- 更新日 : 2025年8月21日
労働者名簿の履歴はどこまで書けばいい?
労働者名簿の「履歴」については、法的に明確な記載範囲の定めはありません。そのため、記載する内容や範囲は会社の判断に委ねられています。
目次
労働者名簿で記載することが多い履歴の内容
労働者名簿の「履歴」には、従業員の入社前の経歴や社内での職務変遷を記載しますが、どこまで詳細に書くべきかについては、以下の順序で考えるとわかりやすいです。
1. 入社前の経歴
最初に記載するのは入社前の経歴です。
- 最終学歴
必須ではありませんが、必要に応じて最終学歴を記載します。例えば、「〇〇大学 経済学部 卒業」といった形で、最終学歴のみを記入することが一般的です。 - 職歴
必要に応じて、直前の職歴を記載します。例えば、「前職:営業マネージャー」「前職:〇〇株式会社 技術部」といった情報を記載すると、従業員の経験やスキルが把握しやすくなります。
2. 入社後の履歴
入社後の経歴も記載するとよいでしょう。入社後の異動や昇進、役職変更などの重要な人事異動があった場合は、その都度更新します。
- 部署や役職の変更
従業員が異動したり、昇進したりした場合は、日時とともに記録します。たとえば、「2023年4月:営業部に配属」「2025年10月:営業部リーダーに昇格」などのように具体的な情報を記載します。 - 業務内容の変更
業務内容が大きく変わった場合、もしくは異なる業務に就くようになった場合も記録しておきます。たとえば、「2026年4月:プロジェクト管理業務に従事」といった形で記録することで、業務範囲が明確にわかるようになります。
3. 特定の業務経験や資格取得(安全衛生上必要な場合)
業務内容によっては、安全衛生の観点から特定の経験を記録しておくと有用です。また、資格取得も業務に関連するものであれば記載します。
- 特定業務の従事歴
安全衛生管理のために特定業務の履歴が必要な場合もあります。たとえば、「2024年1月〜2026年3月:溶接作業に従事」「2027年〜:アスベスト除去作業の経験あり」といった記載が考えられます。 - 資格取得
業務に関連する資格を取得した場合は、その取得年月と資格名を記録します。例えば、「2025年4月:宅地建物取引士取得」「2026年9月:フォークリフト運転技能講習修了」と記載します。
労働者名簿のテンプレート(無料)
以下より無料のテンプレートをダウンロードしていただけますので、ご活用ください。
労働者名簿の履歴に関しては法令で細かい記載方法が定められていない
労働者名簿の「履歴」欄に記載する内容について、法令上の具体的な指示はありません。従業員のキャリアや業務履歴が把握しやすくなるよう、必要に応じて更新しておくとよいでしょう。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
人事労務の知識をさらに深めるなら
※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。
関連記事
契約社員とは?パートとの違いやメリット・デメリットを解説
契約社員とは、契約期間に定めのある有期労働契約の社員です。正社員は契約期間に定めのない無期雇用なのが契約社員との違いとなります。 有期契約社員にはデメリットしかないと思われがちです。正社員を雇用せず契約社員にする理由はどこにあるのでしょうか…
詳しくみる就業規則の退職2ヶ月前ルールは無視できる?早く退職したい場合のポイントも解説
「退職は2ヶ月前までに申し出る」という就業規則に戸惑っていませんか?「長すぎる」「無視したらどうなる?」「もっと早く辞めたい」そんな悩みを抱える方は多いでしょう。 本記事では、就業規則の2ヶ月前ルールの理由や法的拘束力、民法との関係、無視し…
詳しくみる懲戒解雇の退職金はどうなる?不支給・減額の適切な対処法や注意点
企業経営において、従業員の懲戒解雇は避けられない事態となることがあります。しかし、それに伴う退職金の問題が、企業に新たなリスクをもたらす可能性があることを忘れてはいけません。 本記事では、懲戒解雇に伴う退職金の適切な取り扱い方や解雇手続きに…
詳しくみる研修ニーズ調査を実施する理由は?アンケートフォームの無料テンプレートつき
研修ニーズ調査は、受講者の研修に対する満足度を測定するとともに、研修計画を作成する際の貴重なデータになります。調査の結果を効果的に活用するためには、質問と回答選択肢を工夫するとともに、受講者の多様な意向も確認することも大切です。本記事では、…
詳しくみる社宅家賃の消費税は課税?非課税?税務上のルールや仕訳処理を解説
社宅家賃の消費税は居住用であれば非課税です。ただし、社宅を維持するために必要なその他の費用は、内容により課税対象のものもあります。 正しい経理処理を行うには、社宅に関する費用の消費税の扱いについて理解しておくことが大切です。 本記事では、非…
詳しくみるネガティブフィードバックは危険?意味やNG例、伝え方のコツを解説
フィードバックにはいくつか方法がありますが、その1つがネガティブフィードバックです。相手の良くなかったネガティブな点を指摘して、改善を促すフィードバックをしていきます。 ただし、マイナス面に目を向ける評価手法のため、注意したいポイントがある…
詳しくみる