- 更新日 : 2025年11月11日
有効求人倍率とは?計算方法や最新情報を紹介!
有効求人倍率とは求職者数と求人数の割合を示す数値です。求職者に対して求人がどのぐらいあるかを表し、求人数を求職者数で割って計算されます。求職者数と求人数が同じである場合に1になり、求人が多いと1より大きくなり、求人が不足していると1より小さくなります。雇用状況を表す重要な指標であり、推移は景気動向の判断に用いられます。
目次
有効求人倍率とは?
有効求人倍率とは、有効求職者数に対する有効求人数の割合の数値です。求職者が求人数に対してどれだけ存在しているかを表し、労働市場の需給バランスを示します。推移からは経済の動向が判断でき、重要な経済指標として用いられます。
厚生労働省によりハローワークにおける求人・求職の状況から算出し、一般職業紹介状況(職業安定業務統計)で毎月公表されています。
有効求人倍率における「有効」とは?
有効求人倍率の「有効」とは、求職者が求人に応募できる状態であることを意味します。申込みのあった日を含めて3ヵ月の求職・求人から計算される指数が有効求人倍率です。求人倍率を示す指標には有効求人倍率の他に、新規求人倍率と月間有効求人倍率があります。
- 有効求人倍率申込みのあった日を含めて3ヵ月間の求職者数に対する求人数の割合
- 新規求人倍率申込みのあった日を含める各月の求職者数に対する求人数の割合
- 月間有効求人倍率前月から繰り越された求職者数・求人数と新規求職者数・求人数の合計から求める求人倍率
有効求人倍率が高い・低い場合はどう考えればよい?
有効求人倍率は求職者1人に対して何件の求人があるかを示す指標です。有効求人倍率が高い場合、求職者にとって競争は少なくなり、優位に立つことができます。逆に有効求人倍率が低い場合は、求職者の競争は激しくなると考えられます。
最新の有効求人倍率データ
2022年平均の有効求人倍率は1.28で、前年の1.13に比べて0.15上昇しました。平均の有効求人は前年に比べて12.7%増え、平均の有効求職者は前年に比べて0.7%減っています。
【有効求人倍率の推移】
| 2018年 | 1.61 |
|---|---|
| 2019年 | 1.60 |
| 2020年 | 1.18 |
| 2021年 | 1.13 |
| 2022年 | 1.28 |
有効求人倍率の計算方法
有効求人倍率は過去3ヵ月間の申込みされた求人数を、同じく過去3ヵ月間に申込みされた求職者数で割って求めます。計算式は以下の通りで、求職者数と求人数が同じである場合に1倍となります。
・有効求人倍率を求める計算式
例えば過去3ヵ月間の申込みされた求人数が100人、求職者数が110人の場合は次のように計算します。
100/110=0.91
過去3ヵ月間の申込みされた求人数が100人、求職者数が90人の場合は次のように計算します。
100/90=1.11
有効求人倍率を参考にするうえでの注意点
有効求人倍率は雇用状況を示す指標で、職業への就きやすさを表しています。就職・転職活動で有利か不利かの基準にできますが、以下に説明するような注意点もあります。
ハローワーク以外の求人・求職は含まない
有効求人倍率はハローワークに申込みがあった求人・求職の情報に基づいて計算されます。ハローワークに申し込まれていない求人・求職は計算に含まれないため、実態とは差が生じます。求職活動では民間の就職・転職情報で、求人に対する求職者の割合などをチェックする必要があります。
正規・非正規雇用の区別はない
有効求人倍率は正規・非正規雇用を区別していないため、正規雇用で求職をしている場合は参考になりにくい点にも注意しなければなりません。正規雇用と非正規雇用で求人・求職数に大きな差がある場合に、とくに気をつける必要があるでしょう。
有効求人倍率を人材の流出防止に役立てよう
有効求人倍率とは求職者数と求人数の割合を示す数値です。1人の求職者に対して何人の求人があるかを表し、数値が大きい場合は求人が多くあり、数値が小さい場合は求人が少ないことを表します。
求人数を求職者数で割って計算され、求職者数と求人数が同じ場合は1になります。1より大きいと求職者より求人数が多いため売り手市場、1より小さいと求人数より求職者数が多いため買い手市場であることを示します。
有効求人倍率は雇用状況を示し、求職・転職活動において求職者が有利か不利かの把握に用いられます。数値が大きい場合は求職者優位であるため、転職も求職者にとって有利に働きます。そして有効求人倍率の動向は、自社内で転職・退職を考えている人を後押しする可能性もあるため、人材の流出防止のためにも注視し続ける必要があるでしょう。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
人事労務の知識をさらに深めるなら
※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。
関連記事
中途採用の入社手続きの流れは?入社前と後にわけて必要書類や注意点を解説
中途採用が確定した場合、さまざまな入社手続きを行います。新卒採用者と異なり、中途採用は不定期で行われるため、いつでも対応できるよう準備が必要です。 本記事では、中途採用の入社手続きの流れについて解説します。税金や社会保険に関する手続きのほか…
詳しくみるコンティンジェンシープランとは?リスク管理方法や企業事例、BCPとの違い | 給与計算ソフト「マネーフォワード クラウド給与」
コンティンジェンシープランは、企業が予期しないリスクから自身を守り、事業の持続性を確保するための重要なツールです。この記事では、コンティンジェンシープランの定義、注目される背景、企業事例、策定方法、そして策定時の注意点について詳しく解説しま…
詳しくみるATS(採用管理システム)とは?意味や選び方を解説!
企業における人材採用の効率化は、競争優位を築く鍵となります。最近、注目されているATS(採用管理システム)は、そのための最先端のツールといえるでしょう。 この記事では、ATSの基本的な意味やその注目されている背景、主要機能、選び方のポイント…
詳しくみる課長手当の相場はいくら?企業規模や業界別の違い、決め方を解説
課長に支払う役職手当の相場は、月額でおおよそ5万円から8万円が目安とされています。ただし、実際の金額は企業の規模や業種、そして課長に求める責任の重さによって大きく異なります。 適切な課長手当の設計は、社員のやる気や人材の定着、さらには残業代…
詳しくみるジェンダーギャップとは?意味や日本が低い理由、企業の対策・事例を解説
ジェンダーギャップという言葉を聞くけど、どういう意味なのかわからないという方も多いでしょう。今回は、男女の性差によって生じる格差であるジェンダーギャップについて詳しく解説します。 ジェンダーギャップの概要のほか、ジェンダーギャップによって生…
詳しくみるコミュニケーションとは?意味や能力を鍛える方法、コミュ不足による失敗例を解説 | 給与計算ソフト「マネーフォワード クラウド給与」
コミュニケーションは、人々が感情や思考を伝える手法です。同じ企業で働く従業員の間の情報共有だけではなく、働きやすい職場作りや、信頼できる関係性の基盤ともなります。 ここでは、コミュニケーションの意味について解説するとともに、職場でのコミュニ…
詳しくみる