- 更新日 : 2024年10月4日
e-Taxで確定申告するやり方、添付書類を分かりやすく解説
e-Taxとは、国税に関する様々な手続きをインターネット上で電子的に行えるサービスです。
具体的には、e-Taxでは所得税、贈与税、法人税、地方法人税、消費税…などの申告や、納税、開業届の申請などが行えます。
e-Taxを利用することで、税務署などに行くことなく、自宅から申告・納税の手続きができるようになります。そのため、現在では多くの法人・個人事業主・副業を行う方などが利用しているサービスです。
当記事では、e-Taxとは何かといった基礎的な内容から、e-Taxで確定申告をするやり方などを分かりやすく解説します。
なお、マネーフォワード クラウド確定申告では、個人事業主やフリーランスの方が確定申告する際に知っておきたい基礎知識や、確定申告の準備、確定申告書の作成方法・提出方法などを分かりやすくまとめた「青色申告1から簡単ガイド」を無料で用意しております。
チェックリスト付きなので、情報収集だけでなく、書類作成・申告手続きを行う時にもお使いいただけます。
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目次
e-Taxとは
e-Tax(イータックス)とは、国税の電子申告・納税システムのことです。所得税の確定申告をはじめ、個人や法人の国税に関わるさまざまな手続きができます。e-Taxを利用すれば、作成した申告書などを電子データの形式で、インターネットを通じて管轄の税務署に提出できます。
国税庁のシステムでは、e-Taxソフトまたは「確定申告書等作成コーナー」を利用することで確定申告に必要なデータの作成が可能です。e-Taxソフトでは、システム上で申告等データを作成し、そのデータをシステム上にアップロードすることができます。
一方で確定申告書等作成コーナーは、システム上でデータを入力して作成するという点が異なります。確定申告ソフトなどですでに作成したデータを送信したいときは、e-Taxの利用が適しているでしょう。
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e-Taxでできること(個人事業主)
e-Taxは現在、さまざまな手続きに対応しています。個人事業主はe-Taxでどのような手続きができるのでしょうか。
所得税の確定申告
個人事業主のうち所得税の納税額がある人は、所得税の確定申告の義務があります。所得税の確定申告とは、毎年1月1日から12月31日の1年間で生じた収入や所得の合計などを申告し、1年間の所得税額を確定する手続きのことです。
所得税の確定申告については、e-Taxソフトか確定申告書等作成コーナーのうち、どちらを利用しても手続きができます。ただし、特定のケースでは確定申告書等作成コーナーを利用できないこともあります。より広く目的をカバーしているのは、e-Taxによる申告といえるでしょう。
なお、個人事業主や副業を行う方などは、効率化および簡単に作業を進めるために、確定申告ソフトを利用して確定申告書を簡単に作成し、e-Taxなどで提出する方が多い傾向です。
スマホからも使える「マネーフォワード クラウド確定申告」も、確定申告が初めての方や個人事業主の方に多く利用いただいています。
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開業届または廃業届の提出
新規に事業所得、不動産所得、山林所得のいずれかが生じる事業を始めたとき、または廃業したときや、事務所に変更等があったときは、「個人事業の開業・廃業等届出書」を提出しなければなりません。
e-Taxは、このような個人事業主の開業手続きや廃業手続きにも対応しています。ただしこれはe-Taxソフトのみで、確定申告書等作成コーナーは対応していません。
なお、マネーフォワード クラウド開業届を利用すると、フォームに沿って入力していくだけで個人事業主の開業届を簡単に作成できます。サービス料は0円です。
青色申告承認申請書または取りやめの届出
確定申告の種類には青色申告と白色申告があり、何も手続きを行わなければ自動的に白色申告が適用されます。青色申告は、納税者が一定水準の記帳をして正しく申告を行うことにより、さまざまな特典を利用できる制度です。
青色申告を選択するためには、「青色申告承認申請書」の提出が必要です。また、青色申告を取りやめようとする場合は「所得税の青色申告取りやめの届出書」、青色申告で配偶者や親族を専従者として届け出たい場合は「青色事業専従者給与に関する届出書」による手続きが必要になります。
確定申告書等作成コーナーではこれらの手続きに対応していませんが、e-Taxソフトならインターネット上で行えます。
その他e-Taxでできる手続き
電子申告のうち、e-Taxソフトでできる手続きは幅広く、個人事業主に関わる手続きのほとんどをカバーしています。たとえば、以下のような手続きが可能です。
など
なお、消費税及び地方消費税の確定申告や所得税の更正の請求については、確定申告書等作成コーナーからも手続きできます。
マネーフォワード クラウド確定申告では、個人事業主やフリーランスの方が知っておきたい"経費"のキホンや勘定科目を分かりやすく1つにまとめた「個人事業主が知っておくべき経費大辞典」を無料で用意しております。
税理士監修で、経費の勘定科目や具体例だけでなくワンポイントアドバイスもついているお得な1冊となっていますので、ぜひ手元に置きたい保存版としてご活用ください。
e-Taxで確定申告するメリット
e-Taxによる確定申告には、さまざまなメリットがあります。
メリット1.自宅にいながら手続きできる
まず、自宅にいながら確定申告をできることが挙げられます。e-Taxなら、税務署の窓口や郵便局、郵便ポストまで出向く必要はありません。
また、メンテナンス時間を除くと24時間対応なので、税務署の開庁時間に左右されないことも大きなメリットです。
メリット2.期限内なら確定申告書の修正を上書きできる
確定申告をしたあとに誤りに気付くケースもあるかもしれません。e-Taxを利用すると、申告期限内(例年3月15日まで)であれば、新規に確定申告書を送信することで修正ができます。
これは期限内に申告した場合、データが新しく提出されたものに上書きされるためです。そのため、訂正したことを改めて報告する必要もありません。
メリット3.還付までがスピーディー
税務署窓口や郵送で提出する場合、還付金が入金されるまでの目安は提出から1ヶ月~1ヶ月半後とされています。e-Taxの場合はこれより少し早く、だいたい3週間後あたりが目安です。
メリット4.添付書類の省略が可能
詳しくは下の「添付書類の扱い」の項でもご説明しますが、通常は添付が必要な書類であっても、e-Taxでは添付の省略が認められるものがあります。
添付を省略できる書類 |
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|
引用:所得税及び復興特別所得税についてよくある質問|e-Tax 国税電子申告・納税システム
メリット5.確定申告ソフトのデータを活用できる
e-Taxソフトなら、確定申告ソフトで作成した確定申告書のデータを取り込むことで確定申告ができます。e-Taxに対応している確定申告ソフトがあれば、電子申告のために作成したデータを一から入力する必要はありません。
e-Taxで確定申告するデメリット
e-Taxの利用にデメリットがあるとすれば、事前準備が必要になることでしょう。
パソコンなどの端末やインターネット環境はもちろん、利用者識別番号の取得やマイナンバーカードの準備などが必要で、環境が整っていなければ利用できません。一度環境を整えれば翌年以降は楽に確定申告できますが、状況次第では準備に手間がかかることもあります。
また、確定申告書を作成する際は、e-Taxよりもクラウドソフト(確定申告ソフト・会計ソフトなど)を利用したほうが、簡単で使いやすい傾向にあります。
e-Taxで確定申告するための準備
1.マイナンバーカードを用意する
マイナンバーカード方式で確定申告をする場合は、マイナンバーカードが必要です。通知カードしか手元にない場合は、市役所や区役所などで手続きを済ませ、マイナンバーカードを発行してもらいます。ID・パスワード方式で申告する場合は必要ありません。
2.利用者識別番号を取得する
e-Tax利用のためには、16桁の利用者識別番号を取得する必要があります。これには、e-Taxのログイン画面から利用者情報を登録して取得する方法や、税務署にて対面で取得する方法などがあります。
3.電子証明書の取得
マイナンバーカードにはICチップに電子証明書が組み込まれているため、改めて電子証明書を取得する必要はありません。パソコンで申告する場合は、電子証明書を読み取れるようにカードリーダーを用意しておきます。
e-Taxで電子申告するやり方は3種類(e-Taxソフト、スマホアプリ)
e-Taxで確定申告をするときの手順を3つのパターンに分けて簡単にご説明します。
①e-Tax(インストール版)で電子申告
出典:e-Taxソフトについて|e-Tax 国税電子申告・納税システム
e-Tax(インストール版)で電子申告の場合、マイナンバーカードとカードリーダーが必要です。ソフト内で申告書の編集も可能で、Windowsのみで提供されるアプリを利用します。
スマホから申告ができないので、やや不便であり、②もしくは③のパターンを利用するほうがラクな傾向です。
e-Taxソフトを利用して確定申告をするときは、以下の手順で行います。
- e-Taxソフトのインストールと起動
- 利用者ファイル作成
- 納税用確認番号や電子証明書の登録
- 帳票の作成または作成済みファイルのアップロード
- 電子署名及び電子証明書の添付
- 申告書データの送信
- 受付結果の確認
帳票などのデータ作成の前に、利用者情報の登録などが必要になる点に注意しましょう。帳票や申告書のデータについては、システム上で作成するほか、対応する確定申告ソフトのデータをアップロードする方法もあります。データの準備ができたら、システム上で電子証明書を添付し送信します。一連の流れはすべてシステム上で完結できます。
②e-Tax(Web版)で電子申告
e-Tax(Web版)で電子申告の場合、マイナンバーカードと対応するスマホもしくはカードリーダーが必要です。
Web版のe-Taxは送信のみに対応しており、編集などの機能がありません。第三表・第四表の追加や、申告書自体を修正し送信したい場合には、インストール型のe-Taxソフトを利用します。
確定申告書等作成コーナーは、案内に従ってWEB上で確定申告書を作成できるシステムです。作成開始から確定申告書作成のページへ移動します。
出典:e-Taxソフトについて|e-Tax 国税電子申告・納税システム
確定申告書等作成コーナーで作成した確定申告書のデータは、「e-Taxソフト(WEB版)」を使って送信できます。確定申告ソフトで作成したデータなど、外部データの取り込みも可能です。e-Taxソフト(WEB版)については、前述のe-Taxソフトのようにパソコンへインストールする必要はありません。
③スマホアプリで電子申告
スマホをICカードリーダライタの代わりとして使えます。
マイナンバーカードがある場合はマイナポータル連携を使い「マイナポータルアプリ」や、「マネーフォワード クラウド確定申告アプリ」から電子申告が可能です。
スマートフォンやタブレットから確定申告書類を作成することも可能です。この場合はマイナンバーカード方式となります。
「マイナポータルアプリ」というアプリをインストールしてマイナンバーカードを読み取り、その後、国税庁の確定申告書等作成コーナーで案内に従って確定申告書を作成します。
かつては、スマホ版やタブレット版では、事業所得や不動産所得で必要な青色申告決算書や収支内訳書は作成できませんしたが、現在は上記画像のように、青色申告決算書・収支内訳書も作成できます。
確定申告書等作成コーナーで申告書の作成が完了したら、e-Taxを利用してデータを送信します。
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マネーフォワード クラウド確定申告はe-Taxに対応
マネーフォワード クラウド確定申告でも、e-Taxに対応した確定申告書のデータを作成できます。e-Taxソフトやe-Taxソフト(WEB版)を使って、作成したデータの送信が可能です。
画像:マネーフォワード クラウド確定申告 スマホアプリで提出(電子申告)※画像は執筆時点のイメージであり、最新の画面と異なる場合がございます
また、マネーフォワード クラウド確定申告のアプリを使えば、スマホから確定申告ができます。確定申告の電子申告をすべてスマホから完結させたいときは、ICカードの読み取りに対応したスマホと、マイナンバーカードの準備が必要です。カードリーダーを別途用意する必要はありません。
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医療費控除の確定申告もe-Taxで可能
医療費控除の確定申告を行いたい方も、e-Taxで提出が可能です。
マイナポータル連携を利用すると、医療費控除に使用できる医療費通知情報を自動で取得できるので、より効率的に行えます。
なお、マイナポータル連携の対象は、医療費控除だけでなく、ふるさと納税・生命保険料控除・地震保険料控除・住宅ローン控除…など、さまざまな控除証明書等のデータ取得と、自動入力が可能です。
e-Taxを利用した確定申告での添付書類の扱い
確定申告では通常、控除証明書など申告の内容を証明するような書類が必要です。しかし、e-Taxでは外部の書類を添付できないため、結局は添付書類を郵送することになってしまいます。このようなe-Taxの不便を解消するために設けられたものが、添付書類省略の制度です。
社会保険料控除証明書や生命保険料控除証明書など、所得税の確定申告について第三者が作成した書類については、添付の省略が認められています。該当する書類であれば、e-Taxで確定申告したあとに改めて郵送する必要はありません。
また第三者が作成した書類以外にも、イメージデータにより提出が認められる添付書類もあります。たとえば、住宅ローン控除の登記事項証明書や契約書の写しなどです。第三者作成の添付書類の省略制度やイメージデータを活用すれば、大部分の添付書類を郵送せずに電子申告で完結させることができます。
令和5年1月以降はマイナポータルとe-Taxの連携機能がさらに強化され、e-Taxに格納されている確定申告に関する様々な個人情報を、「マイページ」からマイナポータル側で直接確認することができるようになります。また、マイナンバーカードを使った「本人確認」を事前に済ませておけば、確定申告データへの電子署名の付与を省略できます。
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e-Taxで確定申告はもっと手軽に
e-Taxのサービスが向上したことで、自宅から手軽に確定申告を行えるようになりました。近年ではスマホやタブレットからも確定申告ができます。
マネーフォワード クラウド確定申告も、スマホを使ってe-Taxでの確定申告の提出ができます。もっと楽に確定申告をしたいという方はチェックしてみましょう。
確定申告については、以下の記事で詳細を解説していますので、こちらもあわせてご覧ください。
はじめての確定申告もラクラク安心に済ませる方法
確定申告がはじめての方や、簿記の知識に不安がある方、確定申告書類の作成を効率よく行いたい方は、確定申告ソフトの使用がおすすめです。
個人事業主向け会計ソフトの「マネーフォワード クラウド確定申告」は、確定申告の必要書類が自動作成でき、Windows・Macはもちろん、専用アプリも提供しています。
①取引明細は自動で取得
銀行口座やカードを登録すると、取引明細を自動取得します。現金での支払いに関しても、家計簿のようなイメージで、日付や金額などを自分で入力することが可能です。
②仕訳の勘定科目を自動提案
自動取得した取引明細データや、受領後にアップロードした請求書・領収書などの情報をAIが判別し、仕訳を自動で入力します。学習すればするほど精度が上がり、日々の伝票入力が効率化されます。
③確定申告必要書類の自動作成機能
白色申告・青色申告の両方に対応しており、確定申告に必要な書類が自動で作成できます。また、マネーフォワード クラウド確定申告アプリで、スマホから直接の提出も可能です。印刷しての提出やe-Taxソフトでの提出にも対応しています。
マネーフォワード クラウド確定申告の導入事例
データ連携機能を使って、銀行やクレジットカードの明細データを自動で取り込むようになってからは、会計ソフトへの入力作業が減ったので、作業時間は1/10くらいになりましたね。
ハンドメイド作家・ブロガー 佐藤 せりな 様
もっと読むよくある質問
e-Taxとは?
国税関連の申告書や申請書を、インターネットを通して提出できる国税庁のシステムのことです。詳しくはこちらをご覧ください。
e-Taxのメリットは?
自宅からでも確定申告できることや、一部の添付書類を省略できること、対応している会計ソフトのデータを取り込めることなどがあります。詳しくはこちらをご覧ください。
e-Taxに必要な準備は?
利用者識別番号の取得のほか、マイナンバーカード方式の場合はマイナンバーカードの準備などが必要です。詳しくはこちらをご覧ください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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