- 作成日 : 2022年4月15日
転職したときの年末調整はどうなる?
会社員は、会社の年末調整によって、毎月の給料で差し引かれていた所得税の精算を行います。転職した場合は、新しい会社で年末調整をすることになりますが、年末の時点で就職していない場合や転職先へ1月以降に入社する場合は、自分で確定申告をしなければなりません。転職先で年末調整をする場合は、前職の源泉徴収票を提出する必要があります。
転職先で年末調整を行う
年末調整は転職した年でも、そうでない年と同じように会社で行ってもらうことができます。年末調整を受けるのは転職先の会社で、転職前の会社ではありません。年末調整時期に在籍していればほかの社員と同じように、書類の配布や提出時期の連絡があります。会社の指示に従って手続することで、転職先で年末調整を受けることができます。
ただし給料が翌月に支払われる会社に12月に入社した場合は、その年の12月には給料支払いがないため、年末調整も行われません。この場合は自分で、翌年2月16日から3月15日までの期間に実施される確定申告をする必要があります。
転職先の入社が12月の後の場合は?
転職前の会社を10月や11月に退職し、年が明けてからの1月や2月に転職先の会社に入社するケースは少なくはありません。こうしたケースでは、年末には会社に属していないことになり、転職前・転職先のどちらの会社にも在籍していないため、年末調整は受けることができません。自身で確定申告を行う必要があります。
ただし転職前の会社の退職日付や給与計算サイクルなどによっては、年末調整が自動的、あるいは担当者の配慮によって行われている場合があります。12月後半に退職する場合は、確認するとよいでしょう。
転職先に提出が必要な書類は?
転職先の会社で年末調整を受ける際は、転職前の会社から交付を受けた源泉徴収票を提出する必要があります。年末調整は所得税を精算する手続で、計算対象はその年1年間の所得です。転職前の会社から交付を受けた給与所得額や源泉額、社会保険料控除額といった所得税額の計算に必要な金額が記載されている源泉徴収票がなければ、年末調整を行うことはできません。転職先に入社時に提出していない場合は、年末調整の書類に添えるのを忘れないようにしましょう。
転職先での年末調整では転職前の源泉徴収票提出を忘れないようにしよう
転職した年は、転職先の会社で年末調整が行われます。ただし12月に給料の支払いがない場合や、必要書類の提出が間に合わなかった場合などは、年末調整は行われません。こうした場合には自分自身で確定申告をする必要があります。
また転職ですぐに新しい会社に入社せずに期間をおく場合に、年末に転職前・転職先のどちらにも属していないときも、年末調整は受けられません。このケースもやはり確定申告が必要です。
転職先の会社の年末調整には、転職前の会社から交付された源泉徴収票が必要です。忘れずに提出するようにしましょう。
よくある質問
転職したときの年末調整はどうすればよいですか?
転職先の会社で年末調整が行われるため、転職前の会社から交付された源泉徴収票の提出が求められます。詳しくはこちらをご覧ください。
転職先への入社まで期間が空くため、12月にどの会社にも所属していないとき、年末調整はどうすればよいですか?
自分自身で確定申告(翌年2月16日から3月15日まで)を行います。詳しくはこちらをご覧ください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
人事労務の知識をさらに深めるなら
※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。
関連記事
【見本つき】源泉徴収票の正しい書き方!扶養や保険についての注意点も解説
この記事では源泉徴収票を迷いなく書けるよう、見本つきで各項目や注意点を解説いたします。 源泉徴収票は従業員を雇用している企業が必ず毎年作成し、交付しなければならない書類です。 もし記入漏れや誤りがあると、従業員や税務署とのやり取りが増えたり…
詳しくみる年末調整での年税額の計算方法を紹介!算出所得税額の速算表の見方も
年末調整では、最終的に計算した所得税の金額と月々の給与から源泉徴収された税額を精算します。年税額とはその年の給与に対して算出した所得税額のことであり、年末調整で年税額を計算する際には、算出所得税額の速算表を使うと便利です。 年末調整での業務…
詳しくみる年末調整の保険料控除申告書の書き方
「保険料控除申告書」は、年末調整の時期に会社から各従業員に配られます。それに各人が必要事項を記入し、必要書類を添付したうえで会社に提出する重要な書類です。 正式には「給与所得者の保険料控除申告書」といい、年末調整の際に必要となります。 年末…
詳しくみる令和7年分 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書の書き⽅をわかりやすく解説!
企業は、毎年12月頃(新規採用者の場合は最初の給与を支払うとき)までには、翌年分の「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を従業員からもらいます。 この申告書をもらっておかないと、毎月の給与から源泉徴収する際の諸控除ができないばかりか、年末…
詳しくみる年末調整の仕訳と勘定科目をわかりやすく解説
年末調整は、毎月従業員から預かった源泉所得税について年間の精算を行う重要な業務です。 この年末調整の仕訳を間違うことなく計上できるようになれば、源泉所得税の一連の流れを理解できるようになったといえるでしょう。毎月の給与での預かり源泉所得税と…
詳しくみる年末調整と副業の関係
今はネットで気軽に副業ができる時代です。副業という感覚ではなく、趣味の延長でネットオークションに出品し、稼いでいる方もおられるでしょう。 「ほんのこづかい稼ぎ」のつもりで楽しくやっていたとしても、いざ確定申告の時期になると、「確定申告は必要…
詳しくみる