- 更新日 : 2024年12月24日
有効求人倍率とは?計算方法や最新情報を紹介!
有効求人倍率とは求職者数と求人数の割合を示す数値です。求職者に対して求人がどのぐらいあるかを表し、求人数を求職者数で割って計算されます。求職者数と求人数が同じである場合に1になり、求人が多いと1より大きくなり、求人が不足していると1より小さくなります。雇用状況を表す重要な指標であり、推移は景気動向の判断に用いられます。
目次
有効求人倍率とは?
有効求人倍率とは、有効求職者数に対する有効求人数の割合の数値です。求職者が求人数に対してどれだけ存在しているかを表し、労働市場の需給バランスを示します。推移からは経済の動向が判断でき、重要な経済指標として用いられます。
厚生労働省によりハローワークにおける求人・求職の状況から算出し、一般職業紹介状況(職業安定業務統計)で毎月公表されています。
有効求人倍率における「有効」とは?
有効求人倍率の「有効」とは、求職者が求人に応募できる状態であることを意味します。申込みのあった日を含めて3ヵ月の求職・求人から計算される指数が有効求人倍率です。求人倍率を示す指標には有効求人倍率の他に、新規求人倍率と月間有効求人倍率があります。
- 有効求人倍率申込みのあった日を含めて3ヵ月間の求職者数に対する求人数の割合
- 新規求人倍率申込みのあった日を含める各月の求職者数に対する求人数の割合
- 月間有効求人倍率前月から繰り越された求職者数・求人数と新規求職者数・求人数の合計から求める求人倍率
有効求人倍率が高い・低い場合はどう考えればよい?
有効求人倍率は求職者1人に対して何件の求人があるかを示す指標です。有効求人倍率が高い場合、求職者にとって競争は少なくなり、優位に立つことができます。逆に有効求人倍率が低い場合は、求職者の競争は激しくなると考えられます。
最新の有効求人倍率データ
2022年平均の有効求人倍率は1.28で、前年の1.13に比べて0.15上昇しました。平均の有効求人は前年に比べて12.7%増え、平均の有効求職者は前年に比べて0.7%減っています。
【有効求人倍率の推移】
2018年 | 1.61 |
---|---|
2019年 | 1.60 |
2020年 | 1.18 |
2021年 | 1.13 |
2022年 | 1.28 |
有効求人倍率の計算方法
有効求人倍率は過去3ヵ月間の申込みされた求人数を、同じく過去3ヵ月間に申込みされた求職者数で割って求めます。計算式は以下の通りで、求職者数と求人数が同じである場合に1倍となります。
・有効求人倍率を求める計算式
例えば過去3ヵ月間の申込みされた求人数が100人、求職者数が110人の場合は次のように計算します。
100/110=0.91
過去3ヵ月間の申込みされた求人数が100人、求職者数が90人の場合は次のように計算します。
100/90=1.11
有効求人倍率を参考にするうえでの注意点
有効求人倍率は雇用状況を示す指標で、職業への就きやすさを表しています。就職・転職活動で有利か不利かの基準にできますが、以下に説明するような注意点もあります。
ハローワーク以外の求人・求職は含まない
有効求人倍率はハローワークに申込みがあった求人・求職の情報に基づいて計算されます。ハローワークに申し込まれていない求人・求職は計算に含まれないため、実態とは差が生じます。求職活動では民間の就職・転職情報で、求人に対する求職者の割合などをチェックする必要があります。
正規・非正規雇用の区別はない
有効求人倍率は正規・非正規雇用を区別していないため、正規雇用で求職をしている場合は参考になりにくい点にも注意しなければなりません。正規雇用と非正規雇用で求人・求職数に大きな差がある場合に、とくに気をつける必要があるでしょう。
有効求人倍率を人材の流出防止に役立てよう
有効求人倍率とは求職者数と求人数の割合を示す数値です。1人の求職者に対して何人の求人があるかを表し、数値が大きい場合は求人が多くあり、数値が小さい場合は求人が少ないことを表します。
求人数を求職者数で割って計算され、求職者数と求人数が同じ場合は1になります。1より大きいと求職者より求人数が多いため売り手市場、1より小さいと求人数より求職者数が多いため買い手市場であることを示します。
有効求人倍率は雇用状況を示し、求職・転職活動において求職者が有利か不利かの把握に用いられます。数値が大きい場合は求職者優位であるため、転職も求職者にとって有利に働きます。そして有効求人倍率の動向は、自社内で転職・退職を考えている人を後押しする可能性もあるため、人材の流出防止のためにも注視し続ける必要があるでしょう。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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