- 更新日 : 2025年11月11日
ハインリッヒの法則とは?具体例や重大事故を防止する取り組みを紹介
ハインリッヒの法則とは、1件の重大災害があれば、その裏には29件の軽微な事故と300件の事故に至らない危険な状況が隠されているという法則のことです。この法則から迅速に災害の背景を把握して、対策を考えることが大切です。本記事では、ハインリッヒの法則の概要や、重大事故を防止するための法則の利用について解説します。
目次
ハインリッヒの法則(1:29:300の法則)とは?
ハインリッヒの法則とは、事故や災害が発生するパターンに関する法則のことです。具体的には、1件の重大事故や災害に対して、29件の軽微な事故と300件の事故には至らない危険な状況(ヒヤリハット)が隠されているとされています。この割合から、ハインリッヒの法則は「1:29:300の法則」とも呼ばれています。
ハインリッヒの法則の目的は、単なる重大事故についての割合を示すものだけではありません。その目的は、軽微な事故や事故には至らない危険な状況を防いで、重大事故や災害を起こさないようにすることです。
本項では、ハインリッヒの法則の提唱者や、ヒヤリハットとの関係からハインリッヒの法則とはどういう法則なのかについて解説します。
法則の提唱者は「ハーバート・ウィリアム・ハインリッヒ」
ハインリッヒの法則の提唱者は、アメリカの損害保険会社で技術、検査部門に携わり統計分析の専門家であった「ハーバート・ウィリアム・ハインリッヒ」です。ハインリッヒの法則は、ハインリッヒが工場で起こった労働災害における統計学的な調査をした結果、導き出された法則です。
ハインリッヒは、1931年にこの法則を「Industrial Accident Prevention」という著書で発表しました。日本においては1951年に「災害防止の科学的研究」として翻訳され、ハインリッヒの法則が労働事故への注意喚起として利用されています。
ヒヤリ・ハットとの違い
ヒヤリハットとは、危険な状況にあってケガに事故が起こりそうだったものの、実際にはケガや事故には至らなかった事象のことです。想定していない出来事に「ヒヤリ」と感じたり、事故を引き起こしそうなミスに「ハッ」としたりすることから、ヒヤリハットと呼ばれています。ハインリッヒの法則の中では300件の事故には至らない危険な状況が、ヒヤリハットです。
ヒヤリハットは重大事故や軽微な事故につながる潜在的な危険性を含んでいるため、具体例を共有することで心理的安全性を高めることできます。また、ヒヤリハットの具体例から対策を立てることにより、重大事故の発生を防ぐことができると考えられています。
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ハインリッヒの法則に関連する法則
ハインリッヒの法則に関連する法則として、バードの法則やタイ=ピアソンの法則などがあります。本項では、バードの法則やタイ=ピアソンの法則とはどのような法則なのかや、ハインリッヒの法則との違いについて解説します。
バードの法則
バードの法則は、1969年にフランク・バードによって提案された法則です。ハインリッヒの法則と同様に、事故や災害の割合をさらに詳細化しています。その割合は1件の重大事故や災害に対して、10件の軽微な事故、30件の物損事故、600件の事故には至らない危険な状況(ヒヤリハット)が隠されるとされ、「1:10:30:600の法則」と呼ばれています。
物損事故が加えられていることと比率が、ハインリッヒの法則と異なる点です。しかし、ハインリッヒの法則と同様にヒヤリハットが重大事故につながる潜在的な危険性を含んでいるという考え方は変わっていません。
タイ=ピアソンの法則
タイ=ピアソンの法則は、1974年から1975年にかけて、タイ(Tye)とピアソン(Pearson)によって提案されました。1件の重大事故や災害の背景には、3件の軽微な事故、50件の応急処置、80件の物損事故、400件の事故には至らなかった危険な状況があるという法則です。
タイ=ピアソンの法則は、ハインリッヒの法則と同様に事故や災害の割合を予測する法則で、「1:3:50:80:400の法則」と呼ばれています。
ハインリッヒの法則は重大事故の防止に役立つ
ハインリッヒの法則は1:29:300という事故や災害の割合を単に示すものだけでなく、大事故を未然に防ぐという重要なポイントがあります。ハインリッヒの法則を意識することで、事故には至らないミスやヒヤリハットが起きないように日頃から注意をするようになります。
また、その情報などをできるだけ早く共有して、適切な対策を講じることが事故防止の面で役立つのです。
ハインリッヒの法則をもとに重大事故を防止するためには
ハインリッヒの法則とは、重大事故や災害に関する経験をもとに割合を法則化したものです。そのため、ハインリッヒの法則をもとに対策をすることで、重大事故を防止できることになります。本項では、ハインリッヒの法則をもとに重大事故を防止するための方法について解説します。
些細な危険性も共有できる環境を構築する
ハインリッヒの法則の1:29:300の割合のうち、300の部分である事故には至らなかった危険な状況は、多くの場面で発生します。その事故には至らなかったミスやヒヤリハットの発生状況や原因などの具体例を共有することが、重大事故の防止にはとても重要です。
具体的には、朝礼や終礼で共有の場を設けたり、些細な危険性でも報告・連絡・相談できる環境を構築したりすれば、重大事故を防止できるでしょう。
事故リスクのある内容についてはすぐに対応する
事故には至らなかったミスやヒヤリハットなどを共有する環境を構築できたら、改善方法や対応策を決定する部署や担当者を決めて速やかに対応できる体制を作ります。
部署や担当者に共有された事故には至らなかったミスやヒヤリハットなどは、具体的な問題点やリスク要因を特定することが重要です。その中でも事故リスクのある内容については、迅速に対応することにより重大事故の防止につながるでしょう。
ハインリッヒの法則を正しく活用することで安全な職場環境を実現しよう
ハインリッヒの法則とは、1件の重大事故には29件の軽微な事故と300件の事故には至らない危険な状況(ヒヤリハット)が隠されているという法則です。この法則は事故や災害の割合だけの法則ではなく、ヒヤリハットなどの共有や迅速な対応策の構築などに活用できます。
ハインリッヒの法則を正しく活用することで、重大事故の防止対策を講じることができ、安全な職場環境を実現することが可能になるでしょう。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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