- 更新日 : 2024年12月24日
自己啓発とは?目的やメリット・デメリットを解説!
自己啓発とは自分のスキル・能力を向上させるための取り組みを指します。従業員が自己啓発を行うと効率的に業務ができたり高い技術を要する作業ができたりと、仕事にも良い影響を与えます。企業の成長・発展にもつながるため、奨励する制度を設けるなど、従業員の自己啓発を積極的に支援することが求められます。
自己啓発とは?
自己啓発とは自らの意志によって行う、自分を高めるための取り組みを指します。他人に強制されてやるのではなく、自分で考えて実行します。例えば企業が従業員に対して行うOJTや研修などは業務遂行に必要な学びの場ですが、自己啓発はあくまで自分の自由意志で取り組むことを決定するものです。
具体的には本を読む、セミナー・ワークショップに参加する、資格取得を目指すことなどを指します。結果として自分の能力・スキルについて新たなものが獲得できたり既存のものが向上したりするため、それらを活用することで仕事でも良い影響がもたらされると期待できます。
自己啓発はなぜ必要?その目的は?
もともと自己啓発は、自らの意志で自分自身の成長を促し、仕事に活かしたり生活を豊かにしたりする目的で推奨されてきました。社会の変化が急速になっている現代においては自己啓発の必要性は今まで以上に高まり、企業にも支援制度の確立などが求められるようになってきています。
社会の変化により自己啓発が必要とされる理由には、仕事の内容や質が変わってきていることが挙げられます。例えばDX(デジタル・トランスフォーメーション)が進んだことにより、デジタル専門ではない一般の労働者にもある程度の知識が求められるようになりました。
また、AI技術が発展したことで従来は人の手で行ってきた業務は自動化され、人間にしかできない業務に特化することが求められるようになっています。さらに、グローバル化や多様化の進展により、社内に外国人労働者やさまざまな事情を抱えた労働者が増えていることから、外国語能力の向上も必要とされています。
自己啓発を行うメリット・デメリット
自己啓発のメリットには、次の3点が挙げられます。
- 仕事に活かせる自己啓発によって向上させた能力・スキルは仕事に活かせます。人事考課で高評価がつき、昇給や昇進につながります。職場で他の従業員からの信頼が得られ、人間関係が良好になる効果も期待できます。質問や相談を受けることでコミュニケーション能力向上も図れるでしょう。
- 確実に自分を高められる自己啓発は継続して行うことで、確実に自分を高めることができます。自分自身では気づかなくても成長はきちんとしており、努力が無駄になることはありません。
- 心の成長につながる人間誰しも楽をしたいものです。さまざまな誘惑に負けず自己啓発を行うことは、簡単なことではありません。強制されていないのにもかかわらず、休みたい・遊びたいという誘惑に負けずに自己啓発を行うことは心の成長につながります。
反対に自己啓発を行うデメリットとされるのは、次の3点です。
- やることが目的になりやすい目標を持って始めた自己啓発も、取り組んでいくうちに当初に立てた目的を見失ってしまうことがよくあります。そのまま続けていると、やがて取り組み自体が目標となってしまうこともあるため、注意が必要です。
- 効果が実感しにくい自己啓発は自分を高めるために行うものですが、取り組み方によっては、効果が実感できないこともあります。こうした場合、モチベーション低下へとつながるデメリットがあります。
- 費用をオーバーしやすい自己啓発は到達点が明確化されていないと、どの程度やるべきかという判断がつきにくいことを特徴としています。そのためにいろいろなものに手を出したり必要以上のものを行ったりして費用をかけすぎてしまう点もデメリットとされています。
自己啓発のやり方
自己啓発にはいろいろなやり方があります。テレビやラジオ、インターネット、動画で教育系の番組やサイトを視聴・購読しても、自己啓発になります。ここでは代表的な自己啓発のやり方をご紹介します。
資格取得
1つ目の自己啓発のやり方は資格取得です。資格取得を目的に勉強することから、能力・スキルの向上につながります。仕事関連のものを選ぶとすぐに活かすことができますが、そうではないものでも、間接的に役立てたり後になってから活用できたりすることも少なくありません。目標が明確化されているため途中で投げ出しにくいというメリットもあります。
セミナー
セミナーへの参加も代表的な自己啓発のやり方です。自己啓発セミナーにはホールなどでの大規模なもの・会議室などでの小規模なもの、料金別に有料のもの・無料のもの、数ヵ月かかる長期のもの・1日で修了するものなど、さまざまなものがあります。セミナーに参加することで知見を広めることができ、外部のセミナーに参加することによって交流関係を広めるというメリットもあります。
ワークショップ
自己啓発のやり方には体験型講習会であるワークショップへの参加も挙げられます。ワークショップは実際に作業をしながら学んでいく場で、基本的に座って講師の話を聞くだけのセミナーとは異なり、実践的な学習とすることができます。
書籍
書籍を読んで学ぶことも、代表的な自己啓発の1つです。書籍による自己啓発では、いわゆる「自己啓発本」を読むことが挙げられますが、その他の書籍を読むことも自己啓発につながります。業務に必要な知識や結びつく可能性がある技術などについての専門書や教本、テキストを読むことも自己啓発につながります。
以上のように自己啓発には、多くの方法がありますが、継続し、効果を出すには一定のコストが生じます。会社としては、自己啓発を奨励する上では、奨励金などの支援策を講じることが重要であると言えるでしょう。
自己啓発のメリットを理解し、従業員を支援しよう
自己啓発とは自分の意志で行う、能力・スキル向上のための取り組みです。従業員が自己啓発を行うことによって仕事にも活かされ、企業活動にもプラスに働きます。めまぐるしいスピードで変化していく現代社会では、労働者も求められている変容に対応していかなければなりません。
自己啓発の代表的なやり方には資格取得やセミナー・ワークショップの参加、書籍を読むなどの学習が挙げられます。企業にも当然、支援制度を設けるなどして従業員の自己啓発を積極的に後押しすることが求められます。メリットやデメリット、やり方に対する理解を深め、支援に活かしましょう。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
人事労務の知識をさらに深めるなら
※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。
関連記事
パワハラの加害者への処分がなしになるケースは?処分の選択基準や、その他の措置について解説
事業主は、職場の秩序を維持し、労働者をパワハラ被害から守る義務があります。そのため、パワハラ行為に対しては就業規則に基づき懲戒処分を科す、就業規則の処分該当事由に該当しない場合でも必要な措置を取るなどの対応が必要です。本記事では、パワハラ加…
詳しくみるネガティブフィードバックは危険?意味やNG例、伝え方のコツを解説
フィードバックにはいくつか方法がありますが、その1つがネガティブフィードバックです。相手の良くなかったネガティブな点を指摘して、改善を促すフィードバックをしていきます。 ただし、マイナス面に目を向ける評価手法のため、注意したいポイントがある…
詳しくみる目標設定とは?立て方のコツや具体例を紹介
目標設定とは、ビジネスにおけるゴールや目的を設定することです。具体的には、販売目標や営業目標などが該当します。カスタマーサポートなどでは、顧客の視点に立って目標を立案し、クレーム発生率を抑える取り組みなども一般的です。当記事では、目標設定の…
詳しくみる【テンプレ&例文あり】お詫び状とは?書き方やメール・電話で伝えるコツを紹介
お詫び状とは、ビジネスシーンでお客様や取引先に不快な思いをさせたり不手際があったりした際に、謝罪の気持ちを伝える書状です。お詫び状を送付する機会が少ない方は、送るタイミングや送り方、記載すべき内容や書き方がわからず苦慮することも多いかもしれ…
詳しくみるコンティンジェンシープランとは?リスク管理方法や企業事例、BCPとの違い
コンティンジェンシープランは、企業が予期しないリスクから自身を守り、事業の持続性を確保するための重要なツールです。この記事では、コンティンジェンシープランの定義、注目される背景、企業事例、策定方法、そして策定時の注意点について詳しく解説しま…
詳しくみる労働時間の端数処理とは?切り上げ、切り捨てルール、計算例まとめ
労働時間の端数処理は、正確な賃金支払いのために欠かせない実務対応です。処理方法を誤ると、1分未満の端数であっても賃金トラブルや労使間の不信感につながるおそれがあります。原則として労働時間は1分単位で集計し、処理を行う場合はそのルールを明確に…
詳しくみる