- 更新日 : 2025年10月31日
シンパシーとは?エンパシーとの違いやビジネスでの活用例
シンパシーとは、相手と同じ感情・気持ちになることを指す言葉で、よく「シンパシーを感じる」と用いられます。エンパシーもシンパシーと同じ意味の共感や共鳴を指す言葉ですが、シンパシーはネガティブな意味で使用し、エンパシーはポジティブ意味で用いるという違いがあります。ビジネスでのコミュニケーションの1つとして活用できます。
シンパシーとは?
シンパシーは英単語のsympathyに由来する言葉で、他人と同じ感情・気持ちになる意味で使われます。相手の感情を理解して自分も同じ気持ちになることを指し、そういった感情を持ったことを「シンパシーを感じる」や「シンパシーを覚える」、「シンパシーを抱く」と表現します。
自然と同じ感情・気持ちになることをシンパシーと言い、意図的に相手の感情と同じ気持ちになるものはシンパシーとは言えません。「感じる」や「覚える」、「抱く」の動詞が続くことからわかるように、無意識に相手と同じ感情・気持ちが湧き上がってくることがシンパシーだと言えます。英単語のsympathyはギリシャ語の「syn(ともに)」と「pathos(苦しむ)」を組み合わせた言葉で、同情や共感、憐れみ、思いやりなどと訳されます。
ビジネスで使用されるシンパシーの例
シンパシーは、厳密に言うとポジティブな意味では用いません。同情や憐れみの感情共有を指す言葉で、英語圏では特に大切な人を失った相手に弔意を示したり、不幸な出来事に遭遇した相手にお見舞いの言葉をかけたりする場合にシンパシーを用います。このためビジネスシーンでシンパシーの言葉が使用されることはあまりありませんが、コミュニケーションの1つとしてプライベートな会話には時々、用いられます。
使用例
- あの小説の主人公にシンパシーを覚えるなんて、気が合うね。
- 今まではとっつきにくい相手だと思っていたけど、話してみたら意外と似ているところがあって、シンパシーを感じたよ。
- 私も大切なものをいっぺんに失った経験があるから君の今の状況にはシンパシーを感じる、一緒に頑張ろう。
- こんな風にシンパシーを抱く人とは滅多に巡り会えないだろう、これからよろしく頼むよ。
シンパシーとエンパシーの違い
エンパシーもシンパシーと同じように英単語のempathyから用いられるようになったカタカナ語で、共感や共鳴の意味を持っています。シンパシーと同じように相手と同じ感情・気持ちになることを指しますが、シンパシーがネガティブな意味で用いられるのに対し、エンパシーはポジティブな意味で用いられます。同情する、憐れむといった場合はシンパシーを使い、エンパシーは使いません。
またエンパシーとシンパシーには、相手と同じ感情・気持ちになるまでの過程も異なっています。シンパシーは自分の意志によらずに自然と湧き上がる思いを指すのに対し、エンパシーは積極的に相手に寄り添おうとして想像できる思いを指します。
ビジネスにおいてシンパシーを活用する方法
シンパシーはビジネスシーンにおいて、これから親しくなりたいという意思表示に活用できます。まだ付き合いは浅いけれども今後は親密性を高めて良好な関係を築いていきたい相手に対し、共感を得て親しみを持ってもらう目的でシンパシーを使用します。
活用例
- 同じような境遇で育ったなんて、お互いに何かシンパシーのようなものを感じますね。
- シンパシーを感じるような、ひどい体験を最近私もしました。何か縁があるのかも知れませんね。
シンパシーを上手に用いて、円滑なコミュニケーションを図ろう
シンパシーは相手と同じ感情・気持ちになることを指す言葉で、「シンパシーを感じる」や「シンパシーを覚える」、「シンパシーを抱く」などと用いられます。ギリシャ語の「syn(ともに)」と「pathos(苦しむ)」が語源で、ネガティブな感情の共有に使用します。
同じく相手との感情共有を意味する言葉にエンパシーがありますが、エンパシーはポジティブな感情共有に用いられます。シンパシーを上手に使うことで円滑なコミュニケーションが図れ、良好な人間関係がつくれるようになります。使い方には注意が必要なため、十分に理解を深めましょう。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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