- 更新日 : 2025年11月18日
6時間勤務の場合の休憩時間は?休憩付与時の原則についても解説
正社員は1日8時間働き、昼休みは12時から1時間と認識している人は多いでしょう。では、パートや派遣社員などで6時間勤務の場合、休憩時間はどうなるのでしょうか。
この記事では、誤解されがちな休憩時間の法的な扱いについて、6時間勤務の場合や休憩時間に関する原則などについて解説します。
目次
6時間勤務の場合の休憩時間
労働基準法では、
使用者は、労働者に、休憩時間を除き1週間について40時間を超えて、労働させてはならない。使用者は、1週間の各日については、労働者に休憩時間を除き1日について8時間を超えて、労働させてはならない
と定められています。
労働者の健康・安全を鑑みて労働時間の上限を定め、それを超える労働を禁止するものであり、これを法定労働時間と呼びます。
ここでいう労働時間とは、拘束時間から休憩時間を除いた時間を指します。
労働基準法はあくまで労働条件の最低基準を定めたものであるため、個々の事業所が就業規則などで定める所定労働時間が法定労働時間を下回っていても、適法ということになります。むしろ、労働者の健康・安全の観点では好ましいといえるでしょう。
一般的に、事業所の1日の所定労働時間は法定労働時間と同じ8時間で、休憩時間は12時から13時までの1時間です。
では、所定労働時間が6時間の場合も同じ休憩時間としなければならないのでしょうか。実は、休憩時間の長さのルールは労働基準法三十四条一項で規定されています。
所定労働時間が6時間以下の場合は、休憩時間を与える義務はありません。実働時間がぴったり6時間であれば、休憩時間がなくても適法ということになります。
この記事をお読みの方におすすめのガイド4選
この記事をお読みの方によく活用いただいている人気の資料・ガイドを紹介します。すべて無料ですので、ぜひお気軽にご活用ください。
※記事の内容は、この後のセクションでも続きますのでぜひ併せてご覧ください。
労働基準法の基本と実務 企業がやりがちな15のNG事項
労働基準法は「労働者が人たるに値する生活を営むための労働条件の最低基準」を定めた法律です。
本資料では、企業がやりがちな違法行為を軸に、最低限把握しておきたい労働基準法の基本ルールをまとめました。
時間外労働の管理 労基法違反から守る10のルール
年5日の有給休暇の取得が義務化され、企業には正確な休暇管理が求められています。
本資料では、有給休暇に関する基本ルールをはじめ、よくあるトラブルへの対処方法を社労士がわかりやすく解説しています。
労働時間管理の基本ルール【社労士解説】
多様な働き方を選択できる「働き方改革」が世の中に広まりつつありますが、その実現には適切な労働時間管理が欠かせません。
労働時間に関する用語の定義や休憩・休日のルールなど、労働時間管理の基本ルールを社労士が解説します。
労働条件通知書・雇用契約書の労務トラブル回避メソッド
雇用契約手続きは雇入れ時に必ず発生しますが、法律に違反しないよう注意を払いながら実施する必要があります。
本資料では、労働条件通知書・雇用契約書の基本ルールをはじめ、作成・発行のポイントやトラブル事例について紹介します。
労働基準法における休憩の付与義務
労働基準法三十四条一項の休憩時間付与のルールを確認してみましょう。
6時間以上勤務する場合
労働基準法では、所定労働時間が6時間を超える場合は、少なくとも45分の休憩時間を労働時間の途中で付与しなければならないとしています。
ぴったり6時間であれば休憩時間を付与する義務はありませんが、6時間を1分でも超えれば45分以上の休憩時間を付与する必要があります。
所定労働時間が6時間超、8時間以下の場合は、同様に45分以上の休憩時間を付与する義務があります。
所定労働時間8時間、休憩時間1時間というのが一般的ですが、法的には45分でも構わないということです。この点を誤解している人が多いので、注意しましょう。
8時間以上勤務する場合
所定労働時間が8時間ぴったりであれば休憩時間が45分でも適法ですが、労働基準法では所定労働時間が8時間を超える場合は、少なくとも1時間の休憩時間を労働時間の途中で与えなければならないとしています。
8時間を1分でも超えれば、1時間以上の休憩時間を付与する必要があるのです。
休憩時間に関する原則
労働基準法では休憩時間の付与方法について、①途中付与、②自由利用、③一斉付与の3つの原則を定めています(労働基準法三十四条一項、二項、三項)。原則を順守しないと違法となるため、それぞれの内容と注意点を確認しておきましょう。
労働時間の途中で休憩時間を設ける
労働者が連続して労働すれば疲労し、その結果労災事故につながるおそれがあります。
労働基準法では、休憩は労働時間の途中で与えなければならいとしています(途中付与の原則)。業務開始前や業務終了後に休憩を与えても意味がないため、認めていません。
なお、付与する時間帯については規定がないため、「11時から」「13時から」としても適法です。最近はランチタイムの混雑を避けるため、このような時間帯に休憩を付与する企業もあります。
休憩中に業務を依頼してはいけない
会社は休憩時間を付与した場合、労働者を完全に業務から解放し、労働者の自由な利用に委ねなければなりません(自由利用の原則)。
会社によっては、昼休みに電話や来客対応のため、当番制で食事を会社で摂らせながら待機させるケースがあります。
このような待機時間は手待ち時間と呼ばれますが、明らかに業務であるため労働時間に含まれます。したがって、別途休憩を付与する必要があります。
なお、自由利用には例外があります。事業場の規律保持上必要な制限を加えることは、休憩の目的を損なわない限り認められます(昭和22年9月13日基発第17号)。
また、休憩時間中の外出について所属長による許可制とすることも、事業場内において自由に休息できる場合には必ずしも違法とはなりません(昭和23年10月30日基発第1575号)。
一斉に付与する
休憩は、全労働者に一斉に付与しなければなりません(一斉付与の原則)。したがって、当番制で休憩を取らせることはできないということになります。
ただし、この原則にも例外があります。労使協定を締結することで、当番制や個別の休憩付与が可能になります。
また、以下の特定の業種については一斉付与の適用除外とされています(労働基準法第四十条、労基法施行規則第三十一条、労働基準法別表第一)。
- 運輸交通業
- 商業
- 金融広告業
- 映画、演劇業
- 通信業
- 保健衛生業
- 接客娯楽業
- 官公署
分割してもよい
労働基準法における休憩付与についての原則は、上記の①途中付与、②自由利用、③一斉付与の3つであり、分割して付与することは認められます。
したがって、「30分×2回」という方法で付与することもできます。ただし、「5分×12回」といった小刻みな付与は、休憩の本来の趣旨である「労働者が自由に取ることができる休息時間」とはいえず、労働基準法違反となる可能性があります。
休憩時間に関する注意点
休憩の付与義務や付与の3原則について見てきましたが、ここではその他の注意点を挙げておきます。
パートやアルバイトの休憩時間
労働基準法では休憩の付与について、正社員とパート・アルバイトなどの非正規社員を区別していません。労働者であれば、等しくルールが適用されます。
パート・アルバイトであっても、所定労働時間が6時間超、8時間以下の場合は、45分以上の休憩時間を付与する義務があります。
前述のとおり、所定労働時間が6時間以下の場合は付与義務がありません。パート・アルバイトの雇用契約上の労働時間が6時間であれば、「休憩なし」としても適法です。
残業をした場合の休憩時間
労働時間が法定労働時間の8時間を超える場合であっても、労働基準法では1時間の休憩を付与するというルールしか定めていません。
したがって、労働時間が10時間や15時間になったとしても、休憩時間は1時間でも適法となります。
しかしながら長時間労働が常態化している場合、労働者の心身には大きな負担がかかります。
労働者が疲労によって倒れるなどして負傷した場合は、本人の過失を問わず労災事故として扱われます。
安全配慮義務がある使用者は過失がなくても責任を問われるため、労働時間が8時間を大幅に超える場合は、法定の1時間とは別に休憩を付与することをおすすめします。
6時間勤務の場合の休憩時間と休憩付与の原則について知っておこう!
誤解されがちな休憩時間の法的な扱いについて、6時間勤務の場合や休憩時間に関する原則などについて解説しました。
休憩時間は、労働者にとっては健康・安全に仕事をするため、使用者にとっては職場の安全配慮義務を順守する上で不可欠です。
労使ともに、あらためて法律上のルールを確認しておきましょう。
よくある質問
6時間勤務の場合、休憩は必要ですか?
6時間ぴったりの場合は不要です。詳しくはこちらをご覧ください。
パートの休憩時間は?
パートであっても、所定労働時間が正社員と同じであれば、同じ扱いにする必要があります。 詳しくはこちらをご覧ください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
人事労務の知識をさらに深めるなら
※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。
関連記事
1日の残業時間に上限はある?超えた職場はどのような罰則があるのかも解説
1日の残業時間には上限が定められていません。ただし、36協定を結ぶことで月45時間までの残業時間が認められており、超えた場合、特別条項が未適用の場合は違法です。 あまりにも多く残業している従業員のなかには、職場や企業に適用されている残業時間…
詳しくみる年休は時間単位でとれる?日数の上限や給与計算方法、導入について解説
年次有給休暇(年休)は、労使協定を締結することで時間単位での取得が可能です。上限は年5日(所定労働時間×5日分)までです。 本制度は、通院や子どもの学校行事など、短時間の用事に対応できる柔軟な休暇取得を可能にしています。本記事では、年休の日…
詳しくみる所定労働時間と実労働時間の違いは?給与計算や社会保険への影響を解説
企業の労務管理において基本となる「所定労働時間」と「実労働時間」。これらの言葉の違いを正確に理解していますか。両者は似ているようで、定義も役割も異なります。この違いを曖昧にしていると、残業代の計算ミスや社会保険の加入漏れなど、思わぬ労務トラ…
詳しくみるプレミアムフライデーとは?実質終了?企業事例や導入方法を解説
プレミアムフライデーとは、政府と経済界が提唱したキャンペーンの名称です。2017年2月からはじまりました。2024年5月現在では、主体となっていたプレミアムフライデー推進協議会のウェブサイトは閉鎖され、経済産業省に引き継がれています。プレミ…
詳しくみる健康診断は有給、無給?業務時間内、休日どちらで行くべき?ルールを解説
会社は労働者に対して健康診断を受けさせる義務があります。働く人の健康を維持し、職場の安全を確保するために必要だからです。しかし、「健康診断を受けるときに有給休暇を使わなければならないのか?」や「業務時間中に受けても良いのか?」といった疑問を…
詳しくみる労働時間が週40時間を超えたらどうする?労働時間の計算方法や対応を解説!
労働者に課すことのできる労働時間は労働基準法で厳格に制限されており、原則1日8時間・週40時間以内となっています。超えた場合は36協定を締結し割増賃金を支払わなければなりません。変形労働時間制・裁量労働制・アルバイトなど働き方の多様化に伴い…
詳しくみる



