,000円

【旧制度(住民税)】

年間の支払保険料等 控除額
15,000円以下 支払保険料等の全額
15,000円超40,000円以下 支払保険料等×1/2+7,500円
40,000円超70,000円以下 支払保険料等×1/4+17,500円
70,000円超 一律35,000円

たとえば、新制度の対象に該当する保険料を年間50,000円支払った場合、住民税の控除額は次のようになります。

50,000円 × 1/4 + 14,000円 = 26,500円

令和8年分は23歳未満の扶養親族がいると一般枠が6万円になる

令和8年分と令和9年分は、23歳未満の扶養親族がいる場合に一般生命保険料控除の適用限度額が所得税4万円から6万円に引き上げられます。令和7年度税制改正で創設された特例で、令和8年度税制改正により適用期限が令和9年分まで延長されました。

対象になるのは、平成24年以後に契約した新契約の一般生命保険料の枠だけです。介護医療保険料控除と個人年金保険料控除の枠は変わりません。控除額の計算は次のとおりです。

年間の新生命保険料 控除額
30,000円以下 支払保険料の全額
30,000円超60,000円以下 支払保険料×1/2+15,000円
60,000円超120,000円以下 支払保険料×1/4+30,000円
120,000円超 一律60,000円

参照:令和8年度税制改正(所得税の基礎控除の引上げ等関係)Q&A|国税庁

注意したいのは、3つの区分を合わせた上限が12万円のまま変わらない点です。介護医療保険料や個人年金保険料をそれぞれ上限まで支払っている場合、一般枠が6万円に広がっても合計では12万円で頭打ちになります。

また、この特例は所得税だけの措置で、住民税の限度額は変わりません。令和8年分の保険料控除申告書には、この特例に対応した記載欄が加わっています。

生命保険料控除の旧制度と新制度は何が違う?

生命保険料控除制度は、平成22年に税制改正されました。そのため、2011年12月31日以前に締結した保険契約は旧制度とし、2012年1月1日以降に締結した保険契約は新制度として扱います。

ただし、契約日が2011年12月31日以前の契約でも、2012年1月1日以降に更新や特約途中付加などで契約内容が更新されたものは、以後の保険料が新制度の適用です。

控除区分が異なる

新制度では介護医療保険料控除が新設されたため、控除区分が3つに増えました。それぞれの区分は次のとおりです。

制度 控除区分
旧制度(〜2011年12月31日)
  • 生命保険料控除
  • 個人年金保険料控除
新制度(2012年1月1日〜)
  • 生命保険料控除
  • 介護医療保険料控除
  • 個人年金保険料控除

旧制度は、2011年12月31日までに締結された契約が対象です。ただし、主契約や特約更新を行っていたり、各控除区分に該当する特約中途付加を行っていたりする場合は、新制度の税区分の扱いになります。

参照:No.1140 生命保険料控除に関する質疑応答事例|国税庁

生命保険料控除の注意点

生命保険料控除を行う際に注意すべき点について、以下より解説します。

生命保険料控除の対象外になる保険もある

生命保険料控除は、すべての生命保険に適用されるわけではありません。

たとえば、保険期間が5年未満の貯蓄保険や貯蓄共済は含まれません。また、財形貯蓄保険や財形住宅貯蓄積立保険、団体信用生命保険なども対象外です。対象となる保険契約については国税庁のホームページに要件が掲載されていますので、確認して処理を進めましょう。

転職をしたら処理は転職先で行う

年の途中で転職をした場合、年末調整は新しい勤務先で行います。

新しい勤務先で年末調整を行う際は、転職する前の企業が発行する源泉徴収票の提出が必要です。退職の際に発行してもらい、すみやかに転職先企業に提出を求めましょう。

また、年内に再就職をしなかった場合、その年は確定申告が必要です。確定申告を行う際も、離職する前の企業が発行する源泉徴収票を見ながら行いますので、手元に用意しておきましょう。

参照:No.2665 年末調整の対象となる人|国税庁

生命保険料控除の処理方法

生命保険料控除は、会社員であれば年末調整で行い、個人や年度の途中で退職した方は、確定申告で処理を行います。それぞれ手順を、以下に記載します。

年末調整の処理方法

会社員の場合、生命保険料控除の申請は、会社が年末調整の際に行います。加入している保険会社から送付される「生命保険料控除証明書」を取得し、保険料控除等申告書に添付して提出してもらいましょう。

【手順1】

保険会社が発行する「生命保険料控除証明書」を取得します。紙で郵送される場合だけでなく、保険会社のホームページからデータで証明書をダウンロードできる場合も多いです。

【手順2】

生命保険料控除証明書の記載内容にもとづいて、勤務先が指定する保険料控除申告書に、内容を記載します。記入例は国税庁のホームページに記載がありますので、参考にしましょう。なお、生命保険料控除は限度金額を超えた分は控除されませんので、注意が必要です。

【手順3】

勤務先へ保険料控除申告書と生命保険料控除証明書を提出します。確認を行う担当者は、チェックの際に上限金額を超えている分は内容を確認しなくてもよく、その分業務の手間を減らせます。

なお、給与天引きで保険料を支払っており、企業が控除対象金額の一覧を受け取っている場合、従業員は証明書の添付が不要です。また、給与の年間収入が2,000万円を超える場合は年末調整の対象外となるため、確定申告での申請が必要です。

参照:A2-3 給与所得者の保険料控除の申告|国税庁

確定申告の処理方法

自営業者や年度の途中で退職した人は、確定申告で控除申請を行います。翌年2月16日から3月15日の確定申告期間において、証明書を添付し控除を受けましょう。また、e-Taxで確定申告をする場合は、証明書の添付は省略可能です。

【手順1】

保険会社が発行する「生命保険料控除証明書」を取得します。紙で郵送される場合と、保険会社のホームページからデータで証明書をダウンロードできる場合もあります。

【手順2】

確定申告書類に、生命保険料控除証明書の内容を記載します。e-Taxで申請を行う場合は、国税庁ホームページの「確定申告書等作成コーナー」から行います。システムの案内に従って必要事項を入力するだけですが、e-Taxを利用するためには、以下の準備が必要です。

  • マイナンバーカード
  • マイナンバーカードの読み取りに対応しているスマートフォン、もしくはICカードリーダー
  • 利用者識別番号

生命保険料控除のよくある疑問

生命保険料控除のチェックを行う際によくある疑問について、以下より解説します。

生命保険料控除の申告を忘れた

生命保険料控除は、会社員や公務員であれば、年末調整で手続きを行います。申告を忘れたことに気づいたタイミングが勤務先における期限内であれば、すみやかに申し出てもらい必要な資料の提出を求めましょう。年末調整に間に合わなかった場合は、従業員に確定申告を案内します。

確定申告は、翌年の2月16日〜3月15日が受付期間です(土日祝は日にちが前後します)。ただし、生命保険料控除のように税金の払い戻しを受ける還付申告だけなら、生命保険料を支払った年の翌年1月1日から5年間のうちに、税務署に申告が可能です。

参照:No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人|国税庁

控除証明書を紛失した

生命保険料控除証明書を紛失した場合、加入会社に依頼して再発行の手続きを行いましょう。ただし、保険会社によっては生命保険料控除証明書のデータがホームページからダウンロードできます。可能な保険会社かを確認し、期限内に取得するよう案内しましょう。

控除証明書が届かない

生命保険料控除証明書は、各社時期は多少前後しますが、10月中旬ごろに契約住所に発送されます。控除証明書が届かない場合は、保険会社にすみやかに連絡し、発送状況を確認しましょう。

保険会社によっては生命保険料控除証明書のデータを、ホームページからダウンロードできる会社も増えています。申請期限が迫っている方は、データダウンロードができないかも、あわせて確認できると安心です。

生命保険料控除は制度を理解し適正な処理を行う

生命保険料控除は、1年間の払い込み保険料を所得から差し引く制度です。加入時期により旧制度と新制度にわかれ、税区分や限度額が異なります。上限は旧制度が所得税10万円・住民税7万円、新制度が所得税12万円・住民税7万円です。

令和8年分と令和9年分は、23歳未満の扶養親族がいる場合に一般生命保険料控除の枠が所得税4万円から6万円に広がりますが、3区分を合わせた12万円という上限は変わりません。

控除証明書が届かないといったトラブルは、早急に保険会社に確認を取ることで対応できます。制度を理解し、適正な時期に処理を行いましょう。

参照:令和8年度税制改正(所得税の基礎控除の引上げ等関係)Q&A|国税庁

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